UGCとは?マーケティングで重要となる理由や活用の事例などを解説

2023-12-11 コラム

UGCとは、ユーザーが自ら生成するコンテンツのことです。企業による広告とは異なり、自然に購買を検討中の消費者の背中を押せるため、新たなマーケティング手法として注目されています。
UGCのマーケティングにおける意義やメリット、活用手順や具体例について紹介します。

「UGC」とは?

UGC(User Generated Content)とはユーザーによる生成コンテンツのことで、SNSの口コミやブログのレビューが該当します。実際に商品やサービスを利用したリアルな体験談のため、購買を検討中の消費者にとっては貴重な意見です。UGCの定義や、よく似たIGC・CGMとの違いについて解説します。

UGCと「IGC」の違いとは

IGCは、Influencer Generated Content(インフルエンサー生成コンテンツ)の略で、SNSで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーによって作られる、商品やサービスを紹介するコンテンツのことです。

UGCは主に一般人が自発的に投稿するのに対し、IGCはインフルエンサーが企業から依頼を受けて行うことが一般的です。影響力が高い個人の力を借りることで、多くのユーザーに情報を伝えられます。

一方で報酬の支払が伴うため、コンテンツの生成に企業が関与しないUGCよりコストが生じるのがデメリットです。

依頼するインフルエンサーに、自社のターゲットとマッチしたフォロワーが多いか精査する必要があります。

UGCと「CGM」の違いとは

CGM(Consumer Generated Media)は、ユーザーが生成したコンテンツで形成される発信媒体・メディアのことで、口コミの投稿サイトやSNSなどが該当します。

UGCは一つひとつの投稿自体を示すのに対し、CGMはそれらの情報が集積した場所やプラットフォームのことです。

ユーザーの情報で成り立っているなら、ソーシャルメディアやブログ、口コミサイトなどメディアの形式にかかわらず、UGCになり得ます。

たとえるなら森と木の関係に似ており、ユーザーが本当に知りたい情報を掲載し、意思決定にも役立つUGCを構築するには多数のUGCが不可欠です。

UGCがマーケティングで重要視される理由

UGCが、マーケティングや販売戦略に与える重要性は、日に日に高まっています。企業による広告はよい部分やメリットに偏った訴求がなされるうえ、ユーザーのニーズとかけ離れた内容が発信される場合があり、消費者の興味・関心を惹き付けなくなりつつあるためです。

SNSをはじめ、ユーザーが気軽に情報を発信できるようになった現代、同じ目線のリアルな体験談を購買の決定要因にしたいと考える人が増えています。

ユーザーがつくるコンテンツでマーケティングを!UGC(User Generated Contents)について解説

SNSの普及による購買行動への影響

SNSの普及によって、誰もがネット上で気軽に情報を発信できるような時代が到来し、消費者の購買行動に変化が生じ始めています。

ユーザーが日常的に使用する商品やサービスの感想が数多く寄せられており、購入の検討材料として、それらを活用しようと考えるユーザーが増えています。

つまり、企業が発信する情報より、実際に購入したユーザーの意見が重要視されるよう変化が生まれつつあるのです。

商品の特徴やメリットのほか、デメリットやレビューなど本当に知りたい情報が得られるのは、UGCならではです。偶然見付けたSNSの投稿をきっかけに購買にいたる場合も少なくなく、マーケティングにおいてネット上の口コミや評判の重要度が高まっています。

広告への嫌悪感

一方的によい面だけをアピールし、何度も表示される広告に対して、わずらわしさや嫌悪感を抱く人は少なくありません。

UGCはSNSで悩みを検索して得られるのが一般的で、そもそも欲しい情報があるときに自ら探すため、広告を閲覧したときのような嫌悪感を抱くことが少ないといえるでしょう。

