顧客データ活用事例を紹介!ゼロパーティデータの意味やマーケティングに活かすポイントも解説

2024-11-20 2024-11-20 コラム

顧客データを活用した施策で成功する企業が多く、自社も同じように取り入れたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

自社の目的に最適な方法で顧客データを分析・活用することで、顧客満足度や売り上げの向上につながります。顧客データの活用方法を理解し、マーケティングに活かしたい場合は、ぜひ参考にしてください。

顧客データの活用が重要視される理由

顧客データの活用が重要視される理由は、顧客の属性や購買行動などから深く理解し、効果的な営業活動やマーケティング、満足度の向上につながる可能性があるからです。

インターネットやスマートフォンの普及により、顧客との接点が多様化・複雑化する中、顧客データを活用することの重要性は時代とともに増しています。

小売業を例に取ると、顧客データの活用がもたらす利点がより具体的に見えてきます。購買履歴や年齢、性別、居住地などの属性情報を総合的に分析することで、どの商品がどのような人に、どれくらい売れているのかといった傾向を把握することが可能となります。

この結果をもとに、ターゲット層の明確化や効率的な在庫管理、そして組み合わせて買われることの多い商品の発見につながります。

このような顧客データの分析によって、従来の市場調査や担当者の経験則では見逃されがちな事実を浮き彫りにします。一例として、ある企業が広告の訴求不足や外気温の影響で売り上げが下がったと分析したものの、顧客データを含めて詳細な分析を行った結果、実際には主要顧客層の旅行シーズンと重なっていたことが判明した事例もあります。

さらに、顧客データの多角的な分析は、精度が高く効率的なマーケティング戦略の構築を可能にします。

これにより、顧客理解の誤認に基づくマーケティング施策の実施を防ぎ、売り上げの拡大と顧客満足度の向上につなげられるでしょう。

現代社会は変化が急速で、顧客のニーズも常に変化しています。顧客データを正確に分析し活用することで、市場の変化に対する柔軟な対応力と競争力を高められるでしょう。

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顧客データの種類

顧客データの種類には、以下のものがあります。

  • 定量データ
  • 定性データ
  • 心理データ
  • 行動データ
  • ゼロパーティデータ

何を知りたいかによって、利用する顧客データは変わり、自社の最終的な目標につながるデータを選ぶことが必要不可欠です。また、いくつかの顧客データを組み合わせることで、より精度の高い結果を得られる場合もあります。ここからは、それぞれの顧客データの種類の概要について解説します。

定量データ

定量データとは、数値として明確に表せるデータを意味します。たとえば、売上高や商談回数、来店数、Webサイトのアクセス数などです。顧客情報やイベントの来場者情報など、既存のデータから容易に集計できるため、客観的で細かい分析ができます。

市場動向の把握や需要予測、顧客分析など、調査や分析に役立つデータとして活用されることが多いです。

定性データ

定性データとは、顧客の感覚や感情に起因した、数値に表しにくい質的なデータのことです。顧客一人ひとりのニーズや自社への印象、トラブル・クレームの対応歴などを通じて収集されるため、時間と労力を要しますが、顧客の真の声を捉え、潜在的ニーズの発見やサービス品質の向上に不可欠です。

心理データ

サイコグラフィックデータとも呼ばれる心理データは、消費者の価値観、趣味、嗜好、生活習慣などを指します。「なぜ」顧客が購入など特定の行動を取るのかを分析し、ターゲットをより細かく設定することを可能にします。

アンケートやインタビュー、Webサイトの来訪者などを通じて収集され、顧客の潜在的ニーズを把握し、効果的なマーケティング戦略を立案しやすくなるでしょう。

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行動データ

行動データとはサイト訪問回数や店舗内の移動履歴など、消費者行動を記録したものです。ECサイトや公式Webサイトなど、オンラインでの行動データはマーケティングツールや解析ツールなどで収集できます。

