ファンとの絆で成長を続けるピエトロのファンベース経営!「ピエトロホームタウン」成功事例に学ぶコミュニティ運営の秘訣

2025-03-10 コラム

創業以来、顧客との繋がりを大切にして成長を続けてきた株式会社ピエトロ。2020年から本格的にファンベース経営を導入し、ファンコミュニティ「ピエトロホームタウン」を開設。オンライン・オフラインでの様々な施策を通して、ファンとの絆を深め、更なる成長を目指しています。

そんなピエトロの執行役員 ファンベース推進部長の加来聡子 氏をゲストスピーカーに迎えたセミナーでは、ピエトロのファンベース経営の取り組みと「ピエトロホームタウン」の成功事例について詳しく語られました。

【登壇者情報】
加来 聡子 氏
株式会社ピエトロ 執行役員 ファンベース推進部長
2000年に株式会社ピエトロに新卒入社。レストランのホールスタッフとしてお客様と直接交流できる経験をした後、販促企画、ブランディング、開発業務を経て2021年からファンベース推進を担当。ピエトロが掲げているファンとのコミュニケーションを基軸にした「ファンベース経営」の推進に日々奮闘中。

“おすそわけしてほしい”から生まれた3億本のヒット商品 ピエトロのファン重視の原点

ピエトロのファンベース経営は、創業時から続くファン重視の姿勢から生まれました。例えば、オレンジキャップでおなじみのピエトロドレッシングは、創業当時のレストランで、パスタを待つお客様に提供していたサラダにかける手作りドレッシングが評判となり、「おいしい!」「わけてほしい」というファンの声に応えて商品化されたものです。ピエトロドレッシングは口コミを中心に広がり、2023年には販売合計本数が3億本を突破しました。

現在販売しているレトルトパスタソースも、東京に転居したファンから「ピエトロのパスタをどこでも食べたい」という声が商品化のきっかけとなったものです。

このように、ピエトロは創業当初からファンとの対話を大切にし、その声に耳を傾けることで成長を続けてきました。

ピエトロにとってファンとは、「ピエトロが大切にしている創業の思いや価値観に共感・支持してくれる人」と定義しています。ファンベース経営の目的は、単にファンを囲い込むことではなく、共感してくれるファンを見つけ、ピエトロの価値を伝え、より好きに、より応援してもらうことです。

“ピエトロのどこが好き?”ファンとの対話から見出す企業価値

ファンベースを推進するための具体的な取り組みを紹介します。

ピエトロは、2020年から全国のファンと出会い、交流し、声を集めてきました。ファンと出会う場所として、ファンコミュニティを運営しています。そこで出会ったファンの声を傾聴する場として、定期的にファンミーティングを開催しています。

また、ファンと体験を共有する場として、ファンイベントも開催しています。さらに、商品やサービスについてテーマを設定してファン1人ひとりの声を聴く、ファンインタビューも行っています。

このようなファンとの交流で常にファンに聴いてきたことがあります。それが「ピエトロのどこが好きですか?」という質問です。「ピエトロのどこが好きですか?」 すなわち「ピエトロの価値は何ですか?」という質問を、ひたすらファンに聴いてきました。

なぜそのようにして「ピエトロの価値」=企業の独自の価値をファンとの対話を通じて見出しているのかというと、従来の「価格訴求」を軸とした戦略が通用しにくくなっている市場環境の変化が理由の一つとしてあります。

市場が成長期にあって、人口もどんどん増えていて、マス広告も効果が生まれやすくて、大量生産によって安売りされるという時代から、資料に記載したような「価値訴求」の時代へと進んでいるのが、みなさんの実感としてもあるのではないでしょうか。

市場がどんどん成熟し、多様化し、複雑化し、人口も減っていく中でも、企業が大切にしている想いや価値観に共感・支持してくれる人が指名してくれる。指名してくれるから適正価格で売れる。「価値訴求」が大切になった時代の今、ピエトロの価値を私たち企業側の思い込みや願望で語るのではなく、共感・支持してくれるファンの声から知りたいと思い、ひたすらファンに価値を問い続けてきました。

