SaaSの仕組みをわかりやすく解説!サービスの魅力と弱点とは?

2020-05-11 2024-05-28 コラム
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昨今「SaaS」というサービスが普及しています。普及しているサービスということは利便性があることが予想できますが、具体的にどのようなサービスで、どのようなメリットがあるのかわからないという人は少なくありません。そこで、SaaSについてわかりやすく解説します。

SaaSとは「クラウド式サービス」の一つ

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「SaaS(Software as a Service:サーズまたはサース)」とは、クラウド上にあるソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスのことです。

インターネットサービスの提供形式は、以下の3つが代表的です。

  • サーバー式
  • インストール式
  • クラウド式

SaaSはそのうちの「クラウド式」にあたるサービスです。

一昔前のソフトウェアサービスの場合、ユーザーは対象のソフトウェアをインターネット経由または記録媒体からダウンロードし、インストールして使用します。SaaSの場合はベンダー(プロバイダ)側で稼働しているソフトウェアを、ネットワーク経由で使用できる仕組みとなっています。

SaaSで利用できる代表的なサービス

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SaaSで提供される主なサービスと、それぞれで何ができるのかについて解説します。

ネットワーク

「ネットワーク」は、SaaSを利用する上で必要不可欠な存在です。以降の構成要素は、ネットワークが利用できることを前提とするため、何らかの理由でネットワーク環境が使用不可の状態になると、SaaSを利用することができなくなってしまいます。

サーバー

「サーバー」は、ネットワークを通じて手元にないものを利用できるため、SaaSの一種であると解釈できます。「インフラ」に分類されるこれらがSaaSとして提供されている場合、「IaaS(Infrastructure as a Service)」という分類に分けられる場合があります。

OS

「OS」もSaaSの一種であると解釈できます。OSはアプリケーションを稼働して管理するために必要不可欠であり、パソコンのデスクトップがそのままクラウド上で提供されているようなイメージと例えれば理解しやすいと思います。

ミドルウェア

「ミドルウェア」もSaaSの一種として解釈できます。各アプリケーションとOSを連携するためにミドルウェアは必要不可欠であり、一般的にこれらの関係は「PaaS」と呼ばれています。

アプリケーション

一般的にSaaSについて論じる際には、「アプリケーション」の形が最もイメージしやすいのではないかと思います。個別の機能を備えたアプリケーションも、SaaSの一種です。

SaaS・PaaS・laaSの違い

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先ほど「PaaS」「IaaS」という言葉について少し触れていますが、SaaSと似た響きのこれらの言葉は意味としては大きな違いがあります。間違えて使わないように、しっかりとその違いについて把握しておきましょう。

まず、「PaaS(Platform as a Service:パース)」とは、アプリケーションを稼働するために必要なハードウェア・OSなどのプラットフォームを、すべてインターネット上のサービスとして提供することをいいます。主に企業がそのユーザーとなり、プラットフォームを大規模なデータセンターなどの媒体において用意して外部に開放し、その上にサービスを開発するという構図です。その構図においてサービスの開発者は、あるシステム設計に則った形でアプリケーションの開発を進めることができ、システム開発の低コスト化および迅速化を推進します。ミドルウェアまでの領域を提供するクラウドサービスです。

次に「IaaS(Infrastructure as a Service:イァース)」とは、情報システムを稼働させるのに必要なネットワークなどのインフラ設備や「仮想サーバー」などの機材を、インターネット上のサービスとして提供する形のことです。サーバーを利用するにあたって必要なハードウェアのOSやスペックなどを、ユーザーが自由に選定してネットワークを通じて利用することができます。ネットワークからハードウェア、OSまでの領域を対象としたクラウドサービスです。

このように、SaaSとPaaS、IaaSではクラウドサービスの対象とする領域が大きく異なります。

  • SaaS:ネットワークからアプリケーションまですべての領域
  • PaaS:ネットワークからミドルウェアまでの領域
  • IaaS:ネットワークからOSまでの領域

