「従業員の中に“アダストリアファン”を作りたい」アダストリアが実践する社内コミュニティ
斉藤 麻子様
比金 みなみ様
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従業員同士が自然にコミュニケーションを取れる場を目指し、業務に必要な機能よりも交流を重視したプラットフォームを選定
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コミュニティへの参加率を高めるために、重要コンテンツを社内コミュニティのみで閲覧可能にしたり、ロールプレイング大会の投稿を社内コミュニティで行う
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閲覧だけでなく積極的に交流してくれるユーザーを増やすために、コンテンツの質と更新頻度を高め、従業員が積極的に参加したくなる環境作り
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従業員が増えたことで、社内コミュニケーションが希薄になっていた
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社内広報のために運用していたサイトがうまく浸透しなかった
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店舗の従業員と本部社員の間に溝があり、お互いの仕事をよく知らない状態だった
効果
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従業員が自分のキャリアについて考えたり、会社の多様な仕事について知ることができたりするきっかけにしたい
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従業員同士の自発的なコミュニケーションが生まれる場所にしたい
株式会社アダストリアの社内コミュニティ「Co-next」は、coorum(コーラム)の導入により従業員同士のコミュニケーションが活性化し、相互理解が深まったといいます。今回は、社内コミュニティ導入の背景やcoorumを選んだ理由について、アダストリア広報部の斉藤様と比金様にお話を伺いました。
INDEX
事業拡大に伴う従業員数の増加で、円滑な社内コミュニケーションがとれなくなっていた
──株式会社アダストリアの事業と、お二人のご業務について教えてください。
斉藤様:アダストリアは、ショッピングセンターを中心に展開するカジュアルファッション専門チェーンです。30を超えるブランドを国内外に約1400店舗展開しています。お洋服だけでなく、現在はマルチカテゴリーの強化に力を入れており、さまざまな商品を取り扱っています。
公式Webストアの「and ST(アンドエスティ)」が当社の大きな軸となっており、会員数は1800万人を超えています。「Play fashion!」をミッションに掲げ、ファッションと人生を楽しみながら、たくさんのワクワクを世界に届けていきたいと考えています。
比金様:私と斉藤さんは広報部に所属しており、インターナルとスポーツ協賛・ローカルのPRをメインに活動しています。具体的な業務としては、当社の社内コミュニティである「Co-next」を通じて、従業員の皆さんにさまざまな情報を発信しています。そしてスポーツ協賛にも力を入れており、特に社内広報の観点から従業員の皆さんに活動を知ってもらう取り組みを行っています。
──社内コミュニティの立ち上げに至った背景について教えてください。
斉藤様:当社は元々、紙の社内報を発行していましたが、時代の流れとともにWebへの移行を進め、自社で開発したサイトである「ADJUST」で社内広報を行っていました。しかし、「ADJUST」の活用が思うように浸透せず、さらに会社の規模が大きくなるにつれて社内コミュニケーションに限界を感じるようになりました。実際に従業員の数が増え、円滑な社内連携をとることができなくなって。そのようなタイミングでcoorum(コーラム)のことを知り、従業員の中に”アダストリアファン”を作ることを目的に、社内コミュニティ「Co-next」を立ち上げました。
社内広報チームは、店舗スタッフや本社で働く従業員が有意義に働けるように、また「この会社で働いていて良かった」と思えるような環境づくりを目指しています。当社の社内コミュニティである「Co-next」を通じて、従業員の皆さんにさまざまな情報を発信しています。
目指していたのは、従業員同士のコミュニケーションが自然に生まれる場所
──他社のサービスも検討していたとのことですが、coorumを選んだ理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
斉藤様:私たちが目指していたのは、従業員が主役になれるようなコミュニティです。他社サービスの情報収集もしていたのですが、日報の共有などの業務系の機能が中心になっている印象を受けました。私たちが求めていたのは、私たちが関与しなくても従業員同士で自然とコミュニケーションが生まれる場所をつくることだったので、そのような観点においてcoorumが最も我々のイメージと近いと感じ、最終的にcoorumを選びました。
業務システムや日報管理ツールに関しては既存のものがあるので、coorumにはそれらとは異なる役割を果たすことを期待しています。従業員が自分のキャリアについて考えたり、会社の多様な仕事について知ることができたりする場所になればと考えています。
──従業員の中に”アダストリアファン”をつくることを目的にしているということですが、社内コミュニティ以外に行っている施策はありますか?
