ロイヤルカスタマー戦略を成功させるには?分析方法や顧客の育成方法を解説

2024-08-27 コラム

売上を伸ばし、企業を成長させるにはロイヤルカスタマー戦略が必要です。LTVの向上に貢献するロイヤルカスタマーの育成により、企業経営の安定化を図れます。

本記事ではロイヤルカスタマー戦略の重要性や実施方法、成功させるポイントなどをご紹介します。

ロイヤルカスタマー戦略とは

企業が長期的に売上を伸ばしていくには、企業や商品・サービスのファンとして定着してくれるロイヤルカスタマーの存在が重要です。そのため、ロイヤルカスタマーを獲得するための戦略を重視する企業が増えています。

ここでは、ロイヤルカスタマーとは何かを説明し、ロイヤルカスタマー戦略を行う重要性について解説します。

そもそもロイヤルカスタマーとは

ロイヤルカスタマー(Loyal Customer)とは、企業や商品・サービスに対して忠誠心が高い顧客という意味です。

競合他社を利用することなく、自社ブランドや商品・サービスに対して愛着と信頼を持ち、継続的に購入・利用してくれる顧客を指します。ロイヤルカスタマーの存在で安定した収益が期待できるため、企業にとって非常に大切な顧客です。

ロイヤルカスタマー(ロイヤル顧客)とは?定義とその重要性や育成・創出の仕方を解説

ロイヤルカスタマーは優良顧客とは異なります。優良顧客とは商品・サービスの購入・利用頻度が高く、購買金額が大きい顧客であり、自社に多くの利益をもたらす存在という点ではロイヤルカスタマーと変わりません。

しかし、ロイヤルカスタマーには購入・利用の動機に愛着心や信頼があるのに対し、優良顧客には必ずしもそのような動機があるとは限りません。近くに店舗があった、お店で見かけたといった偶発的な要因で選んでいる可能性もあります。そのため、競合他社に魅力を感じれば、すぐに移行することも考えられます。

これに対し、企業や商品・サービスに愛着心や信頼を持つロイヤルカスタマーは、めったなことでは他社に乗り換えることがありません。

ロイヤルカスタマー戦略の重要性

ロイヤルカスタマー戦略はロイヤルカスタマーを育成し、計画的に増やしていく戦略です。ロイヤルカスタマーの獲得は新規顧客を獲得するためのコストを抑えるなど多くのメリットがあり、その重要性は大きいものがあります。

いくつかのメリットをみてみましょう。

新規顧客獲得のコストを抑える

自社の商品・サービスに対する愛着・信頼度が高いロイヤルカスタマーが増えれば、新規顧客を獲得するコストを抑えられます。新規顧客を獲得するには既存顧客を維持するよりも多くのコストがかかり、効果的なロイヤルカスタマー戦略により全体のコスト削減が可能です。

顧客獲得のコストパフォーマンスに関しては「1:5の法則」と「5:25の法則」という考えがあります。「1:5の法則」とは、新規顧客の獲得よりも既存顧客の獲得にかかるコストは5分の1で済むという法則です。「5:25の法則」とは、解約など顧客離れを5%改善することで、利益が25%改善するという法則になります。

この法則により、新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持に注力した方が、より効率的に事業を成長させることができることがわかります。とりわけロイヤリティの高いロイヤルカスタマーの育成は、その効果が高いといえるでしょう。
多くのロイヤルカスタマーはリピーター購入する傾向にあるため、顧客生涯価値(LTV・顧客1人が生涯にもたらす利益)の上昇にも貢献します。

非公開: データドリブンでわかる ロイヤル顧客が生み出す事業へのインパクト

口コミによる宣伝効果がある

商品やサービスもしくは企業のファンであるロイヤルカスタマーは、その魅力を周囲にも積極的に広めてくれます。口コミにより積極的に情報を発信してくれる可能性もあるでしょう。

