飲食店のリピート率を上げるには?調べ方や平均リピート率、改善策を解説

2025-02-18 コラム

飲食店において客数は非常に重要ですが、なかでも新規顧客の獲得は経営に大きく影響します。その新規顧客獲得と同じくらい、繰り返し利用してくれる顧客の割合「リピート率」の高さも重要です。

この記事では、リピート率の調べ方や飲食店の平均リピート率、リピート率の改善策を紹介します。

飲食店の平均リピート率

株式会社リクルートライフスタイルが2019年10月に公表した調査結果によれば、1週間で1回以上外食した人のうちリピート利用の割合は、平均77.3%でした

40代男性(83.0%)、50代男性(82.9%)、60代男性(87.3%)といった中高年男性の平均リピート率は高く、「料理がおいしい」ことや「コストパフォーマンスがよい」ことを求める傾向が強いといえるでしょう。

一方リピート率の低さが目立つのは20代男性(70.7%)と20代女性(69.0%)です。この結果から、女性より男性、また年齢層が高いほうがリピート率は高くなる傾向があるといえるでしょう。

参考|株式会社リクルートライフスタイル「飲食店リピート実態&リピート要因調査」

リピート率の計算式

月間リピート率は、次の計算式で求められます。

  • 月間リピート率(%)=1か月のリピーターの数 / 新規顧客の累計 × 100

たとえば、ある月のリピーター数が1,000人、その月までの累計新規顧客数が5,000人であれば、リピート率は20%と計算できます。リピート率はこれまで利用した新規顧客のうちリピーターがどれくらいの割合を占めているかを表す数値です。

一方、リピーター率は月間の顧客総数に占めるリピーターの割合であり、あくまで「単月の状況」を表しているため、リピート率とは意味が異なります。

リピーター率は、次の計算式で求められます。

  • リピーター率(%)=1か月あたりのリピーターの数 / 1か月の総顧客数 × 100
リピート率を高めるには?リピーター率との違いや計算方法、7つの対策を紹介

飲食店がリピート率を高めるメリット

飲食店を経営していくには、新規顧客の獲得が重要なカギです。しかし、リピート率を上げることも新規顧客を獲得するのと同様に重要になります。ここでは、飲食店がリピート率を高めることのメリットを4つ紹介します。

安定した収益・売上を確保できる

リピート率の高い飲食店は、安定した売上・収益を確保しやすい傾向があります。

リピート客はそれぞれ何かしらのメリットを求めて利用してくれています。リピート客は飲食店にとって店舗を好んで利用してくれている、まさに「優良顧客」と呼べる存在です。

イタリアの経済学者パレートが提唱した、「売上の8割は2割の優良顧客でもたらされている」という法則に照らせば、リピート客が売上全体に占める割合の大きさが理解できるでしょう。継続的にリピート客が利用してくれれば、安定した収益・売上の獲得が可能です。

飲食店は季節や流行などさまざまな外的要因に影響されやすい業種だからこそ、安定的な売上を得るためには、リピート率を上げることが重要といえます。

集客コスト削減につながる

飲食店が安定して売上・収益を確保するには、一定以上の客数を継続的に獲得しなければなりません。

そのためにはチラシや広告、イベントへの参加など、どうしてもコストがかかってしまいます。売上の多くを、新規顧客獲得で賄わなければならない場合はなおさらです。

マーケティング業界で有名な「1:5の法則」によれば、新規顧客獲得には既存顧客に比べコストが5倍かかるといわれます。集客コストの低いリピート客の割合を高められれば、同じ売上でも利益率を上げることが可能です。

リピート顧客の口コミで新規顧客の獲得が期待できる

リピート顧客は店舗のさまざまな点について良い印象を持っているからこそリピートします。そのため、新規顧客より口コミを周りに伝えやすく、良い口コミによって新規顧客の獲得が期待できます。

その印象が良いほど、お客様は好意的な口コミを発信するでしょう。うまくいけば口コミがまだ利用したことのない方に届き、新規顧客の獲得につながる可能性もあります。

従業員の満足度やモチベーション向上につながる

リピート率の向上は、従業員の満足度やモチベーション向上にもつながりやすい要素です。リピート客は何度か利用しているため従業員と接する機会が増えます。

お客様の笑顔を見たり、お客様から感謝の言葉をかけられたりすることで、従業員は仕事を誇らしく思えたり、働いていてよかったという満足感につながったりするでしょう。

飲食店がリピートされない・されなくなる理由

飲食店がリピートされない理由には次のようなものがあります。

  • メニューに満足できなかった
  • 接客などで良くない利用体験があった
  • 期待以上の体験がなかった
  • 競合他社と変わらなかった など

とくに、メニューの味や量、料金は飲食店がリピートされない明確な理由になり得ます。これは接客技術や店のつくり、雰囲気も同様です。

一方で、「期待以上の体験がなかった」「競合他社と変わらなかった」といった理由は、「この店でなくても構わない」と感じさせる消極的な理由といえます。

来店したにもかかわらず、とくに印象に残ることがないため店の名前さえ思い出せずに、「なんとなく」リピートされない事態になりかねません。

重要なのは、これらの理由のうち1つでも該当すればリピートされない可能性があることです。リピート率をアップさせるには、これらの要因を総合的に改善する必要があります。

