ファンマーケティングとは?メリットや戦略、成功事例を紹介

2024-08-27 コラム
ファンマーケティングとは?メリットや戦略、成功事例を紹介

ファンマーケティングは、企業の商品やサービスを愛用し、SNSで商品に関する情報(UGC)を発信してくれるファンに対して行うマーケティング手法です。
企業の安定した売上につながることに加え、ファンからの発信により新規顧客の獲得も期待できることから新たなマーケティング施策として注目を集めています。
ファンマーケティングに取り組むには、SNSやライブ配信、コミュニティサイトの構築などといった手法があります。それぞれの実践方法やコミュニティサイトを活用した成功事例をご紹介します。

ファンマーケティングとは?

ファンマーケティングとは、商品やサービス、ブランドに強い愛着を持つ「ファン」を増やすことで、中長期的に安定した売上を目指すマーケティング手法のことをいいます。

従来のマーケティングでは、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアを用いて、顧客になりうる多数のターゲットに対して同一のプロモーションを行ってきましたが、近年、SNSやWebサイト、UGCでのマーケティングが普及したことにより、自社のブランドを好むファンをターゲットにしたマーケティングが行いやすくなりました。

つまり従来のマーケティングは新規の顧客獲得を目的としていたことに対して、ファンマーケティングは既存顧客(一度購入していただいた、サービスに触れた顧客)に対してロイヤリティを上げるために行うマーケティング手法といえます。

ファンマーケティングの手法としては、SNSやライブ配信、ファンが集まるコミュニティの構築などが主流で、顧客が投稿するUGCが重要な役割を果たします。また、企業 対 顧客のコミュニケーションだけではなく、顧客間での交流が行われる点も特徴です。

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ファンベースマーケティングとの違い

ファンマーケティングと似た言葉に、「ファンベースマーケティング」があります。混同されがちな両者ですが、厳密には違う意味を持つ言葉です。

ファンマーケティングは商品・サービスや企業のファンを増やし、中長期的に売上を上げることを目的としています。ファンの意見を取り入れつつ、ファンに商品・サービスを購入してもらって「会社が利益を得る」ためのマーケティング手法です。

一方、ファンベースマーケティングはファンの意見やフィードバックを、「製品開発やサービスの品質向上につなげる」ことを主軸としています。新規ファンの獲得ではなく、ファンの維持に比重を置いたマーケティング手法です。

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インフルエンサーマーケティングとの違い

「インフエンサーマーケティング」も、ファンマーケティングと混同されがちな言葉です。「ファンを増やし、売上を上げる」という点では一致していますが、両者には「ファンの増やし方」に大きな違いがあります。

ファンマーケティングは、SNSやライブ配信などにファンが投稿した口コミによってファンを獲得し、認知・売上拡大を図るマーケティング手法です。つまり、「ファンがファンを呼ぶ」ような構図といえます。

一方、インフルエンサーマーケティングは知名度が高く、大きな影響力を持つ人物(インフルエンサー)に商品・サービスを宣伝してもらうことで、一気に認知・売上拡大を図るマーケティング手法です。要するに、インフルエンサーの影響力を最大限活用してファンを獲得します。

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ファンと顧客との違い

ファンと顧客は、自社商品・自社サービスに対する思い入れが異なります。ファンは自社商品・自社サービスを愛し、応援する気持ちを持っているため、自社商品・自社サービスより価格面や機能面で優れた商品・サービスが登場しても、自社商品・自社サービスを選び続けます。

一方、顧客は、自社商品・自社サービスを単に利用しているだけの人のことです。「たまたま目にしたから」「安かったから」「デザインが好みだったから」などの理由で購入しているため、より大々的な広告・より安い商品・より洗練されたデザインのものがあれば、すぐに乗り換えてしまうでしょう。

また、商品・サービスをリピート購入するかどうかも、ファンと顧客によって異なります。ファンは迷わず同じ商品・同じサービスを選びますが、顧客は購入するたびに商品・サービスを吟味するため、デザインや価格が変わると購入しない可能性があります。結果として、長く使い続けるユーザーにはファンが多く、流動的なユーザーには顧客が多いという棲み分けが見られるようになるでしょう。

ファンマーケティングが注目される理由

商品やサービスの種類が多く、選択肢が多い現代において、顧客を獲得するのは容易ではありません。結局は価格競争となり、安さをアピールすることで顧客を引き付ける戦略を取る企業もあります。

