インターネットの普及した現在、企業には製品やサービスの性能やクオリティだけでなく企業そのものやブランドのイメージも、業績に大きく影響するようになりました。
こうしたブランドイメージはただ「良い」「良くない」という評価にとどまらず、継続した購入・利用にも影響します。なかでも、ブランドに対する忠誠度を表すのがブランドロイヤリティです。
ブランドロイヤリティは数値として計測できるため、さまざまなプロモーションや企業活動の評価にも利用できます。
この記事では、企業にとって重視されるブランドロイヤリティを高めるメリットと方法をみていきましょう。
ブランドロイヤリティとは
ブランドロイヤリティ(Brand Loyalty)とは、特定のブランド(「銘柄」・「品種」といった意味もある)に対するロイヤリティ(「忠誠」「忠実」の意)のことです。
近年、消費者の好みは多様化し、商品・サービスへより詳細な違いによる差別化が図られるようになりました。
たとえば、腕時計の場合、時計としての性能は機能にあまり違いがないと、ブランドの統一されたデザインや開発の背景への共感など、商品にはあまり関わりのないブランドへの「イメージ」を基準に選ぶことがあります。
このとき重要になるのがブランドに対する共感や忠誠心、つまりブランドロイヤリティです。類似した商品があるにもかかわらず、消費者が繰り返し選び利用するブランドは「ブランドロイヤリティが高い商品」といえるでしょう。
ここでいうロイヤリティ(Loyalty)は、「著作権」や「特許権」「商標権」の使用料を表すロイヤリティ(Royalty)と混同されがちですが、意味はまったく違います。
なかにはLoyaltyを「ロイヤルティ」、Royaltyを「ロイヤリティ」と表記して使い分けることもありますが、この使い分けのもとである単語の後半部分「-yalty」は発音が同じです。
そのため、外来語として日本語表記する場合どちらも「ロイヤリティ」としても問題はないと考え、この記事では一貫して、Loyaltyを「ロイヤリティ」と表記することとします。
ブランドロイヤリティは、商品・サービスを提供する企業にとって業績に大きく影響する要素です。そう考えると、「顧客満足度」や「顧客ロイヤリティ」「ブランドエクイティ」といった用語も語感が似ているため、違いを明確にしておく必要があるでしょう。
ここではブランドロイヤリティと、それぞれの用語の違いについて解説します。
顧客満足度との違い
顧客満足度は、企業が提供する商品・サービスに対して、顧客が満足している程度を表す指標です。ブランドロイヤリティとは、指標の対象と指標の示す内容が次のとおり違います。
対象 | 指標の示す内容 | |
ブランドロイヤリティ | 特定のブランド | ブランドへの忠誠度 |
顧客満足度 | 特定の商品・サービス | 顧客の満足度 |
これらの違いは、指標を測定する際に使うアンケートにおける質問内容からもわかります。
たとえば、顧客満足度は特定の商品・サービスについて次のように質問し、回答の選択肢を設けるのが一般的です。
- 設問:「あなたは〇〇(商品・サービス名)に満足しましたか?」
- 回答の選択肢:満足した・やや満足した・どちらともいえない・あまり満足していない・満足していない(5段階)
このアンケートからわかるのは、商品・サービスを体験した時点、いわば過去における満足度であって、次回も購入・使用するかどうかはわかりません。
通常「満足した」「やや満足した」というトップ2を指標としますが、このうち「やや満足した」には「やや物足りない」という要素があることにも注意が必要です。似た商品・サービスがあれば、試用を含め次回は購入・利用しない可能性があります。
一方、ブランドロイヤリティのアンケートで設定するのは次のような設問、回答の選択肢です。
設問:「あなたは〇〇(商品・サービス名)を買ってみたいと思いますか?」
回答の選択肢:とても買ってみたい・買ってみたい・どちらでもない・あまり買いたくない・買いたくない(5段階)
回答のうちブランドロイヤリティの指標となるのは、トップの「とても買ってみたい」のみで、次点の「買ってみたい」には買わない可能性が含まれているため指標には含みません。
なぜなら、回答の意図には「このブランドの商品・サービスなら、一度買って・使ってみよう」というほどの忠誠度はないといえるためです。
このように顧客満足度は、ブランドロイヤリティとは対象や表す内容の異なる指標です。実際の評価に用いる際は、違いに注意する必要があります。
顧客ロイヤリティとの違い
顧客ロイヤリティとは、ブランドや商品・サービスに対する顧客が抱く忠誠度を指します。ブランドロイヤリティとは意味も用いられ方もほとんど変わりません。
