顧客インサイトとは?分析・調査の方法や見つけ方のポイントを解説

2024-06-26 コラム

顧客インサイトとは、購買行動の裏にある本質的な欲求のことで、新たなニーズの発見や認知度の向上に役立ちます。インサイトを把握するには、アンケートやデータを収集し、分析を行わなければいけません。
今回は、顧客インサイトの定義や分析・調査の方法、見つけ方のポイントについて解説します。

顧客インサイトとは

顧客インサイトとは、本質的な欲求・深層心理に根ざした動機や本心のことです。店頭やECサイトで商品を手に取った理由を尋ねても、「たまたま目に入ったから」「デザインが良かったから」など、抽象的な回答しか得られない場合があります。

消費者は、常に明確な動機のもとで動いているとは限らず、購買行動の裏には、本人も自覚していない無意識の欲求・感情が働いていることは珍しくありません。この深層心理が、顧客インサイトです。

売れる商品・サービスを開発するために、近年とくに重要視されています。顧客インサイトの意味や具体例、混同しやすい潜在ニーズとの違いをみてみましょう。

顧客インサイトの意味とは

インサイト(insight)は直訳すると「洞察・発見・見通し」となり、マーケティングで使われる場合、顧客の本質的な欲求や、深層心理に根ざした本音や動機を示しています。

顧客が本質的に何を求めているかは、顧客自身ですら把握できていない場合も多く、本人に直接聞いても表面的な回答しか得られないことが多々あります。

ある商品を購入した消費者に、なぜその商品を選んだのか聞いたところ「品質がよいから」と、答えが返ってきたとしましょう。高品質の商品を求める気持ちに至るまでの経緯や、背景に焦点を当てると、顧客インサイトがみえてきます。

たとえば、ビールの場合、なぜ飲むかといわれれば、味や喉越しを楽しんでよい気分に浸りたいためです。

裏側に隠された感情を洞察すると、「口に入れたときの爽快感や刺激を楽しんで、仕事から解放されたい」「一日の終わりは好きな料理と飲み物に囲まれ、ゆっくり過ごしたい」などのインサイトがあるでしょう。

商品の販促・マーケティング活動では、顧客の本心を刺激する形で訴求できると上手に購買意欲を喚起できます。

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顧客インサイトと潜在ニーズの違いとは

顧客の本心と聞くと、マーケティングの場で頻繁に使われる潜在ニーズを想起する人もいるでしょう。両者の違いは感情の深さで、顧客インサイトは潜在ニーズより深淵な領域に根ざしており、簡単なヒアリング程度では顕在化できないのが特徴です。

一方の潜在ニーズは、無意識に必要としている商品やサービスを意味し、本人に質問を投げかけることによって把握できます。自分自身で、言語化できるかできないかの違いともいえるでしょう。

顧客インサイトは本人も自覚していませんが、ニーズに即した商材を目にすれば、感情が刺激されて行動の変容を引き起こします。

顧客インサイトが注目される理由

近年潜在ニーズにのみ頼らず、顧客インサイトを意識したマーケティングが注目されています。既存の方法では他社との類似製品しか生み出せなくなりつつあるからで、消費者の本心に基づく新たな枠組みが必要です。

ここでは、顧客インサイトがなぜ注目されるのか深掘りします。

新たな需要の発見につながる

顧客インサイトの分析によって新たな需要を発見でき、新商品の開発や次のターゲットとなる新規市場の特定に役立ちます。コモディディ化が高度に発展した現在、潜在ニーズを満たす商品は市場にあふれています。

消費者が現在求めているものの特定はたやすく、既存のニーズに応えるだけでは、競合がひしめき合う状況から脱却できません。これからのマーケティングは従来と違い、今何を求めているか突き止めるためではなく、本音で欲しがっているものを見つけ出すことが重要です。

