ブランドコミュニティとは?メリットや企業の事例を紹介

2024-08-21 コラム

ブランドコミュニティとは、ブランドを利用している顧客が参加して、自由にコメントしたりコメントに返信したり、イベントに参加したりできるコミュニティです。
一方、企業にとってブランドコミュニティは、顧客からの声を元にブランド強化に役立つヒントなど貴重な情報源という面があります。
ここでは、ブランドコミュニティを実際に活用した企業の例と得られるメリットをみていきましょう。

ブランドコミュニティとは

ブランドコミュニティとは、特定のブランドを愛用・利用している顧客が参加するコミュニティです。ブランドコミュニティでは、ブランドのさまざまな印象や考えが顧客により発信されるため、商品の評価や、実際に使った感想など多くの情報の収集が可能です。

企業が調査する売上データを見れば「どれだけ売れたか」はわかりますが、「売れた理由」や「今どう思われているか」はわかりません。ブランドコミュニティでやり取りされる内容は、リアルな「顧客の声」であるため、企業にとって非常に貴重な情報といえます。

また、ブランドコミュニティは新商品のプロモーションや、販売促進キャンペーンといったイベントにも効果的です。アカウント登録制にしておくことで、ユーザーの属性からターゲットを絞り込んだり、メールアドレスを活用してダイレクトメールの配信もできます。

コミュニティを使ったマーケティングが注目される理由

ブランドのマーケティングとして「コミュニティ」が利用されるのは、近年のSNSの普及や少子高齢化、人口縮小など社会における顧客の絶対数の減少に適応した結果といえます。

特に、人口縮小の影響は大きく、マーケティングにも顧客の数を増やすだけでなくより自社商品を愛用してもらうため、ロイヤリティを向上させることが重視されるようになりました。

ブランドコミュニティの立ち上げや運営には、顧客や社会の変化を敏感に感じ取り、適切に対処することが大切です。

ここでは近年の、コミュニティを使ったマーケティングが注目される理由を、社会の流れの視点から解説します。

コミュニティマーケティングとは?注目される理由や成功させるポイントを紹介

少子高齢化・人口縮小

企業は近年、少子高齢化や人口縮小もあって、新規顧客を獲得しにくい状況にあります。特に日本の少子高齢化は世界に類を見ないほど深刻で、多くの商品のターゲットとなり得る総人口も縮小傾向にあり、「商品を買ってくれる絶対数」自体減り続けているのが現状です。

今後、あらゆる商品の購入販売数は減少していくと考えられます。このような状況で少しでも売り上げを確保し維持するには、既存顧客をしっかりつなぎ止めるためのコミュニケーションが有効です。

コミュニティは少子高齢化・人口縮小という大きな変化に対応するための、マーケティング手法の1つといえます。

SNSの普及・発達

SNSはユーザーが自身の感じたことを自由にコメントできるのが特徴です。SNSの強力な拡散力は、認知度の向上や口コミによる商品やサービスの購入にもつながり、企業もSNSを積極的に活用しています。

しかし、SNSは拡散力があるものの、さまざまな層の人が参加するため、自社のターゲットに絞った情報の提供や交流は難しいといった課題もあります。そこでより自社のターゲットに効果的に情報を提供し、交流する場としてブランドコミュニティが注目されています。

ブランドコミュニティではブランドという共通項があるからこそ共感が得やすく、顧客が求める情報を提供することができます。

消費者のニーズや購入意思決定の変化

消費者のニーズや購入を決定する根拠の変化も、ブランドの強化にコミュニティマーケティングが選ばれる理由です。以前はテレビや新聞を中心とした、不特定多数に向けた「マス・マーケティング」が主流でした。

しかし、近年ただ安い価格や魅力的な広告だけで選ばれることは少なく、顧客は商品を開発意図や企業の理念によって選ぶ傾向にあります。

また、商品やサービスを選ぶ上で、口コミやUGC(User Generated Content=ユーザーによって作成されたコンテンツ)にの重要性も高まっています。

このような変化を受け、ブランドの考え方や思いを伝える場として注目されているのがブランドコミュニティです。

ブランドコミュニティを通じて顧客と交流を行うことで、ブランドの考え方や思いも伝えやすくなります。また、ユーザー同士の交流が生まれることで口コミやUGCの増加にもつながります。