しかし、商品・サービスが増えるに従い、顧客の価値観も多様化してきました。価格以外の要素で商品・サービスを選ぶ顧客も増え、顧客獲得はさらに難しいものとなってきています。

多様化する価値観の中、一定の顧客を獲得するために注目されているのがファンマーケティングです。ファンマーケティングにより自社や自社商品のファンを増やせば、価格や機能ではなく、「この企業の商品・サービスだから」「この商品だから」という理由で、自社商品・自社サービスを選んでもらえるようになります。

また、ファンなら商品・サービスが少し値上げをしても、あるいは見た目や味などが少々変わっても、自社商品・自社サービスを選んでくれます。常に一定数以上の売上を確保しやすくなるため、商品開発やマイナーチェンジにも積極的に取り組めるようになるでしょう。

ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングの4つのメリットをご紹介します。ファンマーケティングは売上が安定するだけでなく、顧客によるUGCが新規顧客の獲得や、商品の改良につながることが期待できます。

安定した売上基盤を構築できる

パレートの法則に則れば、ファンマーケティングによって2割のファンを大切にすれば、会社の8割の売上を安定的に得ることができるようになります。商品によっては、商品の単価以上に、新規顧客の獲得にかかる費用が大きくなる場合もあり、優良顧客を逃がす手はありません。

また商品の改良や新商品の開発などを行う際には、ファンをターゲットとした企画を行うことで、販売数の見込みを立てやすく、安定した売上につなげることができるでしょう。

良質な口コミにより新規顧客の獲得につながる

商品の購入やサービスの利用前に、SNSなどを使って口コミを調べるユーザーは多く、企業から発信する情報だけで、新規顧客を獲得するのは難しくなってきました。ファンが投稿する商品やサービスへの愛着が込もった口コミは、新たなユーザーに興味を与え、新規顧客の獲得につながることでしょう。

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また、商品の質や魅力に関する情報は、企業が自ら発信するよりも、ユーザー個人が発信する情報のほうが信憑性が高いと感じられる場合が多く、広告費をかけたプロモーション以上の効果を生み出すことが期待できます。

良質なフィードバックを得られる

日常的に商品やサービスを利用しているファンは、提供する企業の中では思いつかないような視点や発想を持っている場合があります。ファンの感想や意見を収集できる場を設けることで、既存商品の改善点や新商品のアイデアを見つけることができるかもしれません。

また、実際にファンの声を取り入れた商品を販売すれば、ファンは自分の意見を汲んでくれたことでより愛着を深め、企業とファンとのつながりをより強めることもできます。

ファン同士のコミュニケーションが活発になる

自発的に情報発信を行うファンは、商品について詳しく理解しているため、他の顧客のサポート役になったり、商品の使い方を広げてくれたりする存在となります。たとえば、コミュニティ内に自社商品を使ったレシピの投稿コーナーを設ければ、ファンが投稿したレシピを参考にして、その他の顧客も様々な料理を楽しめるようになり、結果として売上の向上も期待できます。

ファンマーケティングのデメリット

ファンマーケティングにはデメリットもあります。主なデメリットとしては、次の2点が挙げられます。

  • 成果が出るのに時間がかかる
  • 企業成長し続けることが求められる

いずれもファンマーケティングを実施する前に対策を講じることが必要です。それぞれのデメリットと検討できる対策について見ていきましょう。

成果が出るのに時間がかかる

ファンマーケティングを実行するには、ファンを育てる必要があります。自発的にファンになってくれるユーザーもいますが、ほとんどのユーザーは何かのきっかけがあってからファンになるため、きっかけを提供しなくてはいけません。

たとえば、商品・サービスの魅力やブランドのコンセプト、誕生の経緯についての情報を積極的に発信する、特別感のあるイベントを不定期で開催するなどの工夫が必要です。次の3つのポイントに留意すると、ファン獲得につなげるアクションを起こしやすくなります。

  • 共感を持ってもらえるか
  • 愛着を感じてもらえるか
  • 信頼してもらえるか

いずれもユーザーからファンに育てるために大切なポイントです。時間はかかりますが、継続的にファン獲得のためのアクションを実施していきましょう。

企業成長し続けることが求められる 

ファンを獲得し、ファンマーケティングを実施することで、安定した売上を期待できるようになります。多数のファンを獲得すれば、新規顧客を開拓しなくても一定の利益を得られるようになり、企業の経営も安定するでしょう。