顧客インサイトを特定し、そのニーズに沿った商品開発を進めれば、競合と異なる商品作りが実現します。競合の一歩先を行くためには消費者の本質的な感情を深読みし、自分自身ですら欲しいと気づいていない商品を先回りして提供することが大切です。

顧客インサイトをつぶさに分析すれば、誰も見つけたことがない新たな需要の創出も夢ではありません。

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競合との差別化につながる

顧客インサイトを分析するもう一つの大きな利点が、競合との差別化が実現しやすいことです。顧客に真に求められる商品やサービスを提供できるようになり、独自性が確立します。

顧客インサイトは、他社を含めて多くの企業が把握しきれていないニーズのため、いち早く特定に成功すれば、市場で有利な存在になれるでしょう。

テクノロジーが高度に発展した現在、商品自体の性能や価値で消費者に効果的な訴求を行うのが難しくなっています。

同種・同質の製品が市場に溢れかえる状況となっていて、消費者に選ばれようとして価格競争に陥っています。インサイトを意識した商品作りに成功すれば、ほかの企業では実現できない唯一無二のサービスを提供でき、結果的に価格競争から逃れられるのです。

認知度向上につながる

顧客インサイトを踏まえた商品・サービスを提供すると、市場での存在感が増し、認知度の向上につながります。

とくによい影響をもたらすのは、「純粋想起率」です。純粋想起率とは、ブランド認知度に関するアンケート調査を実施したときに、自社ブランドの名称が出てくる確率です。

顧客インサイトを踏まえた商品を提供すると、革新的な視点や本質的なニーズを踏まえた製品開発が注目され、多くの消費者から共感が集まります。企業が自ら広告宣伝を行わなくても、ユーザーによる自然な口コミや評判が寄せられ、結果的に認知度が向上するでしょう。

顧客インサイトを満たす商品は、いわゆる「ありそうでなかったもの」のため、SNSを中心にユーザーによる自発的な投稿が促されます。何千件もいいねやリツイートがついて口コミが自然に拡散されて、「バズる」状態になることも珍しくありません。

消費者インサイトを把握するための3ステップ

顧客インサイトとは何か、なぜ市場で注目されるかは理解できたかと思われます。しかし、マーケティングへ実装すると考えると、何からはじめればよいかわからなくなる人もいるでしょう。

消費者インサイトを把握する手順は決まっているため、次の流れを踏襲してみてください。

  • インタビューやアンケートでデータを集める
  • 集めたデータを分析する
  • 分析結果を精査して顧客インサイトを定める

それぞれ、行うべき行動や調査について具体的に解説します。

インタビューやアンケートでデータを集める

まずは、自社の商品にまつわる情報を集めることが重要です。リサーチの手法には、インタビューやアンケートで顧客に直接質問を投げかける方法と、SNSや口コミサイトなどのソーシャルリスニングにわけられます。

顧客インサイトは深層心理を示したもののため、質問の仕方や内容を工夫しないと、求める答えは出てきません。インタビューやアンケート調査は購買に至った背景や、数値化に適さない価値観などの定性的な情報を取得するよい機会です。

単なる事実や、理由のような表面的な問いで終わっては、せっかくのユーザー調査も意味を成しません。なぜ購買に至ったのか問いただしたとき、最初は「ほかの人が買っていたから」「デザインが好みだから」など、曖昧な回答しか得られないことも多々あります。

重要なのはそこで終わりにせず深掘りして、何がユーザーの購買意欲を掻き立てたのか、魅力を感じた部分はどこなのか、本心や動機を聞き出すことです。

インタビューやアンケートで顧客インサイトを把握するには、実施手法にも気を配ってください。コンプレックスや体の悩みのようないいづらい質問を含む場合は、1対1で行うことで回答者は本心を曝け出しやすいでしょう。

集めたデータを分析する

集めたデータを分析し、潜在ニーズとは異なる新たなニーズの把握に努めましょう。分析の際は顧客満足度やリピート率などの定量データと、アンケートのコメントや回答結果のような定性データの二軸にわけて、相互分析を行うのが大切です。

