ロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)とは?定義とその重要性や育成・創出の仕方を解説

2024-07-23 コラム
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「いつも自社のサービスや商品をリピートしてくれて、商品の魅力や評価まで積極的に発信してくれる顧客がいる」
「他社でもっと価格が安い商品があるのに必ず自社の商品を選んでくれる」
このような、商品やブランドに対して特別な思いをもっている顧客を「ロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)」といいます。ロイヤル顧客を増やすことで、売上が向上することはもちろんのこと、商品開発や、マーケティング活動に活かすことができます。
本記事ではこれからの時代、企業の行く末を担う、「ロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)」について解説いたします。

ロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)とは?

ロイヤル顧客とはブランドや商品、プロダクトに対して高い忠誠心を持つ顧客のことを指します。
ロイヤルカスタマーという呼ばれ方をされたりしますが、定義上どちらも同じです。
ロイヤルはもともと「Loyal」という英単語を表す言葉で、直訳すると「忠実」や「忠誠心」という意味ですが、少し堅い表現になってしまうので
ブランドや商品に好意的で、「信頼」「愛着」「共感」してくれている顧客と考えたらいいでしょう。

昨今ライフスタイルが多様化し、ショッピングにおいてはインターネットの普及により、実店舗に足を運ばなくても、簡単にものが買える世の中になりました。
ロイヤル顧客はそのなかでも、常に自社のブランドを選び、商品を購入してくれます。
ロイヤリティが高い顧客は、特定企業・同一ブランドの商品を継続的に購入する傾向が見られます。

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ロイヤル顧客と優良顧客の違い

購入頻度や購入単価が高い顧客のことを「優良顧客」と呼びます。売上への貢献で言うとロイヤル顧客と同じニュアンスですが、ロイヤル顧客と優良顧客は全く違います。そこには「心理ロイヤリティ」と「行動ロイヤリティ」という2つのロイヤリティの違いがあります。

心理ロイヤリティ

ブランドや商品に対して持つ「愛着・信頼・共感」といった感情面のロイヤリティのことです。
「このブランドの服は自分の嗜好に合っているから、新作が出たら絶対買う」「あの企業の家電はどれも、長持ちするし使い続けたい」といったような状態を指します。
心理ロイヤリティが高い顧客は、外部環境にあまり左右されることなく、その商品やサービスを推奨し積極的に購買する他、ポジティブな口コミを拡散する傾向になります。

行動ロイヤリティ

ブランドや商品に対する行動(実際の購入や、長期的利用)をするロイヤリティのことを指します。
売上に貢献したという意味ではロイヤル顧客と優良顧客は同義ですが、優良顧客は心理ロイヤリティが高いわけではありません。
例えば優良顧客の一人がスーパーに通っているとして、今は近くにあるという理由で何度も購入しているスーパーでも、もっと近くにスーパーが出来るとそのより近くで購入するといった環境要因に左右されてしまいます。

「顧客がたくさん購入してくれるからこの人はロイヤリティが高い」というのは違って、
心理ロイヤリティをどれだけ高くすることが出来るかが、継続的な売上や、積極的な購買に繋がり、LTVの向上や最大化に繋がるのです。


※LTV(Life Time Value):顧客が人生で購入する回数や購入単価のこと

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ロイヤルカスタマーが注目される背景

ロイヤル顧客が注目される背景をまとめた図

ロイヤルカスタマーが注目される背景にはさまざまな要因がありますが、代表的な3つの要因について説明します。

新規顧客の獲得難易度が上がっている

まず最初に押さえておきたい要因が、新規顧客の獲得難易度があがっていることです。
日本は少子高齢化や人口減少が加速し、市場が縮小しています。
ますます縮小していく市場の中、新規顧客獲得のための広告やプロモーション活動は頭打ちになり、顧客の奪い合いになってしまいます。
またモノが溢れ、同じ商品カテゴリの中で似たような製品がある成熟市場がではあるので、機能勝負だけで選ばれることは難しくなりました。
差別化を図ろうとしても、競合他社も似たような開発能力や商品を持っている中、独自性を担保することが難しくなり、新規の顧客を獲得し、売上を向上させる難易度があがりました。

