2024/08/19

「世界の食卓に酔鯨を!」酔鯨酒造が目指す、ファンコミュニティを通じたブランド戦略

「世界の食卓に酔鯨を!」酔鯨酒造が目指す、ファンコミュニティを通じたブランド戦略

酔鯨酒造株式会社
経営管理課 課長 堅田様
営業課広報担当 栗田様
総務人事課 古嵜様
開発課 利根川様

運用のポイント
  • 所属部署の違うメンバーを集め、さまざまな視点からコミュニティを運用

  • コミュニティ担当者だけでなく、社内のメンバーにもコミュニティに関わってもらう

課題
  • 最終消費者とのコミュニケーションが不足していた

  • ファン同士の交流できる場がなかった

期待する
効果
  • お客様との接点を増やし、双方向のコミュニケーションを実現する

  • ファン同士の交流で、一人ひとりの熱量を高め、コアなファンを育てる

  • より深く酔鯨ブランドへの愛着を持ってもらい、指名買いしてくれる層を増やす

  • お客様の声を商品企画やイベントに活かしていきたい

酔鯨酒造株式会社のファンコミュニティ「クジラのねぐら」。coorumを導入し、お客様との双方向のコミュニケーションが実現しただけでなく、お客様同士の交流が促進されています。コミュニティを導入した背景やcoorumを選んだ理由について、酔鯨酒造株式会社 堅田様、栗田様、古嵜様、利根川様に伺いました。

最終消費者とのコミュニケーション不足が課題だった

――皆様の役割やミッションについてお伺いしてもよろしいでしょうか。

堅田様:私はこのコミュニティ導入プロジェクトを主導し、現在もリーダーとしてコミュニティ運営に携わっています。所属部署は経営管理課で、経理や経営企画などを担当し、会社の将来の方向性を決めるような役割を担っています。弊社には部署を横断してプロジェクト単位で業務を行う体制があり、経営管理課に所属しながら、ブランディングプロジェクトにも携わっています。会社の基盤を支える仕事とブランディングの両方に携わることで、会社をしなやかで強くすることが私のミッションだと考えています。

栗田様:私は広報を担当しており、弊社の情報をお客様に伝えることが主な役割です。以前は直営店での接客も経験しており、その経験を活かして現在の仕事に取り組んでいます。お客様とのコミュニケーションを通じての声を聞き、それを元にさらにお客様のファン度を高めていくことを目指しています。

古嵜様:私は総務人事部に所属しており、主に従業員に関わる仕事を担当しています。コミュニティでは、サイトで使用する素材の作成などを担当しています。普段は直接お客様と接する機会が少ない部署ですが、このコミュニティを通じてお客様の生の声を聞くことができ、社内に還元する役割を担っています。総務人事の視点から、お客様の声をどのように社内の施策に活かせるかを考えることが私のミッションだと考えています。

利根川様:私は開発部に所属しており、主に日本酒以外のリキュールや食品の開発を担当しています。弊社の日本酒だけでなく、他の商品を通じて、新たなお客様層を開拓することが私の役割です。コミュニティでは、商品開発で得た知識や経験をお酒の豆知識として発信しています。お酒に興味はあるけれどもどこから始めればいいかわからないという方に向けて、日本酒の世界に親しみを持ってもらうきっかけを提供することが目的です。
 
――コミュニティ導入の背景と課題をお聞かせください。
堅田様:お酒業界全体が市場縮小という課題に直面しており、そのなかで成長を続けるためには新たな戦略が必要でした。特に、コロナ禍で対面のイベントなども制限されたことで最終消費者とのコミュニケーション不足が大きな課題でしたね。弊社の直営店での販売も行っていますが販売ルートの大半は、酒販店や卸会社を通じての販売が主で、直接お客様とコンタクトを取る機会が限られていました。

また、既存のファンの方々同士の繋がりを作ることができていませんでした。実際にSNSなどでは断片的なコミュニケーションしか取れません。ファン同士が交流することで、より深い酔鯨ブランドへの愛着が生まれ、結果として指名買いしてくれる層を増やすことができると考えました。