しかし、獲得したファンをつなぎ留めることだけに注目すると、企業が守りの姿勢を取るようになってしまい、成長が停滞してしまうかもしれません。最初は「変わらないこと」に対して安定と安心を感じていたファンも、徐々に「変わらないのではなく成長していないのではないか」と疑問を感じ、より優れた商品・サービスを求めてファンを辞める可能性があります。

ファンをつなぎ留めるためにも、企業が成長し続けることが必要です。より良い商品・サービスを提供する努力をし続けること、より良い体験を提供し続けることで、ファンの満足度が高まり、熱烈なファンへと育つでしょう。

また、成長し続ける企業は、ファン以外のユーザーにとっても魅力的です。一定のファンが離れたとしても新規ファンを獲得でき、ファン数自体も増やせるようになるでしょう。次のポイントに注目すると、ファンをつなぎ留めつつ、新規ファンも獲得できる企業成長を実現しやすくなります。

  • ファンの声を参考に商品・サービスを改良する
  • ファンのニーズを反映した新商品・新サービスを開発する

ファンマーケティングの注意点

ファンマーケティングのメリットをお伝えしてきましたが、実際にファンマーケティングに取り組む際には、考慮すべき点があります。

ファンの定義を明確にする

ファンマーケティングを開始する前に、ファンの定義を明確にしておきましょう。単に何度も購入しているユーザーは顧客であり、ファンではありません。しかし、リピート購入するユーザーはファンであることも多く、購入回数がファンを見極めるためのある種の指標になるのも事実です。

ファンは商品やブランドに愛着を持っているユーザーです。商品やブランドに愛着を持っているかどうかは、次の要素から見極められることがあります。

  • 商品・サービスに対して自発的に情報を発信している
  • 公式SNSアカウントをフォローしている、積極的に閲覧している
  • 企業が実施するイベントやキャンペーンに積極的に参加している
  • 新商品・新サービスの発売後すぐに試してくれる

顧客行動を細かくチェックすることで、上記の要素を持つユーザーを抽出でき、ファンだと特定できるようになります。まずはファンの定義を明確にし、ファンを見極める要素も具体化しておきましょう。

ファンの育成には時間がかかる

顧客がファンになり、定期的な商品購入やSNSでUGCを発信をしてくれるようになるまでには、長期的な取り組みが必要になります。単発の目立った施策を実施するというよりは、長い目線で商品やブランドの魅力を打ち出し、ファン同士がコミュニケーションを取れる環境を整えていかなければなりません。短期的に成果が出るマーケティング手法ではないため中長期的な視点を持つ必要があります。

コミュニティのようにファンの発信を活かしたファンマーケティングを行う場合には、SNS等からすでにファンになっている顧客を見つけて、直接招待していくような取り組みも効果的です。

炎上リスクに配慮が必要

ファンとより近いコミュニケーションを取っていく中では、企業の担当者の人柄や個人としての意見にも関心が及ぶようになります。SNS上での何気ない投稿やコメントが、誤解を生んでしまったり、意図しない反感を買ってしまったりすることが考えられるため、あらかじめ社内で運用ルールを設けた上で、万が一炎上してしまった場合の対応について対策を練っておくと安心です。

ファン同士の集まりを野放しにしない

公式的にファンコミュニティを運営するときは、ファン同士の集まりを放置してはいけません。「このブランド・商品が好きだ」という思いはどのファンにも共通していても、ブランドや商品に対する熱量の違いから、ファン同士の対立が生じることもあるからです。

たとえば、次のような流れが生まれ、ファンコミュニティが居心地の悪いものになってしまうことがあります。

  • 熱狂的なファンがライトファンに対して排他的な態度を示す
  • ファン歴の長いファンが新しいファンに対して高圧的に接する

上記のような流れが生まれると、ファン離れを加速してしまうこともあります。ファンを育成する目的のファンコミュニティが、正しく目的を達成するためにも、排他的・高圧的な流れが生まれていないか目を光らせておくことが大切です。

ファンの急増や熱量の急上昇に注意する

ファンマーケティングは時間をかけてファンを育成していくことですが、必ずしも企業側の思惑通りにファンが拡大するわけではありません。予想よりも急激にファン数が増えたり、社会現象やトラブルを引き起こすほどの熱狂的なファンが現れたりすることもあるかもしれません。

ファンが急増したときや熱量が急上昇したときは、あえて少し冷ますことも大切です。過熱化したファンが過剰な要求をしてきたときは断り、ファンの熱量に関係なく平等に対応するようにしてください。

