
昨今、さまざまなメディアで「サブスクリプション」と呼ばれるサービスが紹介されるようになりました。サブスクリプションは利用者側にとってもメリットの多いサービス形態なのですが、どんなサービスがあるのかよく知らないという人も少なくありません。そこで、サブスクリプションの魅力について紹介します。
サブスクリプションとは?

「サブスクリプション(サブスクリプション型サービス)」とは、いわゆる「定額制サービス」のことです。
例えば、音楽データを購入してダウンロードする場合、従来であれば1曲ごとに料金を支払ってダウンロードしていました。一方でサブスクリプションの場合は対価に応じた期間内であれば対象楽曲を聞き放題というサービスとなっているのです。
このように、サブスクリプションは「商品の単価」ではなく「利用期間(1か月・1年間など)」に応じて料金が発生するモデルであり、さまざまな業界においてこのタイプの商品・サービスの提供が普及しています。
サブスクリプションの4つの魅力

サブスクリプションには大きく分けて4つの魅力があるといえます。
節約になる
1つ目に「節約になる」というメリットがあります。
例えば、楽曲のオンライン販売の場合、一般的なシングル楽曲1曲当たりの値段は250円です。一方で、サブスクリプション型の音楽配信サービスを提供している「Apple Music」は、月額980円(学生は月額480円、ファミリープランは月額1,480円)で6,000万曲の楽曲を聞き放題です。
利用スタイルによってお得度合いは異なりますが、基本的に利用すればするほど個別に購入する場合よりもサブスクリプションのほうがお得になるのです。利用頻度の高いサービスであれば、サブスクリプションで利用したほうが節約になるでしょう。
商品を所持する必要がない
2つ目のメリットは「商品を所持する必要がない」ことです。
これはサブスクリプション型サービスのメリットというよりは「オンラインサービス」のメリットではあるのですが、音楽や書籍などのサブスクリプション型サービスが近年増加傾向にあります。
オンラインサービスの場合、ネット上でデータをダウンロードして音楽を聴いたり書籍を読んだりできるので、デバイス(パソコンやスマホ、および専用のツール)があれば実物のCDや書籍を保有する必要はありません。すべてのデータは(対象商品であれば)オンライン上で完結するため、本棚やCDラックを部屋に置かなくても、何万楽曲というCDや、何万冊という書籍を持っているのと同じ状況になるのです。
趣味の範囲が広がる
3つ目のメリットは「趣味の幅が広がる」ということです。
例えば今まで「ちょっと興味あるけど、お金出して買うほどではない」という音楽や書籍があった経験はありませんか?確かに「興味はあってもお金を出してまで」というレベルの商品は多いでしょう。
サブスクリプションの場合、支払った対価に応じた期間内であれば、対象商品をいくらでも利用できます。つまり、支払うのは同じ値段でも、時間さえあれば自分の興味とは少し離れたジャンルの商品にも手を出すことができるのです。これをきっかけに趣味の範囲が広がれば、より充実したプライベートを満喫し、人との話題も広がるでしょう。
自分のタイミングで解約できる
4つ目のメリットは「自分のタイミングで解約できる」ことです。
世の中にはさまざまなサービスがあります。中には高性能である一方で高額な商品・サービスもあります。必要な物であれば高い金額を払ってでも使いたいでしょうが、いつまで必要になるかは人それぞれです。不要になれば売却するという方法もありますが、場合によっては処分の難しい品物もあるでしょう。
サブスクリプションの場合、不要になれば解約するという選択肢もあります。サブスクリプション型サービスの場合、多くの場合は1か月単位で料金が発生します。対価として支払った金額に応じた期間内であればサービスを使い放題であり、不要になれば延長しなければ良いでしょう。そして、解約した後で必要になったら、再び契約すれば良いので使い勝手が良いのです。
サブスクリプションの注意点

そんな利便性の多いサブスクリプションですが、デメリットがあることも理解して利用しなければなりません。
長期的にはコストが高くなる
1つ目は「長期的にみるとコストが高くなる」ことです。
サブスクリプション型サービスの場合、1か月あたりの金額が提示されています。例えば前述の「Apple Music」であれば、個人利用は1か月あたり980円です。1曲250円であれば1か月に4曲以上聴けば元を取ることができるのでお得です。
問題なのは「2か月目以降も料金が発生する」ことです。不要になれば解約すれば良いのですが、サブスクリプションはサービスを利用する限り継続してコストが発生します。1ヶ月1,000円とすれば、年間で12,000円のコストです。サービス内容と料金次第では、長期的に見てコスパが良くないケースもあるので注意しましょう。
使用しなくても料金が発生する
2つ目は「使用しなくても料金が発生する」ことです。
例えば「Apple Music」は月額980円で楽曲を聞き放題ですが、契約期間中に1曲も聞いていなかったとしても料金は発生します。また、元をとれない程度のサービスしか利用していなかったとしても、同じく料金は定額で発生するのです。
サブスクリプション型サービスを利用する場合、利用継続を前提として、不要になったらすぐに解約のアクションをとらなければなりません。多くの場合はクレジットカードに結び付けて自動契約更新になるので、いくつもサブスクリプションを利用していると使っていないサービスに不要な料金を支払っているという状況になる可能性もあります。
サービス停止の可能性もある
