ユーザーコミュニティとは、企業の商品・サービスを利用するユーザー同士が交流する場です。顧客ロイヤリティを高め、コアなファンを育成するなどのメリットがあります。ただし、効果が出るまでには一定の時間が必要です。
本記事ではユーザーコミュニティの作り方や成功させる3つのポイント、成功事例などを紹介します。
ユーザーコミュニティとは
ユーザーコミュニティとは、企業が提供する商品・サービスのユーザーが意見や要望、アイデアなどの情報を共有する場のことです。企業がコミュニティサイトを立ち上げるほか、SNSやオフラインでのイベントなど、さまざまな場所でコミュニティが作られます。
そのなかでも、特に注目されているのがコミュニティサイトの運営です。コミュニティマーケティングの一環としてコミュニティサイトを立ち上げる企業が増えています。
ユーザーコミュニティのサイトではユーザー同士の交流が行われたり、企業側がユーザーの質問や相談に答えたりします。ユーザーから要望やアイデアを受け付け、商品・サービスの開発や改善に活かせるのがメリットです。
ユーザーコミュニティが注目されている背景には、インターネットの普及により、企業が直接ユーザーとつながることが可能になったことがあげられます。
また、少子高齢化による人口減少で、市場が縮小傾向にあることも背景のひとつです。従来の新規顧客を獲得するマーケティング手法には限界があり、既存顧客のロイヤリティを高めてファン化するユーザーコミュニティに注目が集まっているという状況があります。
ユーザーコミュニティを立ち上げるメリット
企業がユーザーコミュニティを立ち上げることで、さまざまなメリットを得られます。まず、ユーザーの顧客ロイヤリティを高め、コアなファンを育成できることが、大きなメリットです。また、ユーザーの生の声を聞くことでニーズや改良点を素早く把握し、開発・改善に役立てることもできます。
ここでは、ユーザーコミュニティを立ち上げるメリットについて解説します。
ユーザーロイヤリティを高めてコアなファンを育成できる
ユーザーコミュニティでは、ユーザー同士の交流が図れます。同じ商品やサービスを使っているメンバー間の交流が活発になることで、仲間意識が醸成されるでしょう。
また、コミュニティで企業に対し直接意見や要望を伝えられることで、企業への愛着や信頼といった顧客ロイヤリティも高まります。企業や商品・サービスのコアなファンを育成できるでしょう。
コアなファンは積極的に商品・サービスを周囲の人に奨めたり、SNSなどで拡散したりして認知度を高める役割もします。
また、ユーザーの顧客ロイヤリティが高まることによりLTV(顧客生涯価値)も向上し、売上アップが期待できるでしょう。
顧客ロイヤリティについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ユーザーのニーズや改良点を把握できる
ユーザーコミュニティではユーザーの生の声を聞いてニーズや不満、要望を把握でき、改良や開発に役立てられるのがメリットです。
従来、顧客の声を集めるにはアンケートや市場調査などが必要で、コストもかかっていました。しかし、ユーザーコミュニティであれば低コストかつ迅速にユーザーの声を集めることが可能です。
ユーザーのニーズや要望を商品・サービスの開発・改善に反映させることで、ユーザーの満足度や企業への愛着心を高めます。顧客ロイヤリティの向上にもつながるでしょう。
以下の記事では、顧客の声をマーケティングに活かすVOC(Voice Of Customer)について、紹介しています。合わせてご覧ください。
ユーザーの疑問を素早く解消できる
ユーザーコミュニティでは、ユーザー同士で交流し、疑問を解消します。コミュニティ内で多くの疑問を解決できることで、カスタマーサポートの負担を軽減できるのがメリットです。
カスタマーサポートではさまざまな問い合わせ業務に対応しており、人材不足に悩む企業も増えるなかでその負担は大きいものとなっています。コミュニティでユーザー同士が疑問を解決できる仕組みができれば、負担を減らし、人材コストも削減できるでしょう。
困りごとや疑問を素早く解決できる仕組みは、ユーザーの満足度向上にもつながります。
ユーザーコミュニティを立ち上げる際の注意点