実店舗やイベント出店などのオフラインによる行動データは、POSデータの購買データや位置情報データなどから収集することが可能です。

店舗のどこで立ち止まるかなど細かいデータは、時間をかけた調査が必要なため、データ分析の負担が大きくなる場合があります。

ゼロパーティデータ

ゼロパーティデータとは、企業が顧客の同意を得た上で直接取得したデータのことです。顧客アンケートや、会員登録時のプロフィール入力などから提供される情報を指します。

Web上の行動のみではわからない顧客行動、心理状態など重要な情報を得ることが可能です。情報を取得した直後から活用できるため、アンケート回答後に個々のユーザーに合わせた顧客体験を提供できます。

自社保有していないサイトや情報源から取得する「サードパーティデータ」、自社で収集して保有している「ファーストパーティデータ」もありますが、近年のプライバシー意識の高まりと共に、ゼロパーティデータの重要性が増しています。

Googleが2024年後半から「Chrome」経由によるCookieのサポートを、段階的に廃止する予定を発表したことを受け、ゼロパーティデータに注目が集まりました。

現在その廃止方針は撤回されているものの、顧客が直接提供するデータには高い信頼性が伴うため、今後もゼロパーティデータを活用し、的確なアプローチを行うことに重点は置かれるでしょう。

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顧客データを収集する方法

顧客データは、データの種類により収集方法は異なり、目的に合った適切な手段を選ぶことが大切です。それぞれに必要な時間や業務内容も変わるため、施策を実施する予定の時期から逆算し、計画的に収集することが大切です。

以下では、定量データ・定性データを収集する方法や便利なツールについて、詳しく解説します。

定量データを収集する方法

数値化が可能な定量データの収集には、Webサイトのアクセス解析や顧客アンケート、会員登録、確率サンプリングなどの方法があります。主に顧客の属性や購買行動に関する情報のため、短期間で大量のデータを収集することが可能です。

たとえば、会員登録情報からは、顧客の氏名・住所・生年月日・購入価格・リピート率などの重要な定量データを一括で取得できます。会員向けアンケートやポイントカードの利用促進策などを通じて、より詳細な情報収集も可能です。

定量データの収集には、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールがあります。

定性データを収集する方法

定性データは問い合わせやSNS投稿、VOC、アンケートやインタビュー、オンラインコミュニティなど、顧客心理を掘り下げた、言語的な情報を得やすい方法で収集します。最近はSNSで公式のアカウントを作成して、顧客の意見収集を行う企業も目立つようになりました。

SNSやWebサイトのレビューなどの投稿を収集・分析するソーシャルリスニングツールなどを活用することで、顧客の率直な意見を効率的に拾いやすくなるでしょう。

また、オンラインコミュニティの運営により、企業と顧客、または顧客同士で交流を深めながら、潜在的な顧客ニーズを把握することも可能です。

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顧客データ分析で主に使われている手法

顧客データ分析では、以下のような手法が使われています。

  • セグメンテーション分析
  • RFM分析
  • デシル分析
  • バスケット分析
  • アクセス分析

収集した顧客データを最大限活用するためには、目的に適した分析を用いて改善に役立てることが必要不可欠です。ここからは、顧客データ分析で使われている手法や、それぞれの活用方法について解説します。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、年齢や性別・居住地・行動パターンなどのさまざまな軸で、顧客をグループ化する方法です。市場や顧客を分析する際に使われるフレームワークの、「STP分析」の一つに分類されます。

収集した顧客データの活用に際してセグメンテーション分析を用いることで、ターゲットを明確に絞り込み、自社の強みを活かしたマーケティング手法に役立てることができます。自社が取り扱っている商品や事業の特性に応じて作成するグループも変わるため、幅広い業界において活用できる分析方法です。

RFM分析

RFM分析は、「Recency(最終購入時期)」「Frequency(購入頻度)」「Money(購入金額)」の3つの指標を用いて顧客を分析する手法です。

これらの指標を評価することで、優良顧客・新規顧客・安定顧客・離反顧客を見極め、それぞれの顧客に合わせた集中的なアプローチを実施できます。

しかし、冠婚葬祭に関わる商品・サービスや自動車、大型家電など、購入頻度が低くリピート率の高い顧客を把握しづらい業界では、有効性が低い場合もあるため注意が必要です。