Web広告にはユーザーの興味や関心、検索履歴に基づき、広告を発信する手法もあり、同一人物のディスプレイに同じ広告が複数回表示される場合があります。

しつこいと感じられてしまうと、かえって商品の評判を落とし、広告が意味のない施策に終わる可能性も否定できません。

広告の場合、企業が伝えたい情報と消費者が受け取りたい情報にずれを生じてしまい、思うようにユーザーの興味関心や購買意欲の喚起につながらないこともあります。

望まずともさまざまな情報を目にする情報化社会では、一人ひとりが受け取る情報量も増えているため、ニーズにそぐわない広告はそもそも読まれる機会が減っています。

企業の発信より共感されやすい

企業による情報発信は、どうしても商品を売り出すための販売戦略だと思われやすく、なかなか共感を持ってもらえません。

一方のユーザーが投稿するUGCは、体験談に基づくリアルな意見や感想が反映されるため、同じ目線で発信される情報に共感や安心感を抱くことが期待できます。

共感マーケティングという言葉があるほど、現代のマーケティングでは消費者から理解や納得を得ることが重要視されています。

購入したユーザーによる等身大の情報は、消費者の心を強く揺さぶり、購買のための行動を起こすほどの強大な力を秘めているのです。

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UGCが発生しやすい商材・発生しにくい商材とは?

UGCは商材によって、発生しやすいものと発生しにくいものに分かれます。口コミやレビューをしやすいかという観点で分類すると、わかりやすいでしょう。

UGCが発生しやすい商材と、発生しにくい商材の特徴を解説します。

UGCが発生しやすい商材

UGCが発生しやすい商材には、次のような特徴があります。

  • 他人にすすめてみたいと思える
  • SNSに投稿しやすい
  • 物理的に物として存在している

実際に使ってみて素晴らしいと感じた商材は、口コミを発信して友人や知り合いに伝えようとします。美味しいスナック菓子やおもしろかった映画や本、感動した音楽などがよい例です。

SNSに投稿しやすい商材の代表格は、化粧品や衣服です。実際に手に取ってみたり、身につけたりしなければ具体的なイメージが湧きにくく、買って本当に満足できるかはわかりません。

化粧品や衣服の購入を検討するユーザーは、欲しいコスメやアパレル商品を使っている人の投稿を参考にするのが一般的です。

言葉による感想に加えて、メイクアップ画像や衣服をまとった姿の写真が投稿されています。ビジュアル情報も得られるため、ユーザーは自分に合った商材か判別しやすく、行動につながりやすくなります。

画像を投稿するには、実体がある物が必要です。ソフトウェアや金融商品のような形がない商材はビジュアル面での訴求が難しく、UGCは生まれにくい傾向にあるでしょう。

ただし、音楽や映画は例外です。これらは自己表現の手段とも考えられるため、共感を生みやすく活発な口コミや評判の形成が期待できます。

UGCが発生しにくい商材

UGCが発生しにくい商材には、次のような特徴があります。

  • 高価、または個数が少ない
  • コンプレックス商材
  • 商材ごとに特徴の違いが生じにくい

キャンペーン商品や限定商品、コストや原料不足から流通量が限られる商材などは、UGCが発生しにくいといえます。シンプルに利用者の数が少ないためで、高価な商品なら購入を検討する人も限られます。

極端に口コミの数が少なく、参考にしたい人もいない状態では、UGCのマーケティングへの効果は期待できません。

コンプレックス商材とは恋愛や外見など人の内面に深く関与する商材が該当し、使うこと自体を恥ずかしく感じてしまうという特徴があります。なかなか他人にすすめる機会が得られないため、UGCの形成にはつながりません。

SNSのような、気軽な投稿がメインのプラットフォームには、適さない商材ともいえるでしょう。

また、ティッシュやトイレットペーパー、乾電池のような生活必需品は、口コミを参考によいものに変更したいとの感情を抱かない可能性が高いです。特徴による他社との差別化も難しく、そもそもレビューを投稿してみたいと感じる人も多くありません。

UGCをマーケティングに活用するメリット

UGCは販売戦略の立案や改善、新商品の開発に多大な貢献を示す、情報の宝庫のような存在です。リアルな評判をチェックして改善につなげるほか、自社コンテンツへの流用や購買行動の促進にも役立ちます。

UGCが企業のマーケティングに、どのようなメリットをもたらすかみてみましょう。

商品やサービスの改善につながる

実際に商品を購入したユーザーがどこに魅力を感じたか、何に不満を抱いたのかわかるため、マーケティング施策の立案や商品開発に役立ちます。

企業が押し出したいセールスポイントと、消費者が実際に使って感じた魅力がずれている場合もあります。売れ続ける商品を提供するには、ユーザー視点で満足度が高いものを作り続けなければいけません。