顧客中心主義が求められる時代だから

顧客中心主義とは、その名の通り、顧客を第一に考えて顧客のニーズに応えていくことです。顧客の課題やニーズを汲み取り、すばやく価値提供をしていくことでCXを向上させ、LTV最大化を目指すマーケティング理論です。モノが溢れかえる現代において、顧客中心主義が求められる時代になりました。
また昨今はビジネスモデルが買い切りモデルから、「定期購読、継続購入」といったサブスプリクションモデルに変化しました。サブスプリクションということは、継続的に使うかどうかは
顧客が判断をすることになり、顧客は自分が叶えたいことや、ニーズに合わせて自由にサービスを乗り換えることができます。

顧客体験向上の成功事例7選!CXが重要な理由や向上させるポイントも紹介

CXが向上するということは、その商品やブランドに対するロイヤリティも向上することになります。近代マーケティングの父と称させる、フィリップ・コトラーの書籍『マーケティング4.0』の中で、「マーケティングの究極の目標は、顧客を感動させて忠実な推奨者(ロイヤルカスタマー)にすることである」と明言されています。顧客を中心に据え、事業を推進させたいと考えている企業が増えている中、ロイヤルカスタマーが注目されるようになりました。
※CX(Customer Experience):顧客体験。商品を購入する前の対応から購入後のサポートまで、顧客が経験した一連の体験の事。

クッキーレス時代により顧客情報の取得が難しくなった

顧客の行動履歴や、アクセス情報を取得する便利なクッキーですが、個人情報保護の観点から問題視されるようになり、
GoogleはChromにおけるサードパーティクッキーを2023年後半頃に廃止すると発表しています。
サードパーティーの主な活用例はリターゲティング広告です。リターゲティング広告とは、前に見たサイトの商品が
別のサイトでもおすすめとして表示されるWEB広告のことで、ユーザー側としてはサイトを他のサイトを訪れた際もにでも、自分の趣味嗜好に
沿った商品が表示されるメリットがあります。企業側は、ユーザーの閲覧履歴によって広告を打つことが出来るメリットがあり、サイトドメインを横断して
顧客に表示される広告に影響を与えるものになります。
今後はデジタルマーケティングにおいて、重要な役割を担っていたクッキーを利用して顧客情報を得られなくなります。
そのため、会員登録情報やPOSデータ、CRMデータ等の自社で取得できる情報(ファーストパーティーデータ)を増やし、連携させていくことで、より顧客を理解する必要があります。顧客理解を深めることは先程述べた顧客中心主義でも求められますし、ファーストパーティーデータを活用し顧客を正しく理解することで
新たなコミュニケーション設計が出来るようになります。

ロイヤルカスタマーがなぜ重要なのか

安定的な売上基盤を作ることが出来る

パレートの法則

「パレートの法則」をご存知でしょうか?「2:8の法則」とも言われ、
顧客全体の2割であるロイヤルカスタマーが売上の8割を占めているという法則を指します。
会社の売上を構成するものとして、下記式が成り立ちます。

会社の売上=顧客数×単価×頻度

ロイヤルカスタマーはそうではない顧客に比べ単価が高まる傾向があると言われています。また、ロイヤルカスタマーはその商品、ブランドに愛着があり、継続的に選ぶ頻度が増すことで、LTVが高くなり、売上を安定することができると言われています。