斉藤様:社内コミュニケーション強化の一環として、「タウンミーティング」を実施しています。「タウンミーティング」とは役員と本部の社員が20名〜30名程度で各地を巡回するもので、各店舗の店長とのコミュニケーションを図っています。約120人規模で懇親会を行い、会社の方針やビジョンを伝えると同時に、現場で困っていることなどの現場のリアルな声を役員たちが直接聞く場となっています。年に1回実施していますが、これが店舗の従業員にとっても本部の社員にとっても大きなモチベーションになっています。
社内コミュニティを通して、店舗の従業員と本部の社員の間に繋がりが生まれた
──改めて、貴社のコミュニティ「Co-next」はどのようなコミュニティでしょうか。
比金様:「Co-next」は、すべての従業員が繋がれる場所になっており、特に店舗の従業員と本部の社員が繋がる機会を提供しています。「Co-next」では「キーマンに聞く!」という動画コンテンツがとても人気で、お互いの仕事を知るきっかけになっています。実際に店舗で働く従業員が本部社員の仕事を知ることで、自身のキャリアアップのイメージを膨らませることができたという声も挙がっています。また「Co-next」はWeb上だけで終わらない「リアルのつながり」に結びつけるという方向性で運用しているのも特徴の一つです。
──「Co-next」を従業員に活用してもらうために、工夫したことはありますか?
斉藤様:初期の段階では、ある程度強制的に利用してもらう工夫をしました。例えば、年に一度開催される全体店長会議のコンテンツを「Co-next」でしか見られないようにしたり、ロールプレイング大会の投稿を「Co-next」上で行うようにしたりしました。また、我々が参加する定期的なイベントの際には必ず「Co-next」の紹介を行い、全社ベースで月に2回ほど「Co-next」の新着情報を配信しています。特に動画コンテンツは人気が高いので、飽きずに見てもらえるような頻度で更新するようにしていますね。
従業員にとって「あることが当たり前」のコミュニティを目指して
──コミュニティの運用を開始してから、印象に残っていることはありますか?
斉藤様:動画コンテンツである「キーマンに聞く!」のコーナーでは部長以上の役職の方々からメッセージをいただいているのですが、それに対して現場の店長さんたちがコメントをくれることがあります。そういった交流が生まれていることに、私個人としても胸が熱くなることがありました。今後もそのようなコミュニケーションがさらに広がっていけばいいなと思っています。
比金様:「Co-next」を運営するようになって、従業員からの要望や声が増えたと感じています。特に「キーマンに聞く!」という動画コンテンツへの反応が良く、「いいね」の数も増えています。私自身も社歴が短いので「Co-next」を通じて多くのことを学べており、全社的にも少しずつ浸透していっているのを実感しています。
──今後のコミュニティの展望を教えてください。
比金様:従業員が会社のことを知りたいときや何かに困ったときに有益な情報になるコンテンツの配信を続けていきたいと思います。また、システム面でもコミュニティサイトを開いたときに、思わず閲覧したくなるような仕組みづくりを進めていきたいです。
斉藤様:現在は私たちが主体的に情報を発信している段階ですが、次のフェーズとしては、各部署に「Co-next」担当がいるような体制を作りたいと考えています。将来的には、スタッフや店長が自然に横のつながりを持ち、自主的にコミュニケーションを取れるようになることが理想です。そのために、まずは私たちが魅力的な記事をアップし続け、話しやすい雰囲気づくりを進めていきたいと思います。従業員にとって「あることが当たり前」のコミュニティになることを目指したいです。