社内で開発に取り組んでいると、顧客からの生の声を知る機会にはなかなか巡り合えません。消費者の意見を把握する手法として、カスタマーフィードバックがありますが、顧客アンケートの実施や問い合わせ内容の分析などの手間やコストが生じます。

UGCは負担を抑えて、手軽にユーザーのリアルな感想を把握できる貴重な情報源です。

制作コストをかけずにコンテンツをストックできる

販促が目的のコンテンツを制作する場合、口コミとしてすでにあるUGCを使うことで制作コストを抑えつつ、一定のクリエイティブを担保できます。

動画や記事を一から作り上げると、素材の選定やターゲティングなどに多大な時間を取られ、十分なリソースを割くのが難しくなってしまいます。

すべてをユーザーのコンテンツに頼るのはおすすめしませんが、活用できるのならば活用するもの賢い選択です。

オウンドメディアをはじめ、コンテンツ制作では一定の量が必要です。分析や改善を行うにしても、ある程度のコンテンツが蓄積されていないと、信頼性が乏しい無意味なものになってしまう可能性があります。

UGCを活用し、効率的かつスピーディーにコンテンツをストックしましょう。空いた時間でキャンペーンの実施や、ほかの注力したい施策に人員や時間を割けるようになれば、事業の拡大も期待できます。

商品購入の意思決定を促せる

広告とは異なり、自然な形でユーザーの購買意欲を喚起できるため、購入率の向上が期待できます。何度も同じ広告を目にしたユーザーは嫌悪感を抱き、多少の興味はあっても、商品の購入を諦めてしまう場合があるためです。

提供元が発信する情報のため、よい面が誇張されていないか、悪い部分をあえて隠しているかなど疑いの目を向ける人もいるでしょう。

同じ目線から発信されるUGCなら警戒せず、スムーズに受け入れられやすいかもしれません。強要されたと感じるとユーザーは嫌悪感を抱き、スムーズな購買行動につながらないため、自然な形で特徴や評判を認知させるUGCを積極的に活用しましょう。

UGCを広告や自社HPに活用できる

ユーザーが求める情報が充実した広告や、自社HPを作るためにUGCの掲載が効果的です。単純にコンテンツ量を増やすだけでなく、自社だけで気付かない新たな知見をもたらすこともあります。

たとえば、食品の開発なら、商材のLPには原産地や製法へのこだわり、企業目線での競合との違いなどを盛り込むでしょう。ユーザーによるアレンジレシピを紹介すると、話題を集めて、売上アップに直結するかもしれません。

自社のみでは偏った意見になりやすいため、さまざまな消費者からの自由な発想を取り入れて、クリエイティブの改善に活かせることが理想的です。

また広告にUGCを取り入れると、広告特有の嫌悪感が和らぎ、客観的で納得度の高い訴求が実現するでしょう。

UGCをマーケティングに活かす流れ

UGCをマーケティングに活かす際の基本的な流れは、次のとおりです。

  • UGCの創出
  • UGCの収集
  • マーケティングへの活用

各ステップの具体的な方法や、注意点について解説します。

UGCを創出してもらう

UGCの生成を促すために、ユーザーが口コミを投稿しやすい環境を整備する必要があります。消費者の目線に立ち、どうしたら投稿・拡散したいのか真摯に考えることが大切です。

たとえば、口コミを企業公式アカウントで紹介すると効果的です。自然に商材の評判を上げられるうえ、自分も口コミを紹介してほしいと感じたユーザーからの新たなUGCの創出が引き起こされます。

印象に残るようなユーザー体験の創出、つまり思わず口コミを投稿してしまいたくなるほどの感動や驚きの提供に励むのもおすすめです。具体的には、箱から商品を取り出す際の動画がSNSで拡散され、独自のハッシュタグを生むほど話題を集めています。

キャンペーンの実施も、オーソドックスながらUGCの創出を促進できる手法です。新商品の提供や店舗のオープンのようなブランドのイベントや、母の日やクリスマスなどの記念日に期間限定の取り組みを実施します。