3つ目に「サービス停止の可能性もある」ことです。
これはサブスクリプションに限った話ではありませんが、提供されているサービスは永久的に継続するとは限りません。極端な話、明日にはTwitterやYouTubeが閉鎖して使えなくなってしまうこともないとは言い切れません。
サブスクリプションも、いつサービスが停止してしまうかわかりません。趣味の範囲であればまだしも、生活に直結するサービスをサブスクリプションで利用している場合、代替サービスの利用をスムーズに選択・契約しなければならないのです。
代表的なサブスクリプションサービス

サブスクリプションの基本的なことについて理解できたところで、現在どのようなサブスクリプション型サービスが展開されているのかについて紹介します。
音楽配信サブスクリプション
「音楽配信サブスクリプション」は、登録されている楽曲をパソコンやスマートフォンなどのデバイスで聞くことができるサブスクリプション型サービスです。月額1,000円が相場であり、1曲あたりの楽曲ダウンロードが250円となるので1ヶ月で4曲以上聴けば元をとれる計算になります。
音楽配信サブスクリプションは、サブスクリプション型サービスの中でも提供サービス数が多いタイプのサブスクリプションです。これを利用するにあたっては、「利用できる曲数」と「月額料金」のバランスを考慮する必要があります。また、関連サービスとの連携や割引などもありますので、利用中のサービスと関連する音楽配信サブスクリプションがあれば利用してみるもの良いでしょう。
- Spotify
- Apple Music
- Google Play Music
- LINE MUSIC
- Dヒッツ
- Prime Music
- Amazon Prime Music
- ANiUTa
- レコチョク
- KKBOX
- ナクソス ミュージック ライブラリー
動画配信サブスクリプション
「動画配信サブスクリプション」は、音楽配信と同じようにパソコンやスマートフォンなどのデバイスで動画を見放題のサブスクリプション型サービスです。音楽配信と同じく利用できるサービス数が多いので、どのサービスを利用するかの選択基準が重要になります。
音楽配信サービスと比較すると、料金の幅があるのが特徴です。視聴できる作品数と料金が比例関係にあるケースが多いので、料金が安いと視聴できる作品数が少ないというジレンマがあります。また、別サービスとの関連もあるので、割引などを考慮してサービスを選ぶという方法もあります。
- Netflix
- Amazon Prime Video
- Hulu
- U-NEXT
- dTV
- dアニメストア
- Disney DELUXE
- Paravi(パラビ)
- abemaプレミアム
- Rakuten TV
書籍・漫画サブスクリプション
「書籍・漫画サブスクリプション」は、定額制で書籍や漫画を読み放題のサービスです。これもパソコンやスマホなどのデバイスを用いて電子書籍の形で読むスタイルとなります。
料金はプランごとに幅がありますが、安いプランであれば月額500円~1,500円で利用できます。書籍・漫画サブスクリプションはサービスごとに扱っているジャンルがある程度固定されますので、自分が読みたいジャンルの書籍を数多く扱っているサービスを選択すると良いでしょう。
- シーモア読み放題
- dマガジン
- ブックパス
- 楽天マガジン
- Kindle Unlimited
- 角川文庫 ラノベ読み放題
- T-MAGAZINE
- FODマガジン
- タブホ
- 週刊少年ジャンプ(定期購読)
ゲームのサブスクリプション
「ゲームのサブスクリプション」は、定額制で登録されているゲームをプレイし放題のサブスクリプション型サービスです。他の配信サービスと異なり、提供されているサブスクリプションごとに特徴が大きく異なります。
例えば「Nintendo Switch Online」の場合、過去ハードの作品をプレイできるだけでなくNintendo Switchでのオンラインプレイが可能になり、特別な機能の利用や商品の購入などの特典も利用できます。また、サービスごとに利用できるゲームの種類が大きく異なるので、複数のサブスクリプションを利用する可能性があるという点も特徴です。
- Google Stadia
- Apple Arcade
- PlayStation Now
- PlayStation Plus
- Nintendo Switch Online
- EA Access
- Origin access
- Utomik
- VIVEPORT
- Hatch
食品のサブスクリプション
「食品のサブスクリプション」は、定額制で食べ物を届けてもらうことができるサブスクリプション型サービスです。どんなジャンルの食べ物を利用できるかはサービスごとに異なるので、これも複数のサブスクリプションを利用する可能性があるという特徴があります。
配信型のサービスと異なり、「利用し放題」ではないタイプのサブスクリプションが多いのも特徴です。例えば「スナックミー」の場合は1,980円で8つのおやつが届きます。ユーザーの利用の仕方でお得度をコントロールできるわけではありませんので、サービス内容と料金のバランスを念入りに考慮しなければなりません。
- Oisix
- スナックミー
- おかん
- BASE FOOD
- every pass
美容・コスメのサブスクリプション
「美容・コスメのサブスクリプション」は、定額制で美容やコスメのサービスを利用できるサブスクリプション型サービスです。このジャンルのサブスクリプションは「店舗の利用」と「商品のお届け」の2つのタイプがあります。