これらの課題に対応するため、直接お客様とコミュニケーションを取れる場所として、ファン同士が交流できる場所として、コミュニティの導入を決めました。

――coorumを選んだ理由を教えてください。
堅田様:coorumを選んだ理由は主に3つあります。
1つ目は、
UIの自由度が高く、私たちの望む世界観を表現しやすいことが大きな魅力でした。酔鯨ブランドの世界観を適切に表現することは、ファンの方々との関係性を深める上で非常に重要だと考えていましたね。

2つ目は、ユーザー様一人ひとりのタイムライン行動を細かく分析できる機能が充実していることも決め手となりました。ユーザー様の行動を詳細に把握することで、より効果的なコミュニケーション戦略を立てることができると考えました。

3つ目は、担当者の方々の人柄の良さです。コミュニティ運営は長期的な取り組みになるため、サポートしてくださる方々との良好な関係性は非常に重要だと思っています。Asobicaの方々との話し合いを通じて、私たちの想いを十分に理解し、サポートしていただけると感じました。

お客様一人ひとりの熱量を高め、多くのコアファンを育てたい

――コミュニティ名である「クジラのねぐら」にはどのような想いが込められていますか?
堅田様:「クジラのねぐら」という名前は、私たち4人で話し合って決めました。まず、どのくらいの規模感のコミュニティを目指すかを考えましたね。大規模な「〇〇タウン」や「〇〇村」のようなものではなく、もっとこぢんまりとした、
人と人の顔が見える規模感の交流を目指したいと考えました。また、酔鯨酒造という社名にちなんで「鯨」という言葉を入れたく、さらに、日本酒は主に夜に楽しむお酒なので、夜に集まる場所というイメージを込めました。これらの要素を組み合わせて考えていくなかで、「秘密基地」のようなコンセプトが浮かび上がり、最終的に「クジラのねぐら」という名前に決定しました。

――コミュニティの運営体制と目標を教えてください。
堅田様:運営体制については、違う部署から集まったメンバーで構成されています。さまざまな視点や専門知識を持ち寄ることで、より豊かなコミュニティ運営ができると考えたためです。また、この4人のコアメンバー以外にも、社内の他スタッフにも協力を仰いでいます。例えば、コメントを返す役割を担当してもらうなど、できる範囲で多くの社員に関わってもらうようにしています。

目標については、「世界の食卓に酔鯨を!」という当社のビジョンが基盤です。このビジョンをコミュニティで実現するために、まずは一人ひとりのお客様の食卓での酔鯨の存在感を高めることを目指しています。具体的には、コミュニティメンバーの数を単に増やすのではなく、一人ひとりの熱量を高め、コアなファンを育てることを重視していますね。

コミュニティを通じて、お客様の熱量を感じられている

――実際にコミュニティを運営してみていかがでしょうか。
栗田様:コミュニティの運営を通じて、お客様との接点が格段に増えたことを実感しています。以前はSNSでの一方的な情報発信や、お問い合わせへの回答といった限られたコミュニケーションしかありませんでしたが、今では双方向のコミュニケーションが取れるようになりました

特に嬉しいのは、お客様の日本酒への興味が広がっていく様子を直接見られることです。例えば、「今までは特別純米酒しか飲んだことがなかったけど、このコミュニティに参加して他のお酒も飲むようになりました」といった声を聞くと、本当に嬉しく思います。

利根川様:私が特に印象的に感じているのは、コミュニティ内にて写真付きで投稿する「ねぐら写真部」を通じて、ファン同士の交流が生まれている点です。例えば、季節限定の商品について誰かが投稿すると、それに影響されて他の方々も同じ商品を購入し、感想を共有するといった流れが生まれています。そのような流れができたことを非常に嬉しく思っています。

さらに、「#くじらパトロール」という言葉を使って、全国各地の酔鯨の販売状況を共有してくれる投稿も増えています。私たちが予想していなかった使い方で、お客様の主体的な行動から生まれていて、素晴らしい取り組みだと感じています。

堅田様:毎日様々なお客様の声を知ることができてすごく嬉しく思ってます。弊社は季節ごとに色々なお酒を提供することが多いのですが、発売開始をコミュニティでお知らせすると、ユーザー様がその週末にはゲットしてくださる投稿があります。商品をすごく楽しみにしてくださってるんだなと伝わり、嬉しいポイントですね。

