顧客エンゲージメントとは?メリットや高める方法を解説

2023-07-10 コラム

顧客エンゲージメントとは、企業と顧客が信頼関係にあることです。成熟した市場において、他社と差別化するために重要な指標と考えられています。

本記事では、顧客エンゲージメントの意義や注目される理由、高めるポイントをご紹介します。

顧客エンゲージメントとは

顧客エンゲージメントとは、顧客の企業に対する信頼度を表す指標です。顧客エンゲージメントが高い顧客は商品・サービスを積極的に利用し、周囲に広めてくれる行動が期待できます。

顧客エンゲージメントと似た言葉に顧客ロイヤリティや顧客満足度がありますが、これらとは異なる概念です。

ここでは、顧客エンゲージメントの意義について解説します。

企業と顧客の信頼関係を表すもの

顧客エンゲージメントとは、企業と顧客の間に深いつながりがあり、信頼関係で結ばれていることを表すものです。エンゲージメントとは「約束」や「契約」という意味があり、マーケティングでは信頼や愛着がある状態を指します。企業を信頼している顧客は、他社よりもその企業の商品・サービスを選ぶ可能性が高く、売上アップにつながります。

成熟化して他社との差別化が難しくなっている市場においても、顧客エンゲージメントの高い顧客は自社製品・サービスを利用してくれる可能性が高いでしょう。

顧客ロイヤリティとの違い

顧客エンゲージメントと似たような言葉に、顧客ロイヤルティがあります。顧客ロイヤリティとは、顧客が企業や商品・サービスに対して抱いている愛着や信頼度を数値で表したものです。主に「顧客の感情」に焦点をあてて調査する指標です。売上を高めて他社との競争に勝ち残るには、顧客ロイヤリティの向上が求められます。

これに対し、顧客エンゲージメントは、企業と顧客の双方向のコミュニケーションを示す指標です。「好意的な感想を発信している」「競合より優先して購入する」など、顧客の行動に焦点をあてて評価します。

アプローチは異なるものの自社に信頼・愛着を持つ顧客を表す概念として共通するものであり、どちらもマーケティングで重要な指標です。

顧客ロイヤリティを高めるには?測る指標や成功のポイントを紹介

顧客満足度との違い

顧客満足度は、商品・サービスを利用した結果、顧客がどれくらい満足しているかを表す指標です。あくまで商品・サービスに満足したかどうかの結果であり、次も自社を選ぶとは限りません。「満足」の内容も曖昧です。より満足できる商品・サービスを見つければ、そちらに移る可能性があります。

顧客満足度は顧客エンゲージメントを測る上でひとつの指標にはなりますが、顧客エンゲージメントとは異なります。

顧客満足度の高い顧客のエンゲージメントをいかに高めるかが課題となるでしょう。

顧客エンゲージメントが重視される理由

近年、顧客エンゲージメントを重視する企業が増えています。その理由のひとつが、市場競争の激化です。また、インターネットの普及で消費者の購買プロセスが変化していることも理由にあげられます。

時代の変化により、これまでと同じ方法では売り上げを維持することが難しくなっているのです。

顧客エンゲージメントが重視される理由について、詳しくみていきましょう。

市場競争の激化

顧客エンゲージメントが重視されている背景には、市場のコモディティ化により競争が激化している現状があげられます。コモディティ化とは、市場参入時には高い付加価値を持っていた商品・サービスが、市場の活性化により価値が下がって一般的な商品になることです。

付加価値は、ブランド力や品質、性能など、他社と差別化できるものを指します。技術の進化や他社の参入で、市場にはどれも似たような商品・サービスばかりになり、結果としてコモディティ化が起こります。商品・サービスの独自性は薄れ、消費者の選択基準は価格などに移ってしまうのです。

売上を維持・向上させて競争に打ち勝つためには、従来のような新規顧客を増やす方法では対応できません。既存顧客を大切にし、顧客エンゲージメントを高めることが求められます。

購買プロセスの変化

インターネットの普及により、消費者の購買プロセスが変化していることも顧客エンゲージメントが重視されている理由です。誰でも簡単に情報を探せる時代にあって、顧客は企業からの発信を待たずに自ら情報を得て比較検討します。

これまでのように不特定多数に向けた情報を発信しても、膨大な情報の中に埋もれてしまうでしょう。情報があふれる中でも自社の商品・サービスを選んでもらうためには、既存顧客との関係性を強めて顧客エンゲージメントを高めることが必要です。

顧客エンゲージメントを高める3つのメリット

顧客エンゲージメントを高めることで、以下のメリットが得られます。

  • 収益が安定する
  • 口コミにより新規顧客が増える
  • フィードバックが得られる

顧客エンゲージメントの高い顧客は継続的に自社の商品・サービスを利用するケースが多く、収益が安定します。また、好意的な口コミを発信するなど、新規顧客の獲得につながる行動が期待できるのもメリットです。

