タリーズコーヒージャパンがデジタル時代に取り組むオンラインでの顧客体験『TULLY’S community Hello!』
山本洵 様
青木美早恵 様
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オフライン(店舗)とオンラインの顧客体験を向上し、来店頻度につながるサイクル作り
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コミュニティのアクティブ率を高めるために、反応率が高かったものを軸にコンテンツを企画したり、お客様同士が仲良くなるきっかけづくりをサポートして、継続的に参加したくなる環境をつくった
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Web会員サービスの“クラブタリーズ”とオンイランコミュニティの会員データを連携し、コミュニティでの効果をモニタリング
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従来は店舗に来ていただくことで価値提供をおこなってきたが、デジタル化の時代の流れと共に、オンラインで新しい顧客体験を提供する必要性を感じていた
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SNSではお客様との距離が生まれ、一方的なコミュニケーションになりがちだった
効果
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オンラインコミュニティでの活動が店舗への来店につながるサイクルを作る
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お客様とのより深いコミュニケーション通して、新しい顧客体験を提供し、ファンを増やす
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お客様のリアルタイムな声を社内で共有して、商品やサービスに活かす
タリーズコーヒージャパン株式会社のオンラインコミュニティ「TULLY'S community Hello!」。オンラインコミュニティに集まるお客様の声を活用し、商品開発やサービスの改善に役立てることで、体験価値を向上させ、お客様の来店頻度を高めるサイクルをつくることを目指しています。タリーズコーヒージャパン株式会社のコミュニティを導入した背景やcoorum(コーラム)を選んだ理由について、タリーズコーヒージャパン株式会社 山本様と青木様に伺いました。
INDEX
店舗での価値提供だけではなく、オンラインでも新しい顧客体験を提供したい
──まずは、お二人のご担当されている業務について教えてください。
山本様:デジタルマーケティンググループでは、主に公式ホームページの運用やキャンペーンページの作成、Uber Eatsなどのシェアデリバリー事業やGoogleビジネスプロフィールの管理、コミュニティサイトの運営など、Webに関連する幅広い業務をおこなっております。
──オンラインコミュニティを導入された背景について教えてください。
青木様:タリーズコーヒーはお客様に店舗に来ていただき、直接体験をしていただくことで価値提供を行うことを大切にしてきました。しかし、世の中的にもデジタル化が進む中で、オンラインでも新しい顧客体験を提供し、オフラインとオンラインの体験を繋げていきたいと考えました。そこで、新たにオンラインコミュニティを立ち上げるに至りました。
オンラインコミュニティで実施していきたいこととしては、お客様にタリーズをより好きになっていただいてファンを増やすこと、そしてお客様の声を知り、私たちが伝えたいことをより深く伝えていくことです。
coorumを選んだ理由は、見やすくて使いやすいUIデザインと充実した分析機能
──他社のサービスも検討していたとのことですが、最終的にcoorumを選んだ理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
青木様:coorumを選んだ理由は大きく分けて2つあります。1つ目はcoorumのUIです。使用するお客様にとってシンプルでわかりやすく、運営する我々自身も使いやすそうだと感じました。2つ目は充実した分析機能です。我々が分析したいと思っている情報がまとまっており、さまざまな形でデータを見られるのが魅力的でした。
──コミュニティ以外にSNSにも取り組まれていますが、SNSとコミュニティの違いについてはどのようにお考えでしょうか?
山本様:タリーズコーヒージャパンはXやInstagramをはじめとするSNSにも力を入れて運用しており、実は私たちは1年前までSNSの担当として、さまざまな施策を実施してきました。
SNSでもお客様とコミュニケーションをとることができますが、One to One のコミュニケーションがとりづらいことが課題でした。また、企業アカウントとして対応しなければならないので、どうしても距離感を感じてしまうお客様が多かったのかもしれません。その一方で、コミュニティの場合はもう少し近い目線でお話しすることができます。実際にコミュニティでは、お客様がどういう生活をしているのか、どういう商品を買っているのかなど、より深いコミュニケーションができていると感じています。
店舗のような雰囲気とスタッフとの温かいコミュニケーションが体験できる場所へ
──改めて、貴社のオンラインコミュニティ「TULLY’S community Hello!」はどういったコミュニティですか?
