カスタマーマーケティングとは?重要性や具体施策を徹底解説

2023-04-10 コラム

ビジネスの成長には「カスタマーマーケティング」が重要です。しかし、なぜ重要なのか、具体的にどのような取り組みを必要とするのかを知らなければ、実践のしようがありません。本記事では、カスタマーマーケティングの基本的なことについて解説します。

カスタマーマーケティングとは?

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「カスタマーマーケティング」とは、既存顧客に対して行うマーケティング手法のことです。具体的には、既存顧客に対する「オンボーディング」や「ロイヤリティ向上」「コミュニティへの参加促進」など、既存顧客に対するアプローチのことをいいます。

従来のマーケティングとの違い

カスタマーマーケティングが、従来のマーケティング手法と大きく異なる点は、その「目的」です。

従来のマーケティングの基本的な目的は「新規顧客の獲得」です。いかに潜在顧客層にアプローチして、自社商品の購入まで導くことができるかという点に焦点が置かれていました。

一方でカスタマーマーケティングの目的は「既存顧客のサクセス」です。すでに自社の顧客になっているユーザーに対してアプローチし、成功に導くことを主な目的とします。

このように、従来のマーケティングとカスタマーマーケティングでは、対象となる層が全く異なります。ターゲットが異なるということは当然ながら有効な手法・施策も異なるため、場合によってはカスタマーマーケティングの導入によって今まで取り組んでいなかった手法を実施することになるかもしれません。

カスタマーマーケティングが注目されるようになった背景

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カスタマーマーケティングに対する注目度が高まっている背景には「カスタマーサクセスの重要性が注目されている」ことが挙げられます。

「新しく顧客を獲得する場合」と「既存顧客を維持する場合」では、新規顧客獲得の方がコストがかかることが一般的です。

また「リテンション率」を5%改善するだけで利益率を大幅に改善できることや、新規顧客のセールス成功率は既存顧客へのセールス成功率の3~10倍ほど高く、既存顧客へのアプローチの方が売り上げに直結しやすいことがわかっています。

このように、新規顧客と既存顧客とではコストパフォーマンスに雲泥の差があります。以上の観点から、新規顧客よりも既存顧客が中心となる手法である、カスタマーマーケティングが注目されています。

カスタマーマーケティングによる効果

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次に、カスタマーマーケティングを実践することで得られる効果について解説します。

顧客ロイヤリティの向上

1つ目の効果は「顧客ロイヤリティの向上」です。

ロイヤリティとは、要するに「愛着」のことであり、顧客ロイヤリティの向上ということは「既存顧客の自社・自社商品に対する愛着を強める」ことです。顧客ロイヤリティを高めることにより、例えば「リピート率が高まる」「アップセルやクロスセルできる」「離脱(解約)率を減らせる」といったメリットがあります。

既存顧客が新規顧客を引き込む

2つ目の効果は「既存顧客の存在が新規顧客の呼び込みにつながる」ことです。

カスタマーマーケティングの実施により顧客ロイヤリティが向上すると、ネット上を中心に「良い口コミ」が広がります。SNSや動画投稿サイト、口コミサイトを中心として拡散された口コミは、潜在顧客層への購買の後押しにつながり、新規顧客の獲得へとつながるのです。

新規顧客獲得のための従来の広告宣伝と比較して、口コミ評判はコストパフォーマンスが良く、企業にとって注目すべき効果となります。また、信頼性が高い既存顧客の意見を知れるため、顧客側にとっても口コミ評判は重要です。

カスタマーマーケティングの具体施策

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カスタマーマーケティングの具体的な手法を、4つのタイプに分けてそれぞれの施策について解説します。

オンボーディング施策

1つ目の手法は「オンボーディング施策」です。

  • 直接的な導入支援、対面ミーティング
  • セミナーの開催
  • カスタマーサポート
  • FAQの作成
  • チュートリアルの配信

「オンボーディング」とは、商品やサービスの利用準備を整え、使いこなせる段階に導くことです。このとき、提供するサポートの手厚さは顧客ごとに決定すべきであり、上記のような施策を並行して実施することによって顧客が必要とするフォローを適切なレベルで提供できます。

オンボーディングが完了したユーザーは、解約率が低いことがわかっています。これは早期離脱の主な原因が「使い方がわからない・使いこなせない」ことであり、適切なフォローでオンボーディングの完了へと導くことが顧客維持につながるためです。

コミュニティ施策

2つ目の手法は「コミュニティ施策」です。

  • ユーザーコミュニティの開設
  • コミュニティ参加の促進、運営
  • 集客
  • サービスの提供
  • 顧客の意見の集約
  • ユーザー同士の助け合いによるトラブル解決
  • 顧客のファン化、およびコアなファンへの育成
  • 新商品や新サービスの情報発信

昨今は「オンラインコミュニティ」という、ネットワーク上で構成されるコミュニティ領域が中心となっており、ユーザー同士の交流の場を設けることでさまざまな利益をもたらします。また、オンラインコミュニティの運営に際しては「オフライン(リアル)イベント」を開催して連動させることも重要です。

コミュニティにはそれぞれ「目的」があり、それに適したアプローチを行うことにより企業の利益へとつながります。自社コミュニティの運営には専属の「コミュニティマネージャー」によるマネジメントを実施し、より正しい形でコミュニティを運営して得られる利益を最大化することが重要です。

VOCをもとにしたサービス改善施策

3つ目の手法は「VOC(Voice of the Customer:顧客の意見)をもとに、サービスを改善する」ことです。

  • アンケートや交流会の実施
  • サービス改善の告知
  • 新機能の追加
  • 料金プランの追加

既存顧客の中には、利用中の商品やサービスに対して何らかの「不満」を抱えていることもあります。そうした不満を放置すると、最終的に商品の解約をもたらしてしまうでしょう。

コミュニティなどを活用して顧客の「生の声」を集め、多くの顧客が持つ共通の疑問や要望を探していきます。多くの顧客が考えている不満は「即刻、改善するべきポイント」であり、それに応じて価格や品質の改善、サービスの場合であれば機能やプランを増やして利便性を高めることで顧客満足度を高めることができます。

利用促進施策

4つ目の手法は「利用促進施策」です。

  • メルマガ配信
  • クーポンの発行
  • 成功事例の共有

少し古典的な手法のように思われるかもしれませんが、やはりこういった「購入を後押しするようなサービス」は消費行動に少なからず影響するものです。前述の通り新規顧客と比較して既存顧客のセールス成功確率は高めであり、これらの施策も新規顧客に対するものより高い費用対効果を発揮してくれることでしょう。

昨今はSNSや自社コミュニティを活用して、利用促進のための施策を実施する企業が増えています。ネットワーク上で展開される手法のメリットは「ネット上で拡散してもらえる」ことであり、場合によっては新規顧客へのアプローチ効果も期待できます。


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cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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