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サブスクリプションモデルのビジネスの増加

映画やドラマ、音楽といったコンテンツに限らず、さまざまな商品もサブスクリプションとして利用できるようになりました。このようなサブスクリプションモデルビジネスの増加も、企業がコミュニティに注目している理由の1つです。

サブスクリプションモデルにおいて顧客は商品を「購入する」のではなく「継続的にサービスを利用」することになります。

購入するとほとんどの場合「返品できない」ため購入の前に慎重に検討しなければなりません。しかし、サブスクリプションでは利用中であればサービスによっては今と違う商品に交換できる事もあるため、手軽に利用でき、企業としては継続率・解約率が大事になります。

ただ継続的なサービス利用には、顧客のニーズや価値観の把握が欠かせません。そのためコミュニティはこのような顧客の「生の感想」などの情報を得る手法として、多くの注目されています。

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ブランドコミュニティを活用するメリット

ブランドコミュニティには、企業と顧客、または顧客同士のつながりを強めるだけでなく、顧客のリアルな声を拾えたり、口コミによって新規顧客を獲得しやすかったりといったメリットがあります。

コミュニティを立ち上げ、運営し続けるにはこれらのメリットをどのように役立てられるかが重要です。

ここでは、ブランドコミュニティをマーケティングに活用するメリットとその具体的な価値について解説します。

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企業とユーザー間・ユーザー同士のつながりを強化できる

ブランドコミュニティは、特定のブランドという共通の価値観を持つ企業と顧客が参加するため、一般のSNSに比べると比較的他のユーザーを信頼しやすく、つながりも強化されやすいといえます。

企業にとって、顧客から信頼されつながりを強化できることは大きなメリットです。たとえば、商品の改善を求められた後、速やかに対応したことを投稿すれば、顧客を大切にする理念の証明になったといえるでしょう。

このような対応が発生するごとに逐一コミュニティに投稿していけば、ユーザーの企業に対するロイヤリティはより強化されるでしょう。

また、信頼できる率直なコメントを投稿するユーザーが、コミュニティで意見を求められるといったこともあるようです。ユーザー間で自由に有益な情報を伝えあう場を作ることができれば、ユーザー同士のつながりは強化されていくでしょう。

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ユーザーのリアルな声が拾いやすい

ブランドコミュニティでは参加しているユーザーが安心してコメントできるため、自由にリアルな声が投稿されやすいといえます。

ユーザーの声は、企業にとって商品のリアルな評価やニーズがわかる貴重な情報源です。肯定的なコメントだけでなく否定的なコメントにも、商品やブランドの改善点として今後に役立てられます。

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LTV改善や離脱減少につながる

少子高齢化や人口縮小にある日本では既存顧客の良好な関係維持とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)向上にも、ブランドコミュニティが役立ちます。

たとえば、ブランドについてほとんど知らない新規顧客にとって、ブランドコミュニティがあること自体おそらく「新鮮」に映るでしょう。

コミュニティに参加すれば、他の顧客のコメントがいくつも閲覧できます。そこではブランドの価値観やトレンド、使ったことのない商品といったさまざまな新しい情報から刺激を受けるでしょう。

また、コミュニティから得られた情報や他の顧客とのつながりは、コミュニティからの離脱防止にも役立ちます。特に、商品を利用する上で必要な「使い方」や「トラブル解決法」といった情報は、新規顧客の離脱防止に効果的です。

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口コミなどによって新規顧客獲得につながる

コミュニティを利用したマーケティングでは、既存顧客の口コミが新規顧客の獲得につながることもあります。

既存顧客はコミュニティ内でさまざまなコメントにふれ、徐々に商品の評価が上がり「他の人にもこの商品の良さを知ってもらいたい」気持ちが生まれることも少なくありません。

中ではSNSやブログなどを使って、商品の口コミを積極的に拡散してくれることもあるでしょう。

広く普及しているSNSは、口コミによる商品情報の拡散に適しています。実際に商品を使った人の感想は、使ったことのないユーザーにとって信頼できる情報です。投稿を読んだ一部のユーザーが使い始めれば、新規顧客の獲得につながります。

コミュニティは顧客獲得だけでなく、獲得した顧客を自社のファンへの育成にも大いに貢献できるでしょう。

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ブランドコミュニティを活用するときの注意点

ブランドコミュニティの活用には、長期的に取り組む必要があります。これらの注意点はそれぞれ適切なタイミングで対応できるよう、コミュニティの立ち上げは念入りに計画しておく必要があるでしょう。