ファンが急激に増えることがないように、長期的視野でファンマーケティングを実施することも大切なポイントです。早く結果(ファン獲得)を得ようとすると、ファンの増加に企業側の対応が追いつかないこともあります。

また、短期間で獲得したファンは、短期間で離脱する可能性も高いと考えられます。ファンとの友好関係を長期的に構築するためにも、時間をかけてファンマーケティングに取り組むことを従業員全員が理解しておくようにしましょう。

ファンマーケティングの手順

ファンマーケティングは、次の手順で進めていきます。

①ファン心理を正確に理解する
②ファンに愛されている要素を抽出する
③ファンが求める顧客体験を具体化する
④ファンの思いを共有する方法を決める
⑤ファンが求める体験を提供し続ける

流れに沿って解説します。

ファン心理を正確に理解する

ファンマーケティングを実施するときは、何よりもまずファンについて理解することが大切です。どのようなユーザーがファンとなり、どのような思いで商品・サービスを購入しているのか、正確に理解しておきましょう。

次のポイントに注目すると、ファン心理をより正確に理解できるようになります。

  • ファンの人物像
  • ファンのライフスタイル
  • ファンが好きなもの、嫌いなもの
  • ファンが優先するもの、価値観
  • ファンが自社商品・自社サービスを選ぶ理由

ファン心理を掴みにくいときは、アンケートやインタビューを実施するのもおすすめです。

ファンに愛されている要素を抽出する

ファンが自社商品・自社サービスを愛している理由について分析します。ファンが愛するポイントは、企業側のこだわりポイントとは異なることも多いです。そのため、より良い商品・サービスにしようと手を加えた結果、ファン離れを引き起こしてしまうことも珍しくありません。ファンに愛されている要素を正確に把握しておくことで、ファン離れを生む改変を回避しましょう。

ファンに愛されている要素は、顧客と直接接する機会が多い営業担当者や販売員、カスタマーサポート担当者が熟知しています。聞き取り調査を実施し、愛されている要素を抽出しておきましょう。

ファンが求める顧客体験を具体化する

ファンがどのような顧客体験を求めているのかについて探ります。現状に満足しているファンでも、「キャンペーンが少ない」「商品に特別感がなくなってきた」と感じているかもしれません。不満がいつしか膨れ上がり、何かのきっかけが生じるとファンを辞めてしまう可能性もあります。

ファンをつなぎ留めるためには、ファンが満足できる顧客体験を提供し続けることが大切です。ファンのニーズからどのような顧客体験を求めているのか割り出し、与え続けるようにしましょう。

ファンの思いを共有する方法を決める

ファン心理の一つとして、「ファンとしての思いを共有したい」というものがあります。思いを共有することで、ファン同士のつながりが得られ、より熱量の高いファンへと成長していきます。

ファンの思いを共有する場を企業側が準備すれば、ファンがファン活動をしやすくなるでしょう。たとえば、次のような場を準備してみてはいかがでしょうか。

  • SNSの公式アカウント
  • ファンコミュニティ
  • ファンミーティング

いずれもファンが気軽に参加できる場です。ただし、場が荒れるとファン離れが起こります。適切に管理し、ファンが穏やかに交流できるようにしましょう。

ファンが求める体験を提供し続ける

ファンマーケティングには終着点がありません。ファンがファンとして存在し続けるためにも、ファンが求める体験を提供し続けることが大切です。

絶え間なく体験を提供することで、ファンは飽きを感じにくくなり、フレッシュな気持ちで商品やサービス、ブランドに対する熱量を維持してくれるようになります。

先日弊社が実施したオフラインイベントにて、江崎グリコ株式会社とサッポロビール株式会社がファンとの取り組みについてディスカッションした内容を記事化したものがございますので、よろしければ御覧ください。

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ファンマーケティングに効果的な手法

次にファンマーケティングに効果的な4つの手法をご紹介します。商品やサービスの特性に合わせて、いくつかを組み合わせて実施するのもおすすめです。

SNSの活用

余暇時間に利用されることが多いSNSでは、顧客が頻繁に商品やブランドの投稿に触れることにより、共感や愛着を感じてもらえます。TwitterやInstagram、Facebook、TikTokなどの複数のSNSでアカウントを開設し、それぞれに合わせた投稿をすることで、顧客とのタッチポイントを増やすと良いでしょう。昨今様々な企業やブランドファンマーケティングの一貫でSNSアカウントを開設し顧客と交流を図っています。