数字だけでは、表面的な考察しかできない可能性が高いためです。定量データでおおまかな見当をつけ、定性データでより深く突き止めるという二段構えで取り組むと、本心に根ざした分析が実現します。

定性データで立てた仮説を、定量データで検証する方法も効果的です。全体的な傾向を明らかにするだけでなく、性別や年齢で顧客属性を分類して、セグメントごとに共通の傾向を見つけるのも有効です。

仮説の立証が可能な材料を得られるか、新しい発見や気づきが得られるまで調査分析を続けましょう。

分析結果を精査し顧客インサイトを定める

分析したデータ結果から、その行動や感情に至った動機や原因は何なのかを探り、顧客インサイトを定めましょう。

インサイトは得られたデータと、必ずしも論理的に整合がとれる内容とは限りません。消費者が購買行動を起こす背景には、本人ですら気づいていない深層心理が隠されています。

インタビューの回答も、表面的な結果にとどまることが多く、本音までは明らかにはならないのが通常です。

分析結果を活用して、消費者が他人に語らない深層心理を導き出せるかが勝負のわかれ目でしょう。とはいえ、データでも顕在化していないニーズをあぶり出すのは、誰しもできる芸当ではありません。

一般的にはフレームワークを用いて、顧客インサイトを特定します。代表的なフレームワークに挙げられるのは、共感マップやカスタマージャーニーマップです。固定観念に捉われると、新たな視点や気づきは得られにくいため、顧客視点を意識して柔軟に考えることが重要です。

顧客インサイトの仮説が構築できたら、再度顧客に確認したり、分析データとかけ合わせたりできるとより精度が向上します。

消費者インサイト調査の具体的な方法

消費者インサイトを捉えるのは、難易度が高い行為といわれています。本人すらも気づいていない心理状態を突き止めるのですから、肌感覚でもいかに難しい活動かわかるでしょう。

聞いて回答を得られるものではなく、データの収集→分析→インサイトの特定といった、一連の流れに沿った取り組みが必要です。

顧客インサイトの具体的な調査手法は、いくつか確立されています。はじめてインサイトの把握に努める人は、それぞれの手法の特徴を理解して、自社にあった方法を取り入れるのが重要です。

消費者インサイトの調査に役立つ方法について、詳しく解説します。

アンケート・インタビューの実施

センスや直感に頼らず、インサイトを突き止めるには顧客に直接聞くことが第一です。本質的な質問を投げかけることで、顧客自身も気づいていない欲求や関心、深層心理にたどりつく場合があります。

顧客インタビューの代表的な手法は、複数の顧客を集めて座談会形式で行うグループインタビューと、個別面談形式のデプスインタビューにわかれます。方法は対面でも電話でも、オンライン面談でもかまいません。

顧客インタビューでは必ずしも多くのサンプルを必要とせず、たった1名の回答でもインサイトの特定に寄与する十分な知見を得られます。

深層心理を明らかにするには、インタビュー時の心理状態や質問の仕方が重要です。場を盛り上げて緊張をほぐしたり、普通とは異なる確信をついた質問をしたりといった工夫が求められるでしょう。

どのような手法であれ、事前に質問項目を一つひとつ準備しておくのが有効です。一般的には、次に掲げる質問を投げかけると、顧客インサイトの特定には効果的だと考えられています。

  • 何がきっかけで商品を購入したのか
  • 悩みや欲求は何か
  • 商品を目にしたときの第一印象は
  • 商品の購入時に不安を感じたことは
  • 商品を購入した決め手は何か
  • 類似商品と比較検討したか?またその商品は何か
  • 使ってみて抱いた感想は

