女性の悩みに対する相談や情報発信により、お客様に癒しの場を提供するコミュニティ「月の深呼吸」
株式会社グラフィコ
マーケティング本部 ブランド管理部
部長
森増 ふみ様
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キャンペーンや知識を得られるような情報を更新して、定期的に見たくなるような施策を実施
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何も否定する人がいないコミュニティ作り
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女性ならではの辛い気持ちや不安や不調を吐き出せる場が少ない
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オフラインの場でお客様と会えても会話が断片的になってしまい、継続的なコミュニケーションが取りにくい状態
効果
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正しいケアの知識を発信し、情報交換の場として利用いただく
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コミュニティに来るだけで癒しやリラックスにつながる場所を提供
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商品や施策の検討にお客様の声を活かす
INDEX
お客様に寄り添い、情報発信を行う場を求めてcoorumへ
──まずは森増様の役割やミッション、ブランドへの想いを教えてください。
森増様:株式会社グラフィコでは、女性にどんな時でも自分らしくいてほしいという想いのもと、ウィズフェムというブランドで主に「よもぎ温座パット」といった女性特有のお悩みに寄り添った商品を販売しています。
なお私自身は、ウィズフェムのブランドのマネージャーを担当しており、女性のお悩みに寄り添いたいという想いでブランド運営をさせていただいております。
──ウィズフェムやよもぎ温座パットはどういった経緯や想いで開発されたのでしょうか。
森増様:株式会社グラフィコのウィズフェムというブランドでは、「女性の不調による我慢からの開放」を目指しております。
2020年頃からフェムテックという言葉が日本に入ってきたことをきっかけに、セルフケアへの注目が高まっており、体のケアだけでなく女性が抱える我慢する気持ちも含めて、幅広くケアできるためのブランドとして、ウィズフェムにリブランディングしました。
そんなウィズフェムとして販売している「よもぎ温座パット」は16年前から販売しているメイン商品です。発売当時、不調を抱えながら働く女性社員を見て何かサポートできないかという想いから、韓国で流行っていたよもぎ蒸しが簡単にできる商品をを日本版に改良し販売したのがきっかけになります。
──coorumの導入前に感じていた課題と、コミュニティの運営を決断した背景を教えてください。
森増様:coorumの導入前に感じていた課題は2つです。
まず1つ目は、女性が抱えている辛い気持ちを吐き出せる場が限られていることです。知り合いやSNSでつながった人に、辛い気持ちを心置きなく話すのは難しいのではないかという点から、吐き出せる場を提供したいと考えていました。
そして2つ目は、正しいケア方法や健康的に過ごすための参考になる記事の発信ができるようにしたいということです。
近年、口コミ等いろんな情報が手に入る中で、エビデンスがないのに本当だと信じて、間違ったケアをされている人が多くいらっしゃるのでは、と感じています。
しかし正しい情報を自分で仕入れるのは難しい場合もあるので、コミュニティサイトを通じて、情報を発信することで、健康的に過ごそうという想いの方が少しでも増えるといいなと思っていました。
この2つの課題の他にも、お客様同士で「このケア方法がよかった」など情報交換の場にもなればいいなという考えから、コミュニティの運営を決断しました。
──コミュニティを運営する上で、他社様のツールは検討されましたか。またcoorumを選んだ決め手は何でしょうか。
森増様:coorumの他にも3社くらい、ツールを検討しました。それぞれのお話を聞いたり、打ち合わせを行ったりしながら、数か月かけて検討し、coorumに決めました。
coorumを選んだ決め手は、窓口になっていただいた方がすごく親身に対応していただいた点が挙げられます。弊社の状況を踏まえていろいろと調整してくださり、何とか対応してくれようとしてくれる気持ちが感じられ、お任せしたいなと思いました。
またデザインの自由度が高そうだなと思った点も、coorumを選んだ大きな決め手の1つになります。
──実際にcoorumを導入してみて、導入前のイメージとギャップはありましたか。
森増様:いえ、ギャップは特になく、コミュニティ内のデザインが思った以上に簡単に更新できるので、社内にデザインできる人がいれば、外部の業者に依頼しなくても完結できて、すごく楽でいいなと思っています。また簡単に中身を更新できるので、時間があるときだったり、思い付きでデザインや順番を変更してみたりしています。
SNSやイベントとは違ったお客様の顔が見えるコミュニティで親密な関係を構築
──コミュニティを運営する前は、情報発信やコミュニケーションを目的とした施策は行っていましたでしょうか。
森増様: SNSはもちろんですが、直近3年くらいの間にフェムケアやフェムテック系のイベントを増やしたり、販売している店舗に立たせてもらったりなど、お客様と直接お話する機会を多く持ちました。
特にイベントでは、お客様と直接お話すると数十分くらい話し込むこともあります。知り合いには言えない悩みをお持ちの方や、体の不調に対するケアの知識を知りたい方が多くいらっしゃるなと感じていました。
また弊社はもともとオンラインストアを運営しておりましたので、コロナ禍前は座談会のイベントやセミナーも行ったことがあります。
