企業とともに、エンドユーザーの体験価値向上を目指す。B2B2Cの理想を追求するプレイドのCS

本記事は「成長中SaaSのカスタマーサクセスの中を覗いてみよう」の第4回です。

プレイド社が開発・提供するCXプラットフォーム「KARTE」。企業と顧客との接点は、ウェブだけでなくSNSやアプリなど多様化しています。また、メールやチャット、アプリのプッシュ通知など、人によって求めるコミュニケーション手段も様々です。KARTEはそういった顧客の行動や感情を一人ひとりの軸でリアルタイムに解析し、その人に合った最適な体験の提供を可能にします。

今回はカスタマーサクセス(以下CS)にてマネージャーを務める杉浦さまと、主にエンタープライズ企業のCSをリードしている大畑さまに、KARTEの目指す世界観やCSの取り組みについてお聞きしました。

株式会社プレイド Customer Success Manager 杉浦 椋太 氏
株式会社クラウドワークスに新卒入社。法人営業やソリューション開発などを経験した後、2018年7月にプレイドに参画。 入社後はインサイドセールスからCustomer Successまで幅広く経験し、現在はマネージャーとしてCustomer Success全体を俯瞰し、リードしている。
株式会社プレイド Enterprise Customer Success 大畑 充史 氏
大手金融会社にて事業開発やアライアンス業務を担当したのち、プレイドに参画。入社後は主にエンタープライズ企業の事業により深く入り込み、パートナーとして価値共創を図っている。

CS Profile@プレイド

KARTEはマーケティングツールではない?CXプラットフォームとしての可能性

― まずは「KARTE」について詳しくお聞かせください。「ネット上の顧客行動を分析するマーケティングツール」という認識なんですが、これは正しいでしょうか?

大畑:現状最も多い使われ方で言うとマーケティングツールというのは正しいのですが、KARTEのケイパビリティで言うと正しくないと思っています。

現時点ではデジタル中心にはなるんですが、「ユーザー一人ひとりの行動を可視化し、適切に捉え続けることができるプロダクト」という認識をしています。例えばお電話で問い合わせてきたお客様が、その直前にウェブサイトでどんな行動をしていたのかは重要な情報で、それがわかれば業務改善に活かすことができます。

また、KARTE Datahubというデータの統合・利活用プラットフォームもあります。これは顧客データや行動データなど社内外に点在するデータを統合し、アクションまでをワンストップに繋ぐサービスで、データを事業成長のためのアセットに昇華させることが可能です。今までオンプレミスでいくつものサービスを使いながらSIerがフルスクラッチで作っていたところを、とりあえずデータを投げ込んでもらえれば、マーケティング用途であれ基幹システムに戻す用途であれ、活用しやすい状態にすることができるんですね。その点を含めると、「全方位的に使うことができるプラットフォーム」とも言えます。

つまり、KARTEが基盤データとして機能することでマーケティングだけでなく事業開発やシステム基盤設計、経営戦略などあらゆる分野に活用することが可能なので、我々は「CXプラットフォーム」と呼んでいます。

― どのような企業が多く導入されていますか?

杉浦:業界問わずあらゆる企業にご活用いただいているのですが、直近はおかげ様で金融機関や保険会社など、金融領域のお客様のご利用が増えてきています。情報の非対称性や、サービスが多いがゆえにエンドユーザーが判断に迷ってしまうといった課題に対して、KARTEを通じて企業がエンドユーザーのことを理解し、最適なコミュニケーションを届けたいというニーズが高まってると感じています。

― KARTEのどういった点に期待して導入を決められる方が多いですか?

杉浦:NPS®(Net Promoter Score/顧客ロイヤルティを数値化する指標)の結果を見ると、大きく二つあります。

一つは圧倒的にユーザー理解とコミュニケーションの改善サイクルが早くなる、という点ですね。現在、マーケターの方に導入いただくことが多いのですが、彼らは「ユーザーとのコミュニケーションに際して、越えなければいけないハードルが多い」というペインを抱えています。SQL(Structured Query Language)が書けないとユーザーを深く知ることができない、ユーザーインタビューをしないと行動の裏にある定性的な原因がわからない、ユーザーに対してバナーやチャットを出したいけれど実装までに工数がかかってしまう…。KARTEを導入することでこういった悩みが解決されPDCAをより高速に回せるようになったという声を多くいただいています。

例えばモノタロウさまからは、KARTEを導入することでPDCAの速度が3倍になったと評価いただいています。

もう一つは、我々のミッションや目指してる世界観に共感いただいている点です。感覚値にはなりますが、その背景には現状の顧客とのコミュニケーションや顧客戦略のあり方に疑問を感じている企業が徐々に増えていることが挙げられます。そういった企業が「一緒に理想の世界を目指しましょう」と導入いただくケースも多いですね。