リピートされる飲食店の特徴

飲食店がリピートされる理由は、料理の味だけとは限りません。接客やコストパフォーマンスの高さなどが理由である場合もあります。

ここでは、リピートされる飲食店の特徴について考えてみましょう。

料理や接客などのサービス品質が高い

飲食店にとって、料理のクオリティは、リピートされる大きな理由になり得ます。

とくに、こだわった食材をふんだんに使った料理や、ここでしか食べられない料理を気に入ったお客様は、「また味わいたい」「次はあの料理を食べたい」などとリピートしたくなるでしょう。

さらに親切・丁寧な接客や、お客様を待たせない素早い対応といった気の利くサービスもあれば、お客様は店舗に「また来たい」と感じやすくなります。

また、料理を存分に味わうには、店内のレイアウトや照明の明るさ、音楽を含む雰囲気、清潔感といった料理以外の要素も重要です。

コストパフォーマンスが良い

お客様は、料理やサービスについてのコストパフォーマンスの高さも評価しています。いくら料金が安くても料理やサービスの品質が低ければ、「もう二度と来たくない」と思われる可能性があります。

リピート客になってもらうには、支払った料金以上の価値を感じてもらえることが重要です。

興味を引くための施策を打ち続けている

リピートしてもらうためには、お客様に興味を持ってもらえる施策を継続的に行うこともポイントです。

たとえば、次回の利用で使えるワンドリンクサービス券や割引券の配布、期間限定の独自のメニューの提供、季節に合わせたメニューの変更といった施策は、お客様を飽きさせず、「また来たい」と思う理由を提供できます。

ただし、施策の効果を発揮させるためには、適切に情報をお客様に伝えることが重要です。割引券を配布する際は従業員が直接お声かけをしたり、告知にチラシやSNSといった告知媒体を使ったりと、お客様に情報を届けるための取り組みも同時に行う必要があります。

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飲食店のリピート率を高める具体的な9つの施策

飲食店のリピート率を高めるには、店舗の規模や予算、顧客層にあわせた、施策を実施することが大切です。

ここでは、飲食店のリピート率を高める9つの施策を紹介します。

1.割引クーポンの配布

お会計の後、次回の利用で使える無料券や割引クーポンを配布すると、お客様の「使わないともったいない」という心理に働きかけ、再来店のきっかけになります。

たとえば、ランチの時間帯で配布する「ランチメニューご注文時にソフトドリンク無料」のクーポンは、ランチの時間帯の来店促進やランチメニュー注文の促進に効果的です。また、「一定金額以上のご利用で5%割引」のクーポンなら、客単価アップにつながります。

ただし、割引クーポンを紙で配布すると紛失や持参忘れが起こりやすいというデメリットがあります。アプリやLINE公式アカウントなどスマートフォンを活用してクーポンを提供すれば、より確実に配布・利用が促進できるでしょう。

2.ポイントカードの発行

ポイントカードの発行も継続的なリピートにつながります。特典としては、料理の割引や無料提供、オリジナルグッズとの交換などが一般的です。

店舗のブランドイメージや顧客層、実際の要望に合わせた特典の設定が重要です。

ポイントカードもスマートフォンアプリとして提供すれば、利便性が向上し、利用を促進できます。紙のカードのように忘れる心配がなく、スマートフォンを見るたび店舗を思い出してもらえるきっかけになるでしょう。

3.SNSでの発信

店舗やブランドでSNSのアカウントを作成し情報を発信することで、興味を持ったユーザーがフォロワーとなり、投稿を拡散してくれれば広く認知してもらいやすくなります。

季節でメニューを変えたり、定期的に新しいメニューを登場させたりする店舗では、SNSでタイミング良く情報を発信できるため便利です。

店舗の営業時間や休業日といった基本情報を掲載することで「〇〇が食べられるお店」などと検索した際に表示される可能性が高まります。SNSのDM機能を使えば、お客様と直接コミュニケーションを取れる点もSNS活用のメリットです。

4.メールマガジンの配信やDMの送付

お客様のメールアドレスや住所がわかる場合は、メールマガジンの配信やDMの送付もリピート率を高めるのに有効です。

近年では、LINE公式アカウントを作成し、「友だち登録」してもらうことで、メールマガジンのように情報発信する店舗も増えています。

年齢や性別、子どもの有無、職業などお客様の属性に関する情報を活用することで、特定のお客様のみへの情報発信も可能です。

たとえば、店舗のターゲットににあわせて、「ファミリー層限定」や「高齢者限定」といった特定の属性のお客様にむけた施策を展開しやすくなります。

5.メニューの定期的な変更・見直し

飲食店にとって、料理のクオリティやラインアップは重要です。「この料理が食べたい」と思わせる料理を提供できれば、次回の来店につながり、リピート率も高まるでしょう。

あまり注文されない料理やメニューがあれば、なんらかの見直しが必要です。料理の素材や味だけでなくメニューへの表示の方法に問題がある可能性もあります。効果のある見直しを行うためには、まずはどの料理がどのくらい注文されているか客観的に把握することが重要です。

