2024/08/06

「さらに愛されるショッピングセンターへ」玉川高島屋S・Cのコミュニティ活動「たまがわLOOP」が目指すものとは?

「さらに愛されるショッピングセンターへ」玉川高島屋S・Cのコミュニティ活動「たまがわLOOP」が目指すものとは?

東神開発株式会社 SC事業部 コミュニティ戦略部
部長     菊山 みち 様
企画担当次長 山川 夏穂 様
企画担当次長 島 佐保子 様

運用のポイント
  • オンラインコミュニティ上での季節ネタ(クリスマス、ひな祭りなど)または、SCイベントに関する投稿を促すほか、LINEの公式アカウントやHPでの告知、チラシの配布、また、リアルのコミュニティ拠点「たまがわLOOP」でのアクティビティの参加者に直接PRを行い、認知を広げた

  • 具体的に効果的だった施策は、玉川高島屋S・Cの施設内に設置している花鉢をユーザーにプレゼントする「フラワーバトンプロジェクト」。緑や自然に興味の高い方々のグリーンコミュニティというキーワードにおいて新たなお客様の獲得ができた

課題
  • 先行して取り組んでいたリアルのコミュニティ活動の会員数が伸び悩んでいた

  • SNSだけではお客様との継続的なコミュニケーションに繋げることが困難であった

期待する
効果
  • オンラインコミュニティでお客様同士の交流を広げ、リアルのコンテンツに参加するコミュニティ会員数を増やしたい

  • リアルのコミュニティで取り組んでいるアクティビティへの参加に繋げたい

  • 玉川高島屋S・Cをもっと好きになっていただき、お買い物以外の目的で来店するお客様を増やしたい

お客様との接触機会を増やすために始まったコミュニティ活動「LOOP活動」

──まず、東神開発様が取り組まれている「LOOP活動」について教えてください。

菊山様:弊社は商業ディベロッパーとして、複数の商業施設の管理運営をしている会社です。従来はお客様との接触機会が物を売ることだけにとどまっておりました。しかしこの時代、物を売るだけではもうお客様の心を掴んでいくことは難しいという危機感を持ち、経営方針として、商業以外の接触ポイントを増やしていくコミュニティ活動に取り組みました。

その取り組みが「LOOP活動」ということで、リアルだけじゃなくて、オンライン上でもやっていくというところが、大きなポイントになっています。
「LOOP活動」は二子玉川からスタートし、現在は日本橋、千葉県の流山へと活動を広げております。
すぐには売上に繋がらなくても、施設を愛してくださるお客様の気持ちを確実に掴みたいという想いからコミュニティ活動を強化していきました。

リアルとオンラインの両輪でコミュニティを作る「たまがわLOOP」と「たまがわLOOPオンライン」

──玉川高島屋S・Cでの「LOOP活動」である、リアルのコミュニティ「たまがわLOOP」から活動を開始されたと伺いますが、どのような取り組みをされていますか?

山川様:当初は、お客様同士のコミュニティを作っていただくきっかけとして、アクティビティを行うことにしたのですが、いきなりお客様同士でアクティビティをやるのは難しかったので、弊社側で企画を準備して、それに近しいリーダー的な存在の人を立てて、さまざまなアクティビティを開催していました。それを続けているうちに、玉川高島屋S・Cのことが好きな地域の方々が自発的に企画を持ち込んでくれるようになりました。また、S・Cに入っている店舗とのコラボレーションなど、時流に合ったさまざまなアクティビティも実施しております。

──リアルのコミュニティ「たまがわLOOP」を運用している中、なぜオンラインコミュニティ「たまがわLOOPオンライン」の運用を始められたのですか?