大畑:KARTE導入後に多く評価いただけるポイントとして、部署を横断して複合的に使用できるという点もあります。

デジタルマーケティング領域だけでなく、カスタマーサポート、営業など企業内のあらゆる部署で、同じKARTEの画面を通じて一人ひとりのユーザーをデータとして可視化できるので、1人のユーザーに対して各部署が同じ目線で向き合ってPDCAを回したり、アクションしたりできる点は非常に喜んでいただいています。

理想から逆算し、役割を超えて伴走する

― 現在のCS組織体制と業務内容を教えてください。

規模でいうと40名ぐらいの組織で、大きく4つのチームに分かれています。

1つ目はいわゆるCSのチームで、ここには20名程います。その中にはさらに大畑がいるエンタープライズ系のお客様に向き合うチームや、私がいるミッドマーケット領域のお客様を担当するようなチームなどがあります。

2つ目は、カスタマーサポートの領域を担当するチームです。チャットサポートや、個別相談会というお客様の壁打ち相手になるような打ち合わせなどのプログラム開発や運用を5名ほどで担当しています。

そして3つ目はオンボーディングのプログラム設計や運営を担当しているチームで、ここには3名所属しています。

4つ目がサクセスアクセラレーターチームで、6名所属しています。ここでは40名全員が使用している営業管理ツールなどのサービスのオペレーションの構築やセミナーなどの施策を担っています。

― 業務内容をより具体的に教えていただきたいのですが、プレイド社ならではのCS活動はありますか?

杉浦:いくつかあるのですが、二つ紹介します。一つはブランドサクセスチームの存在です。厳密にはCS組織とは別組織にはなるんですが、ここではプレイドの目指す世界観から逆算して、顧客と企業の関係はどのようにあるべきか、そのためには企業はどのような状態であるべきかを私たちなりに解釈し、その世界観に共感いただく企業とともに新たな体験の創出と実装を試みたり、その企業と一緒に顧客との価値共創を企てたりしています。企業の状態をステップ化し、それに応じて次のアクションを定義、提示することも含みます。

ここで大事になるのが、理想からの逆算です。ともするとCS活動は相対するお客様のみに目線が行きがちですが、短期的には正しくとも、理想の実現という長期的視点に立つとまた別の正解があるということがありえます。だからこそCSとは別にブランドサクセスを置き、常に連携できるようにしていくことで、より深く企業に伴走し、その先にいるエンドユーザーへの価値実現につなげることができると考えています。

もう一つは、主にエンタープライズ企業のお客様を担当するチームで行っている取り組みです。「KARTEをどう活用いただくか」からもう一歩踏み込んで、その企業の事業課題や業界課題を解決し、エンドユーザーや市場に新しい価値を実現するために戦略的にリソースを投入しています。

この二つはプレイドのCS特有だと思います。

大畑:後者はある程度コストがかかる取り組みなので、専門チームを設けてなるべく担当する顧客数を絞って課題に一緒に向き合うようにしています。

お客様の多くは「組織をデジタル化しなければ」「新規事業を作らなければ」といった課題や、アパレル業界などコロナ禍で店舗を開けられない方は「新業態を作らなければならないし、そもそも店舗のあり方を変えなきゃいけない」といった課題を抱えています。

これに対して、僕らはブランドサクセスチームや必要なスキルセットを持つメンバーと一緒になって、「ゴールを達成するために、プロダクトをどう作るべきか?」「そもそもどういうビジネス展開ができるのか?」といったことを、お客様の社内の様々な部署と話をしながら進めています。

CX向上のために、企業のKPIや組織も変えていく。一緒に走るからこそできるCS

― 組織の立ち上げから現在に至るまでの変遷を教えてください。

杉浦:現在の組織体制は2019年4月にできたのですが、その先駆けとして2018年の7月にオンボーディングのチームができました。それ以前は、リード獲得した商談への対応から契約後のお客様のオンボーディング、そして伴走まで商流全てを一人で対応する形でした。オンボーディングや伴走の部分でナレッジを集約し、仕組み化する必然性が出てきたタイミングで、まずは入り口のKARTEを使い始める体験を良くしようとオンボーディングのチームが立ち上がりました。

そしてオンボーディングプログラムがある程度できてから、次のステップとして伴走フェーズでお客様の体験を良くしようと、2019年4月にCSのチームが立ち上がりました。

― ミッションとKPIにも変化はありましたか?