SNSでは、特定の投稿に対して多数のユーザーからリアクションが付き、投稿が拡散する場合があります。アカウント運用や投稿の内容次第では、広告費をかけるよりも広く、深く投稿に触れてもらうことができ、低コストでファンを増やすことができるかもしれません。

ライブ配信の活用

リアルタイムで顧客とコミュニケーションを取ることができるライブ配信は、顧客からの信頼を得やすい手法です。顧客の知りたいことや疑問に、その場で回答できるので、購入の検討がしやすく、納得して商品を購入できます。

また、配信者と視聴者の距離が近く感じられるため、好感を抱きやすく、ファン化の一助となる点からも有効な手法といえます。

コミュニティの構築

ファンコミュニティは、ファンの間のコミュニケーションの場として活用されます。 ファンコミュニティの特徴は、SNS等の手段はどちらかというと企業側が一方的に発信する特徴があることに対して、ファンコミュニティは 企業からの情報発信もありますが、ファン同士の交流やコミュニケーションが積極的に行われる特徴があります。 企業が自ら発信する情報よりも、実際に商品やサービスを利用した顧客から発信される情報のほうが信憑性が高いと感じるユーザーは多く、UGCを収集し蓄積するコミュニティは、売上の増加につながります。

ファンコミュニティの意味とは?導入事例やメリットなどもあわせて解説

また、ファン同士の情報交換が活発に行われたり、商品の活用方法やレシピなどがシェアされたりすることで、商品の活用機会が増え、LTVの向上につながることも期待できます。 ファンマーケティングの手法において、ファンコミュニティを構築することは昨今トレンドになりつつあります。

私達は、「coorum」というオンライン上にノーコードでコミュニティを構築することができるツールを提供しています。また構築だけではなく、運用の支援もしており今まで100社以上の企業の支援をしております。様々な業種業態の企業の支援をしておりますので、貴社にあうプランをご提案させていただきます。よろしければ以下よりお問い合わせください。多くの導入事例も用意しておりますので貴社の業界や課題やりたいことにあわせた他社事例をご案内いたします。

クラウドファンディングの活用

クラウドファンディングはプロジェクトの企画段階で、プロジェクトに賛同する顧客から少額の出資を受け、商品やサービスの販売を行うものです。商品の生産前に、顧客の意見を集められるため、テストマーケティングの役割も果たします。

また、プロジェクトの企画段階から支援しているという意識は、ブランドへの愛着につながりやすく、熱狂的なファンを得られる可能性もあります。

ファンマーケティング成功のポイント

次にファンマーケティングを成功させるために抑えるべきポイントをご紹介します。ファンマーケティングの成功に向けて、確実に取り組んでいきましょう。

ファンのニーズを掴む

ファンのニーズを掴むことは、心を掴み、愛着を高めることにつながります。ファンのニーズを汲んだ施策や商品開発は、ファンだけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。

ファンのニーズを掴むための具体的な方法としては、製品やサービスに関する満足度調査や、商品のモニター募集などがあります。商品やブランドが、顧客からどのように見られているのかを客観的に把握でき、ファンマーケティングや商品開発の参考になるでしょう。また、調査やモニターに参加した顧客は、商品やブランドに協力しているひとりだと感じ、より愛着を深めてくれる効果も期待できます。

ファンとのコミュニケーションを強める

ファンの心を惹きつけるためには、密なコミュニケーションも欠かすことはできません。ファンの意見に耳を傾け、反応を返すことで、ファンを尊重している姿勢が伝わります。

SNSの投稿に対し、いいねやコメントをつけたり、企業とコミュニケーションが取れるコミュニティを設けたりと積極的なコミュニケーションを心がけていきましょう。

ファン同士の交流の場を設ける

ファン同士がつながるコミュニティやファンミーティングなどのイベントも、ファンの熱狂度を高めるのに有効です。ファン同士が仲良くなり仲間意識が芽生えると、そのきっかけとなった商品やブランドへの愛着も同時に深まることが期待できます。

また、商品に関する疑問をファンの間で解決したり、互いの愛用商品を紹介して新しい商品の魅力に気づいたりと、ファン同士の発信が商品の利用頻度を上げることにもつながります。

ファンが好む企画を実施する

ファンであり続けてもらうために、新規顧客ではなく、ファンに向けた企画を実施すると良いでしょう。UGCで盛り上がった内容をLPやチラシに取り入れたり、新商品の商品名やパケージデザインのアイデアを募集したりと、普段から商品を利用しているファンだからこそ楽しめる企画を実施することで、企業への愛着が高まります。また、サンプル品や非売品グッズをプレゼントするような企画も喜ばれます。