新たな顧客を呼んできてくれる

ロイヤルカスタマーは、顧客自身が商品やブランドに貢献してくれるだけではなく、
自分の周りにいる方や、SNSなどで自社の提供サービスに対して好意的な印象を与え、新規顧客の獲得にも一役買ってくれます。
現代において、個人の情報発信力が高まる中、口コミは物事を判断する時に極めて重要なファクターになりました。
皆さんは美味しいご飯屋さんを探す時、どのように調べますか?ほとんどの方は一度行ったことのある人の意見を聞くために、食べログなどのレビューサイトで比較をするのではないでしょうか?
ロイヤルカスタマーは、相手にも同じ体験をしてほしいという心理が働くことで、他者に対して口コミやレビューなどでポジティブな意見を発信する可能性があります。そのポジティブな意見を通して、新たなロイヤルカスタマーを増やすことができます。

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商品開発やプロモーションに活かすことが出来る

ロイヤルカスタマーは、「愛着」や「信頼」を感じているからこそ、建設的な意見や良質なフィードバックをしてくれることがあります。
ロイヤルカスタマーが、なぜ好きでいてくれているのか、好きになるきっかけはなんだったのか、もっと良くするためにどうしたらいいのかなどなど、マス調査では知り得ないユーザー視点の上質な情報を得ることができます。
最近良く「UGC」や「VOC」という言葉を聞くかもしれませんが、良質な「UGC」や「VOC」を獲得することができます。
※UGC(User Generated Contents):ユーザーの手によって制作・作成されたコンテンツ
※VOC(Voice of customer):企業の商品やブランドを利用した顧客の声・感想

その意見や情報を活用し分析することで、より良いものを作る商品開発や、同じような方に届ける為のプロモーション活動に活かすことができます。

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ロイヤルカスタマーを創出・育成する方法

目標/ターゲットを明確にする

各会社が抱えている顧客にも様々な顧客がおり、セグメントで分けることができます。
まず、施策を実施する前にどのセグメントの顧客に対して実施するのかを明確に決めることで、そのセグメントに特化した施策が打てるようになります。

代表的なセグメント分けの1つに顧客ピラミッドというものがあります。顧客ピラミッドとは、「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング (西口一希)」という本の中で紹介されています。

出典:https://markezine.jp/article/detail/30846

顧客を「認知あり/なし」「ロイヤリティ・売上が高い/低い」でわけ、顧客をマッピングしていきます。
その中で、ピラミッドのどのセグメントに属する顧客に対する施策なのかを明確に決めておく必要があります。
ロイヤルカスタマーに行う施策と離反顧客に行う施策では、期待できる効果も、インパクトも全く違うためです。ロイヤルカスタマーをスーパーロイヤルカスタマーにしたいのか、離反顧客の復帰を目指すのかなど決めておきましょう。
その中で顧客がどの状態になっていたら良いのかを設定しましょう。各企業によって目指したい姿や、ありたい状態に違いはありますが、どれくらい顧客や売上にインパクトを出したいかを定めておく必要があります。
目標は定性的なものと定量的なものも定めておくと良いでしょう。情緒的な目標も大事ですが、数値的な観点で分析し、PDCAを回しやすい状態を作ることが大切です。

適切なタッチポイント(顧客接点)を設計し施策に落とし込む

ターゲットを定め、目標を決めたら具体的な施策に落とし込みます。
まずは顧客とコミュニケーションが取れるタッチポイント(顧客接点)を創出し、対話の素地を作っていきます。
例えば、オフラインのイベントを実施する、SNSアカウントを作成し情報発信をするようにする、CRMを活用しメルマガを送る、オンラインのコミュニティを創るなどなどです。
よっぽど強いブランディング力がない限り、能動的にロイヤル化を進めるのは至難の業です。
まずは商品やブランドと実際使っている顧客とが繋がることが非常に重要です。

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顧客と向き合いロイヤルカスタマーを増やそう

今回は、ロイヤルカスタマーについてや重要性、手段について紹介しました。
激しい市場変化の中で、ロイヤルカスタマーをどれだけ増やすことが出来るかがとても重要な時代に突入しています。ロイヤリティが高い顧客が多ければ多いほど、事業は安定し強固なサービス、ブランドの地位を築いていくことが出来るでしょう。

顧客から愛され選ばれ続ける企業になるように、顧客と向き合い続けていきましょう。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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