より具体的な分析をするため、年齢や性別、職業、年収などで顧客セグメントを設けると効果的です。

ソーシャルリスニングの実施

TwitterやInstagramなどのSNSに寄せられた、口コミを収集・分析するソーシャルリスニングの実施も有効な方法です。個人が自由にアカウントを開設し、自らの意見を発信できるため、企業の調査ではくみ取れない本音を把握しやすいのが利点です。

第一に収集すべきは商品やサービスに対する口コミですが、関係のない投稿からもライフスタイルや価値観、願望などは垣間見えます。インサイトの分析に役立つため、ペルソナの発信する情報は広く集めましょう。

ソーシャルリスニングの方法としては、各メディアの検索窓に情報を打ち込む手法と、有料ツールを使う手法にわかれます。前者はコストをかけずに行えるため、資金力に乏しい中小企業や、まずは小さくはじめたいと考える人に適しています。

しかし、独自の方法では求める情報が見つからない、どこまで調査すれば十分な情報量が得られるかなどの疑問に出くわすでしょう。

困ったときに役立つのが有料ツールで、調査や分析はもちろん、施策の立案や実行した対策の効果測定などにも対応しています。

投影法の実施

投影法は、言葉にするのが難しい人間の感情を把握したいときに使われる方法です。未完成の文章や抽象的な図形などを提示し、対象者の無意識に隠れた本音を引き出します。

直接的な言語化は難しくても、連想や比喩で表現できるため、本質的な感情や心理を特定できます。

投影法にはいくつもの手法が存在し、部分的に空白がある文章を提示して、穴埋め部分を自由に記述させる文章完成法が代表的な方法です。

ほかにも、単語やフレーズを複数個提示して連想するワードを順番に答えさせる言語連想法、今の感情に近い写真を選ばせてインサイトの特定に役立てる写真投影法などもあります。

投影法の利点は、虚偽の回答や質問者に見せたい自分を意識した、打算的な回答を防げることにあります。目の前に示すデータはランダムに抽出されるため、事前に回答を準備するのは不可能です。

検査者の意図を特定するのも難しく、被験者は指示通りの作業をこなすよりほかありません。婉曲や虚偽の可能性を限りなく軽減し、インサイトの特定にも寄与する方法です。

ファーモグラフィックデータの収集

ファーモグラフィックデータとは企業の特性を表す情報群のことで、企業規模やエリア、ステータス、パフォーマンスなどの項目があります。BtoBの企業においては、顧客インサイトの特定に役立つ知見が得られる可能性が高いです。

対象の企業が抱えている課題の把握に役立ち、たとえば業績が好調の会社は、優秀な人材へのニーズが高いと想定されます。人材採用の課題解決につながる支援ツールを売り込めば、成約につながる期待をもてるでしょう。

一方で、業績が低迷している企業の場合、採用支援は求めておらず、ファクタリングやリストラクチャリング支援を欲している可能性が高いのではないでしょうか。

企業規模(大手企業かスタートアップか)、売上の金額などの要素も、サービスに求める機能や費用感を左右する重要な要素です。

ファーモグラフィックデータの調査では、顧客管理システム(CRM)に蓄積された情報と、アンケートやインタビューで得られたデータを組み合わせると効果的です。

業界や企業規模、地域などによる購入傾向の違いを判別でき、顧客インサイトをつかむうえで有意義な知見を獲得できます。

Web上の行動履歴の収集

ECサイトやネットショップ、オウンドメディアの回遊率やコンバージョン率など、Web上の行動履歴を分析対象とするのも一つの手です。

どのチャネルからサイトに訪れるユーザーは多いのか、流入数が高いキーワードは何か、離脱率や直帰率が高いページはどれかといった解析ツールを使うことで瞬時に把握できます。

数値による客観的なデータを取得でき、施策の検証や改善、新たな仮説の立案などに役立ちます。構築した顧客インサイトは正しいとは限らないため、トライアルエラーを繰り返していて、精度を高める試みが必要です。