強いていえば、ブランドロイヤリティはブランドを対象とすることに対して、顧客ロイヤリティは企業やブランド、商品・サービスというやや広い範囲を対象とするという意味で用いられる場合もあるようです。
ブランドエクイティとの違い
ブランドエクイティ(brand equity)とは、特定のブランドが顧客や取引先など社会のさまざまな対象に対して持つ価値を、資産価値としてとらえる考え方のことです。
ブランドエクイティでは、顧客が持っているブランドに対する認識や感情、印象、そうして生じる忠誠度など目に見えない価値を包括的に評価します。ブランドエクイティの高さは、つまりブランドの力の強さを表しているといってよいでしょう。
ブランドエクイティとブランドロイヤリティには、次のとおり指標の示す内容に違いがあります。
対象 | 指標の示す内容 | |
ブランドロイヤリティ | 特定のブランド | 顧客の忠誠度 |
ブランドエクイティ | 特定のブランド | ブランドの資産価値 |
ブランドロイヤリティの示す顧客の忠誠度からは、ブランドを支える顧客基盤の安定性によって継続した、収益が得られる可能性の高さといった将来の展望が見えてきます。
一方、ブランドエクイティが示すブランドの総合的な市場価値からわかるのは、競争の優位性です。
どちらもブランドの分析には有効ですが、示す内容はまったく違います。語感が似ていても、異なる内容を示す用語であると認識しておくべきといえるでしょう。
ブランドロイヤリティを高めるメリット
インターネットの普及によって商品・サービスに関する情報の届く範囲は広く、届くまでの時間は短くなり、利用の評価まであっという間に拡散されるようになりました。
これは企業にとって市場の拡大というメリットであり、同時に競合の増加による競争激化というデメリットでもあります。
より優れた商品・サービスを開発してもその情報はあっという間に広がり、模倣されてしまうような状況です。企業は商品・サービスのクオリティだけでなく、それらを含めたブランドの価値向上、ブランドロイヤリティの向上が求められています。
しかし、実際にブランドロイヤリティを高めるよう活動するためには、得られるメリットを正しく認識して活用し、成果として指名買いが増え商品・サービスが選ばれ続けるようにすることが大切です。
ここでは、ブランドロイヤリティ向上で得られるメリットを4つ解説します。
価格以外で購入してもらう理由ができる
商品・サービスをより多く購入・利用してもらうために手っ取り早い方法の1つは、価格調整です。ただ価格調整は業績へのインパクトが大きく、長期間続くと大きな消耗を強いられかねません。
そこで、ブランドロイヤリティのメリットが役立ちます。ブランドロイヤリティは高めていくことで、価格以外の理由で購入してもらえるよう促すことが可能です。
高いブランドロイヤリティの顧客が購入・利用する主な理由はブランドへの忠誠心からであり、価格ではありません。他社と差別化されたブランドであるほど、価格を理由とした購入の割合は小さくなるため、価格調整の必要がなくなります。
ブランドロイヤリティが高ければ、価格ではない「ブランド」で選ぶという選択肢が生まれます。「このブランドだから買う」「安心できる」といった顧客を獲得できれば、少なくとも価格だけで勝負するしかない状況からは脱却できるでしょう。
ロイヤル顧客数が増加する
ブランドロイヤリティが高められていれば、ブランドの商品・サービスの品質は高く種類や機能が充実し、企業が顧客を適切にサポートできていることでしょう。
そのようなブランドであれば、ロイヤル顧客数が増加していても不思議ではありません。ロイヤル顧客とは、ブランドのファンに継続して商品を購入、またはサービスを繰り返し使用している顧客のことです。
ロイヤル顧客は一般に購買・利用の頻度が多く、購買単価も他の顧客層より高いといわれています。そして継続して購買・利用するため、ロイヤル顧客数が多いほど安定した売上や業績が期待できるでしょう。
パレートの法則によると、顧客の20%がロイヤル顧客として総売上の80%を占めるといわれることから、ロイヤル顧客の確保や増加は企業にとって業績を左右する重要な要素とされロイヤル顧客を増やすことで安定した売上を担保することができます。
ロイヤル顧客を増やすことは、顧客全体の増加、総売上の増加につながる可能性がある、企業にとって達成したい目標の1つです。
顧客単価が向上する
ブランドロイヤリティの高まりによってロイヤル顧客が増加すれば、顧客単価が向上する可能性も高まります。
特定のブランドに対して強い愛着があるほど、同じブランドの他の商品・サービスや、同じ企業の別ブランドの商品・サービスを好意的に捉えやすくなるためです。
