ロイヤル顧客の存在は、現代のビジネスにおいてますます重要な役割を担ってきています。
そこで本記事では、ロイヤル顧客が重要視されるようになった背景やファンコミュニティにおける数値指標の考え方についてご紹介します。
ロイヤル顧客が重要視されるようになった背景
そもそもロイヤル顧客がなぜ重要視されるようになったのでしょうか。その理由は、「顧客関係性の強化」や「ブランド価値の明確化&最大化」が重要と考える企業が増えてきたからです。
その背景として、次の3つが挙げられます。
- パレードの法則、1:5の法則
- 人口減少、少子高齢化
- 成熟市場で機能勝負では困難
まずロイヤル顧客が重要視されるようになった背景として、パレードの法則が挙げられます。パレードの法則とは、上位2割の顧客が売上の8割を作っているという経験則のことです。パレードの法則により、ロイヤリティの高い顧客を増やすことで、安定した売上に繋がります。
また人口減少や少子高齢化も、ロイヤル顧客が重要視されるようになった背景として挙げられます。中長期的に新規顧客の数は減少していくと考えられる中で、既存顧客の単価向上が重要だからです。
さらに成熟市場で機能勝負だけでは困難である点も、ロイヤル顧客が重要視されるようになった背景として挙げられます。近年の技術革新によって、機能価値はすぐに真似されてしまうからです。そのためブランド価値や脱コモディティ化のように、「顧客との関係の強化」や「新規ではなく既存顧客をもっと大切にしよう」という流れが強くなってきています。
まずはファンコミュニティのゴールを決めよう
ロイヤル顧客を育成するのにあたって、ファンコミュニティの運営を検討している方は、まずゴールを明確にすることが重要です。ファンコミュニティを運営するうえで、期待するゴールは次のような項目が挙げられます。
- LTVへの貢献
- 調査コストと精度の向上
- 顧客理解
- 顧客との共創
- 外部媒体に取り上げてもらう
企業によっては、これらのゴールの優先度や重要性が異なる場合があります。
そのため事業課題や方針に基づいて、具体的なゴールを整理しましょう。
ゴールの明確化は、ファンコミュニティの運営における方向性や施策の検討に役立ちます。
ファンコミュニティにおける数値指標の考え方
ファンコミュニティの運営におけるゴールを踏まえ、ここからは数値指標の考え方についてご紹介します。
ファンコミュニティ施策を検討していく中で、KPIやKGIの数値指標をどうやって設定すればいいか悩む方も多いと思います。
そこで数値指標の設定に悩んでいる方は、以下の2つの観点で考えることが重要です。
- ファンコミュニティ運営における数値指標
- ファンコミュニティが事業に貢献しているかの数値検証
まずファンコミュニティ運営における数値指標では、会員数やAU率などを週次や月次でチェックしたり、投稿数や投稿者数などを分析して成長度を確認しましょう。
またファンコミュニティが事業に貢献しているかの数値検証では、ファンコミュニティの成長後に、元々の事業課題が解決されているか確認をすることが大切です。
半期や四半期ごとに、会員アンケートなどで会員と非会員の違いや変化をチェックすることで、ファンコミュニティの方向性を見定めながら施策を進めましょう。
ファンコミュニティの成長度や事業への貢献度を数値で評価し、必要に応じて改善策を検討することが重要です。
ファンコミュニティの運営は掛け算でも考えよう
またファンコミュニティの運営は、掛け算の視点からも考えることができます。
ファンコミュニティのROI(投資対効果)を考える場合、直接的な売上効果だけでなく、他の成果も考慮する必要があります。特に、直接的な売上効果が難しい業種や業態では、他の指標をゴールに設定することが重要です。
例えば、コンビニ飲料やお菓子のような商品はターゲットが広く、LTVへの貢献をファンコミュニティ単体で実現するのは難しいかもしれません。
しかし、ファンコミュニティは他の施策と組み合わせることで相乗効果を生み出せます。
例えば企業のサービスに興味のある人々が集まるファンコミュニティとPR施策を組み合わせることで、アンケートの期間を短縮したり、コスト削減につながったりする相乗効果が生まれることもあります。
そのため、ファンコミュニティの成果を評価する際には、単独の指標だけでなく、異なる指標との組み合わせによる効果を検証することが重要です。ファンコミュニティの運営成果を多角的に評価し、その有用性を判断しましょう。
実際の取り組み
最後に各企業がファンコミュニティを活用し、どういった施策を行っているのか3つの事例をご紹介します。
事例①
まず1つ目は、食品メーカーの事例です。こちらの企業は、新商品の企画を検討するにあたって、調査会社の定量調査を行っていました。しかし調査母数の偏りや自社サービスが好きな人の意見を聞いて行きたいといった課題があり、2022年に自社サービスのファンを集めるファンコミュニティを開設しました。
現在は、商品企画や開発担当による裏話などをファンコミュニティ上で投稿することで、ファンとの交流を進めています。また最近では、商品のキャッチコピーコンテストを行い、顧客が考えたキャッチコピーと他のキャッチコピーと比較し、どれだけの効果があったのかを検証していこうというような取り組みも行っています。
事例②
2つ目はスポーツジムの事例です。こちらの企業は、自社サービスの利用者に向けてコミュニティを開設しました。
「みんなで健康習慣づくりを励まし合う」をコンセプトとしており、ファンコミュニティ内でユーザー同士が目標宣言やジムの活動報告を行ったり、それに対して応援や称えるコメントを送るといった場を作ることで顧客同士のコミュニケーションが生まれています。
特にこちらの企業では文化醸成を進めており、コミュニティ運営の数値指標が今、大きく伸長しています。さらにそろそろ振り返りのタイミングが来ているため、課題としているLTVへの貢献(ジムへの来店頻度)に影響が出ているのか検証を行います。
事例③
また3つ目は、ホームセンターの事例です。こちらの企業は、自社のDIYが楽しめる空間やDIYを楽しむ仲間とのコミュニケーションの場を作るためにファンコミュニティを運営しています。
実際に運営していく中で、ファンコミュニティ会員のアクション数や累計投稿数、累計いいね数という指標で数値が上がってきています。
同期間で行われていたSNSの投稿数とも比較したところ、圧倒的にファンコミュニティの方が質・量ともに顧客の発信が多い結果がでました。
また顧客ロイヤリティ向上とLTVの向上では、実際に売上データと突合したところ良い効果が出ています。
まとめ
本記事では、ファンコミュニティを運営するための数値指標の考え方などについてご紹介しました。ロイヤル顧客を育成するにあたって、いろんなミッションを持っている方がいるとおもいます。
そのため企業ごとに適した数値指標を設定し、ファンコミュニティがきちんと成長しているのかや、事業に貢献できているのかを定期的に検証を行いましょう。
ファンコミュニティの運営における目標設定などに悩んでいる方は、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。