8.ファンマーケティング戦略に役立つツール

ツールを活用することで、効率良くファンマーケティングを進めていけます。ファンマーケティングに役立つツールを紹介します。

CRM

CRMとは、顧客情報を管理するツールのことです。顧客の氏名や住所といった基本情報だけでなく、顧客の購入商品・サービス、購入頻度、顧客へのアプローチやリアクションなどもまとめて一元管理できます。CRMを活用すると、ペルソナ分析やファンのニーズ分析が簡単になります。

MA

MAとは、マーケティングを自動化するツールのことです。ファンの成熟度に合わせたアプローチが可能になるため、ファン育成が容易になります。たとえば、ECサイトの閲覧状況から顧客ニーズを分析し、顧客が求める商品・サービスのクーポンを発行したり、関連する新商品・新サービスの情報を提供したりできるようになります。

SNS

SNSを使ってファンとのコミュニケーションを図るのもおすすめです。情報を発信するだけでなく、アンケート調査を実施したり、ハッシュタグを用いたキャンペーンを開催したりするときにも活用できます。ファン層に合ったSNSを選び、効果的なアプローチを進めていきましょう。

コミュニティを活用したファンマーケティングの成功事例

最後にコミュニティを活用したファンマーケティングの成功事例をご紹介します。コミュニティサイトは、企業とファンのコミュニケーションと、ファン同士のコミュニケーションの双方を促しやすい、ファンマーケティングの手法です。どのようにファンマーケティングに取り組むべきか検討している方はぜひ参考になさってください。

ファンマーケティングの事例を紹介!メリットや成功のポイントとは

「凄麺」のヤマダイ株式会社

まるでお店のラーメンのような本格的な味を追求した「凄麺」を製造・販売するヤマダイ株式会社では、コロナ禍で試食販売ができなくなってしまったのをきっかけに、コミュニティサイトを立ち上げました。試食販売で得ていた顧客の声(VOC)の代わりとなったのはSNSでしたが、SNSだけでは顧客接点が不十分だと感じ、「凄麺」のファンクラブとしてコミュニティサイトが運用されています。

コミュニティサイト上では、顧客同士のコミュニケーションが活発に行われている他、企業からの発信でアンケートを行い、顧客ニーズを把握しています。顧客との対等な関係を意識し、丁寧なコミュニケーションを取っていくことで、ロイヤリティの高い顧客を増やすことを目指しています。

※VOC(Voice of customer):企業の商品やブランドを利用した顧客の声・感想

導入事例インタビューはこちら▼
本物の「凄麺」好きが集うヤマダイ株式会社のコミュニティ「すごめんち」。その熱さの秘訣とは

「タマチャンショップ」の有限会社九南サービス

「しあわせ食」をインターネット通販で販売する有限会社九南サービスは、愛用者のレビューを募り、もっと好きになってもらうための場としてコミュニティを立ち上げました。コミュニティを立ち上げる以前から、SNS上で愛用者のレビュー投稿が見られていたものの、企業からのリアクションに漏れが出てしまったり、他の顧客に十分に届いている実感がなかったりしたことから、顧客の声を募る場として活用しています。

また、コミュニティに投稿されたレビューをLPに掲載したり、顧客発案のレシピを配布したりとプロモーションに活用した実績もあります。今後の取り組みとして、パッケージデザインやネーミングにもコミュニティの声を反映する企画があり、商品の生みの親になることで、より良い広がりを期待しています。

導入事例インタビューはこちら▼
ユーザー投稿のレシピ・食へのこだわりが溢れるタマチャンショップのコミュニティ「タマリバ」。ロイヤル顧客を育てる仕掛けとは?

おわりに

企業の安定した売上基盤となり、ブランドを支えてくれる顧客を大切にするファンマーケティングについてご紹介しました。ファンがブランドについて発信し、活発なファン同士のコミュニケーションが行われるようになるには、工夫と時間が必要になりますが、軽んじることはできない重要な存在です。

ファンマーケティングを実施する上でSNSやライブ配信など、企業もファンも気軽に取り入れられる手法もありますが、ファンとの長期的な関係構築を視野にしてファンマーケティングを行っていくのであれば、ブランドの世界観を出しやすく、ファンの声も蓄積しやすいコミュニティサイトの構築がおすすめです。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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