ユーザーコミュニティには多くのメリットがありますが、課題となる点も少なくありません。効果はすぐに現れるものではなく、ある程度の時間が必要です。
また、効果が見えにくいというデメリットもあります。さらに、準備や運営にはコストや手間がかかるのも課題のひとつです。
ここでは、ユーザーコミュニティを立ち上げる際に注意したい点をみていきましょう。
効果が出るまでには時間が必要
ユーザーコミュニティは立ち上げてからユーザーに周知し、メンバーを集めるという手順を踏みます。その後、コミュニティ内で交流が活発になり、軌道に乗るまでには一定の時間が必要です。
また、企業への愛着心や信頼といった顧客ロイヤリティも、時間をかけて育まれるものです。結果を出すことを焦らず、長期的視野で考えなければなりません。
成果が出るまで時間がかかることで、経営陣をはじめ社内の理解を得るのが難しい側面もあるでしょう。ユーザーコミュニティを行う目的を明確にしつつ、どのようなメリットがあり、軌道に乗せるためにはどれだけの時間がかかるかを経営陣に伝えて理解してもらうことが大切です。
効果が可視化しにくい
ユーザーコミュニティはユーザー同士、あるいは企業とユーザーの交流が主な目的です。コミュニティの運営が商品・サービスの売上には直接結びつかないため、どれだけ事業に貢献しているかを可視化しにくいというデメリットがあります。運営の成果について数値で報告できないため、「コストばかりかけて無駄ではないか」という意見が出てくる可能性もあるでしょう。
「コミュニティ運営がどれだけ事業にとって有意義なのか」「コストに見合った運営が行われているのか」といった点について経営陣から説明を求められた場合、ユーザーコミュニティのメリットを踏まえた説得力のある説明が必要です。
運営管理の手間がかかる
コミュニティサイトの準備や運営・管理には、時間や労力が必要です。まず、サイトの作成には手間がかかり、立ち上げてからの運営・管理にもしっかり取り組まなければなりません。体制の整備も必要になるでしょう。
サイトの制作・運営には、デザイナーやプログラマーなどの人的リソースも必要です。運営開始後も、サイトの保守やユーザーの反応を確認しながら分析・改善するといった作業が必要になるでしょう。
サイト内のコメントをチェックする必要もあります。コミュニティに参加しているユーザーが増えるほど、交流が活性化してコメントの数も増えていきます。好ましくないコメントが書かれる可能性も高まるでしょう。それだけ担当者の業務も増えていきます。
本格的にコミュニティを運営するには、あらかじめ必要なリソースを把握し、十分な準備を整えなければなりません。
ユーザーコミュニティの作り方
ユーザーコミュニティを立ち上げるには、以下の手順を踏む必要があります。
- 目的を明確にする
- ターゲットを設定する
- コミュニティサイトを立ち上げる
まず、コミュニティを立ち上げる目的やコンセプトを明確にする必要があります。コミュニティにはどのようなユーザーの参加を求めるか、ターゲットの設定も必要です。
ここでは、ユーザーコミュニティの作り方について解説します。
目的を明確にする
まず、ユーザーコミュニティを作る目的やコミュニティのコンセプトを明確にします。「他社が立ち上げたので、自社でも始めてみた」といった漠然とした目的で開始しても、方向性が定まらずに運営が軌道に乗らない可能性が高いでしょう。
ユーザーコミュニティの目的としては、「顧客ロイヤリティを高めてファンを増やし、LTVを向上させる」「顧客満足度を高める」「ユーザーのニーズを把握して商品開発に役立てる」といった内容が考えられます。
目的が明確になれば、サイトの仕様や必要な機能なども具体的に決定することができるでしょう。
ターゲットを設定する
目的に合わせ、コミュニティに参加してほしいターゲットを設定しましょう。ターゲットの設定により、サイトデザインやコンテンツなども具体的に決めることができます。
設定したターゲットをふまえ、重要なのが初期メンバーの選定です。コミュニティの方向性を決めるのが、最初にその場に定着した人たちであるためです。立ち上がりから一般に公開してメンバーを応募するのではなく、すでに自社の商品・サービスのリピーターであり、ロイヤリティの高いユーザーを選んで招待することをおすすめします。