SNSやブログ、動画投稿サイトにおける動画など、ユーザー制作のコンテンツ(UGC)による情報拡散も期待できます。

ユーザーがつくるコンテンツでマーケティングを!UGC(User Generated Contents)について解説

宣伝効果により、多額のコストをかけずに新規顧客の獲得が期待できるのもメリットです。企業が宣伝する広告よりも、同じ消費者の称賛は信頼されやすい傾向があります。そのため、ロイヤルカスタマーの情報発信は高い広告費を使うより強いアピール効果があるでしょう。

良質なフィードバックを得られる

ロイヤルカスタマーは商品やサービスに愛着を持ち、一般的な消費者よりも高い熱量で利用しているため、良質なフィードバックを得られる可能性があります。開発や改善などに活かすことができ、より良い商品・サービスへと変えていくことができるでしょう。

企業では考えつかなかった着想を得られる可能性もあります。新たな商品開発やサービス向上に貢献するでしょう。使用した感想などのデータを蓄積することで、マーケティング活動に利用できるのもメリットです。

収益が安定する

ロイヤルカスタマーは容易なことでは他社に乗り換えることがなく、長期にわたって継続した利用を見込めます。そのため、末長く安定収益を期待できるのもメリットです。将来的な収益の見込みがわかり、経営計画も立てやすくなります。

また、ロイヤルカスタマーの獲得・維持は低価格戦略から脱却できるのもメリットです。優良顧客の獲得には低価格戦略も重要な施策ですが、長期にわたると企業の負担は大きくなります。価格の安さを重視しないロイヤルカスタマーが増えることで、低価格戦略の必要も少なくなるでしょう。

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ロイヤルカスタマー戦略で行うこと

ロイヤルカスタマー戦略は、手順に沿って計画的に行う必要があります。

主な手順は、以下のとおりです。

  • ロイヤルカスタマーを明確にする
  • カスタマージャーニーマップを作る
  • 効果測定と分析を行う

まず、自社にとってどのような顧客をロイヤルカスタマーとするかを明確にすることから始めます。次に、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客との接点を洗い出します。

具体的な手順をみていきましょう。

自社のロイヤルカスタマーを明確にする

ロイヤルカスタマー戦略では、まずどのような顧客をロイヤルカスタマーとするのかターゲットを明確にします。年代や性別、地域などを限定し、商品・サービスの何に興味を持っているかなど顧客分析を細かく行い、ロイヤルカスタマーを定義します。

顧客ロイヤリティとは?ロイヤルティを向上させるポイントや事例を紹介

明確化の基準は企業によってさまざまです。利用頻度や購入価格のほか、キャンペーンへの応募率やメールマガジンの開封率、口コミの有無など、対象となる商品やサービスの内容によって変わります。
ロイヤルカスタマーを明確にしたら、顧客の何割をロイヤルカスタマーにするか、どの部分を改善するかなどの目標を設定します。

カスタマージャーニーマップを作る

ロイヤルカスタマーを明確にしたら、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、見込み客から商品・サービスの購入、既存顧客になるまでの一連のプロセスを図式化したものです。

カスタマージャーニーマップは、以下の手順で作成します。

  • ターゲットとなる顧客(ペルソナ)を設定する
  • ペルソナの行動を可視化する
  • フレームワークを決定する

カスタマージャーニーマップの作成により顧客との接点を洗い出し、接点ごとにどのようなコミュニケーションを取れば顧客ロイヤルティが向上するのか仮説を立て、施策を実施します。

作成していくなかで顧客が興味を持つポイントや離れていく原因なども見えてくるでしょう。
ロイヤルカスタマーの育成には、顧客との接点を増やすことが大切です。十分な接触があるかもカスタマージャーニーマップで確認しておきましょう。

効果測定と分析を行う

施策の効果測定と分析も欠かせません。来客頻度や購入回数、購入金額などを定期的に確認して効果を測定し、分析して改善点を探します。

これまで定期的に利用していた顧客が購入をストップするなど変化がある場合、原因を明らかにしなければなりません。原因が商品やサービスにある場合、できるだけ早く原因を見つけて対策が必要です。

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現状の顧客ロイヤリティを分析する方法

ロイヤルカスタマー戦略では現状の顧客ロイヤリティを測り、分析していくことが必要です。顧客ロイヤリティとは顧客が企業や商品・サービスに対して愛着や信頼を持つということで、さまざまな指標で計測できます。自社が測る指標を決め、現状の顧客ロイヤリティを検証していきましょう。