古嵜様:5月にオフラインでイベントを実施したのですが、千葉県からわざわざ高知までイベントのためにいらしてくださってるユーザー様がいました。酔鯨への熱量を感じられてすごく嬉しかったです。また、イベントを通じてファン同士で飲みに行ったり、新たに交流が生まれていたりと、私たちが思っていた課題を徐々に変えられているなと感じました。

――コミュニティに参加する前と後では、お客様の中で変化などはありましたか?
堅田様:ユーザーアンケートを5月に実施し、コミュニティに参加する前と参加した後での購入頻度の変化について伺いました。ユーザー様の中には、コミュニティに参加する前はあまり酔鯨の商品を飲んでいなかった方もいたのですが、コミュニティに登録してから熱量が上がり、購入頻度が上がっているという方も多くいらっしゃいましたね。

お客様と一緒に楽しみながらコミュニティを作り、コアファンを増やしていきたい

――今後の展望をお聞かせください。
栗田様:酔鯨は高知県に拠点を構えていますが、コミュニティユーザーの方々の中には高知旅行の目的として酔鯨を挙げる方が多くいらっしゃいます。高知での滞在を楽しんでもらえるように魅力的な情報をより発信することで、高知に遊びに来てくれる方々を増やしていきたいです。

利根川様:弊社は「世界の食卓に酔鯨を!」というビジョンを掲げていますが、私は「食卓」という視点をより強化していきたいと考えています。現在、お客様から美味しそうなおつまみと酔鯨の日本酒を一緒に楽しむ投稿をたくさんいただいていますが、運営側がそこにもう一歩踏み込んで、ペアリングの提案なども積極的に行っていきたいと思います。コミュニティの中でそのような流れが誕生していくと、さらに面白くなってくるのではないかと考えています。

古嵜様:コミュニティに参加しているユーザーの皆様にも運営側の私たちのワクワクは伝わるものだと考えています。そのため、運営に携わっている私自身が楽しんでやることを忘れずにやっていきたいです。また、常にユーザー目線で魅力的な企画を考えていきたいと思っています。

堅田様:当面の目標としては、コアファンを育てることを掲げています。将来的には、このコミュニティでの声を商品開発やイベント企画にも活かしていきたいです。その一方で、規模拡大していくなかでも、一対一のコミュニケーションを大切にしたいと考えています。お客様一人ひとりの声に耳を傾け、丁寧に対応することで、質の高いコミュニティ運営を続けていきたいです。

最終的なゴールとしては、このコミュニティがお客様にとって酔鯨の体験に繋がる入り口になればと考えています。また、コミュニティに参加している方々が、全国各地で酔鯨の魅力を広めてくれる「宣伝部隊」のような存在になってくれることを期待しています。100人のコアファンがそれぞれの地域や環境で酔鯨の良さを伝えてくれれば、その影響力は計り知れません。これからもお客様と一緒に楽しみながらコミュニティを作っていきたいと考えています。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。

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小父内 信也 CCO
2010年、名刺管理システムのSansan株式会社に入社。データ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。 2019年に株式会社Asobicaに取締役CCOとして参画。
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金光 佑樹 カスタマーサクセスグループマネージャー
医療業界特化の人材紹介会社にて営業責任者・人事責任者を歴任後、ITベンチャー企業にてフィールドセールスに従事。 2022年に株式会社Asobicaに入社。 現在はCSMとしエンタープライズ企業を中心にコミュニティの立ち上げ支援を行う。
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上原 明子 カスタマーサクセスグループマネージャー
札幌のコワーキング・ゲストハウス・シェアハウスを運営するコミュニティ系不動産に新卒で入社。東南アジアを中心にバックパッカーをしながら、海外営業/新規店舗の立ち上げを経験。 その後ライブ配信プラットフォームにてCX関連の部署に所属し、オンラインイベントの企画/実施や新機能設計、効果分析などを担当した経歴を持つ。
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平川 貴詞 カスタマーサクセスグループマネージャー
早稲田大学人間科学部卒業。新卒で株式会社リクルートスタッフィングに入社し、大手通信企業向けのセールスを担当。 その後人材系ベンチャー企業に所属し、主にセールスとして中途・新卒採用の採用支援を経験した後、学生向け記事メディアの編集・マーケティングを担当。現在はCSMとして外食・メーカー企業を中心に幅広いお客様を支援。

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