コミュニティマーケティングを取り入れてみたものの、参加者が集まらず失敗してしまったというケースがよくあります。
そこで本記事では、コミュニティマーケティングが失敗してしまう原因とその対策を詳しく解説をしています。
コミュニティマーケティングとは
コミュニティに対して販促を行う、新しいマーケティング手法です。顧客同士や顧客と企業を結びつけることで、企業に対する愛着を増やし、ファンになってもらうことを主な目的としています。
また、上記の目的以外にも、カスタマーサポートや商品開発(改善)など、コミュニティマーケティングを取り入れることで、様々な効果が企業にもたらされます。
日本でもここ数年、BtoB企業をはじめ取り入れる会社が増加しており、これらの目的のために役立ています。
コミュニティマーケティングは難しい?
コミュニティマーケティングを取り入れている企業は多数ありますが、きちんと効果を出すことができている企業はほんのわずかです。
ただし、多くの企業の失敗原因はおそらく知識不足であり、決してコミュニケーションマーケティング自体が難しいというわけではありません。
ユーザーコミュニティを運営するうえで、「やってはいけないこと」や「細かなコツ」が多数あり、とにかく闇雲に運用をしていてはなかなか効果が出ないだけなのです。
コミュニティマーケティングの失敗例
コミュニティマーケティングのよくある失敗例は以下の通りです。
コミュニティが盛り上がらない
企業がコミュニティを作成しても、登録ユーザーが増えない、ユーザー同士のやりとりが少なく盛り上がりに欠けるといった失敗がよく起こります。
盛り上がりに欠けるコミュニティはユーザーが掲示板などに発言しにくく、さらに盛り上がらないというマイナスの連鎖を生んでしまいます。
また、ユーザー同士のやりとりが少ないコミュニティは、参加しているという実感が芽生えにくいため、企業に対する愛着心が育ちにくいです。
コミュニティが発展しない
ユーザー同士のやり取りや、イベントなどがある程度盛り上がった後、頭打ち状態になることもあります。
例えば登録時の豪華特典につられて初期ユーザーが大量に書き込み、ユーザー同士の交流が生まれないといった状態になることもあります。これでは、コミュニティに対するモチベーションがキープできません。定期的にのぞきたくなるようなイベントを開催する必要があります。
本意ではない盛り上がり
コミュニティは企業に好意的な人達が楽しく集まることを目的としていますが、ファンではない人(とくにアンチユーザー)が多数メンバーに混ざると批判が加熱してしまいます。
その結果、企業への集中攻撃に繋がったり、SNSで拡散されるなどの事態が起こり、企業イメージを著しく損なう事態に発展してしまうでしょう。
社内の理解が得られずフェードアウト
コミュニティマーケティングの結果が出ないことで、企業から企画を中止するよう指示されることもあります。このような事態は企業側のコミュニティマーケティングに対する理解不足が原因です。
本来、結果が出るまで時間がかかることを社内で周知できていないと、必要性を疑問視されてしまうのです。一度、運用に力を入れなくなってしまうと、すぐにユーザーが離れてしまい、再開することが難しくなってしまいます。
コミュニティマーケティングが失敗する5つの原因
どうしてコミュニティマーケティングでは、上記のような失敗が起こるのでしょうか?その理由は以下の主に5つです。
自然と盛り上がるという勘違い
大きな企業であればあるほど継続的な顧客が多いため、コミュニティを作成すれば自動的に盛り上がると誤解してしまいます。
しかしコミュニティに参加するのは積極的に書き込むユーザーよりも、消極的なユーザーの方が多いです。
大多数の書き込みに対して消極的なユーザーの熱量を上げることができないと、ファンがどんどんコミュニティから離れていってしまいます。書き込みを増やすような工夫をする必要があります。
コミュニティ内で売上を狙う行為
コミュニティを直接、売上に繋がるような場所にしようとすると、ユーザーから反感を買うだけではなく、将来的な利益を失う可能性があります。新商品の発表を行うなどの訴求は問題ありませんが、集まったユーザーに対してしつこくセールスを行うなどの行為はNGです。
ユーザーの購買意欲を煽ることに夢中になると、参加を検討しているユーザーから「参加すると商品を買わないといけなくなる」というイメージを持たれてしまいます。
すぐに結果出るという勘違い