顧客エンゲージメントを高めるメリットをご紹介します。

収益が安定する

顧客エンゲージメントが高い顧客は、信頼している企業の商品・サービスを継続的に利用します。企業自体を信頼しているため、他社に同じような商品・サービスがあっても目移りすることがありません。

継続的に購入してくれる顧客が増えることで、収益が安定します。既存顧客の維持は新規顧客の獲得よりもコストを抑えることができ、より収益の安定化を図れます。

口コミにより新規顧客が増える

顧客エンゲージメントが高い顧客は、信頼する企業の商品・サービスを周りの人に勧める傾向にあります。積極的に好意的な口コミを発信し、プロモーション効果を発揮するでしょう。

顧客エンゲージメントが高い顧客には、UGCの生成も期待できます。UGCとは「User Generated Contents」の略で、ユーザー生成コンテンツのことです。SNSやブログ、動画投稿サイトなど各種ソーシャルメディアに投稿されたコンテンツや、レビューなどのコメントを指します。

多くの人がインターネットで情報を得る時代にUGCは共感を呼びやすく、購買行動に影響を与えるものです。企業が広告を出す方法よりも、高いマーケティング効果が期待できるでしょう。

ユーザーがつくるコンテンツでマーケティングを!UGC(User Generated Contents)について解説

フィードバックが得られる

顧客エンゲージメントが高い顧客は、商品・サービスについて積極的に意見を寄せます。信頼や愛着があるからこそ、気になる点や改良してほしい点をフィードバックするのです。企業はこれら顧客の声をもとに改善を重ね、より良いものへと改良することができます。また、今後の商品開発にも活かせるでしょう。

顧客のフィードバックを受け入れて改善・開発に活かすことは、より顧客の信頼感を高め、顧客エンゲージメントをさらに向上させるという循環が生まれます。

顧客エンゲージメントの向上に積極的な企業では、顧客と協働して商品開発を行っているケースもあります。

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顧客エンゲージメントを高める方法

顧客エンゲージメントを高めるには、まず現状の分析が必要です。自社の顧客エンゲージメントについて現状をチェックし、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。

マップ上で顧客との接点を明確にし、すべての接点で顧客体験を向上させることが大切です。

顧客エンゲージメントを高める方法について、3つのステップを解説します。

現状を分析する

顧客エンゲージメントを高めるには、現状のチェックが必要です。顧客エンゲージメントの測定には、以下の指標が役立ちます。

  • NPS
  • リピート率
  • 解約率
  • RFM分析

NPSとは「Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標です。企業への愛着や信頼がどのくらいあるかを数値化します。

商品・サービスについて家族や友人に勧めたいかどうかを、0~10の11段階で回答してもらい、結果を分析する方法です。顧客満足度の調査と異なる点は、将来の収益性につながるかどうかという点です。

顧客満足度があくまで現状の満足度を表すのに対し、顧客ロイヤリティでは「他者に勧めたいか」という質問により未来の行動を数値化しています。調査結果は、将来的な収益性を予測するのに役立つでしょう。

リピート率は、初回購入後にどのくらいリピートしているかを確認する指標です。1年間のリピート率を求める場合は、以下の計算式で求めます。

  • 1年間のリピート購入者数÷1年前までの購入経験者数×100

顧客エンゲージメントが高ければ高いほど、商品・サービスの利用頻度は高まります。リピート率の数値が高ければ、顧客エンゲージメントが高い現状にあると推測できるでしょう。

また、サブスクリプションなど継続的なサービスを提供している場合、解約率も顧客エンゲージメントを測る指標になります。

解約率は一定の期間内に契約を解約した顧客の割合を示し、1年間の解約率を見る場合は、以下の計算式で求めます。

  • 直近1年の解約顧客数÷1年前の顧客数×100

サービスに満足していれば、解約率は減ります。そのため、解約率が低いほど顧客エンゲージメントは高いといえるでしょう。

RFM分析とは、Recency (最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary (購入金額)という3つの指標で顧客を分類する手法です。

例えば、「購入頻度と購入金額の数値は高いが、最近の購入がないため最終購入日の数値が低い」という結果が出た場合、「競合他社に流れている可能性がある」と分析して対策を立てます。3つの指標で顧客を分類することで、効果的な施策ができるマーケティング手法です。

カスタマージャーニーマップで顧客との接点を明確にする

現状がわかったら、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを認知して購入するまでの行動プロセスを表したものです。顧客の行動パターンや感情といった消費者行動を可視化し、接点を明確にします。