特定のハッシュタグを付けて投稿したユーザーに、特典をプレゼントするというのが代表的です。

UGCを収集する

UGCを効率的に集めるために役立つツールは、次の3つです。

  • メール
  • オウンドメディアやブログ
  • SNS(TwitterやInstagram)

商品の紹介ページに直接口コミを投稿してもらう仕組みを構築できれば、UGCの収集にかかる手間は減るため、おすすめの方法です。対象者を選定してレビューの依頼文を作成・送付するメールや、複数のSNSから口コミを集める方法と比較して取り組みやすいでしょう。

UGCの収集では、テキストによるレビュー以外にも、画像コンテンツを集めることがポイントです。レビューを依頼する際は、パッケージを開けたときや利用時の様子などの写真を一緒に送付してもらえないか打診しましょう。

また、ユーザーがSNSにアップした画像を自社のコンテンツに活用する際は、著作権や肖像権を侵害してしまわぬよう、必ず本人から使用許可を取ってください。

UGCをマーケティングに活用する

自社サイトや公式SNSへのアップロード、広告やチラシへの掲載などUGCの活用方法はさまざまです。ECサイトを活用する際は、Google検索結果のリッチリザルトへの対応を意識しましょう。

商品名で自然検索されたときに、検索結果画面にスターティングレートとレビュー数が表示されます。掲載の判断はGoogleが行うため、設定を施しても必ずしも表示されるとは限りません。

しかし、商品を比較検討している潜在層へのアプローチには適しており、意識したいポイントです。ユーザーから収集したリアルな意見には、改善や商品の開発につながるヒントが隠れています。

リピート率や顧客ロイヤリティ向上の効果も期待できるため、指標となる基準を設定し、分析できる体制を整備しましょう。

UGCをマーケティングに利用する際の注意点

UCGは注意しないと薬機法や著作権法に抵触し、投稿者や消費者から訴えられる恐れもあります。関係がある法律の規制に関しては正しく理解し、適切に運用してください。

否定的なレビューに対する対応にも、注意が必要です。削除や非公開が正しい方法とは限らず、適切な対応を取ることで、汚名返上や信頼の獲得につながります。

薬機法に違反しないか確認する

UGCを企業公式アカウントの投稿や広告の一部に利用する際は、薬機法に抵触する表現や内容がないかチェックが必要です。薬機法とは、簡単にいえば、医薬品や医療機器に関する過剰な広告表現の規制を目的にした法律です。

規制対象は企業の広告のみならず、個人の投稿も範囲に含まれることに注意しましょう。業務で広告運用に携わる担当者は法的な見識があるため、日常的に注意の目を光らせており、禁止表現を含む広告を対外的に発信してしまう可能性は低いでしょう。

しかし、気軽にレビューを投稿する一般ユーザーの場合、意図せず違法行為を引き起こしてしまう可能性もあります。

薬機法に違反すると、口コミの投稿をしたユーザーのみならず、依頼した企業も責任を追及される恐れがあるため、強固な管理体制を整えましょう。

薬機法のNG表現は、以下のとおりです。

  • 効果や効能に関する体験談
  • 商品の安全性や効果を保証する口コミ
  • 最上級表現
  • 化粧品等について治癒するような口コミ
  • 投稿を見た人に誤った認識を与える内容

効果や効能に関する記述は薬機法に違反する可能性が極めて高いため、使用感や商品の使い方にのみ触れている口コミを選んで使用しましょう。

著作権を侵害しないか確認する

UGCを自社のメディアやSNSに掲載する場合、事前に投稿者から許諾を受けなければなりません。許可を取らず無断で商用(利益の獲得を目的とした行為)として利用した場合、著作権法に抵触する恐れがあります。

たとえば、自社の商品に言及しているSNSの投稿を、無断で自社のクリエイティブに使用した場合、著作権の侵害に当たる可能性があります。ハッシュタグも同様、企業や商品名を含む文字列が使われていたとしても、事前にユーザーの許諾を得ましょう。

同時にコンテンツに掲載する際は、出典やクレジットの併記が必要です。作成者を明記し、自社のコンテンツとの区分を明らかにすることで、著作権者の権利を保護し、トラブルを引き起こすリスクを低減できます。

