本物の「凄麺」好きが集うヤマダイ株式会社のコミュニティ「すごめんち」。その熱さの秘訣とは
ヤマダイ株式会社
森田 佳奈様 森山 あかり様
オンライン上に顧客接点を作り、顧客間の交流を促す
顧客と対等な関係を意識し、丁寧にコミュニケーションをとる
コロナの影響で直接顧客の声(VOC)を収集することができなくなってしまった
効果
アンケートを活用し、顧客のニーズを把握する
企業とファン、ファン同士の交流を通じてロイヤリティの高い顧客を増やしていく
まるでお店のラーメンのような本格的な味を追求した「凄麺」を製造・販売するヤマダイ株式会社。お客様との双方向のコミュニケーションを実現する場としてcoorum(コーラム)を始動しました。「凄麺」の商品やブランドを伝える役割を担う広報室の森田氏と森山氏にcoorumの導入を決めた背景と今後の展望を伺いました。
INDEX
試食販売ができない。逆境を一転、お客様の声を直接聞くファンサイト設立へ
──coorumの導入前に感じていた課題と、ファンコミュニティの運用を決断した背景を教えてください。
「coorum(コーラム)」の導入を検討することになった大きなきっかけは、コロナ禍においてスーパーでの試食販売ができなくなってしまったことがあります。当社はお客様と双方向のコミュニケーションを取り、直接お客様の声を聞くことを重視してきました。ところが試食販売ができないコロナ禍ではお客様との接点はSNSだけ。お客様との接点を増やすためにファンコミュニティを検討することになりました。
実はコロナ禍以前から「凄麺」のファンクラブを作りたいという話は挙がっていたのですが、リソースの問題でなかなか実現できずにいました。熱量が高いファンと一緒に、より強固なブランドを作っていきたいというかねてからの想いは、coorumの導入を後押しするものになりました。
自社運用+ブランディングのサポートのバランスが取れたサービス
──ファンコミュニティツールはさまざまありますが、coorumを選んだ決め手はなんでしたか?
当社は商品やブランドへの思い入れが強い会社なので、基本的には自分たちで運用していきたいと考えていました。ただ同時にブランディング方法などの自分たちだけでは取り組みづらいポイントはサポートしていただきたいなと考えていたのです。
複数のファンコミュニティツールの説明を伺いましたが、自分たちで運用できるファンコミュニティツールの提供と、一緒にブランドの見せ方を考えてくれるサポートのバランスが良かったのでcoorumを導入することに決めました。
──実際にcoorumでコミュニティ運用を行ってみてのサポート面はいかがでしょうか?
メールやWEB会議を中心にさまざまな要望をさせていただいていて、時には無茶振りになってしまっているようなこともあるかもしれませんが、いつも丁寧にご対応頂いています。サポート担当の方が、当社の目線になって一緒に考えてくれるので、期待以上のサポートを受けられているなと感じています。
熱量の高いファンに楽しんでもらうのはもちろん、社内のモチベーションアップが副産物に
──コミュニティでは活発に投稿が行われており、熱量の高さが伺えますが、どのように運用方法を行っていったのですか?
「企業 対 ユーザー」ではなく、「企業の中の人 対 ユーザー」という、人と人がつながる空間を目指していたので、1人ずつ声かけをするぐらいの気持ちでコミュニティを作っていきました。
立ち上げ当初は、TwitterやInstagramで「凄麺」のことをつぶやいているユーザーにお声掛けして、コミュニティの初期ユーザーとしてご協力いただきました。その後、ユーザー層を広げるフェーズでは、単純なプレゼント配布にとどまらず、もう1歩踏み込んで凄麺ファンだからこそ参加したくなるような企画を行い、凄麺のロイヤル顧客が集う場となるように運用を行っています。
──コミュニティで受け取ったお客様の声を商品開発につなげた事例や、成果を感じられた事例はありますか?
まだコミュニティを立ち上げてから2ヶ月程度と日が浅いので、商品化した事例はありませんが、開発者のモチベーションにつながっているなという実感はあります。先日、「好きな麺」のアンケートを取ったところ、多数の回答が集まり、1位は当社の商品にはない「平打のちぢれ麺」という結果が出ました。
ラーメンは麺よりもスープに注目されることが多いので、麺の良さも分かる人には分かってもらえているのだと開発者の自信になったようです。こうしたユーザーのリアクションの積み重ねが、今後の商品開発に活きてくるだろうなという感触を得ているところです。
また、商品のプロモーションの一環として実施した企画「ねぎみその逸品祭り」の中で、コミュニティ内から商品のキャッチコピーを募集しました。最優秀賞となった「ねぎ!みそ!どちらも凄い!この衝撃は癖になる」 というキャッチコピーは記念ポスターになりました。最優秀賞以外にもたくさんのご応募をいただき、お客様ならではの視点でユニークな発想の作品の数々に、たくさんの学びや気づきがありました。今後は、SNSでのプロモーションや店頭でのポップに活用するなどを検討したいと思います。
コミュニティユーザーが考えたコピーでポスターを作成
別の話で成果というよりも嬉しかったことと言ったほうがいいのかもしれませんが、コミュニティの会員カードを送付する際に、テープを丁寧に貼って送ったところ、それに気づいたユーザーから「管理者の思いが伝わってくる」という内容の投稿がありました。ファンの人とのつながりを実感した投稿でしたね。
他にも、コミュニティ内で知り合ったユーザー同士が、お互いのSNSをフォローして連絡を取り合うなど、ファン同士で交流したいというニーズもあることがわかりました。立ち上げ前は、会社と繋がりたくてコミュニティに参加するものだと思っていたので、大きな気付きになりました。
コミュニティ内でアンケートを実施
──今後の展望についてお聞かせください。
まずは、熱量の高いコミュニティを維持したまま、もう少し規模を拡大したいなと考えています。食は”癒やし”の1つだと思っているので、コミュニティに遊びに来て、おいしいものをシェアして、幸せを感じるという輪をもっと大きくできたらいいなと思っています。
それとこちらは副産物になりますが、社長をはじめとする多くの社員がこっそりコミュニティを見てモチベーションを高めてくれています。恥ずかしいのか投稿はしてくれないのですが(笑)。今後も会社がお客様とつながる場として活かしていければと考えています。
直近では、会社がお客様とつながる場にする企画として、コミュニティに投稿するアンケートを社内でも取って、結果の違いを比べるという企画をしています。冬のこってりラーメンといえば”味噌”ということで、「好きな凄麺の味噌味は?」というアンケートですが、すでに社内では票が割れており、どのような結果になるのか楽しみです。開発担当からアンケートに絡めた商品の紹介も予定しており、コミュニティの活性化につながる企画として期待しています。