クラウドサービスの概要については、こちらの記事でも詳しく解説されています。
あわせてご確認ください。
参考:クラウドサービス – 用語集 – |株式会社パラダイムシフト

https://paradigm-shift.co.jp/glossary/75/detail

SaaSの5つの魅力

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次に、SaaSの5つメリットについて解説します。

コスパに繋がる

SaaSの1つ目のメリットは「コスパの改善につながる」ことです。

SaaSの場合、導入に際してのコストは低く、多くの場合は月額制または年額制で利用料が発生するのみとなります。利用期間中のバージョンアップに際してコストは発生せず、つねに最新バージョンを低コストで運用することが可能なのです。また、サブスクリプション型サービスのメリットとして「いつでも解約できる」ことが挙げられ、前払い制で不要になったソフトウェアの解約月数分のコストが無駄になることがありません。

ただし、この構図は企業の規模とライセンス料のバランスによって異なる場合があります。特に、長期的にコストが発生し続けるサブスクリプション型モデルになると、長期的に見てコストが割高になる可能性もあることは念頭に置く必要があります。

SaaSを取り巻く環境において、ハードウェアの低価格化が進む一方で、ソフトウェアのライセンス使用料は相対的に高額化しています。ビジネスアプリケーションとなると、使用する社員のライセンスを人数分購入するとなれば、一度で100万円以上の費用が発生することは珍しくありません。

ソフトウェア開発の手間が省ける

2つ目のメリットは「ソフトウェア開発の手間がかからない」ことです。

従来のモデルでは、新しいシステムを導入するにあたってはハードウェアやミドルウェアの購入や設定が必要でした。そのため、導入して運用が開始されるまでに相応の期間を要し、仮にシステム更新を急いでいるとしてもそこには限界がありました。

SaaSの場合であれば、SaaSを提供するベンダーのサーバーにおいてすでにシステムが稼働状態にあり、ユーザーは契約をすればすぐにシステムを導入し、利用開始できます。必要な作業は契約と関連アプリケーションの導入だけであり、ネットワークが利用可能な状況であれば必要なSaaSをすぐに導入できます。

ソフトウェアの管理がいらない

3つ目のメリットは「ソフトウェアを管理する手間がかからない」ことです。

従来のモデルの場合、導入したソフトウェアには保守・管理の手間がかかっていました。何かトラブルがあれば基本的にユーザーの側で対応するため、そのために人件費等のコストについても考慮する必要がありました。

SaaSの場合、システムの保守や管理、更新作業などについてユーザーが何かしらの手間をかけさせられる心配はありません。一連の管理業務はベンダー側で一括して行われるため、人的リソースを割く必要がないのです。

ネット環境のある場所でどこでも使用可能

4つ目のメリットは「ネット環境が整っていればどこでも利用できる」ことです。

従来のソフトウェアの場合、その機能を利用できるのはインストールしたデバイスおよびそのデバイスに接続できる外部デバイスのみとなります。基本的に導入したデバイスの稼働状態に依存するため、仮にそのデバイスに問題が生じればソフトウェアの使用にもトラブルが発生することになります。

SaaSの場合、ほとんどの場合においてはそのデータはクラウド上に保存され、インターネットを介してさまざまなデバイスでアクセスできます。昨今はスマートフォンでもインターネットの利用が可能であり、移動中にクラウドにアクセスしてデータの閲覧や編集などを手軽に行うことができるのです。

大人数で同時に使うことができる

5つ目のメリットは「大人数で同時に使用できる」ことです。

例えば、あるソフトウェアの機能を5人で同時に使用したいとします。従来であれば、その場合5人分のデバイスにソフトウェアをインストールしてネットワークで接続し、同期した環境下においてしか利用できませんでした。特に移動中で使用できるデバイスやネットワーク環境が限定されてしまうと、この作業が難しくなってしまいます。

前述の通り、SaaSはクラウド上にデータが保存されているため、インターネット環境が整っていれば複数のデバイスで、最小限のタイムラグで、同時に編集作業が可能になります。これにより、リアルタイムでの情報の更新が可能になり、同期の作業を必要としないため迅速な情報の更新と閲覧、編集作業等が可能になるのです。

SaaSの弱点は「自由度」

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このように、さまざまなメリットがあるSaaSですが、デメリットがないわけではありません。その最大のデメリットは「自由度が低い」ことです。

SaaSでは、基本的にすでに完成しているソフトウェアをクラウド上で使用することになります。開発の手間がかからず、保守・管理の手間が不要な反面、その仕組みはベンダー側に完全に依存する形となります。