ステルスマーケティングにならないよう気を付ける

ステルスマーケティングとは、企業から宣伝の対価として報酬を受け取っているにもかかわらず、消費者に広告であることを隠してよい口コミや評判を行う行為です。

UGCはユーザーの購買に影響を与えるのは、あくまでも自発的に投稿したコンテンツに限られます。参考にしたいと感じた投稿が、企業からの宣伝に基づく作られたレビューだと気付いたユーザーは、投稿者や宣伝する商品に対し、失望や疑念を抱くでしょう。

ステルスマーケティングはユーザーからの信頼の低下を招くにとどまらず、違法行為に該当します。たとえば、UGCの生成をインフルエンサーに依頼した場合(インフルエンサーマーケティング)、投稿内にタイアップであることを伝える必要があるため注意が必要です。

2023年10月以降、ステルスマーケティングは景品表示法の規制行為に指定されます。インフルエンサーに該当しない一般人のUGCは規制の対象外になっていますが、今後の動向次第では扱いが変わる可能性があるため注意しましょう。

否定的なレビューに対しての対応に注意する

自社の商材に対する否定的なレビューは、必ずしも削除や非公開といった対応を取るべきとはいえません。ネガティブな意見も取り入れることで、レビュー全体の信頼形成につながります。

よい内容ばかりの広告は、怪しさや不信感の原因にもなりかねないため、自社の評判を落とさない範囲で悪い内容を公開するのは効果的です。

また、ネガティブなレビューを分析することで、期待値とのずれがどこにあったのか把握できます。

アパレル商品の悪い口コミにありがちなのが、「サイズが小さすぎて自分には合わなかった」というものです。ユーザーはサイズ感が大きい服を求めていると判明するため、新商品の開発やラインアップの改善など、効果的なマーケティング施策の立案につながります。

さらに、否定的なレビューに上手く対応できれば、汚名返上のチャンスを得られるでしょう。口コミを公開したうえで、原因や対応策を説明することで、問題が起きたときも冷静に改善につなげられる企業だと印象付けられます。

ピンチはチャンスという言葉があるように、否定的な意見の公開が効果的な場合もあるため、目を背けずに適切な対応に努めましょう。

UGCを活用する3つの具体例

UGC活用の具体例には、ランディングページやECサイトへの掲載、Web広告のクリエイティブへの活用、SNS投稿の素材などが挙げられます。

WebサイトのTOPページやカテゴリページ以外にも、商品の詳細を記載したLPに設置したほうがダイレクトな流入を期待できます。

クリエイティブの一部にUGCを導入し、自然な形での購買意欲の創出に役立てられる場合も少なくありません。ケースごとの使い方を確認しましょう。

ランディングページやECサイトなどに掲載する

ランディングページやECサイトにUGCを掲載すると、効果的に消費者の購買意欲を喚起できます。レビューを見ようとほかのサイトへ離脱する動きも減るため、回遊率やCV(コンバージョン)率の改善にも寄与します。

制作コストを抑えつつ、売上アップや利益率の向上も狙える費用対効果の高さも魅力的です。ECサイトの性質上、商品の使用感を実際に確かめることができません。たとえば、メイクアップ商品の場合、色味が自分に合うのか、実際の発色はよいかなどの不安要素があります。

上記の解決には、静的コンテンツに加えて、動的UGCを取り入れるのが効果的です。動画形式で商品の使い方や利用方法を紹介できれば、わかりやすいうえにユーザーの負担は軽減し、商材の魅力をより伝えられるでしょう。

広告制作時の素材として活かす

SNS広告のクリエイティブにUGCを取り入れると、フィード画面に馴染み、ユーザーに受け入れやすい形での訴求が実現します。クリック率の向上やCV率のアップをはじめ、望んだ成果の獲得を期待できます。

SNS広告の運用では、仮説の構築→実行→評価→改善のPDCAサイクルを回し続けるのが基本的な戦略です。大量のクリエイティブの投下が前提となりますが、UGCの活用によって自社のリソースを使わなくても、分析に必要な量を担保できます。