たとえば、あるボールペンの書き味が気に入り本格的に使い始めると、スムーズにかける素材を使ったノートや、ノートと一緒に収納できるノートカバーなどをそろえたくなることがあります。
そのとき、同じ用途のものをメーカー・ブランド問わず探すのではなく、きっかけとなったボールペンの製造元企業・ブランドから探すのは、まさに高いブランドロイヤリティが影響している例といえるでしょう。
顧客単価向上のメリットを得るには、コアとなる商品・サービスの品質だけでなく、関連する商品・サービスのラインアップへの誘導も重要です。ラインアップの充実のため新たな商品・サービスが開発できれば、さらにブランドロイヤリティを高められる可能性もあります。
口コミにより指名買いが増加する
ブランドロイヤリティが高くなると、広告宣伝に頼りすぎることなく口コミによってブランドが広まり、商品やサービスの「指名買い」が増加する可能性があります。
一般にブランドや商品・サービスの認知度を上げるには、一定の広告宣伝が必要ですが、新規顧客の獲得は難しく、なかには膨大な金額をかけても思うような効果が得られないケースも少なくありません。
しかし、ブランドロイヤリティが高ければ、広告宣伝に頼らなくてもロイヤル顧客自身が商品・サービスを自身の体験を通じて周囲の友人・知人、SNSなどを使って広く社会に伝えてくれるようになります。
影響の大きな、いわゆるインフルエンサーともなれば、企業が想定していなかったような層にタッチポイントが生まれることも少なくありません。そこで誕生した新規顧客が指名買いするようになれば、これは売り上げを支える立派なロイヤル顧客であり、今後より安定した売り上げが期待できます。
マーケティング用語にある「1:5の法則」通り「新規顧客獲得の費用は、既存顧客維持の費用の5倍」と考えれば、ブランドロイヤリティ向上は売上の確保・拡大と同時に、コストダウンできる二重のメリットが得られる手法ともいえるでしょう。
ブランドロイヤリティの指標計測に必要な要件
ブランドロイヤリティを高めるには、それぞれのタイミングの指標を比較できるよう定量的に測定する必要があります。
どの施策が効果的なのかどうか、結局ブランドロイヤリティが高められているのかどうか判定できないためです。
ブランドロイヤリティの測定では、次の要件を満たしている必要があります。
- 客観的に数値で表現できる、測定可能な指標である
- 顧客の忠誠度や愛着という心理を反映した指標である
- 財務的な指標と関係の深い指標である
どれも、測定には欠かせない要件です。ブランドロイヤリティの高さの測定に適した、どの業界・商品・サービスにも共通する指標はないからこそ、すべてを満たしている必要があります。
これからブランドロイヤリティ向上を目指すなら、指標の計測は必須です。どのような指標を基準とするかは、慎重に検討しましょう。
ブランドロイヤリティを測定する方法
あらゆる業種・業態に利用できるような、ブランドロイヤリティを測定する指標はありませんが、多くの企業が用いている代表的な指標はあります。
別の指標を用いるとしても、これらの指標が何をどのように計測し、判断しているのかは参考になるかもしれません。
ここでは、ブランドロイヤリティの計測によく用いられる2つの指標を解説します。
NPS
1つめの指標、NPS(Net Promoter Score=ネット・プロモーター・スコア)は、顧客が該当するブランドを他の人に紹介したいかどうかを示す指標です。
- 設問:「あなたはこのブランドを友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」
- 回答:0(すすめない)から10(すすめる)の11段階
複数の回答を、9・10の推奨者、7・8の中立者、6以下の批判者に分け、推奨者と批判者の割合の差がNPSです。
NPSは計測が比較的簡単なため、競合他社との比較にも使いやすく、業績とも深い関係があることから経営分析にも利用できるメリットがあります。
ただ、日本人は控えめに回答する顧客も多いため、批判者が多くなりがちで実態より低い指標となりやすいことには注意が必要です。
DWB
2つめの指標はDWB(Definitely Would Buy=デフィニトリー・ウッド・バイ)で、直訳の「絶対買う」の意味通り、顧客が商品を買いたいかどうかを数値化した指標です。
- 設問:「あなたはこの商品をどの程度買いたいですか?」
- 回答:「絶対買いたい」・「買いたい」・「どちらでもない」・「あまり買いたくない」・「まったく買いたくない」の5段階
DWBはNPSより簡易的に計測できますが、商品に関する購入意思に限られた指標です。ブランドの商品の購入意思や、商品の開発や改善によく用いられます。