デシル分析

デシル分析は、購入履歴のデータから、すべての顧客の購入金額を高い順に10等分(デシル1〜10)して、各グループの購買データを分析する手法です。顧客を10個のセグメントに分類することで、それぞれのグループにとって効果的な施策を考え、実行できるでしょう。

また、売り上げに貢献している顧客を可視化できるため、企業が注力すべきターゲットを絞り込み、デシル1に分類される優良顧客に予算や時間をかけることも可能です。デシル分析を活用することで効率的なマーケティングにつながり、売り上げに直結します。

バスケット分析

バスケット分析は、顧客の買い物かご(バスケット)の中身を分析する手法です。オンライン上ではECサイトの買い物かご、オフラインではPOSデータから購入履歴を洗い出し、分析できます。

顧客の購買行動の傾向や商品の売れ行きをはじめ、商品の組み合わせから浮かび上がる顧客像なども把握することが可能です。

バスケット分析で顧客の解像度を高めることにより、オンラインでは売れ筋商品やついでに買われることの多い商品を把握し、おすすめ表示することによる客単価の向上が期待できます。オフラインでは、商品配置の最適化やポップアップの工夫などに活用できます。

アクセス分析

アクセス分析(解析)は、自社のWebサイト上でのユーザーの行動を収集・分析し、マーケティング戦略に活用する分析方法です。検索キーワードや流入経路、サイトでの行動履歴などのデータを把握し、顧客ニーズやコンバージョンまでの行動を分析します。

さまざまなデータから顧客行動や潜在的なニーズを把握し、Webサイトの課題解決・改善につなげることが可能です。アクセス分析は、Google AnalyticsやAdobe Analyticsなどの専門ツールを用いて効率的に行えます。

顧客データの分析・活用事例

ここからは、さまざまな業界における顧客データの分析・活用事例を紹介します。

  • 株式会社すかいらーくホールディングス
  • 株式会社エー・ピーホールディングス
  • 株式会社あきんどスシロー
  • 株式会社カインズ
  • KURAND
  • 株式会社ニップン
  • 株式会社DMM Boost

それぞれの業界や商品・サービスのコンセプト適した方法で顧客データを活用したことで、顧客のニーズを把握するだけでなく、自社の強みの発見や業務の効率化の達成につながっているのです。

飲食業:株式会社すかいらーくホールディングスの事例

株式会社すかいらーくホールディングスは、「価値ある豊かさの創造」を企業理念にテーブルレストランを展開する企業です。

コロナ禍による顧客離れや新規顧客の減少という課題を受け、顧客インサイトの調査と、それに基づくメニュー開発やプロダクト開発につなげていく必要がありました。

この課題に対応するため、同社はロイヤル顧客プラットフォーム「coorum」(コーラム)を活用し、「おやさい学校 しゃぶしゃ部」というオンラインコミュニティを立ち上げました。

この取り組みにより、従来3ヶ月かかっていた顧客ニーズの把握がリアルタイムで可能になり、意思決定プロセスが大幅に効率化されました。また、企業側で想定していなかった顧客の行動パターンやニーズが明らかになり、新規顧客向けの体験設計に活かされています。

導入事例インタビューはこちら▼
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飲食業:株式会社エー・ピーホールディングスの事例

株式会社エー・ピーホールディングスは、宮崎・鹿児島の地鶏を中心とした「塚田農場」などの飲食店を運営しています。同社は、最近のファンの声を聞き、ロイヤルカスタマーを増やすことを目的にcoorumを導入しました。

コミュニティの運営を始めたことで、イベント開催なしで顧客の生の声に触れられるようになり、自社では気づかなかった強みやニーズの把握につながりました。

店舗でのコミュニケーションでは得られない顧客ニーズを把握し、商品開発の指針に取り入れることを実現しています。

導入事例インタビューはこちら▼
店舗では拾いにくい”塚田農場”好きなお客様の色んな声を聞きたい。塚田農場が目指すオンラインコミュニティの姿とは?