杉浦:KARTEを通じて企業の成功に貢献するともにその先にエンドユーザーのCX向上を図るという全体のミッションは変わりませんが、KARTE活用企業とともにエンドユーザーの体験を良くしていくための伴走者というのがCSの立ち位置です。

CS組織が立ち上がった段階では顧客接点数をKPIに定めていました。とにかくまずはお客様の課題を解像度高く理解することが必要と考えたからです。CSがお客様とお話しする機会は、我々が信じる世界をお客様と共創していくためのマーケティング活動だと捉えており、これを繰り返すことでミッションの実現に向けて必ず良い方向に進むという確信もありました。

そのため、スケールのことは考えずにまずは顧客接点数にこだわっていました。この時の学習をもとに様々な仮説やトライが生まれ、その後は結果指標としての契約継続やアップセル、クロスセルなどの指標を追うようになりました。

あとは少し違う軸の目標なのですが、「事例をどれくらい生み出せるか」も大事にしています。先ほど大畑の話でもありましたが、KARTEが目指す理想は、現状より遠いところにあるんですね。今の世の中を「as is」、理想を「to be」としたとき、「KARTEによってto beに近づけた」「一緒にto beを作れた」といった事例を世の中に発信することで、1社単位ではなく業界単位で大きく変えていくことが求められます。例えば人々の生活に根ざしたエンタープライズ企業が先進的な取り組みをしたら、それによってその業界全体が動き始めるということがあります。だからこそ、事例創出も目標として追っています。世の中に流通させたい事例とは、つまり顧客にとって価値になっているということの証左でもあるので、なおさらですね。

― 具体的にどのような事例を生み出したいと考えていますか?

大畑:理想として掲げているのは、お客様の組織体制やKPIが丸ごと変わることです。言い換えるとあくまでエンドユーザーの「顧客体験を追求する」ということなんですが、そういった事例を生み出していきたいですね。
お客様の組織そのものやKPI変えてもらうためには、言い方は悪いですが、僕らが意図的に介入することが必要だと思っています。そこまで踏み込めているケースはあまりないんですが、ライフネット生命さま三菱地所さまなど、一緒に走り始めてくれているお客様はこの1年で徐々に増えてきているので、理想的な事例が生まれつつあります。

知識やスキルセットより重要な資質

― ミッションとKPIを達成するためには、チームビルディングも重要だと考えます。強いCSチームを作る上で意識していることを教えてください。

杉浦:「プレイドのCSの意義」の理解はかなり重要だと思っています。大前提として何のためにCSをやっているのか?というコアを持っていないと、パフォーマンスも発揮できないし、お客様に向き合う姿勢にも影響が出てしまう。

プレイドのCSのゴールは、お客様の課題を解決し、満足いただくことではないんですね。KARTEのビジネスモデルはB2B2Cだと捉えています。すなわち、最終的にはお客様のその先のエンドユーザーの体験向上をゴールにしています。だからこそ、時にはお客様に強いコミュニケーションを取ることもあります。僕らは「価値観を押し付ける」という言い方をすることもあるのですが、時にはあえてお客様の方針とは大きく異なる意見や、自分たちが信じることを率直にお伝えすることもあります。

私たちはKARTEを活用いただくお客様をKARTE Friendsと呼んでいます。一緒に理想の世界観を目指し、実現するパートナーであるとの意味合いです。ともにエンドユーザーの体験を変えていく伴走者であるという強い想いがあるので、時にはパートナーとしてあるべき方針に軌道修正を提案することもあります。

このように目の前のお客様が喜ぶこと、成果を出すこと「だけ」がゴールではないからこそ、ベースとなる「プレイドのCSの意義」の理解はすごく大事にしていますし、より腹落ちするようにナレッジ勉強会を開催したり、短期的な視点を一旦忘れて中長期視点で思考する機会としてオフサイトミーティングを行ったりしています。

― 最後に、求める人物像を教えてください。

大畑:前提として、私たちはオープンポジションでの採用を基本としています。事業フェーズや事業課題に応じて、固定的なポジションにとらわれず必要な役割を担ってもらいたいという考えからです。

その上で、プレイドのミッションである「データによって人の価値を最大化する」を追求する際に重要となる3つの行動様式(*)にフィットするかどうかを見るようにしています。

3つの行動様式に加えて、まだまだ事業も探索フェーズであるために組織、人、制度などあらゆる面で変化に柔軟であることを重視しています。そのため、CSも従来の手法やこれまでの成功体験にこだわらずに、役割を超えてトライする必要もあります。例えば、先ほど言及したブランドサクセスチームはCSと近い距離で同じ目的に対して異なるアプローチを採っていることもあり、CS出身メンバーが多いです。エンタープライズ企業との向き合いは一般的なCSの役割を飛び越えたダイナミックな動きが頻繁に求められます。

杉浦:もちろんプロダクトの知識やクライアントワークに求められるコミュニケーション力なども必要ですが、それらは入社後のオンボーディングプログラムや勉強会でカバーできると思います。それよりも、プレイドのミッションやKARTEの目指す世界観に共感してくれる人と働きたいなと思っています。

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cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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