例えば「MEZON」は定額制の美容室サービスです。「RAXY」は定額制でスキンケア商品を届けてもらうことができるサービスです。美容室のサブスクリプションは高額になるケースも多く、月額10,000円を越えるサービスもあります。
- RAXY
- LOOKFANTASTIC
- MEZON
- Optune
- My Little Box
生活用品のサブスクリプション
「生活用品のサブスクリプション」は、定額制で生活用品を利用できるサブスクリプション型サービスです。特定のジャンルの商品だけを扱っている場合もあれば、幅広いジャンルの商品を扱っているサービスもあります。
例えば「エースコンタクト」は、定額制でコンタクトレンズを利用できるサービスを展開しています。「HATCH」はキュレーション型の通販サイトで、さまざまなジャンルの商品の定期購入を提供しています。
- エースコンタクト
- HATCH
家事のサブスクリプション
「家事のサブスクリプション」は、家事に関係するサービスを定額制で利用できるサブスクリプション型サービスです。生活用品同様に生活に直結するサービスを定額制で利用できるため、サービスや使い方次第では大幅な節約効果を生みます。
例えば「リネット」は宅配クリーニングサービスで、クリーニングの利用自体はサブスクリプションではないのですが、月額制のプレミアム会員になるとさまざまな特典を利用できます。
- リネット
- アラエル
ファッションのサブスクリプション
「ファッションのサブスクリプション」は、定額制で洋服を借りることができるサブスクリプション型サービスです。手元に洋服を持っていなくても数々のコーディネートを利用できるので、コーディネートを楽しみつつ部屋を洋服だらけにしたくない人におすすめです。
月額料金の相場は5,000円~15,000円ほどであり、サービスごとに2~3個のプランが用意されています。高額なプランほど「利用できる服の種類が多い」「同じ期間内で交換できる回数や同時に利用できる服の数が多い」といった特典があります。
- エアークローゼット
- メチャカリ
- エディストクローゼット
- ブリスタ
- Laxus
- カリトケ
育児・幼児向けのサブスクリプション
「育児・幼児向けのサブスクリプション」は、育児や幼児向けに利用する商品・サービスを定額制で利用できるサブスクリプション型サービスです。こうした商品・サービスは数が必要になる上に子どもの成長に合わせて種類を変える必要があるので、定額制で手元に置く必要がないサブスクリプション型サービスとの相性が良いでしょう。
月額料金は、利用するサービスの種類によって大きく異なります。例えば絵本が読み放題になる等の特典がある「絵本ナビ」は月額360円で利用できますが、数点のおもちゃを2か月サイクルで交換できる「TOYBOX」は月額2,980円から利用できます。
- 絵本ナビ
- TOYBOX
- KIDSROBE
自動車のサブスクリプション
「自動車のサブスクリプション」は、定額制で自動車を利用できるサブスクリプション型サービスです。定額制で、選んだ自動車をマイカーのように利用することができます。
毎月の料金は、利用する車種によって大きく異なります。安い車種であれば月額1万円台で利用できますが、高額な車種になると数万円~10万円ほどの月額料金になります。
- マイカー賃貸 カルモ
- コスモスマートビークル
- オリックス個人向けカーリース
家電のサブスクリプション
「家電のサブスクリプション」は、定額制で家電製品をレンタルできるサブスクリプション型サービスです。月々数千円の水準で家電製品をレンタルでき、飽きたり不要になったりしたらレンタルを終了して別の家電に乗り換えることも簡単です。
基本的にサービス全体の月額料金ではなく、レンタルする家電ごとに月額料金が設定されています。安い家電であれば数百円から利用できますが、高額な家電になると1個で月額数千円かかるケースもあります。
- CLAS
- Rentio
- パナソニック安心バリュープラン
飲食店のサブスクリプション
「飲食店のサブスクリプション」は、定額制で飲食店のメニューを楽しむことができるサブスクリプション型サービスです。基本的に、決められたルールで飲食店のメニューを利用でき、単体で支払うよりも月額で支払う金額の方が安くなっている設計です。
例えば「coffee mafia」では3種類のサブスクリプションプランが提供されており、月額3,000円の「LIGHTプラン」では1杯480円のハンドドリップコーヒーを無料で、その他の対象メニューを200円引きで利用できる内容となっています。「来店1来店につき1杯」というルールはありますが、ハンドドリップコーヒーなら月7杯で、その他のメニューなら月15杯で元を取れる計算です。
- coffee mafia
- HIDEOUT CLUB
- 野郎ラーメン
ワークスペース
「ワークスペースのサブスクリプション」は、月額制でワークスペースを利用できるサブスクリプション型サービスです。比較的安い料金でワークスペースを確保でき、サービスごとに特別なサービスを利用できるという特徴があります。
例えば「ゼロcafe」では、月額3,980円でワークスペースを利用できるだけでなく、コーヒーが飲み放題というサービスも利用できます。ワークスペースという都合上、サービス内容もそうですが「自宅に近い」などの地理的な要素も加味しなければなりません。
- ゼロcafe
- OFFICE PASS
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