飲食業:株式会社あきんどスシローの事例

株式会社あきんどスシローは国内をはじめ、韓国やシンガポールなど海外に店舗を展開している回転寿司チェーン「スシロー」を運営する企業です。

フードロスの調整が難しい飲食業界において、データを活用することで利益率を向上させながら廃棄量を4分の1にまで減少させることを実現しています。

寿司皿にICチップを取りつけ、「どの寿司」が「いつ」「どれくらい」食べられたかという年間約10億件もの詳細なデータを自動で収集するシステムを取り入れています。

総合管理システムで客の「食べる」データを解析して消費量を予測し、フードロスと機会損失を下げるという目的を達成しました。回転寿司の特徴を活かした活用方法で、一度に2つの目標を達成した事例です。

小売業:株式会社カインズの事例

ホームセンターチェーンの株式会社カインズは、「DIYer100万人プロジェクト」の一環として、coorumを活用したオンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」を立ち上げました。

コミュニティ内では、DIYの技術や経験が共有され、初心者でも気軽に質問できる環境が整備されました。この取り組みにより、DIYの継続率が向上し、店舗への来店頻度増加にもつながっています。さらに、顧客の声を直接聞くことで、商品開発やワークショップの企画に活かすなど、顧客中心のビジネス展開を実現しています。

導入事例インタビューはこちら▼
DIYをライフスタイル(生活文化)に!カインズが取り組む「コミュニティ」の導入背景と展望とは

小売業:株式会社ワークマンの事例

株式会社ワークマンは、作業服チェーンの「WORKMAN(ワークマン)」やアウトドア・アスレジャーなどの機能性ウェアも取り扱う「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」などを展開する企業です。長きにわたり、エクセルを用いた独自のデータ経営「エクセル経営」を推進しています。

2021年から「AI Ready企業」を掲げ、プログラミング言語「Python(パイソン)」による、高度なデータ分析を取り入れ始めました。

時間のかかるタスクの自動化を実現し、データの処理方法や手順をPythonでプログラミングし、他社製の需要予測システムにインポートする試みも行われています。

飲料メーカー:KURANDの事例

KURAND株式会社は、日本酒や焼酎、果実酒などのクラフト酒を通して、ユニークな体験を提供することをコンセプトとした酒販企業です。

リピーター獲得のためにメルマガやLINE、SNSを活用して接点を持つ試みをしていたものの、顧客の声を十分に拾えず、意見の相互交換ができる場を必要としていました。coorumを活用して「クラフト酒研究所」というオンラインコミュニティを立ち上げたことで、SNSやWebサイトでは得られない顧客の声の収集に成功しています。

特に、クローズドな環境が顧客に安心感を与え、率直な意見交換を促進しています。コミュニティ内のレビューは顧客同士のコミュニケーションを生み出し、ポジティブな意見だけでなくネガティブな声も含めたフィードバックを得ることができています。

導入事例インタビューはこちら▼
「お客様からの率直な意見を吸い上げたい」KURAND株式会社が運営するコミュニティ クラフト酒研究所

食品メーカー:株式会社ニップンの事例

株式会社ニップンは小麦粉・プレミックスやパスタブランド「オーマイ」「REGALO」などを製造販売する総合食品メーカーです。

日本ではまだ馴染みの薄い健康食品「アマニ」のコアなファンとつながり、顧客インサイトの収集を目的に、coorumを活用してオンラインコミュニティを立ち上げました。

同社はコミュニティ運営を通し、実際のお客様の声を直接聞くことが可能となり、商品開発や提案に自信を持って取り組めるようになりました。

たとえば、健康志向の顧客が意外にもこってり系ドレッシングを求めていることが判明し、新商品開発につながりました。

また、コミュニティ内の投稿から、従来の調査では把握できなかったアマニの具体的な利用状況を知ることができ、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能になりました。

導入事例インタビューはこちら▼
「ニップン アマニコミュニティ」で見つけた新たな顧客像と、毎日のアマニ習慣が広がる秘訣とは?