顧客との接点は、Web広告や自社サイト、パンフレット、店舗など、オンライン・オフラインを問わずさまざまな場面を洗い出しましょう。洗い出した接点がどれだけ顧客の満足につながっているのかをチェックしてください。例えばWeb広告の段階では、広告の内容がわかりやすかったか、興味を惹いたかといった項目でアンケート調査を実施する方法があります。ネガティブな回答が多い場合は、課題を見つけて改善しなければなりません。

このあとはカスタマージャーニーマップを作成します。作成により顧客行動の全体像を把握でき、接点ごとに最適なアプローチができるようになります。

すべての接点で顧客体験を向上させる

顧客エンゲージメントは優れた顧客体験を得たときに高まります。カスタマージャーニーマップで洗い出した接点ごとに適切な施策を施し、顧客体験を向上させることで効果的な顧客エンゲージメントの向上を図れるでしょう。 

顧客体験を高めるには、まず従業員すべてが顧客エンゲージメントの重要性を理解しなければなりません。取り組みとしては、以下の内容があげられます。

  • 従業員の接客スキルを向上させる
  • サイト・店舗などの動線を見直す
  • SNSやサイトを通じて顧客が必要な情報を発信する
  • 商品・サービスの購入・契約後に丁寧なアフターフォローを行う
  • ファンコミュニティを運営する

これらの取り組みを通してすべての接点における顧客体験を高めることが、顧客エンゲージメントの向上につながります。

顧客体験については、以下の記事もぜひご覧ください。

CX(カスタマー・エクスペリエンス)とは?顧客体験による感情的価値に注目して改善を。CX向上のメリットとその方法

顧客エンゲージメントを高めるポイント

顧客エンゲージメントを高めるには、いくつか押さえたいポイントがあります。まず、顧客一人ひとりのニーズに合った商品・サービスを提供することが大切です。

また、顧客エンゲージメントを高める取り組みは、全社で認識を共有して対応することが欠かせません。

ここでは、顧客エンゲージメントを高めるポイントを3つご紹介します。

顧客一人ひとりのニーズに合わせる

顧客エンゲージメントの向上は、顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品・サービスを提供する「パーソナライゼーション」が求められます。

Webサービスでも、顧客に合わせてサービスや情報を最適化するパーソナライズが進んでいます。例えば、ネットショッピングで閲覧・購入履歴に基づいた関連性のある商品を勧められるレコメンド機能も、パーソナライズの一例です。

ニーズに合った情報を「知りたい」と思ったタイミングで提供してくれる企業に対し、顧客は自分を大切にしてくれる企業として信頼感を覚えるでしょう。

顧客起点のマーケティングとは?ロイヤル顧客を理解し施策に活かす

全社で取り組む

それぞれの接点で最適な顧客体験を提供するには、すべての従業員が同じ意識をもって取り組まなければなりません。接点ごとの対応にバラつきがあると、顧客の満足感・信頼感は損なわれるでしょう。

顧客エンゲージメントの向上は全社で取り組むことが大切であり、全従業員が顧客エンゲージメント向上の趣旨を理解し、認識を共有して統一された対応をしていかなければなりません。

ITツールを利用する

顧客エンゲージメント向上のプロセスは、ツールを利用することで効率化できます。

まず、顧客の行動・思考・感情を把握するためには、顧客情報や購入履歴など、多くのデータを収集しなければなりません。さまざまなデータを一元管理できるCRMツールが役立ちます。一元管理により、異なる部署・支店間での情報共有も可能です。

Web解析ツールなど、顧客の行動を可視化するツールも役立ちます。顧客行動のはじめは、インターネットによる情報収集でWeb広告などを活用するのが一般的です。これら広告の効果計測で顧客の行動データを可視化できます。

顧客エンゲージメントの向上には、中長期的に顧客との関係性を築くコミュニティの運営も有効です。ファンコミュニティサービスを利用すれば、充実したコミュニティ機能や構築に向けたサポートで、効果的なファンの育成ができます。コミュニティの運営により顧客との継続的な接点を構築でき、最適な施策を講じることが可能です。

コミュニティサイトとは?作り方や運営のポイントを解説

ファンコミュニティの数あるサービスの中でもおすすめなのが、coorumです。ノーコードでコミュニティの開設・運用ができ、コミュニティ内の顧客データを蓄積・分析することができます。自社サイトの顧客データなどとID連携し、解像度の高い顧客分析も可能です。

顧客エンゲージメントを高めて他社と差別化しよう

顧客エンゲージメントは、企業と顧客の信頼関係を表すものです。市場競争が激化する現代では多くの企業から注目を集めています。顧客エンゲージメントを高めることで安定した収益を確保でき、UGCによる新規顧客の獲得にもつながります。

顧客エンゲージメントの向上には現状分析が欠かせません。カスタマージャーニーマップの作成により顧客との接点を洗い出し、課題を抽出して改善に取り組みましょう。最適な顧客体験の提供で顧客エンゲージメントを高め、他社との差別化を成功させてください。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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