──SNSやイベントとは違う、コミュニティでの新しい気づきはありますでしょうか。
森増様:コミュニティの会員は、弊社のオンラインストアに登録されているお客様が多いのですが、会員情報だけではわからなかったお客様の特性がわかりやすいなと思いました。今までは、想像でお客様の傾向や特性を見ていた部分が、実際の投稿を見ることで、びっくりするほど製品に詳しかったり、ケアに対して意識が高い人ばかりだったりと、一部ではありますが、お客様の傾向や特性が非常に分かりやすくなったなと思います。
また今までオンライン上では、商品購入などのやり取りしかなかったところが、コミュニティを運営したことで、お客様の顔がよく見えるようになりました。過去のイベントでは、お客様の名前を知らなかったり、顔と一致しなかったりして、イベントでお会いしても単発でコミュニケーションが終了してしまうこともありました。
コミュニティではニックネームやお住まいの地域、趣味なども分かった上でコミュニケーションが取れるので、より親密になれていると感じています。投稿内容から、実際のイベントで会話が弾み、より深い関係性を築けていたり。お客様に失礼がないようにと丁寧にしすぎてしまっていた部分から、お客様対メーカーの形でやり取りをしていた境目がぼやけて、話の深さや親密度が上がった気がしています。
新年会や「この情報が知りたい」といったイベントのリクエストをいただいており、コミュニティでつながれたからこそ、お客様の声を活かせると感じています。
──コミュニティでいただいたお客様のご要望を企画等で実施した事例があれば教えてください。
森増様:12月に忘年会を行ったのですが「参加できなくて残念」「次も開催しないのですか」「新年会やりましょう」といった声をいくつかいただいて、せっかくのお客様の声なので実施したことがありました。
他にも、お客様からのご質問を有識者のインタビュー記事に反映してさせていただいた事も。合わせて、お客様の商品へのご意見やコメントは都度社内にも共有するようにしています。お客様の声を取り入れた企画はすごく反響があり、やってよかったなと思いました。
想いの詰まったコミュニティは、実際にお客様の癒しの場に
──コミュニティ「月の深呼吸」の立ち上げにあたり、名前などに込めた想いなどについて教えてください。
森増様:コミュニティの名前を決めるのに、毎週の会議で50個くらい案をだして、何回もスクリーニングを行い、約2か月かけて決定しました。
社内の女性社員にアンケートを取り案を絞り込んでいったのですが、会議の中では良いと思っていた案もアンケートの結果は悪く、何がいいのか…とかなり悩みました。
そんな中、女性が思いを吐き出せたり、リラックスできたりして、また来たくなる場所にしたいという想いの中から、「深呼吸っていいね」という話になっていきました。合わせて、女性の体調のリズムには「月」というキーワードがあることから、最終的に「月の深呼吸」という名前に決まりました。
──コミュニティでお客様に伝えたいことや、体験してほしいことについて教えてください。
森増様:よく会員さんにコミュニティが癒されると書いていただけるんです。ありがたいことに、誰も否定する人がいないコミュニティになっているので、「すごく癒される」「穏やかな気持ちになれる」「スタッフさんが温かい」というお声をいただき、運営してよかったなと思います。
ホルモンバランスの影響などで辛い時など、月の深呼吸にきたらリセットできたり癒されたり、また頑張ろうってなれたりする場所になればと思っています。
また健康的に過ごせる女性が増えればいいなという思いがあるので、今後は定期的に産婦人科への受診を促進したり、ケアの知識の情報発信などをしていけたらと考えています。
──お客様に継続して投稿してもらうための工夫は何かされていらっしゃいますか。
森増様:コミュニティのトップページは何か変化しているなという雰囲気を常に出していきたいので、キャンペーンや知識を得られるようなものを更新して、投稿するまでは行かなくても定期的に見たくなるような施策を心掛けています。
継続的なコミュニケーションで、商品や施策の検討にお客様の声を活かす
──コミュニティ運営にあたり、KPIの指標について教えてください。
森増様:お客様の商品レビューや投稿などにより、LTVを上げていくことをKPIとしています。
またお客様の声を様々な場面で活用したいと思っており、社内に共有することで商品開発などにつながればいいなと考えています。そのために、定期的に社内でこんな投稿や声があったということを発信したり、月1回マネージャー陣の会議で共有したりしています。
──実際にコミュニティを運営して、新しく見えたお客様像や気づきはありましたか?
森増様:コミュニティ導入前に課題と感じていた、女性が抱えている辛い気持ちを発信をしたいわけじゃなくて、ちょっとした日常の共有や、リラックスする場所にしたい方が多いことに気づきましたね。またケア方法の発信をしていると、結構健康を意識されている方が多いなと思い、コミュニティをやる前ではわからなかった気づきがあります。
あとはキャンペーンを毎週実施しているので、お客様の反応の違いを調査することができ、次の施策に活かせているのがとても良いと感じています。
気軽に施策の検証ができるので、今後は商品の試作品などのお客様の意見を聞いて見たいと思っています。
──コミュニティの今後の展望をお聞かせください。
森増様:コミュニティを通して、商品企画や開発を行っていきたいです。弊社の商品をすでに購入していただいているお客様が多いので、お客様と一緒に作る商品はすごくいいものができそうだと思っています。
またコミュニティに投稿やコメントをしていなくても、見るだけでリラックスできる場所だなと思ってもらえるようなコンテンツを発信していきたいと思っています。
ちょっと不調だったり、気持ちがもやもやしたりしたら見に来て、気持ちをリセットできる場所というのは引き続き目指して行きたいと思っています。
──本日はお時間をいただきありがとうございました。