ここではブランドコミュニティを活用するときの注意点と、事前の対応方法について解説します。

長期的に取り組む必要がある

ブランドコミュニティは長期的な施策であるため、成果は次のようないくつものステップを踏んで徐々に現れてきます。

① コミュニティを立ち上げる
② 顧客をコミュニティに誘導し参加してもらう
③ 企業やブランド、商品に関する信頼を醸成する
④ 顧客に自由にコメントしてもらう
⑤ 顧客同士のコミュニケーションが活性化する

顧客の心情や価値観については、企業から「変わってほしい」と願っても変わるものではありません。コミュニティでさまざまなコメントにふれ、企業のスタンスを伝えることで、徐々に変化するもので多くの場合時間がかかります。ブランドコミュニティにおいて確実な成果を得る為には、計画的に取り組み続ける必要があるでしょう。

KPIの設定や効果測定が難しい

ブランドコミュニティの運用も企業活動の1つと考えれば、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を測定する必要があります。

コミュニティ運営による成果は売上やコミュニティページのPV数にも現れますが、それ以上に特定の商品に関するコメント数や返信コメント数、コメントの内容を重視したほうがより顧客の実情を表していると考えられます。

しかし、KPIをどの数値に設定するかは自由です。商品の特性やコミュニティの目的によって何にでも設定できますが、決定するときは長期にわたる指標として適切かどうか、慎重に検討する必要があるでしょう。

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担当者の育成や採用が必要になることがある

ブランドコミュニティを立ち上げだけた後、目的に沿って適切に運営・管理するには、そのための担当者を選任して育成、または新規採用する必要があります。

コミュニティは通常24時間、365日稼働しいつログインされ、いつ投稿されるかわかりません。なかには問題のある内容を投稿されるなど、参加する顧客間でトラブルとなる場合もあります。

このような場面で、適切にかつ速やかに対応するのがコミュニティの担当者です。担当者には、コミュニティ運営の十分な経験や適切なコミュニケーションスキル、参加者同士の交流を活性化させるスキルなどが求められます。

選任した担当者に十分なスキルがなければ、研修を通じ育成する必要があるでしょう。社内から専任できない場合は、新規採用しなければなりません。

ブランドコミュニティでは、継続的かつ適切な運営が重要です。計画でも、できるだけ早くの専任が求められます。

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ブランドコミュニティの事例

ブランドコミュニティを立ち上げ運営する企業は、サービス業やメーカーなどさまざまです。

ここでは次の5つの企業によるブランドコミュニティの事例を紹介します。

  • 株式会社コメダ
  • クラシエホームプロダクツ株式会社
  • 株式会社カインズ
  • 京セラ株式会社
  • ホノルルマラソン日本事務局

企業ごとの目的や手法、重視するポイントをみていきましょう。

株式会社コメダの事例

全国にフルサービス型喫茶店「コメダ珈琲店」を展開する株式会社コメダは、オンラインコミュニティ「さんかく屋根の下」を運営しています。

もともと「コメダ部」という店舗で常連様方に集まっていただくイベントはあったのですが、イベントにお越しいただける方の数が限られるという課題がありました。

そこで立地や時間などの都合に縛られず、オンラインでお客様同士がつながれる場所がないかと考えたことが、オンラインコミュニティ導入のきっかけです。

オンライコミュニティを通じて、お客様同士やコメダとお客様の交流を増やすことで、コメダに対する愛着をはぐくんでいただくことを目指して運営されています。

導入事例インタビューはこちら▼
「より多くのお客様が交流ができる」コミュニティを。株式会社コメダが運営する「さんかく屋根の下」がcoorumを選んだ理由。

クラシエホームプロダクツ株式会社の事例

ヘアケア商品をはじめ、日用品や化粧品を製造するクラシエホームプロダクツ株式会社では、「ママと子どもの毎日のバスタイムを楽しみな時間にする」をコンセプトに「mä & më time(マーアンドミー)」というファンコミュニティを運営しています。

お客様と直接会話する場面がこれまで多くなかったことや、「お客様と一緒にものづくりをしていける場があればもっといいのではないか」という想いがコミュニティの運用を検討されたきっかけでした。

コミュニティにおけるユーザーの交流の内容は、商品をすすめたり買ったことを報告したりとさまざまです。これらの交流からは顧客の生の感想が得られ、またブランドへの共感や愛着の高さを実感することができました。