山川様:「たまがわLOOP」ではInstagramを活用し、アクティビティの告知やイベントレポートなどを発信していたのですが、リアルで集まるということ以上にコミュニティが広がるということはありませんでした。コミュニティとしての広がりを出すためにさらにSNSでの発信を強化しようとも考えたのですが、SNS上ではお客様とのコミュニケーションが広げられませんでした。

リアルだけでなく、オンラインにも幅を広げ、オンラインとオフラインの両軸でコミュニティを作っていきたいと考え、オンラインのコミュニティである「たまがわLOOPオンライン」を作ることを決めました。オンラインコミュニティでは、SNSではできなかったお客様同士との交流が実現できるのではないかという期待が大きかったです。

島様:その他の課題としては、「たまがわLOOP」の会員数が伸び悩んでいるということがありました。玉川高島屋S・Cのことが好きという共通テーマでオンラインのコミュニティを作ることで、ファンの可視化ができるだけでなく、会員数も増やすことができるのではないかと考えました。そして、「たまがわLOOPオンライン」での成功事例を他の施設にも横展開していく足がかりにしたいと考えていましたね。

たまがわLOOPオンライン

──「たまがわLOOPオンライン」はどのような場所ですか?

島様:「たまがわLOOPオンライン」は時間や場所の制約を受けず、自由にお客様同士、そして我々とお客様が交流できるプラットフォームだと考えています。我々もお買い物情報を発信するだけでなく、お客様がお買い物以外での価値を享受していただけるような場所にしていきたいという想いで運営しています。

──「たまがわLOOPオンライン」をお客様に認知していただくためにどのような工夫をしましたか?

島様:ショッピングセンターが持っている媒体は最大限に活用しました。具体的にはLINEの公式アカウントやHPで告知を行ったり、チラシを配ったりしていました。その中でも一番効果的だったのが、実際に店舗で開催しているアクティビティの参加者に直接PRを行う方法でした。地道な活動にはなりますが、目の前にいるお客様にアプローチするのが一番良い方法でしたね。また、コミュニティ戦略部だけでやるのではなく、実際に施設の運営を行っている事業部との連携も密にとるようにしています。

新規のお客様を巻き込むことに成功した「フラワーバトンプロジェクト」

フラワーバトンプロジェクト

──「たまがわLOOPオンライン」内で取り組まれた企画についてお聞かせください。

島様:「たまがわLOOPオンライン」内で取り組んだ企画の中で印象的だったものは2つあります。

1つ目は「フラワーバトンプロジェクト」です。

玉川高島屋S・Cの施設内にはお花を展示しているのですが、来場したお客様に楽しんでもらうために季節ごとにお花の入れ替えを行っています。従来は入れ替えの際に、過去に展示していたお花はそのまま処分してしまっていたのですが、そのお花を来てくださったお客様にお渡しするというプロジェクトを始め、お客様にバトンを繋げるという意味で「フラワーバトンプロジェクト」という名前を付けました。「たまがわLOOPオンライン」が始まる前にも実施していたこともあったのですが、オンラインコミュニティで参加者の募集をかけると今までよりも認知が広まり、実施する度にいつも新しいお客様にご参加いただいています。

2つ目はオンラインコミュニティ開設1周年記念で行った「コメント投稿キャンペーン」です。

想定よりもはるかに多い数のコメントが集まり、とても盛り上がりました。ひとつひとつのコメントを見ても、とても胸を打たれるような温かいコメントばかりで、我々にとっても大きな励みになりました。今まではお客様からのお声をフワッとしか感じられていなかったのですが、実際のお客様の声を可視化することができ、正しく認識することができました。これからも来場してくださるお客様の期待を裏切らないような施設であり続けなければいけないという想いも強くなりましたね。

山川様:玉川高島屋S・Cは郊外型のショッピングセンターとしては日本で一番古く、約50年の歴史があります。創業当時は、周りに何もない状態だったのですが、周辺エリアの開発が進んでいき、人口も増えていきました。歴史が長いのでこの施設に対して思い入れが深いお客様がとても多いです。実際に昔から住んでいるお客様にとっては子供の頃の大切な想い出が詰まっている場所ですし、自分が親になっても、この土地が好きで住み続けているという方も多くいらっしゃいます。今回のキャンペーンを通じて、改めて我々がこれからもこの場所を守り続けていけないなということを感じることができました。

「coorum(コーラム)」を選んだ決め手は、導入のしやすさとToC向けの実績の豊富さ

──複数社から提案を受けていたと思いますが、なぜ「coorum(コーラム)」を選んだのでしょうか?