青木様:いつも店舗にご来店いただくお客様がオンラインコミュニティにお越しいただいた際に、店舗の雰囲気やスタッフとのコミュニケーションなど、リアル店舗での体験をオンライン上で再現できる場所を目指しています。オンライン上での体験によって、また店舗にお越しいただく良い循環を作っていきたいです。
──「TULLY’S community Hello!」を運営する上でどのような点を重要視されていますか?
山本様:参加いただくお客様を増やすことは勿論ですが、登録いただいたお客様がどれだけコミュニティに遊びに来てくれているのかという「アクティブ率」の部分が重要だと考えています。そのために、お客様たちが楽しく参加し続けてもらえるような投稿やキャンペーン企画を考えています。
また、Web会員サービスの“クラブタリーズ”とオンラインコミュニティの会員データを連携させることで、オンラインコミュニティでの活動によってお客様が実際に店舗に来店いただいたのか、取り組みの効果を将来的には計測していけるようにしていきたいです。SNSなどでおこなってきた施策は、どのような効果があったのか計測が難しく、オンラインコミュニティではより解像度高くお客様を理解していくことを目的としています。
──コミュニティを活性化させるために工夫していることはありますか?
青木様:今後のコンテンツ計画を立てる際に、お客様の反応率が高かったものを軸にして考えるようにしています。また、お客様が知りたがっている情報と、企画担当者やマーケティング担当者としてお客様に知らせたい情報のバランスをうまく取れるように調整しています。
山本様:お客様同士が仲良くなることが重要だと考えているので、共通の好きなものを持つお客様同士の繋がりができるように、きっかけづくりをサポートしています。実際にお客様の中にはコーヒーが好きな人、お店自体が好きな人、紅茶が好きな人、キャラクターグッズが好きな人など、さまざまなお客様がいらっしゃいます。今後もそれぞれの好きなものについて語り合えるような場所にしていきたいと考えています。
商品やサービスをお客様と共創できるコミュニティを目指して
──コミュニティの運用を開始してから、印象に残っていることはありますか?
青木様:オンラインでイベントを行った際に、普段コミュニティ内でコミュニケーションを取っているお客様と直接お話をする機会があり、その時のことは非常に印象に残っています。実際にお客様から直接もらった生の声を社内の商品企画担当者にも聞いてもらっており、社員側からも「鮮度の高い声が聞ける」とポジティブな声があがっています。
山本様:コミュニティを通じて、さまざまなお客様がいらっしゃることに気づかされる場面も多いです。例えば、すごく熱心にコミュニティに投稿してくださる方がいらっしゃいまして、生活圏内にタリーズがあってご来店いただいているのかと思っていたのですが、その方はタリーズに行くことを目的に少し遠くまで外出されていることがわかりました。このような情報は、直接お客様に聞かないと得られないものです。そういった点を深く聞けるところが、コミュニティはとても良いと感じており、記憶に残っています。
──今後の展望について教えてください。
青木様:今後の展望は大きく2つあります。1つ目は、現在は社内で共有している情報を、将来的には店舗で勤務しているアルバイトの方々にも見てもらい、さらに多くの関係者が参加できるコミュニティにしていくことです。2つ目は、オフラインの対面イベントを開催することです。現在はオンラインのイベントのみの開催となっていますが、将来的には直接お客様の顔を見てコミュニケーションが取れる機会を多く作りたいと考えています。
山本様:タリーズは地域貢献に取り組んでおり、各店舗に街のコミュニティーカフェとしての役割を担うようなお店づくりを目指しています。コミュニティサイトに関してもそれは同じで、お客様に寄り添い、より多くの人がコミュニティを楽しんでもらえるように盛り上げていきたいです。また、コミュニティ内のお客様の購買行動をしっかりと把握し、コミュニティの効果を明確に示していきたいと思っています。
将来的には、オンラインやオフラインでのイベントを通じて、商品の企画担当者とお客様が意見交換をし、それを商品開発やサービス改善に活かしていきたいと考えています。