顧客データなどからメンバーを選ぶ際は、サイトの目的や方向性を伝え、共感してくれるユーザーを見極めましょう。
コミュニティサイトを立ち上げる
目的やターゲットが定まり、初期メンバーを選定したら、実際にサイトを立ち上げます。立ち上げる際は、成功している他社のコミュニティサイトをチェックするのもおすすめです。良い部分を取り入れながら、自社のコンセプトに沿ったオリジナルのサイトを作りましょう。
サイトを一から構築するのは専門のスキル・技術が必要です。自社にリソースが不足する場合は、コミュニティ構築のサービスを利用するという方法もあります。
ロイヤル顧客プラットフォームcoorumでは、目標の設定からコミュニティデザインの設計、初期メンバーの設定などコミュニティの立ち上げをトータルでサポートしています。顧客ロイヤリティを育成できるさまざまな機能があるため、目的に沿ったコミュニティの運営を検討している方はぜひご検討ください。
ユーザーコミュニティ作成・管理ツールの選び方
ユーザーコミュニティの作成や管理には、ツールを使います。ただツールの種類は多く、備えている機能もさまざまなため、現場で実際に「使える」ツールを選ぶことは重要です。
使えないツールを選んでしまえば、現場に役立たないばかりか貴重な予算のムダ遣いになりかねません。
ここでは、ユーザーコミュニティの作成・管理に使用するツールを選ぶときに押さえておきたい、5つのポイントを解説します。
導入目的にマッチしているか
ツール選びでは、導入する目的にマッチしているかが重要です。そのためまずは、自社が導入によって解消したい課題をピックアップします。課題は、1つに絞る必要はありません。重大なものから些細なものまで、今自社が解消すべきものをいくつでも挙げましょう。
次に課題を解消するために、どのような機能があるとよいかを検討します。具体的に思い浮かばない場合は、まず候補のツールにはどのような機能が搭載されているかチェックしてみるという方法も有効です。
少なくともどこかで活用されている機能である以上、自社にも活用できる可能性はあります。
導入にあたっての、コストも重要です。導入完了までにかかる費用が自社の予算の範囲内かどうか、その後のサポート体制は十分かなども含めて慎重に選別しましょう。
ユーザーが使いやすいインターフェースか
ユーザーコミュニティのためのツールは、ユーザーが効果的に使いこなせる必要があります。なぜならコミュニティを活性化するには、ユーザーが必要な情報をすぐに検索でき、気軽に投稿しやすいインターフェースである方がより頻繁に利用しやすいためです。
ユーザーは多いほど、初心者でも使いやすいくらいの使いやすさが求められます。より多くのユーザーが直感的に操作でき、しかもわかりやすいデザインであることが大切です。
さらにユーザーが24時間、365日必要なときに適切なサポートを受けられる体制が整っていれば、より安心できます。
ユーザーに対しては、導入案内だけでなくその後の継続的なフォローも重要です。フィードバックを収集し、必要に応じてQ&Aを充実させたり、メールマガジンなどのツールを使って周知したりすれば、より使いやすいツールに改善できます。
CRMやMAツールなどと連携できるか
さまざまなコミュニティ作成・管理ツールのなかには、他のツールと連携できる機能を搭載しているものもあります。
CMSやMAツールといった各種のビジネスツールと、コミュニティ作成・管理ツールとをスムーズに連携できれば、より効率的にビジネス上の成果へ繋げることも可能です。
たとえば、CMSと連携すればユーザーコミュニティで自社との信頼関係を構築することで、自社の製品・サービスについての信頼を得やすく、検討順位の優位性を獲得できます。
またMAツールとの連携では、ユーザーコミュニティのユーザーをスコアリングし、見込み客としてコンテンツを自動的に配信することも可能です。
これらは、ビジネス上の目的に沿った連携でなくてはなりません。そのため、自社の課題解決に利用できるかどうかという視点が重要です。
レポートや分析に関する機能が使いやすいか
ユーザーコミュニティの管理という視点でいえば、ツールにはレポートや分析に関する機能が使いやすく、結果がわかりやすいことも重要です。