複数の商品・サービスを抱えるブランドでは、個別の恒常的な人気を計測する指標として活用できるでしょう。
ブランドロイヤリティを向上させる方法
ブランドロイヤリティを示す指標が定められたら、次は高めるための施策を検討する必要があります。
ブランドロイヤリティを向上させるには、商品・サービスの品質と、顧客をサポートするし仕組み、顧客の声やニーズをきちんと捉え、商品・サービスに反映させる活動が大きな柱になります。
それぞれに異なる視点の施策が考えられるため、ここでは比較的多くの業種・業態に応用できる参考としてみていきましょう。
ユーザーコミュニティを形成する
ユーザーコミュニティとは、ブランドや商品・サービスのユーザーが自主的に集まって形成するコミュニティです。近年、多くの企業がそれぞれ独自のユーザーコミュニティを立ち上げ、着々とその成果を獲得しつつあります。
以前は企業がイベントのような形式で参加者を募り、日時を指定して特定の場所に集まって交流する形式でしたが、現在はインターネットを利用したオンライン形式が主流です。
たとえば、企業がブランドのSNSアカウントを設け、独自のウェブサイトを構築して交流できるスペースを用意します。
ユーザーコミュニティは、ブランドや商品・サービスに関する苦情や要望といった顧客の生の声を得られる貴重な場所です。ブランドロイヤリティを高めるには真に顧客を起点としたマーケティングが欠かせません。
ユーザーコミュニティでは、ささいなことでも顧客が「声を上げやすい」ことが重要です。形成や運営にあたっては、顧客が不安、不快に感じることのないような配慮が求められます。
またコミュニティには、ブランドを使い始めたユーザーからロイヤリティが高く長く愛用しているユーザーまで幅広いユーザーの参加が見込まれますが、属性に関係なくユーザー同士が自由に交流できるのが特徴です。
初心者がコミュニティで「〇〇の使い方がわかりません」と投稿すれば、親切なベテランが回答してくれることもあり得ます。なかには、自身がおすすめしたい使い方の詳しい解説を投稿することもあるかもしれません。
最近では、ユーザーコミュニティの形成から運営までこなせる特化したツールもあります。できるだけ企業の手間を省いて運営するなら、これらのツールの利用も検討しましょう。
商品・サービスをシリーズ化する
顧客にブランドの商品・サービスに継続的に関心を持ってもらうには、常に新しい価値や機能を加えるのはもちろん、意図的に連続しているシリーズであると系統づけることも重要です。
そうすることで「次の商品・サービスが楽しみ」「シリーズ全体への興味」といった、シリーズや商品・サービス、ひいてはブランド、企業全体に関心を持ち続ける効果が期待できます。
たとえば雑誌の連載や、季節ごとに開催されるプレゼントキャンペーンも、シリーズ化によるブランドロイヤリティ向上例の1つです。
これには、人間がただ接触する頻度の高いものを好みやすいという心理学の「単純接触効果」を利用しています。シリーズ化を通して生まれやすい「集めたい」「使い続けたい」という意識を効果的に利用しましょう。
高品質な商品を提供し続ける
ブランドロイヤリティを高める上で、商品・サービスの高い品質はブランドロイヤリティを高めるきっかけとなり得る重要な要素です。
継続して利用してもらえる商品・サービスの開発には、多くの顧客の声を分析してニーズを見極めるといった顧客起点のマーケティングが欠かせません。いち早く改善点を盛り込み、より高品質な商品として市場に投入し、顧客に提供し続ける必要があります。
そのためには、ユーザーが意見や要望を表明しやすい、ユーザーコミュニティがしっかり機能していることが重要です。
SNSなどのメディアを駆使し、ユーザーコミュニティやユーザーサポートに寄せられる苦情や意見、感想などを集約して分析し、商品開発に活かせるしくみを整えましょう。
ユーザーへの丁寧な対応・サポートを行う
ブランドロイヤリティを高めるためには、商品・サービスの使用を含めたさまざまな顧客体験の品質も高く維持しておくことが大切です。
なかでもユーザーから個別に寄せられる苦情や意見、要望についても丁寧に対応し、解決するまでサポートするような真摯な態度が求められます。
ユーザーサポートにおいて注意すべきポイントは、大きく分けて次の3つです。
- 複数のチャネルで問い合わせを受け付ける
- FAQページを充実させる
- カスタマーサポートと他の部署の連携を強化する
1つずつ順にみていきましょう。
複数のチャネルで問い合わせを受け付ける
顧客の置かれた状況は、パソコンを持っていない、インターネットが利用できない、電話は避けたいなどさまざまです。