1,200名以上のファンが集うファンコミュニティ「ピエトロホームタウン」

ファンベース経営の推進において、コミュニティは欠かせない存在です。私たちは当時、ファンがいることはわかっているものの、ファンが集える場所、ファンと気軽に交流できる場所がほしいと考えていました。

そこで「ピエトロ好き」がつながって、「おいしい」「たのしい」をみんなで作るコミュニティとして2024年3月28日にリニューアルオープンしたのが、私たちのファンコミュニティ「ピエトロホームタウン」です。

オンライン上のコミュニティを構築し、ファンとの交流を深めることで、ファンベース経営の「ベース」を作ることを目指しました。

オープンから半年ほどで1,200名を超えるファンの方々に登録いただき、日々活発な交流が行われています。

コミュニティの設計では、ファン同士の交流を重視し、みんなが楽しく交流できる場所として「町」というコンセプトを採用しました。どんどん町がにぎやかになるよう、新しい施設が登場するなど、リアルタイムな変化も大切にしています。

ピエトロだけでなく、「食」のおいしさやたのしさを共有できる場所、語り合える仲間がいる場所、そして何より、いつでも帰ってきてほっとできる場所にしたいと考えています。

ファンコミュニティを一度リニューアルした理由

リニューアルする形でオープンしたのには、理由があります。それまでのコミュニティは集客力や情報発信力が強く、規模の拡大には成功していました。しかし、運営を続ける中で、私たちが最も大切にしたいのは「双方向のコミュニケーションによる濃度の高い交流」だと強く感じるようになりました

この「双方向」には2つの意味があります。ピエトロとファンの交流、そしてファン同士の交流です。規模の拡大より、交流の質を重視したいという思いから、新しいプラットフォームとして「coorum」への移行を決断しました。

結果として、現在のコミュニティでは双方向性を重視した深いコミュニケーションが実現でき、ファンベース経営の基盤として重要な役割を果たしています。

オンラインだけでなく、オフラインでの交流や体験の共有も大切に

ピエトロホームタウンではオンラインだけでなく、オフラインでの交流や体験の共有も大切にしています。コミュニティでの企画目的は大きく分けると、ファン同士の体験共有、ファンを知る、ファンに知ってもらう、ファンからの推奨をつくる、の4つです。

例えば、ファン同士の体験共有であれば、一緒に体験できる企画をしてファン同士の交流をはかったり、ファンを知りたかったら、コミュニティ限定でファンに先行新商品モニターになってもらうことで、商品体験を可視化したりしています。

そのほかにも、より深くブランドを知ってもらうためにイベントを企画したり、ファンの推奨により新たなファンが生まれる企画を実施したりしています。

実際の取り組み事例より

共に創る、共に育てる。ピエトロが目指すこれからの「ファンベース経営」

ファンとのコミュニケーションを重ね、様々な取り組みをファンと一緒に作っていくことに、これからも力を入れていきたいと考えています。

ファンにピエトロの仲間になってもらい、未来のピエトロを一緒に作っていってほしい。その願いのもと、「ピエトロホームタウン」を、価値観を共有する仲間とのコミュニケーションが楽しめる居場所に育てていきたいと思います。「ピエトロホームタウンがあるから人生が豊かになった」と言ってもらえるような場所を目指して、コミュニティを発展させていきたいです。

ファンとの交流は本当に楽しく、やりがいのあるものです。まずは小さな一歩として、ファンと交流する機会を作ってみることをお勧めします。私たちの最初のファンミーティングは、わずか5名のファンからのスタートでした。しかし、その5名から感じた熱量が、現在の取り組みにつながっています。

これからますます不確実な時代になっていく中で、私たちを応援してくれるファンが、企業の未来を支えてくれると確信しています。1人でも2人でも、小さな一歩から始めることが、ファンベース経営の第一歩になるのではないでしょうか。

>>>ピエトロの公式コミュニティはこちら

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

関連記事

顧客起点マーケティングを実施するなら

ロイヤル顧客プラットフォームcoorum

ユーザーコミュニティ施策に関するお問い合わせやご検討中の方はお気軽に資料請求下さい。