顧客インサイト分析を成功させるためのポイント

顧客インサイトの分析で失敗しないために実践したいポイントは、次のとおりです。

  • インタビューやアンケートでは回答を深掘りする
  • 仮説を立てて追加調査を行う
  • ペルソナや共感マップを活用する
  • 集めた情報をさまざまな視点で分析する
  • ツールを活用してデータの収集や分析を行う

それぞれ何に注意すべきか、実践して得られる効果について解説します。

インタビューやアンケートでは回答を深掘りさせる

インタビューやアンケートでは、表面的な回答で終わらせないために、深掘りする姿勢が不可欠です。「はい・いいえ」で回答できる質問ではなく、「なぜ」「どのように」など自由記述型のオープンな問いを投げかけることが失敗を防ぐポイントです。

顧客本人から寄せられる意見は現象にとどまる場合が多く、裏に隠れた原因や背景を把握するには足りません。顧客自身ではなぜその商品を購入したか、よどみなく納得がいく説明を行うのが難しいケースも多いためです。

顧客に直接質問を投げかける場面では、購買という現象が生じた原因は掘り下げ、本質的な感情をあぶり出しましょう。

仮説を立てて追加調査を行う

情報収集に十分な時間をかけたと思っても、データを整理するなかで、不足しているものが見つかる場合もあります。

その場合は、既存のデータを元に仮説を構築して、追加で調査しましょう。新たにほかの手法を取り入れたり、すでに行った方法の精度を高めたりして不足分を補ってください。

調査をはじめる前に仮説を立てることで、求める情報を効率的に摂取できます。何を質問するかだけではなく、問いかけの背景や得られるデータを意識したうえでリサーチを行いましょう。

不十分な質・量のデータだけで顧客インサイトを無理に突き止めようとしても、精度が高い結果は得られません。情報が足りないと感じた場合、いったん立ち止まって追加調査を行うのが無難な方法です。

ペルソナや共感マップを活用する

顧客インサイトの分析に役立つフレームワークは、「ペルソナ」と「共感マップ」の2つです。ペルソナの設定は、ターゲットの解像度を高めるために不可欠な取り組みで、潜在ニーズの特定でも頻繁に使われています。

居住地や性別、職業などの基本情報にとどまらず、休日の過ごし方や世帯年収、今の悩みのような心理状態まで特定するのがポイントです。

ペルソナの特定は、マーケティングに取り組むチーム全員が、具体的なイメージを想起しやすくなるのも利点です。また、一度設定したら終わりではなく、企業を取り巻く環境の変化に応じて改善・更新することが求められます。

顧客を形作る環境や行動、願望などにフォーカスした、共感マップの作成も効果的です。通常では目に見えない感情を可視化することで、自社の商材が解決できる悩みや叶えられそうな願望の特定に用いられます。

集めた情報をさまざまな視点で分析する

集めた情報を分析する際に、何よりも重要なのは固定観念をはじめ、偏った考えに捉われないことです。顧客の言葉を鵜呑みにしたり、得られたデータを偏った見方で解釈したりすると、的外れな結論に至ることがあります。

現象と原因からインサイトを探る方法を紹介しましたが、手段と目的との関連性を見いだす、行動の矛盾を見つける、人間の普遍的な欲求から考えるなどの手法も有効です。

購入した商品は同じでも、なぜ購買を決断したのか、そこに至るまでの感情は個々に異なります。体に悪いとわかっていながら食べてしまうというような、人間の矛盾した感情も考慮しましょう。

論理的ではない視点は無視されがちですが、あらためて目を向けると、有益な着眼点を見いだす場合もあります。新たなニーズがなかなか見つからない場合、食欲や睡眠欲をはじめ、人間なら誰もが抱く感情に注目するのも有効な方法です。