情報サービス業:株式会社DMM Boostの事例

株式会社DMM Boostは、LINE公式アカウントに、自動返信機能や再入荷通知機能など、さまざまな拡張機能を実装できる「チャットブースト」を展開する企業です。

マーケットでの認知向上や既存顧客の熱量を高めるという課題があり、CSと異なるアプローチで顧客フォローを行う場を作る必要がありました。そこでcoorumを活用して「Booster」コミュニティを立ち上げ、運営を通して顧客と共創できる状態を実現しています。

また、顧客の生の声を直接聞くことで成功事例の解像度が上がり、成功事例を紹介するマーケティング記事の質も向上しました。

具体的な成功事例を共有することで、従業員はそれをマーケティングや営業活動に活用でき、同時に自身のモチベーション向上にもつながると期待できます。

導入事例インタビューはこちら▼
市場認知度を高めるためにcoorum(コーラム)を活用。顧客の解像度を高め、目指すべき「顧客の成功」へ

顧客データ活用の具体例

顧客データの活用方法はさまざまありますが、主に以下のような目的が多いです。

  • 顧客行動の予測による営業活動などの効率化
  • サイトのアクセス状況をもとにした施策立案
  • 顧客セグメントごとに分けたメッセージの送付

いずれの場合も、効果的なマーケティング活動をする上で大切な要素と言えます。ここからは、それぞれの具体例について詳しく説明します。

顧客行動の予測による営業活動などの効率化

収集したデータに基づいて顧客行動や需要を予測することで、営業やマーケティング活動などの効率化ができます。

顧客行動を予測することで明確なターゲットを絞り、効果的なアプローチを行うことで売り上げ向上が期待できます。

顧客は自分の好みに限らず、まわりの環境やトレンドなど外的な要因でニーズが高まったり、逆に低くなったりすることもあります。

売り上げや購入履歴など表面的な情報だけではなく、顧客の属性や行動などを合わせて多角的に分析することが大切です。顧客の状況に合ったアプローチを行うことで、機会損失の防止も期待できます。

サイトのアクセス状況をもとにした施策立案

自社のWebサイトやECサイトへのアクセス状況を分析することで、顧客行動の理解が深まり、効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。Webサイトは顧客との重要な接点であり、サイトの使いやすさや情報の適切な提供が、顧客体験の向上につながります。

Webサイトのアクセス状況分析では、PV数だけでなく、ページごとの滞在時間、離脱率、コンバージョン率などを多角的に見ることが重要です。これにより、人気コンテンツの特定と強化、ターゲット層に合わせたコンテンツ提供といった具体的な改善点が明らかになります。

また、アクセス状況の分析は、実施中のマーケティング施策の効果検証にも有効です。たとえば、流入経路(広告、検索結果、SNSなど)ごとの顧客行動を比較することで、より効果的なチャネルへの投資が可能になります。

検索結果からのアクセスが少ない場合は、SEO観点でのサイト改善が必要と判断できます。これらの分析結果に基づいてマーケティング方法を見直すことで、費用対効果の高い施策の実施が可能となり、結果として顧客満足度の向上や売上増加につながる可能性が高まります。

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顧客セグメントごとに分けたメッセージの送付

顧客データから顧客を分類し、セグメントごとに異なるメッセージの送付ができます。顧客を「地域」「職業」「行動履歴」などの条件から分類し、それぞれのセグメントに最適化したメッセージであることがポイントです。

顧客の関心や熱量に合わせて適切なアプローチをすることで、顧客の興味や要望に合致したコミュニケーションが可能になります。たとえば、商品の購入を迷っている人にお得な割引やキャンペーンなどの情報を発信すれば、顧客の購買意欲を後押しでき、購入につながりやすいでしょう。適切なタイミングで割引が適用されることで、顧客満足度も高まることが期待できます。

興味のないメッセージを顧客に送り続けた場合、配信解除されて集客力の低下につながるリスクがあります。セグメントに合わせたメッセージを発信することで、顧客が必要な内容だけ受け取れるため、無駄のないマーケティング活動ができます。

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顧客データをマーケティングに活用する際のポイント

顧客データをマーケティングに活用する際、以下のポイントを意識しましょう。

  • 顧客データの管理体制を整える
  • データ収集・活用の目的を明確にする
  • 目的に合わせた分析手法で適切なデータを取得する
  • セキュリティ対策を行い情報漏えいに注意する