もちろん、何らかの機能を自社向けにカスタマイズして使用することは、サービスによっては可能ではあります。しかし、一から自社向けにソフトウェアを開発して導入する場合と比較して、どうしても型にはまり切った状況で利用しなければならないという点は否めません。

そのため、いかに自社向けのサービスであるか、そして必要な機能が揃っているかを検討することが重要になります。もちろん、月額料金などコスト面についても考慮する必要がありますが、自社にとって使い勝手が悪い、または必要な機能が揃っていないとなれば、利便性は大きく低下してしまいます。

SaaSのメリットをしっかりと享受するためには、利用するサービスの選定と検証が何よりも重要なのです。サービスの多くは数週間の「試用期間」が設けられているので、これを利用してサービスの使い勝手を検証し、コストなどの点についても考慮したうえで利用するサービスを選定することができます。

SaaSの代表的なサービス7選

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最後に、SaaSの代表的なサービスを7つ紹介します。

Microsoft Office365

「Microsoft Office365」は、クラウド上でオフィス製品の機能を使用できるサービスです。従来のオフィス製品とは異なり、いわゆる「買い切り型」ではなく「サブスクリプション型」になります。

オフィス製品をパソコンだけでなくスマートフォンなどの端末からもアクセスし、編集することができます。文書作成や表計算を外出先でも利用できるだけでなく、権限を付与することで複数人での共同編集も可能になります。

サイボウズOffice

「サイボウズOffice」は、社内の情報共有やコミュニケーションを円滑にする機能をワンパッケージで利用できるサービスです。スケジュールやデータを共有できるだけでなく、タイムカード機能など企業にとって役立つ機能が盛り込まれています。

パソコンやタブレット端末など、インターネットを利用できるさまざまなデバイスからアクセス可能です。社外からのアクセスも簡単でありながら、同時に高いセキュリティを確保している利便性の高いSaaSです。

Sansan

「Sansan」は、法人向けのクラウド名刺管理サービスです。入手した名刺をスキャンするだけで、高度なAI技術とオペレーターの手入力によってほぼ100%の精度でデータ化され、パソコンやスマホなどのデバイスで活用できるようになります。

社内で名刺を共有することによって、社内の人脈を最大限に活用できるようになります。また、名刺交換した人の人事異動情報が届く機能や、議事録を人物情報に紐づけする機能もあります。

Slack

「Slack」は、ビジネスチャットツールです。グループ内のコミュニケーションをスムーズに行うための機能が充実しており、シンプルなデザインによって感覚的な使用感を実現し、アプリケーションの利用が苦手な人でも比較的簡単に利用できます。

メッセージのやりとりだけでなくファイルのアップロードなど、ビジネスにおける基本的な機能を網羅しています。登録されているメッセージは過去の物であっても閲覧可能であるため、やりとりの確認なども迅速に実行できます。

Chatwork

「Chatwork」もまた、クラウド型のビジネスチャットツールです。メッセージのやり取りだけでなくファイルのアップロード等も可能であり、シンプルな機能性は使い勝手の良さをもたらします。

「タスク管理」や「ファイル管理」などの機能も搭載しており、登録しているメンバー間での情報共有をしやすくします。同様に過去のやりとりも保存されているため、相手に確認しなくても確認・把握することが出来ます。

freee

「freee」は、クラウド会計ソフトや人事労務ソフトなどをクラウド上で利用できるサービスです。日々の経理作業だけでなく確定申告などについても対応し、ビジネスに必要な事務作業をまとめて効率化することができます。

サポートが充実している点も特徴の1つです。メールやチャット、電話などの方法を選択でき、必要なタイミングで利便性の高い方法で疑問を解消できます。

Wrike

「Wrike」は、プロジェクト管理ソフトです。共同作業とプロジェクト管理のためのクラウドベースソフトウェアであり、プロジェクトを完了させるために必要な要素を1か所で整理することができます。

無料でも利用できますが、豊富な機能を使いたいのであれば有料プランの利用も検討する必要があります。どのプランでも無料トライアルを利用できますので、必要な機能を備えたプランを試用して使い勝手を検証することができます。


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株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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