導入事例インタビューはこちら▼
親子のヘアケア&スキンケアブランド「mä&më(マーアンドミー)」がファンとの共創を目指すコミュニティを始めた理由

株式会社カインズの事例

ホームセンターチェーンを経営する株式会社カインズでは、ともすれば孤独となりがちなDIYを楽しむ顧客をつなげるコミュニティ「CAINZ DIY Square(カインズディーアイワイスクエア)」を運営しています。

日曜大工や、調理・洗濯等の家事、キャンプ、ガーデニング等を行う「DIYer(ディーアイワイヤー)」をオフラインとオンラインの両面からサポートしたいという想いから、コミュニティ運営を始められました。

コミュニティ内やり取りされる内容は、店舗で買ったものを使って作った「作品」の紹介や、うまく作れないときの他のユーザーからのアドバイスなどさまざまです。

DIYユーザー同士で大きな盛り上がりを見せており、コミュニティに参加しているお客様のLTVは、カインズ会員全体の平均よりも高いという結果にもつながっています。

導入事例インタビューはこちら▼
DIYをライフスタイル(生活文化)に!カインズが取り組む「コミュニティ」の導入背景と展望とは

京セラ株式会社の事例

携帯端末「TORQUE」シリーズを製造している京セラ株式会社は、「TORQUE」を使う仲間と出会えるコミュニティとして「TORQUE STYLE」を運営しています。

お客様との直接的なタッチポイントが薄く、お客様の声を集約する場所が少ないと感じられていたことや、TORQUEに関する既存メディアが乱立していたことから、メディアを集約し、効果的に運営したいといった想いから、コミュニティの運用を始められました。

ユーザーが投稿しているのは、TORQUEの情報やアウトドアを中心とした使用シーンの画像など、ファンの好むようなコンテンツが中心です。

コミュニティに寄せられたコメントは社内に共有され、社員のモチベーションアップにも活用され、社内にコメントを起点としたコミュニケーションが生まれています。

導入事例インタビューはこちら▼
コミュニティにメディアを集約してお客様との交流に注力。仲間に出会える「TORQUE STYLE」

ホノルルマラソン日本事務局の事例

ホノルルマラソン日本事務局は、2020年コロナの影響で開催を断念せざるを得なかったことがきっかけとなり、オンラインコミュニティ「ホノルルマラソンOHANA」を立ち上げました。

ハワイへの渡航制限もあるなか、オンラインでホノルルマラソンの魅力を感じてもらう場としてコミュニティを導入しました。

ユーザーは、コミュニティへの書き込みやログイン回数といったアクションに応じてポイントが付与され、一定のポイント数に達すると「ゴールドオハナ」などの称号が与えられます。オンライン上でコミュニティへの貢献度を称えることができ、参加者がいっそう盛り上がれるしくみになっています。

これからもリアルな交流の場としての大会に加え、コミュニティでもユーザー同士が熱量を伝え合い、ホノルルマラソンの魅力を感じてもらえることを目指して運営されています。

導入事例インタビューはこちら▼
ファンのエンゲージメント及び顧客体験の向上を目指し、coorumを導入。コミュニティを通してユーザー同士がコミュニケーションを取ることで、熱量の伝播・ファンの拡大を目的とし、ホノルルマラソンOHANAを運営中。

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ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum」をご導入いただいている企業のインタビューが一覧で見ることができます。なぜコミュニティを導入したのか、どういった課題があり、コミュニティを導入してどうたったのかを知ることができます。
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ブランドコミュニティを活用するならcoorumがおすすめ

ブランドコミュニティは、企業と顧客、または顧客同士のつながりを強化できると同時に、お互いが自由に交流できるよう特定のブランドの顧客を集めたコミュニティです。

顧客のリアルな声を拾えるなどのメリットがあり、少子高齢化にある日本では特に注目されています。

ただし、ブランドコミュニティの立ち上げや運営には、さまざまな知識と豊かな経験が欠かせません。コミュニティの基幹となるブランドの特性を踏まえた、具体的な精度設計も必要です。

ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum」では、適切なコミュニティ運営によってLTVを最大化します。coorumはあらゆる企業を顧客中心の経営にシフトし、コミュニティの運営を通して顧客とのコミュニケーションを活性化するツールです。またコミュニティの提供だけではなく、立ち上げの支援やノウハウをお伝えする専属の担当者がつきます。

これからブランドの価値を高めるためブランドコミュニティの導入を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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