コミュニティが成熟するまでには時間がかかります。しかし、コミュニティを運営する企業がすぐに成果に繋がると勘違いしているケースも多くあります。
「コミュニティに多くの人が参加する」、「コミュニティ内に多くのコンテンツが蓄積される」「サービス利用者にコミュニティの存在が知れ渡る」など様々な条件を満たして、やっとコミュニティマーケティングの真価が発揮されます。
また、コミュニティマーケティングによる効果は必ずしも目に見えるとは限りません。ただただ、コミュニティの運営費用がかかっているように感じ、しびれを切らして運用を中断してしまうケースも多々あるでしょう。
新規ユーザーが入りにくい雰囲気
コミュニティにおいて、新規ユーザーが入りにくい雰囲気がある状態は、良好ではありません。サービスのことをよく知っている既存顧客だけではなく、サービスに少しだけ興味を持っている見込み顧客が参加しやすいコミュニティが理想的です。
「近寄りにくい」というイメージを持たれてしまうと、コミュニティが盛り上がりに欠けてしまいますし、何度イベントを開催しても同じ意見しか集まらなくなってしまいます。
リソース不足
コミュニティを作成する方法は多数あり、身近なSNSを使うなど手軽に始めることもできます。取り組みをすること自体は簡単ですが、どの方法を選んでもある程度、管理や運営には手間がかかります。
担当する人手が足りないと参加者への返信やイベントの開催準備、定期的な企業側からの書き込みなどが行き届きません。
参加しているユーザーに「企業が放置しているコミュニティ」というイメージを持たれてしまうと、アクティブユーザーの数はガクンと減ってしまうでしょう。
失敗から学ぶ、成功のためにすべき5つのこと
コミュニティマーケティングに失敗しても、成功する方向へシフトチェンジする方法があります。ここからはコミュニティマーケティングを成功に導く5つのことを紹介します。
少数精鋭でスタートする
コミュニティの盛り上がりを作るためには、企業に熱中しているファンだけでスタートしましょう。集客数を稼ぐのは時間がかかりますし、成果に出にくいです。
見込み顧客を取り入れることはひとまず後回しにして、まずは多くの意見を持っている少数のファンだけでコミュニティを盛り上げてもらいます。ユーザーが自由にページを作れる機能を設けて、初期段階で新規ユーザーの役立つようなレビューページや、FAQページを用意できるといいでしょう。
コミュニティの目的を明確にする
それぞれの企業によってコミュニティを持つ目的は異なります。
「新商品開発のためにモニターを募集したい」、「新規ユーザーが疑問を解決できるコンテンツを充実させたい」など、最優先させるべきことを明確に決めておきましょう。
集めたユーザーの活用方法は、多数にありますが一貫性を持って運用することが重要です。
参加者を「客」ではなく「仲間」と捉える
コミュニティの参加者を、一緒に商品やブランドを作り上げる仲間と捉えることが重要です。ユーザーにも、自分は企業に関わる1人であるという当事者意識を持ってもらえると理想的です。
企業と顧客という関係性から、一緒に企業を成長させている仲間という感覚に変わることで、サービスに対する愛着は一層向上するでしょう。
そのためにも、参加者に対してものを売ることや、作業に対してお金を払うといったことは避けるべきでしょう。
メンバー同士でやりとりできる仕組みを作る
コミュニティで参加者同士が気軽にやりとりできる環境を作れば、運営が深く介入せずとも自然とコミュニティが盛り上がります。
そのためには、円滑にコミュニケーションを取ることができる環境作りが重要となります。チャット機能を整備することはもちろん、コミュニティの管理者が積極的に応答をしたり、新規メンバーのケアをしたりするなど、発言しやすい雰囲気を作る工夫も必要です。
社内での情報共有
オンラインコミュニティはすぐに成果が出ないため、続けることに疑問を持つ社員も出てきます。続けやすくするために、コミュニティに関してこまめな説明と報告を行い、社内での理解者を増やしましょう。
会社で必要性が周知できれば運営人員の確保がしやすくなり、より質の高いコミュニティを構築することができます。
コミュニティマーケティングによって、得たユーザーの意見は積極的に社内に伝え、サービスに改善に役立つ意見が出た場合は、成功事例として記録に残し、会社のアセットにしていくべきです。
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