自社コミュニティを運営する手法「コミュニティマーケティング」は、成功すれば企業の利益になりますが、常に成功するとは限りません。少しでも良い結果に結びつけるためには、関連する書籍から知恵を借りることも必要です。本記事では、コミュニティマーケティングの理解を深められる書籍9選を紹介します。
コミュニティマーケティングとは?
「コミュニティマーケティング」とは、自社が運営するコミュニティに対して積極的にアプローチし、そこから得られる情報などを活用することで企業の利益につなげるマーケティング手法のことです。
ユーザーコミュニティでは、顧客の「生の意見」を集めることができます。この意見は商品開発や既存サービスの改善などにつなげることができ、顧客満足度やロイヤルティを高めることで最終的に自社の利益につながります。
適切な手法を駆使することでコミュニティはより効率よく活性化します。注目されているコミュニティマーケティングには、手法や成功例もすでに数多く存在し、それに関する書籍も数多く発刊されているため、これからコミュニティマーケティングを取り入れようと考えている企業(担当者)は一度こうした書籍を手にとってみるといいでしょう。
コミュニティマーケティングに役に立つ本9選
以下では、コミュニティマーケティングを学ぶのにオススメの書籍を9冊紹介します。ビジネスやマーケティングに関する知識やノウハウを学ぶ方法は検索、セミナー、社内PDCAなど多数ありますが、「書籍」という形であれば空き時間を活用し、手軽に知識を入れることができるでしょう。
ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング
『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』は、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)大成功の立役者がそのノウハウを綴った書籍です。実体験に裏打ちされたノウハウとともに、これからの働き方や生き方を指南する一冊となっています。
今まで、自社の製品やサービスのファン作りが重要というのは多くのビジネスパーソンが知るところですが、「どうやってファン化するのか?」について体系立てて書かれている書籍は少なかったです。しかしこの書籍では、著者自らのコミュニティの立ち上げの経験や具体的なノウハウがスクリプトレベルで掲載されており、ファンコミュニティをマーケティングするノウハウを一から学ぶことができます。
コミュニティマーケティングの教科書
『コミュニティマーケティングの教科書』は、コミュニティについて語った書籍「巻き込む力」の上級編として制作された書籍です。コミュニティに関する本質的な部分について凝縮して掲載している一冊となっています。
コミュニティの運営からコンセプトメイク、集客法まで詳しく記載されており、これからコミュニティを立ち上げようとしている人にも、すでに自身のコミュニティを運営中の人にも役立つ内容となっています。わかりやすい具体論を用いて書かれているため、コミュニティマーケティングに関する知識が浅い方にもオススメの書籍です。
コミュニティをつくって、自由に生きるという提案
『コミュニティをつくって、自由に生きるという提案』は、人付き合いが苦手な著者が5,000人のコミュニティを運営することに成功した、いままで体系化されていなかったノウハウを記載した一冊です。
いかに「つながり」や「きずな」を作り、いかに強く太くするかといった、より本質的なことが難しいビジネス用語を使わない、わかりやすい文章で書かれています。また、「コミュニティづくりに必要な4つのリソース」や「コミュニティが強まる5つの運営のコツ」など、コミュニティの構築から運営までを段階を踏んで解説されています。
お金も仕事も引き寄せる!巻き込み力: 【コミュニティーマーケティング入門】
『お金も仕事も引き寄せる!巻き込み力: 【コミュニティーマーケティング入門】』は、遠藤晃氏と北野哲正氏によって執筆された一冊です。コミュニティの構築から運営、コミュニティで稼ぐ方法まで幅広く網羅し、ストレスなしで年収1,000万円を実現する人の「人から運営されて幸せに成功する方法」を解説した内容となっています。
著者の遠藤晃が主催する養成塾の修了生で構成されるコミュニティは5年で1,000人を超え、自走するコミュニティとして注目されており、読者はそのノウハウを学ぶことができます。同じく著者の北野哲正は起業支援のコンサルタントとして資金や人脈なしでゼロからスタートした起業家たち3万人以上を成功に導いてきた実績があります。
ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書
『ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書』は、ビジネスコミュニティを初めてつくる人に向けた教科書として役立つ一冊です。著者である河原あず氏と藤田祐司氏の2人は年間数百本のイベントを企画するコミュニティ運営の第一人者であり、これまで培ってきた知見と体験をもとに活力と持続力のあるビジネスコミュニティのつくり方や運営の方法を記載しています。
人が集まるコミュニティやイベントの作り方を、ゼロから学べる内容に仕上がっています。コミュニティの基本的な意味から集客方法、イベント企画方法や参加人数の増やし方などをわかりやすく学ぶことができ、加えて昨今の事情を加味したオンラインイベントのノウハウが数多く書いてあることや、企業のビジネスコミュニティにもフォーカスしていることが特徴です。
WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE
『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~』は、「君たちはどう生きるか」「宇宙兄弟」「ドラゴン桜を手掛けた編集者である佐渡島庸平氏のコミュニティ論について書かれている一冊です。従来のビジネスモデルが崩壊していく中でいち早くコミュニティに可能性を感じ、オンラインサロン「コルクラボ」を主宰している人物の理論を学ぶことができます。
内容はコンパクトにまとまっているため、重要な情報から基礎を学びたいとお考えの方にオススメです。コミュニティマネジメントだけでなく「チームマネジメント」にも応用できる内容になっており、これからリーダーとなる若者世代にとって参考になるポイントの多い一冊だといえます。
ファンベース
『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために』は、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方「ファンベース」の重要性と、効果的な運用の方法について豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する一冊です。ファン目線で行うこの意味や重要性がよくわかる内容となっています。
内容を説明するにあたって、わかりやすい事例で多く説明しているため、全体的に読みやすく理解しやすいでしょう。さまざまな事情により変動していく現代ビジネスにおいおいて成功して生き残るための、最新マーケティング手法を理解するうえで必読の一冊です。
完全教祖マニュアル
『完全教祖マニュアル』は、キリスト教やイスラム、仏教などの大手伝統宗教から現代日本の新興宗教まで古今東西の宗教を徹底的に分析し、教義の作成や信者の獲得の仕方、お金集めや組織づくりなど、宗教に関するあらゆるシチュエーションを実践的に解説した完全宗教マニュアルです。
タイトルだけ見るとビジネスと無関係というか正反対な分野の書籍であるように感じますが、宗教をマーケティング手法として捉えると全く変わった側面を垣間見ることができる一冊となっています。読み方一つで全く異なる捉え方ができ、マーケティングに関する基本から実践方法まで幅広く理解できる内容となっています。
人生の勝算
『人生の勝算』は、ストリーミングサービスで有名な「SHOWROOM」を立ち上げた前田裕二氏が手掛けた一冊です。料金は文庫版で550円と、ビジネス関連の書籍としては比較的安価で手に取りやすいという点も魅力の一冊です。
「人は絆にお金を払う」と気づいた少年期から、ニューヨークで奮闘した外資系銀行員時代、さらには仮想ライブ空間ビジネスを立ち上げる過程など、著者の人となりや考えが描かれた内容となっています。コミュニティに関するビジネス書としての内容としては薄く感じるかもしれませんが、仕事に対する考え方や意識という点からマーケティングにも活かせる部分も多くあるでしょう。