コミュニティツールの運用では、ユーザーの行動や商品・サービスの利用歴、投稿の数や内容などがどこまで詳細に表示・分析できるかが重視されます。
それぞれの分析項目がわかりやすく表示されるほど、より適切なタイミングでの改善も可能です。また分析のための情報も、自社の必要に応じてカスタマイズできればより有意義に活用できます。
セキュリティはしっかりしているか
ユーザーコミュニティ作成・管理ツールでは、ユーザーの個人情報や商品・サービスの利用履歴といったプライバシーに関わる情報が多くやりとりされます。そのため、コミュニティツールには高いセキュリティ性能が求められます。
たとえばデータの暗号化やアクセス制御への対応はもちろん、国産ツールであれば個人情報保護法などの国内の法律に対応しているかなどです。
また、海外のユーザーとのやりとりがある場合は、対象となる国や地域における情報関連の法律に準拠しているかどうかの確認も必要です。
ユーザーコミュニティを成功させる3つのポイント
ユーザーコミュニティの運営を成功させるには、いくつかのポイントがあります。まず、具体的な成果を確認するためのKPI設定が必要です。コミュニティへの参加数などを目標に設定することで、目的達成までの進捗状況を確認できます。
コミュニティを活性化させる工夫や、ルールの設定も欠かせません。
ユーザーコミュニティを成功させる3つのポイントを紹介します。
KPIを設定する
コミュニティの運営効果を確認するため、KPI(Key Performance Indicator)の設定が必要です。KPIとは「重要業績評価指標」という意味で、組織の目標を達成するための指標を指します。
ユーザーコミュニティは売上や成果といった具体的な数値を目標にするのが難しいため、コミュニティへの参加者数やコメント数、稼働率などをKPIに設定するのが一般的です。
以下の記事では、カスタマーサクセスを成功させるためのKPIの設定について詳しく紹介しています。
コミュニティが活性化する工夫をする
コミュニティ運営の目的を達成するには、コミュニティの活性化が不可欠です。ユーザー同士の交流に任せるのではなく、活性化させるための仕組みを作りましょう。
例えば、企業側がコミュニティ内で積極的に発言してメンバーが気軽に発言できる環境を作る、コミュニケーションをとりやすいチャット機能を設けるといったことがあげられます。
コミュニティサイトで主に必要な基本的機能は、以下のとおりです。
- 会員機能/ログイン機能:ユーザーのIDやメールアドレス、パスワードなどを管理する
- マイページ機能:ユーザーの投稿やコメントを管理する
- 掲示板機能:テキストや画像などを投稿し、ユーザー同士が交流する
- アクション機能(コメント・いいね・フォロー):ユーザーのアクションを表示する
- 検索機能:過去の投稿やコンテンツを検索できる
- コンテンツ投稿機能:サイトの運営側が最新情報やコンテンツを投稿できる
- 問い合わせ管理機能:ユーザーからの問い合わせを対応・未対応に分類する
- FAQ機能:コミュニティサイトの利用方法など、よくある質問とその回答を掲載
また、サイトの使いやすさも重要です。UX/UIを重視したデザイン・機能性を考えたサイトづくりを目指しましょう。
コミュニティ構築のサービスを利用するのであれば、コミュニティを活性化させる機能が充実しているもの、UX/UIデザインを考慮しているものを選ぶようにするとよいでしょう。
ルールを設定する
コミュニティ内のトラブルを防ぐためには、日々のユーザー管理とコメント監視とともに、コミュニティ利用に際しての明確なルール設定が不可欠です。
基本的にコミュニティはユーザーが自由に出入りできる場所で、誹謗中傷や炎上などのトラブルが起こる可能性があります。トラブルが深刻になると他のユーザーやコミュニティの運営に影響を及ぼします。企業のイメージも損なうでしょう。
そのような事態を避けるためにも、コミュニティ参加のルールや禁止事項・注意事項を盛り込んだガイドラインの作成が必要です。
ユーザーコミュニティの成功事例
ユーザーコミュニティを成功させている事例は数多くあります。これからコミュニティサイトを作る場合、実際に成功している事例を参考にするのもよいでしょう。
