2023/09/13

親子のヘアケア&スキンケアブランド「mä&më(マーアンドミー)」がファンとの共創を目指すコミュニティを始めた理由

親子のヘアケア&スキンケアブランド「mä&më(マーアンドミー)」がファンとの共創を目指すコミュニティを始めた理由

クラシエホームプロダクツ株式会社
左:ヘアケアマーケティング部 課長 綿引志帆様
右:宣伝・販促部 係長 駒村友紀様

運用のポイント
  • ブランド立ち上げ時から運用しているInstagramで初期メンバーを募集する

  • 担当者自身も商品のユーザーの一人としてファンコミュニティを楽しむ

課題
  • 商品の利用期間が限定的になる可能性が高く、商品のリピート率を上げたい

  • メーカーという立場上、お客様とのつながりが間接的である

  • お客様満足度を上げたい

期待する
効果
  • LTVの向上

  • お客様の声(VOC)を直接聞く

  • シリーズ商品の認知拡大

「ママと子どもの毎日のバスタイムを楽しみな時間にする」を実現するファンコミュニティ「mä & më time」を運営するクラシエホームプロダクツ株式会社。お子さまとのお風呂での出来事や、商品を使ってみた報告が多く投稿され盛り上がっています。その立ち上げ経緯や運営のポイントを、綿引様と駒村様に伺いました。

担当者もママ。お客様と直接つながり、共に創るファンコミュニティ

──まずはお二人の役割やミッションを教えてください。

綿引様:mä & mëを発売したのは2018年8月です。私はブランド立ち上げ当時は開発担当、現在はブランドのリーダーを担当させてもらっています。

駒村様:私は宣伝・販促部に所属し、TVCMやイベントの開催、SNSやブランドサイトなどmä&mëのコミュニケーション全般を担当しています。

──ファンコミュニティの運用を決断した背景を教えてください。

綿引様:mä & mëというブランドは「わたしにも、こどもにも、うれしい。」というコンセプトを持っており、顧客層が明確な商品だと考えています。お客様との関係性をより強固なものにしていきたい、そしてお客様と一緒にブランドを創っていきたいと考えていたタイミングで、coorumの存在を知りました。

当社はメーカーですが、お客様へ直接商品をお届けしているわけではなく、商品を販売している小売店などを介してお買い求めいただいているため、お客様と会話する場面はそこまで多くありません。coorumを通してお客様と直接つながれることに魅力を感じました。

もう一点、私たち自身も子どもがいるママなので、商品のユーザーの一人となるのですが、こういう商品があったらいいな、こんなサービスがあったらいいなというアイデアを取り入れていくと共感してもらえる場面があり、「一緒にものづくりをしていける場があるともっといいのではないか」とも考えていました。coorumを通じてお客様と直接つながれるだけでなく、一緒にブランドを育てていけるところがいいなと思っています。

──coorumの導入前に感じていた課題はどのようなものですか?

綿引様:商品開発の流れの中でお客様をお呼びしてヒアリングをしたり、試用してもらったりと調査を行うのですが、先程申し上げた通り顧客層が限定的な商品であるため、ライフスタイルによっては時間や場所の制限があり、調査対象の方を見つけることに難しさを感じていました。希望の条件で絞っていくとなかなか数が集まらないことは、調査会社の方にもよく言われています。必要なタイミングだけお呼びするのではなく、お客様と常に接点を持つことができたら、商品のここはどうなんだろう?という疑問の解消や商品改善のポイントを見つけるのもよりスムーズになるのかなと思っていました。

駒村様:3〜9歳のお子さまがいらっしゃるご家庭がメイン顧客層となるため、一定期間が経つと卒業してしまうのが避けられないブランドです。新規のお客様を常に増やしながらも、LTVを伸ばしていくという二軸の課題が常にある中、ファンコミュニティは後者に貢献するのではないかと期待を寄せています。

また、ブランドの立ち上げから5年ほど経って、アイテムが増え、順調にブランドが成長してきている状況にありますが、mä&mëの一商品のリピーターではあるものの、他の商品は知らないというお客様もいらっしゃいます。カテゴリーの垣根を超えた「mä & mëのファン」を増やしていきたいという思いもあります。

コミュニティの設計はブランドコンセプトを継承。日々の大切な時間を感じられる場所を目指して

──coorumを選んだ決め手は何ですか?