顧客分析とは?分析の手順やフレームワーク、ツールを紹介

ツールを活用してデータの収集・分析を行う

顧客インサイトを把握してマーケティングに役立てるには、膨大な顧客データの収集・分析を可能とする基盤が不可欠です。

Webサイト上のデータの利活用にはアクセス解析ツールが向いていますが、ファーモグラフィックデータの収集に適しているのはCRMです。

状況に応じて必要なツールを選択して、効率的な情報収集ならびに分析できる体制を整備しましょう。

ツールを活用して顧客インサイトを探る事例

顧客インサイトを把握するための有効な手段の一つが、オンラインコミュニティの構築です。ユーザー同士のコミュニケーションが促進され、担当者経由では得られない顧客のリアルな声を獲得できます。

ここでは、弊社のオンラインコミュニティ構築ツール「coorum」を活用した事例を紹介します。

株式会社カインズの事例

ホームセンターチェーンを主力事業に掲げる株式会社カインズは、オンラインコミュニティの構築によって顧客の声を集めることに成功しました。同社は店舗での商品販売に合わせて、日曜大工や家事、ガーデニングなどを実践するDIYer(ディーアイワイヤー)を支援しています。

来店したお客様には日頃の取り組みに関する話を聞けますが、お店に出向かない人の意見はくみ取れません。オンラインも含めてお得意様とトータルでつながりたいとの想いから、オンラインコミュニティの運営を決意されたそうです。

実際多くのお客様の声(Voice Of Customer)を収集できていて、参加者の熱量が高い良質な空間を形成しています。

導入事例インタビューはこちら▼
DIYをライフスタイル(生活文化)に!カインズが取り組む「コミュニティ」の導入背景と展望とは

株式会社エー・ピーホールディングスの事例

株式会社エー・ピーホールディングスは、大衆居酒屋「塚田農場」を運営する企業です。以前から長く利用し続けるお得意さんの声に接する場はあれども、新しくファンになった人の意見に触れる場が欲しいとの理由から、オンラインコミュニティの構築を決意されました。

イベントを開催しなくても、お客様の意見を吸い上げられるのは大きな成果だと感じています。具体的な利用方法には、店舗で販売を開始した新商品の評価を、リアルタイムで確認するために使用しているとのこと。

さらに、どのような商品が好きか理由も交えて文章で伝える場を設けて、自社だけでは把握が難しい強みの構築にも役立てています。

導入事例インタビューはこちら▼
店舗では拾いにくい”塚田農場”好きなお客様の色んな声を聞きたい。塚田農場が目指すオンラインコミュニティの姿とは?

株式会社ルネサンスの事例

株式会社ルネサンスは、スポーツクラブや介護リハビリ施設の運営を主たる事業に据える企業です。コロナ禍でお客様の声に触れる機会が少なくなった状況を打開しようと、オンラインコミュニティの構築を企画します。

自社開発という選択肢があるなかでcoorumの活用を決断したのは、専門的な知見や経験を持つ企業の力を借りたいと考えたためだそうです。サービス選びで重視した基準は、拡張性・デザイン性・伴走力の3つで、最終的に決め手となったのはWebサイトのデザインでした。

オンライン上に総合スポーツクラブを出すと考えたとき、トップページがあることで、情報の整理や動線の確保に有利だと考えられたそうです。コミュニティを立ち上げて間もないためサービスへの反映は今後の課題ですが、着実にお客様の声を集められています。

導入事例インタビューはこちら▼
ロイヤル顧客の育成とLTVの向上を目指し、coorumを導入。二人三脚で目指す、リアルとデジタルが融合したコミュニティとは

顧客インサイトを見つけてマーケティングに活かそう

顧客インサイトを捉えて、無意識の欲求に訴えかける必要性は高まっています。企業はアンケートの実施やソーシャルリスリングなどで、能動的に情報を集めなくてはなりません。そのうえで、分析→仮説の構築と進めねばならず、はじめてだと難航するかもしれません。

精度が高い成果を得られれば利益の増大につながる可能性は極めて高いため、この機会に顧客インサイトを意識したマーケティングを導入してはいかがでしょうか。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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