顧客と深くつながる場所としてコミュニティを立ち上げた大手菓子メーカーや、顧客同士のコミュニケーションで困りごとを解決する仕組みづくりに成功した大手小売企業の事例があります。
実際に成功事例を、詳しくみていきましょう。
【カインズ】ユーザー同士で困りごとを解決
ホームセンターチェーンをメイン事業とする株式会社カインズは、2021年、DIYを楽しむユーザー同士がオンラインとオフラインでつながるコミュニティ「CAINZ DIY Square」 (カインズ ディーアイワイ スクエア)を立ち上げました。
同社では2019年より「DIYer100万人プロジェクト」をスタートさせ、日曜大工や家事、ガーデニングなどを行う「DIYer(ディーアイワイヤー)」をサポートする取り組みをオフラインで行ってきました。コミュニティの運営は、これらオフラインの活動とつながり、顧客の声を集めることなどが目的とされています。
コミュニティの立ち上げは、ワークショップやキャンペーンによく参加している顧客に声をかけ、実際にコミュニティを利用してもらうという形で始まりました。
顧客からは「ワークショップで作ったものをどのように活用しているのか知りたい」などさまざまな声が集まり、リリースに至ったということです。
コミュニティでは、「DIYのやり方がわからない」など困りごとを発信すると他のユーザーが教えてくれるなど、ユーザー同士で解決する仕組みができあがっています。また、DIY作品を投稿すれば多くのDIY仲間が閲覧して「いいね」などのコメントがつくなど、わずか1年の運営でコミュニティを活性化させることに成功しています。
以下の記事では、コミュニティマーケティングを実施して成功している事例を紹介していますので、合わせてチェックしてみてください。
導入事例インタビューはこちら▼
DIYをライフスタイル(生活文化)に!カインズが取り組む「コミュニティ」の導入背景と展望とは
【コメダ】ロイヤル顧客同士でつながれる場を創造
フルサービス型喫茶店を全国にフランチャイズ展開する株式会社コメダは、ファンコミュニティ「さんかく屋根の下」を立ち上げ、1万人以上の会員が登録しています。
全国展開している「珈琲所コメダ珈琲店」は全体の約95%がフランチャイズで、地域にある店舗にそれぞれ常連客がついています。その状況から、それぞれの常連客が店舗だけでなく「コメダ」としてお互いがつながる仕組みを作ってみてはどうか、という発送がコミュニティ立ち上げのきっかけでした。
当初は対象の常連客が店舗に集まり、「コメダ部」というイベントとしてスタートしました。しかし、頻度は月1回程度で参加できる常連客も限られるため、人数や時間に制限のないオンラインでのコミュニティ運営に乗り出した結果、誕生したのが「さんかく屋根の下」です。
「さんかく屋根の下」は、「ファンのファンを作る」を目指し、ファン同士の会話や情報交換を優先して、スタッフの介入は必要最小限にとどめています。これはファンの交流によって、コメダというブランドに対する愛着を育むという目的のための対応です。
導入事例インタビューはこちら▼
「より多くのお客様が交流ができる」コミュニティを。株式会社コメダが運営する「さんかく屋根の下」がcoorumを選んだ理由。
【グリコ】リアルな声の見える化を実現
江崎グリコ株式会社が運営しているユーザーコミュニティは、看板商品の1つ「ポッキー」の班が集まる「ポキトモ」です。江崎グリコは誰にもなじみのある「お菓子」を取り扱っていますが、メーカーというポジションの性質上、顧客との距離は「遠い」と感じていました。
そのなかで、ポッキーを愛する顧客がどのような人物で、どのように楽しんでいるのかを知り、ポッキーを通してファンとより深くつながる場を作りたい、ファン同士が交流できることで恩返しがしたいという思いで誕生したのが「ポキトモ」です。
「ポキトモ」には顧客のエピソードや、「ポッキーを凍らせて食べる」といったアイデアが投稿され、少しずつファンコミュニティとして活用できるようになってきました。今ではコミュニティで見えてきたデータは、商談でのアピールにも活用されています。
導入事例インタビューはこちら▼
ポッキーを愛するファンのためのコミュニティ「ポキトモ」。江崎グリコ株式会社がシェアする体験とは?