綿引様:Asobicaの方が登壇していたセミナーを拝見して、これだと思ったのがきっかけで検討を始めました。経験したことのない取り組みだったので、どういった観点で選べばいいのかわからなかったというのが本音ですね。ただcoorumはノーコードで誰でも簡単に使える点は印象深く、導入事例を拝見すると魅力的なファンコミュニティばかりだったのでcoorumに決めました。

駒村様:ファンコミュニティの役割とSNSの役割はそれぞれ別にあり、ファンコミュニティとSNSとは異なる立ち位置だという説明を伺って納得感がありました。SNSは気軽に投稿しにくいけれど、ファンコミュニティのようにファンが集っている場所だと同じ目線・同じ価値観で安心して投稿できるので、「ここにしかないつながり」があるというのはもっともだと思いましたね。コミュニティの運営経験がない私たちにも親身になって説明していただき、SNSとは別の目的としてコミュニティのコンセプト設計から伴走してもらえたので、coorumにお任せしたいと思うようになりました。

──コミュニティのコンセプトはどのように考えたのでしょうか?

駒村様:まずはファンコミュニティのコンセプトをどこに置くのかというところからディスカッションを始めました。coorumのカスタマーサクセス担当である平川さんには考え方から助言していただいたのですが、もしかすると初めは難しく考えすぎていたのかもしれません。

冒頭に綿引が申し上げたように「わたしにも、こどもにも、うれしい。」というのが、ブランド立ち上げ当初から変わらないコンセプトです。商品を通じて、「ママと子どもの毎日のバスタイムを楽しみな時間にする」活動をしてきたので、それを形にしたファンコミュニティがいいのかなと考えるようになりました。

ここにくるとホッとするし、日々忘れがちなお子さまとの大切な時間を過ごしているということを感じてもらえるファンコミュニティになるといいなということで、具体的にどのようなコンテンツがあるといいのかというところに広げていきました。

──ファンコミュニティの立ち上げ時、初期メンバーの募集はどのように行われましたか?

駒村様:初期メンバーの募集はInstagramのみで行いました。Instagramはブランドの立ち上げ当初から運用していたので、コアファンはInstagramにいるだろうと考えたためです。応募に際してのコメントを拝見して、ブランドに対する熱量やお子さまの年齢を鑑みて、お声かけさせていただきました。

綿引様:誰も応募してくれないのではないかという不安な気持ちがあったのですが、当初10名枠で想定していたところから、3倍以上である32名の方に応募していただきました。たくさんの方に応募いただいてほっとしました。

──ファンと交流する中でどのような気づきがありましたか?

綿引様:ブランドを使い始めるきっかけは想定していた通りのタイミングであることがわかりました。また、こんなにブランドを好きでいてくれるんだ、と改めて気づいた一方で、ブランドを愛用していても知らない商品がある方もいらっしゃって、すべての人にすべてのことがまだまだ伝えられているわけではないんだなというのを実感しました。

あるユーザーさんが商品をおすすめしてくださった投稿に対して、別のユーザーさんが「買ってみました!」という報告もいただいているので、ユーザーさん同士がうまく交流していただいているかなと思います。

駒村様:「mä & më」をこんなに好きでいてくれることが分かって純粋に嬉しいですし、そのようなお声をお客様から直接伺えることが本当に貴重だと思います。「mä & më」のどこが好きなのかとお聞きした時に、「親子で使えるのが最高」というものがありました。私たちにとっては当たり前に感じていたことなのですが、お客様から改めてそのように言っていただくと、mä & mëが提供できる価値を認識できたなと感じています。

商品ジャンルの垣根を超えた認知拡大を目指してアンバサダー企画を実施

──進行中のアンバサダー企画について、お聞かせください。

綿引様:スキンケアシリーズを2022年8月に発売しまして、そろそろ1年が経ちますが、主力のシャンプーとは売場が違うこともあり、mä & mëをお使いの方であっても認知が十分でないのが現状です。スキンケアシリーズの魅力をもっと伝えていきたいということでアンバサダー企画を進行しております。

駒村様:企画内容としては商品サンプルをアンバサダーの方にお渡しして紹介していただくものです。ポイントは、アンバサダーお一人分だけでなく複数名分のサンプルをお渡しして、アンバサダーの方のお言葉で直接周りの方に広めていただく点です。10名の募集に対し60名以上のご応募をいただいて反響の大きさに驚いています。

──コアファン(初期メンバー)がコミュニティから離脱せずに継続していると伺っております。コミュニティ運営の秘訣がありましたら教えてください。

駒村様:走り出したばかりではありますが、コアファンがどなたも抜けずに活動してくれているということは大変ありがたく思っています。コアファンの方々は、お客様同士のコミュニケーションの起点であり、コミュニティ運営の中心でもある大切な存在です。