企業が制作する広告にUGCを取り入れると、消費者目線のニュアンスが出るため、広告特有の押し付け感を和らげる効果も期待されます。

SNSに投稿する際の素材にする

InstagramやTwitterの自社アカウントで、発信する投稿の素材として活用する方法です。一般の人が書いたレビューは親近感を得やすく、開発する側ではわからない商材の利点や、独自の使い方などの情報を得られる場合もあります。

いいね!やコメント数の増加をはじめ、目に見える効果を得やすいのも利点です。UCGは、投稿の内容が思いつかないときのネタ切れ対策にも効果的です。

特定のハッシュタグで検索して口コミを収集するのが手軽な方法ですが、著作権関連のトラブルを起こさぬよう、ユーザーから許諾を得るのを忘れてはいけません。

UGCマーケティングの事例

UGCマーケティングの成功事例として、「塚田農場」を運営する株式会社エー・ピーホールディングス様の事例を紹介します。

塚田農場は素材や製法にこだわった美味しい料理を提供する居酒屋として、一躍注目を集めました。もともとはクオリティの高さを追求して知名度を高めたのですが、上場して店舗数を拡大した2010年代半ばになると、いつの間にか接客がおもしろい会社としてのイメージが強まっていきます。

その後、原点に立ち返ろうとおいしさへの訴求に注力するなかで、マーケティング戦略の選択肢に上がったのがオンラインコミュニティの構築です。情報過多の現代で味へのこだわりをアピールしても、他社との差別化は見込めず、大きなインパクトは期待できません。

宣伝色が強いインフルエンサーマーケティングも避けたほうがよいという結論に達し、一般のユーザーで熱量高く、塚田農場が好きだと胸を張って宣言できる熱烈なファンを求めていました。

一方で、ブームが去った後に新しくファンになったユーザーの意見を吸い上げる場がないことも問題視していました。

おもしろさからおいしさへと訴求軸を転換するなか、ユニークな接客のイメージが強い新参の顧客は何を考えているのか、なぜリピートしてくれるのか、直接コミュニケーションを取り、ニーズをしっかり理解したいという思いから、オンラインコミュニティの構築を検討します。

営業中のお客様とのやり取りでは、必然的にその場のメニューやドリンク、実施中のキャンペーンなどに限定されてしまいます。店ではない別の場所で、密にコミュニケーションを取る機会が得られれば、違った視点からの声をもらえると考えたようです。

オンラインコミュニティの構築によって、オフラインでのイベントを開催せずとも、お客様の声(UGC)に触れる機会が増えたと実感されています。さまざまな施策に対する手応えを、感じられる場としても機能しています。

たとえば、限定商品「季節の白熊アイス」は、まずビジュアルで注目してもらい、実際に注文して味わってもらうことで、価格以上の魅力を感じてもらうという戦略を立ててスタートを切った商品です。

実際に楽しんで投稿するお客様の写真を見ることで、意図どおりに受け入れてもらえていることを肌で実感されています。ほかにも、好きな商品の種類や理由を言葉で教えてもらい、企業視点では気付かない強みを見付けて、新たな商品開発に役立てるという意図せぬ効果も感じられているようです。

店舗を通した間接的な声ではわからない、具体的な意見を取り入れられることにオンラインコミュニティの価値を見出されています。

UGCをマーケティングに活かして支持を得よう

SNSの投稿やブログのレビュー、口コミサイトの評判などのUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、消費者目線の自然な形で商材の特徴を宣伝できることから、マーケティングでの注目度が高まっています。

ユーザーが自発的に発信するコンテンツのため、広告のようにニーズに合わない情報が流布される心配が少なく、効果的に購買意欲を喚起できます。

よい商品の提供を続けても、UGCが大量に発生するとは限りません。口コミを投稿したくなるような仕組みの構築に努め、公式アカウントでの紹介やキャンペーンの実施など具体的な行動を取りましょう。

LPやECサイト、SNS広告にUGCを掲載する際は、薬機法や著作権法に侵害しないよう十分に注意が必要です。一般のユーザーの投稿でも、使用の際は必ず事前に許諾を得ましょう。

ネガティブな投稿も、あえて弱みを曝け出すことで信頼感の向上につながる場合もあるため、どの対応が適切か考えて行動に移りましょう。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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