島様:「coorum(コーラム)」を選んだ理由は大きく分けて3つあります。

1つ目は、ノーコードでサイトが作れるということです。コーディングに長けたプロフェッショナルな人材がいなくても、自分たちだけで簡単にコミュニティの更新作業ができるのは大きな魅力でした。

2つ目は、充実したサポート体制です。オンラインコミュニティは初めてだったので分からないことばかりだったのですが、常に寄り添ってサポートしてくれました。KPIをどのように設定するのか、ロードマップをどのように描けばいいのかという点にもしっかりとアドバイスをしてくださったのは非常に心強かったですね。

3つ目は、ToC向けのコミュニティサイトの運営実績が豊富にあったことです。HPなどを見ても、さまざまな企業でToC向けのオンラインコミュニティを立ち上げた経験を持っていたので、非常に安心感がありましたね。

お客様に買い物以外の価値を提供できる場所にしたい

玉川高島屋S・C外観の画像

──今後の展望についてお聞かせください。

山川様 :やはりファンを増やすっていうところですね。思い入れが強い人にいかに周りにアウトプットしていただけるかが目的です。S・Cのことを幅広く知ってもらいたいというのがありますし、お客様の意見や、お客様が「こんなことを考えてる」っていうことがわかるツールでもあるので、今後はより活用の幅が広がっていくかなと思っております。

島様:最優先で取り組みたいのがデータ統合です。リアルとオンラインのデータを統合して、両者が連携できるような体制づくりを目指しています。
オンラインのコミュニティに参加してもらうことがゴールなのではなく、その後の来店に繋げるような仕組みづくりもやっていきたいと考えています。まずは「たまがわLOOPオンライン」で成功事例を作り、他の施設にも拡大させていきたいです。

また、大きな規模のオンラインコミュニティにしたいという気持ちもありますが、それと同時にお客様に対して買い物以外の価値を提供できるような場所にしていきたいと考えています。ユーザー同士が自発的に交流ができるような場所になるように、これからも頑張っていきたいです。

そして、ショップへの「LOOP活動」の認知・利用拡大による相乗効果を発揮したいと考えております。施設に出店いただいているショップも我々にとっては大切なお客様です。ショップとお客様のお買い物以外のタッチポイントを創出し、交流の場を積極的に展開していきます。また、オン・オフ両輪の「LOOP活動」で得たデータをショップと共有し、“SC=お買い物をする場”といった固定概念にとらわれることなく、一体となって施設価値向上に努め、これからもお客様に愛されるSCとして共に成長していきたいです。

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小父内 信也 CCO
2010年、名刺管理システムのSansan株式会社に入社。データ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。 2019年に株式会社Asobicaに取締役CCOとして参画。
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金光 佑樹 カスタマーサクセスグループマネージャー
医療業界特化の人材紹介会社にて営業責任者・人事責任者を歴任後、ITベンチャー企業にてフィールドセールスに従事。 2022年に株式会社Asobicaに入社。 現在はCSMとしエンタープライズ企業を中心にコミュニティの立ち上げ支援を行う。
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上原 明子 カスタマーサクセスグループマネージャー
札幌のコワーキング・ゲストハウス・シェアハウスを運営するコミュニティ系不動産に新卒で入社。東南アジアを中心にバックパッカーをしながら、海外営業/新規店舗の立ち上げを経験。 その後ライブ配信プラットフォームにてCX関連の部署に所属し、オンラインイベントの企画/実施や新機能設計、効果分析などを担当した経歴を持つ。
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平川 貴詞 カスタマーサクセスグループマネージャー
早稲田大学人間科学部卒業。新卒で株式会社リクルートスタッフィングに入社し、大手通信企業向けのセールスを担当。 その後人材系ベンチャー企業に所属し、主にセールスとして中途・新卒採用の採用支援を経験した後、学生向け記事メディアの編集・マーケティングを担当。現在はCSMとして外食・メーカー企業を中心に幅広いお客様を支援。

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