ユーザーサポートを利用するためのチャネルを、企業側の事情で制限すると利用しづらくなり、ブランドロイヤリティの低下につながります。サポートの窓口には、複数の種類のチャネルを設ける必要があるでしょう。
ユーザーサポートに利用できる代表的なチャネルは、電話やメール、チャット、公式ウェブサイトの問い合わせページ、SNSなどです。
なかには、受付を代行してくれるサービスもあります。コストや人材不足などの課題がある場合は、代用できるサービスを探してみましょう。
FAQページを充実させる
ブランドロイヤリティを高めるには、ブランドや商品・サービスについてのFAQを充実させることも重要です。
FAQ(エフ・エー・キュー)は、Frequently Asked Question(フリークエントリー・アスクト・クエスチョン=頻繁に尋ねられる質問)の略で、日本語では「よくある質問」としてホームページなどに掲載されています。
FAQは、顧客にとっては企業へ問い合わせるまでもなく課題を解消できる便利な情報の集まりであり、企業にとっては個別に対応する手間が省けるツールです。
頻繁な問い合わせの種類や傾向がつかめれば、商品開発のヒントとしての活用も期待できます。
カスタマーサポートと他の部署の連携を強化する
カスタマーサポートの受け付ける顧客からの問い合わせの多くは、できるだけ早い解決・解消が求められます。
しかし、なかにはカスタマーサポートにある情報だけでは解消できないものもあるため、速やかに解消できるよう適切に対応できる他の部署と連携を強化することが大切です。
また、連携が強化できていれば問い合わせをたらい回しにせずに、迅速に対応できます。これは高いブランドロイヤリティに欠かせない、「良質な顧客体験」の1つです。
とくに専門性の高い部署との連携は、顧客の理解が得られるよう綿密な調整する必要もあります。サポート方法は、最終的に課題を解決できるかどうかという視点で慎重に検討しましょう。
ユーザーのニーズを商品に反映させる
商品やサービスは、企業が十分な検討を重ねて社会に送り出した確かなものではありますが、ずっとそのままで良いかどうかは顧客の反応によります。
なかには手厳しい意見が寄せられ、想定したほど評価されないこともあるでしょう。ブランドロイヤリティを高めるには、顧客の反応などを参考に商品・サービスを、ユーザーのニーズを反映させ改善・改良することが重要です。
顧客の生の声を集めるには、ユーザーコミュニティでやり取りされるコメントや、カスタマーサポートに寄せられる要望・意見・苦情などのインタビューによる定性調査などの方法があります。
ニーズをより正確に反映させるには、方法の選別も重要です。企業には、顧客の声を正しく把握し反映させる姿勢が求められます。
ロイヤリティプログラムを提供する
顧客によりわかりやすい方法には、ブランドの利用者だけが受けられるロイヤリティプログラムの提供もあります。
ロイヤリティプログラムとは、商品の購入やサービスの利用ごとにポイントなどを付与し、次回以降の購入やサービスの利用に使ってもらえるサービスのことです。
ロイヤリティプログラムは、ポイントなどを集めるコレクション的な要素から、リピート購入・利用の促進や、ブランドとの接触回数アップ、ポイント目当てでの新規顧客獲得、継続的な利用によるロイヤル顧客への育成などに役立ちます。
coorumの活用でブランドロイヤリティを高めよう
ブランドロイヤリティは、特定のブランドに対する顧客の忠誠心や愛着度を表しています。高めていけば、顧客は商品・サービスの品質や価格とは別の「買う理由」になるため、企業にとって重要な指標の1つです。
適切に役立てるには、まずブランドロイヤリティの高まりを客観的に把握し、他と比較できる指標を定める必要があります。
そうした指標から、ユーザーコミュニティの形成や高品質な商品・サービスの継続的な提供などの活動の是非を判断すれば、施策や商品・サービスの改善が可能です。
なかでも重視されるのは、インターネットを利用したオンラインでのユーザーコミュニティの構築です。
ただし、ノウハウがなければ、効果的なユーザーコミュニティの構築は難しいでしょう。そのようなときは、ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」の利用を検討しましょう。
coorumを導入すれば、コミュニティ運営と顧客分析機能の利用ができるため、質の高い顧客の声がいつでも収集でき、顧客のニーズに沿った的確な商品・サービス開発や施策の改善ができます。
これからのユーザーコミュニティ構築やブランドロイヤリティ向上の検討には、coorumの導入がおすすめです。ご要望や、ご予算にぴったりなコミュニティ構築をご提案します。ぜひ、ご検討ください。