ここでは、顧客ロイヤリティを測る指標を5つご紹介します。

NPS

NPSとは、顧客が商品・サービスに抱いている愛着や信頼の度合いを数値化する指標です。「この商品・サービスを友人や知人にすすめたいと思いますか?」というアンケートを行い、​​0〜10の11段階で評価してもらいます。点数が高いほど顧客ロイヤリティが高いと判断できるという方法です。

回答により、顧客は「推奨者」「中立者」「批判者」という3つのタイプに分類できます。9~10点を付けた顧客が「推奨者」、7~8点が「中立者」、0~6点は「批判者」と分類しましょう。

全体に占める推奨者の割合から、批判者の割合を引いで出てきた数値がNPSの数値です。正確な数値を求めるには400以上のサンプルをとることが理想的で、2000サンプル以上であれば誤差が少なくなります。

推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアが上がり、顧客ロイヤリティが高いということです。アンケートでは回答理由も合わせて質問することで、商品・サービスを愛用している背景も確認できます。

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LTV

LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」のことで、顧客が生涯で商品・サービスを継続的に利用することで企業が得られる総利益です。既存の顧客に継続して商品・サービスを購入・利用し続けてもらうことにより、LTVが高まります。

LTVを向上させることで、新規顧客を獲得するコストを抑えながら効率的に利益を上げられます。LTVの計測では、主に利用期間や頻度、金額など行動面の数値を把握できるのが特徴です。

LTVの計算はいくつかありますが、主に顧客の平均値でLTVを割り出す計算で求められます。計算式は「1回の平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間」です。
顧客ロイヤリティの高い顧客ほど生涯でもたらす利益が多く、LTVが大きくなります。

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RFM

RFMとは、Recency(直近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入総額)の3つの指標により、顧客を分類する手法です。分類したそれぞれのグループに適したマーケティング施策を行うことで、LTVの最大化を目指します。

各指標の特徴と効果は、以下のとおりです。

Recency(直近の購入日)・顧客がアクティブかどうかを把握する直近に購入した顧客の方が、購入から数年経っている顧客よりも優良顧客と判断できる
Frequency(購入頻度)・自社商品・サービスの継続利用を把握する・常連顧客の洗い出しができ、購入回数が多い顧客を優良顧客と判断できる
Monetary(購入総額)・自社の売上に貢献する顧客を可視化できる・購入総額が多い顧客を良い顧客と優良顧客と判断できる

3つの指標で分析することで、以下の顧客を以下の3つに分類できます。

  • 優良顧客:高頻度で高額商品を最近買ってくれた顧客
  • 新規顧客:新規で商品・サービスを購入した顧客
  • 休眠顧客.:しばらく商品・サービスの購入履歴のない顧客

RFMでは、顧客を分類することができますが、顧客の購入・利用動機まではわかりません。ほかの分析手法と組合わせることで顧客ロイヤリティの高さを知り、精度の高い分析ができます。

Churn Rate(解約率)

Churn Rateとは、解約率を示す指標のことです。購入した商品のキャンセルや、サブスクリプションの解約などがこれに該当します。その性質上、定期購入やサブスクリプションがあるビジネスにおいて重要視されることが多いです。

近年ではサブスクリプション型サービスが広く普及し、サブスクリプションの短期解約が増加すると赤字になってしまう可能性もあることから、Churn Rateの注目度が高まってきています。

Churn Rateは解約率を示すため、数値が低ければ低いほど優秀です。Churn Rateを改善するには、商品・サービスの見直しが効果的でしょう。

商品・サービスの品質を高め、商品・サービスに対する顧客の満足度が向上すればChurn Rateの増加を抑えられます。加えて、価格や料金プランの見直しも検討するとよいでしょう。

コミュニティはなぜ解約率(チャーンレート)を下げることができるのか?