綿引様:コミュニティ運営の秘訣として挙げるのであれば、ブランドに共感していただけていることがなにより重要なことかなと考えております。そもそも商品企画の時点から自分たち自身もユーザーの一人として商品開発やプロモーションを行ってきました。発売前から何度かブランド共感度調査も実施しておりましたので、数値的にはどのくらいであるか理解していました。

コミュニティ運営を始めてからは、画面越しや文字情報だけではなく、お客様の生の声を通じてブランドへの共感、愛着が高いことを実感できました。コミュニティのメンバーの方から伺う「こういう商品が欲しかった」というお声や、「子どもとのお風呂時間をこんな風に過ごしたい」という悩みに応えたいという思いでブランド活動を行っているので、それが共感につながっているのだと思います。

ブランドも入り込んでファンの熱量を可視化できるのがコミュニティの魅力

──コミュニティとその他の施策の違いを感じていらっしゃることがあれば教えてください。

綿引様:TVCMなどのプロモーション活動では、幅広い人に対してこちらから発信するという形になるので、当然届いている方もいれば届いていない方もいらっしゃいます。店頭でのサンプリングを行う場合もお客様がいらっしゃる場所に向けて配布しており、ブランド側が主体となる施策であることが前提になっています。

一方で、ファンコミュニティは私たちブランド側もそこに入り込むようなイメージで、時にはひとりのユーザーとして投稿したり、一緒にブランドを育てていこうという同じ気持ちの人が集まるサークルのようなものだと思っています。今後は届けたい情報が届いているかどうかウォッチする場としても活用できることを期待しています。

駒村様:一言でいえば熱量を可視化できるのがファンコミュニティの良さだと思っていて、他の施策との大きな違いだと思います。他の施策はブランド側から発信して、お客様は受け取るという関係ですが、ファンコミュニティのお客様との関係はあくまでフラットで、質問させてもらったり、こんなイメージだよねというコメントをもらえたり、お客様が能動的なのは、コミュニティならではだと感じています。

──最後に今後の展望をお聞かせください。

綿引様:まだ走り出したばかりなので、まずはコミュニティに来てくださる方をもっと増やしたいというのが近い目標です。最初にお伝えした通り、メイン顧客層が3〜9歳のお子さまをお持ちの方であるため、ブランドに関わってもらえる期間がある程度限られていると考えているので、できるだけ長く楽しんでいただき、一緒にブランドをより成長させていければいいなと考えています。

駒村様:お客様とブランドの共創関係を築いていく中で、なにかアウトプットをと焦る気持ちもありますが、ずっとつながっている関係をキープするということのほうが難しいのではないかと思っています。まずは、今築き始めている大切な場を維持していけるように頑張りたいです。

そして、まだ構想段階ではありますが、今後はお客様からいただいたご意見がブランドに反映されていることを、お客様自身が感じられるようなアウトプットもしていきたいと考えています。

──ありがとうございました。

 

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小父内 信也 CCO
2010年、名刺管理システムのSansan株式会社に入社。データ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。 2019年に株式会社Asobicaに取締役CCOとして参画。
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金光 佑樹 カスタマーサクセスグループマネージャー
医療業界特化の人材紹介会社にて営業責任者・人事責任者を歴任後、ITベンチャー企業にてフィールドセールスに従事。 2022年に株式会社Asobicaに入社。 現在はCSMとしエンタープライズ企業を中心にコミュニティの立ち上げ支援を行う。
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上原 明子 カスタマーサクセスグループマネージャー
札幌のコワーキング・ゲストハウス・シェアハウスを運営するコミュニティ系不動産に新卒で入社。東南アジアを中心にバックパッカーをしながら、海外営業/新規店舗の立ち上げを経験。 その後ライブ配信プラットフォームにてCX関連の部署に所属し、オンラインイベントの企画/実施や新機能設計、効果分析などを担当した経歴を持つ。
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平川 貴詞 カスタマーサクセスグループマネージャー
早稲田大学人間科学部卒業。新卒で株式会社リクルートスタッフィングに入社し、大手通信企業向けのセールスを担当。 その後人材系ベンチャー企業に所属し、主にセールスとして中途・新卒採用の採用支援を経験した後、学生向け記事メディアの編集・マーケティングを担当。現在はCSMとして外食・メーカー企業を中心に幅広いお客様を支援。

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