顧客データを最大限に活用するためには、自社の方針やリスクへの対応策など、事前の準備が必要不可欠です。ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

顧客データの管理体制を整える

顧客データを活用する場合は、顧客データの管理体制を整えることが大切です。顧客データは個人情報であり企業にとっての財産でもあるため、慎重に取り扱う必要があります。

顧客データを管理する十分なストレージはもちろん、顧客データを常に最新の状態に保つよう、定期的な更新の仕組みを整えることが大切です。

顧客への重複対応やミスが発生した際の内容など、顧客に関わる部署が同じ情報を共有できるような体制を構築しておきましょう。

データ収集・活用の目的を明確にする

顧客データの収集や活用をする場合は、目的を明確にしましょう。顧客データの種類や分析方法はさまざまなため、すべてを網羅しようとすると、多大な労力をかけることになります。

目的に合ったデータを揃えて分析することで、顧客への理解を深め、精度の高いターゲット設定や効果的なマーケティングの施策につながるでしょう。

たとえば、会員から退会する顧客の予測をしたい場合、退会前に多い顧客行動を分析するため、行動データを参照するとします。

退会前の顧客と同じような行動をとる顧客がいた場合、適切にフォローすることで、継続利用につながる可能性もあるでしょう。収集する情報を誤らないよう、目的はマーケティングに関わる従業員が、共通認識として持っておくことが大切です。

また、顧客データは定性データや定量データ、その他のデータなど、あわせて分析・活用することで効果を発揮する場合もあります。必要に応じてデータの範囲を広げるのも効果的です。

目的に合わせた分析手法で適切なデータを取得する

顧客データを分析する際は、目的に合わせた方法で行うことが大切です。どのようなデータを得たいか、どのように活用したいかによって、分析方法は変わります。

たとえば、「リピート顧客を増やす」という目的の場合、セグメンテーション分析やR AFM分析のように、ターゲットを絞りマーケティングを最適化できる分析方法で、高い効果が期待できます。それぞれの分析方法を正しく理解し、必要な結果が得られるものを活用しましょう。

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セキュリティ対策を行い情報漏えいに注意する

顧客データの管理には細心の注意を払い、セキュリティ対策は万全に行いましょう。万が一不正アクセスがあった場合、機密データを盗み見られる恐れがあります。情報漏えいは、顧客や取引先に多大な迷惑をかけるだけでなく、自社の社会的な信用を失うリスクもあるでしょう。

情報漏えいは、書類の紛失やパソコンの盗難、メールの誤送信など、あらゆる場面でリスクが付きまといます。従業員への教育や周知は徹底し、セキュリティへの高い意識を持つことが必要不可欠です。

セキュリティ対策を強化したい場合、不正アクセスを検知するツールやアクセスしたユーザーを記録できるシステムも導入できます。

顧客データの収集・活用にはcoorumがおすすめ

顧客データは、顧客の属性や購買行動などを深く分析し、無駄のないマーケティングを行うために必要不可欠です。定量データや定性データ、心理データなどを参照にできますが、把握できる情報はそれぞれ異なります。

顧客データは、効果を最大限に引き出すためには目的に合わせた手法を取り入れることが大切です。

セグメンテーション分析やRFM分析などのさまざまな手法があるため、それぞれの特徴を正しく理解した上で活用しましょう。自社の現状や課題を洗い出し、顧客データを活用する目的を明確にしておく必要があります。

顧客データを効果的に活用するためには、適切なツールやプラットフォームの選択も重要です。例えば、オンラインコミュニティ運営プラットフォームを活用することで、より深い顧客インサイトを得ることができます。coorumのようなツールを使用することで、企業は顧客との直接的な対話や顧客同士の交流を促進し、従来のネット上のレビューやSNSでは捉えきれなかった顧客の本音やニーズを把握することができます。

顧客データの活用方法について模索中の企業や、より効果的な顧客理解を目指す企業にとって、こうしたプラットフォームの導入は有効な選択肢の一つとなるでしょう。まずは資料からcoorumの導入を検討してみてください。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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