【クラシエ】コアファンが初期から離脱せずに継続
クラシエ株式会社は、使う人の暮らしに役立つ「ちょっと違った発想」をもとに開発した薬品やトイレタリー商品、化粧品、食品などさまざまな商品を開発・販売しています。
ただこれらの「ちょっと違った」商品は、利用期間が限定的になってしまうことが多かったため、リピート率を上げること、ひいては顧客の満足度を上げるために、より深くつながることが必要とされていました。
しかし、商品の特殊性のためか顧客層が限定されることから、協力してもらえる顧客は集まりません。そのため必要なタイミングで連絡するのではなく、常に接点を持つことができるオンラインでのユーザーコミュニティの利用にたどり着きます。
そうして誕生したのが、ファンコミュニティ「mä & më time(マーアンドミータイム)」です。今では顧客からの声を直接聞くことができ、商品の改善や新商品開発にも役立てています。
導入事例インタビューはこちら▼
親子のヘアケア&スキンケアブランド「mä&më(マーアンドミー)」がファンとの共創を目指すコミュニティを始めた理由
【サイボウズ】顧客接点の増加・ファン作りに活用
サイボウズ株式会社は企業のさまざまな業務課題を解決し、よりスムーズなコミュニケーションを実現するためのグループウェア「kintone」を、開発・提供しています。
そのサイボウズ株式会社が運営しているユーザーコミュニティは、「すごくなくてもいい」というコンセプトで、誰もが気軽に参加できる「キンコミ」です。
もともと企業として、ファン作りをモットーにコミュニティ作りに力を入れてきたサイボウズは、「キンコミ」をkintoneのユーザビリティ向上にも役立てています。kintoneはユーザーがそれぞれ使いやすいようカスタマイズできるサービスです。
他のユーザーの使い方を参考に自分の使い方が大いに参考になるため、「キンコミ」はユーザーがアイデアを提示できる掲示板として役立てられています。これはサービスの提供と考えると、「自社が関与していない」点で重要です。
今ではユーザーの意見をもとに新たな機能を搭載するなどさまざまなアップデートにも活用されており、今後の発展が期待されています。
導入事例インタビューはこちら▼
“すごくなくてもいい” サイボウズ社が提供するユーザーコミュニティ「キンコミ」の参加者が増え続ける理由
ユーザーコミュニティでコアなファンを増やそう
ユーザーコミュニティはユーザー同士をつなぎ、交流を促進する場所です。企業や商品・サービスに対する顧客ロイヤリティを高め、熱心なファンを育成します。顧客のリアルな声を直接受け取り、商品・サービスの開発や改善に活かせるのもメリットです。
自社でコミュニティサイトを開発するのが難しい場合は、サイト構築を立ち上げから支援するサービスの利用がおすすめです。coorumはコミュニケーションを促進するさまざまな機能を搭載しており、スムーズなコミュニティ活性化をサポートします。
ユーザーコミュニティの運営で、ぜひ自社のコアなファンを増やしてください。