また、メニューの変更・見直しにはそれぞれの料理がどのような点で評価されているのか、あるいは評価されていないかを具体的に把握することも必要となります。

お客様が料理についていつでも自由に意見を発信でき、他のお客様がその意見に意見できるような仕組みがあれば理想的といえるでしょう。

6.キャンペーンの定期的な実施

定期的にキャンペーンを実施するのも、リピート率を高めるための効果的な手段です。キャンペーンがうまく定着すれば「そろそろキャンペーンの時期だ」とお客様に認識され、自然に客数が増えることも期待できます。

ただし、キャンペーンの内容は、慎重に定める必要があります。社会の変化や流行などさまざまな要因で変わる顧客の嗜好にも配慮しなければなりません。毎月、毎年同じ内容を繰り返すのではなく、販売実績や顧客の声を反映させることが重要です。

7.従業員の接客技術の見直し

飲食店が評価される大きな要素の一つに「従業員の接客技術」があります。どれほど料理がおいしく、価格もリーズナブルで店内の居心地が良くても、従業員の接客や態度が悪ければ、お客様はリピートどころか二度と来店しない可能性があります。

大切なのは「お客様が気持ち良く食事できること」です。そのためには、従業員が挨拶や笑顔での接客を徹底し、言葉遣いや態度といった基本的なビジネスマナーを身につけておくことが重要です。

8.人員配置や業務工数などのオペレーションの見直し

お客様から「注文から提供までの時間が長い」といった声があがる場合は、人員配置や業務工数などのオペレーションの見直しが必要です。オペレーションを改善することで、顧客満足度が上がり、リピート率の上昇が期待できます。

たとえば、忙しい時間帯のホールとキッチンの人員を充実させたり、調理の時間がかかっている工程を見直して改善したりするりといった施策が効果的です。

また、券売機やモバイルオーダーの仕組みを取り入れて注文を自動化したり、提供までの時間がかかるなら、退屈しないよう本やテレビを設置したりする方法もあります。

9.キャッシュレス決済への対応

リピートしてもらうためには、支払方法の選択肢を増やすことも重要です。とくに、クレジットカードや電子決済などのキャッシュレス決済に対応すれば、幅広い顧客の獲得が期待できます。

キャッシュレス決済の多くは、利用ごとに一定の「ポイント還元」を受けられるため、同じ料金なら、「キャッシュレス決済対応の店舗に行く」という顧客心理が働きます。

より多くのキャッシュレス決済に対応することで、顧客満足度の向上やリピート率のアップにつながるでしょう。

顧客の声を抽出するための基盤づくりもリピート率向上に重要

飲食店においてリピート率を向上させるには、お客様のリアルな声を抽出し、顧客の声に基づいて効果的な施策を実施することが重要です。

そのためには、日頃から、「顧客の声を抽出する基盤」を整備しておく必要があります。「顧客の声を抽出する基盤」として近年注目されているのが、オンラインコミュニティです。オンラインコミュニティは、顧客が自由に情報を発信でき、同時に他の顧客の意見も得られる顧客同士の交流の場です。

一方で、店舗側にとっては、顧客のやり取りの中から評価されている点や改善が必要な点などを把握できるため、リピート率向上に役立つヒントが得られます。顧客ニーズをより深く理解することで、効果的な施策につながり、実施した施策の効果を検証することも可能になります。

顧客の声を生かし、リピート率向上を図りたい飲食店の方には、コミュニティ構築・運営をはじめ、様々な顧客の声を収集・分析して「顧客起点のマーケティング」を支援する「coorum(コーラム)」がおすすめです。coorum(コーラムは、店舗がお客様と継続的な接点を構築し、お客様の声が収集できるシステムを提供しています。

飲食業でのコミュニティ導入事例も紹介しておりますので、ぜひご参考ください。

関連記事|飲食業のコミュニティ導入事例

coorumを活用してリピーターを増やそう

飲食店にとって集客コストを抑えつつ安定した売上が見込めるリピーターをいかに獲得できるかが重要です。

リピート率の向上には、さまざまなお客様のリアルな声を元にした施策や改善が欠かせません。coorum(コーラム)は、このような顧客の声を収集するための仕組みや、インサイトを見つけ出すためのプラットフォームです。

coorum(コーラム)を活用し、飲食店とお客様との継続的な接点をつくり、顧客から継続的にリアルな声を収集してインサイトを導き出すことで、マーケティングに反映することができるでしょう。

飲食店にとって新規顧客とリピート率向上は安定した経営の柱です。coorum(コーラム)を活用して顧客起点のマーケティングを実現し、リピーターが増える店舗運営を目指しましょう。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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