顧客満足度

顧客満足度とは、商品・サービスに対して顧客がどの程度満足しているのかを示す指標のことです。

商品・サービス購入前の期待値と、購入後に感じた実際の価値の差が顧客満足度として数値化されるため、顧客満足度を把握すれば商品開発やマーケティング改善などの場面で役立つでしょう。

顧客満足度は、アンケート調査やヒアリング調査などで「事前期待値」を把握し、調査した結果をもとに数値化されます。数値化の際に使われる指標は「CSI」や「JCSI」です。

CSIは、商品・サービス購入前の期待値と、購入後に感じた実際の価値の差を測定します。顧客に「顧客期待値」や「顧客不満度」などの質問を行い、平均点を算出する指標です。

JCSIはCSIを日本向けに改良した指標で、「購入後に感じた実際の価値-購入前の期待値」で顧客満足度を算出します。

顧客満足度を高めたい場合は、「カスタマーサクセス」を強化するとよいでしょう。カスタマーサクセスは、商品・サービスを購入した顧客の「成功体験」を実現させる取り組みです。顧客に成功体験をしてもらうことが、そのまま顧客満足度の向上につながります。

また、後述するCRMやSFAなどのツールを導入すれば効率の良い顧客分析が可能となるでしょう。

顧客満足度を上げるためには?向上させた事例・具体例を解説

ロイヤルカスタマー戦略の分析に役立つツール

ロイヤルカスタマー戦略では、分析やロイヤルカスタマーを増やすためにツール海苔用が効果的です。

顧客との関係性を管理するCRMや、長期的な関係構築に役立つMAなどがあげられます。また、コミュニティ運営の基盤を構築し、顧客ロイヤリティを高めるツールもロイヤルカスタマーを増やすために役立つツールです。

ロイヤルカスタマー戦略の分析に役立つ3つのツールをご紹介します。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)

CRM(Customer Relationship Managementz)は顧客との関係性を管理するツールです。顧客との情報管理が主な機能で、顧客の氏名や所属企業、役職、部署などのあらゆる顧客情報を一元化し、それぞれに適切なアクションをするために役立ちます。

CRMは、履歴データとして顧客に関する情報を蓄積することで、多様化している顧客ニーズの把握に貢献するツールです。データを分析・活用しながら顧客との関係性を維持し、最適なコミュニケーションを実現します。

MA(マーケティングオートメーション)

MA(Marketing Automation)とは、顧客と長期的な関係を構築するためのツールです。マーケティング活動をデータに基づき自動化できます。見込み顧客を可視化でき、マーケティング業務の効率化が可能です。

インターネットの普及で膨大な量の情報に接する顧客に対して確実にメッセージを届け、一人ひとりと長期的な関係を構築するために役立ちます。

CEM(カスタマー・エクスペリエンス・マネージメント)

CEM(Customer Experience Management)は、顧客との接点ややり取りを管理するためのツールです。顧客とのやり取りを分析して「顧客の潜在的なニーズ」を引き出すことで、収益の拡大と顧客ロイヤリティの両立を目指せます。

顧客とのやり取りを分析するには「顧客の感情」を分析する必要があるため、数値やデータよりも分析が難しいですが、CEMツールを活用すれば効率的な分析が可能です。

快適に利用できる使い勝手のよいツールを選択すれば、効率的にマーケティング施策をすすめられるでしょう。

SFA(営業支援システム)

SFA(Sales Force Automation)は、営業プロセスや情報の蓄積・分析を目的とした営業支援ツールです。顧客管理や案件管理、行動管理などの機能が備わっており、営業活動におけるプロセスを可視化することで、顧客情報や進捗情報をリアルタイムで把握・共有できます。

情報を把握・共有することで組織的な活動が可能となるため、均一性のあるハイレベルな顧客対応を実現できるでしょう。必要な情報を素早く検索できるようになるため、営業活動の効率化も期待できます。

コミュニティ運営ツール

コミュニティ運営の基盤を構築するツールは、顧客ロイヤリティを醸成し、ロイヤルカスタマーを増やすツールとしてロイヤルカスタマー戦略に貢献します。

コミュニティマーケティングとは?注目される理由や成功させるポイントを紹介

顧客ロイヤリティを高めるにはコミュニティの運営が効果的であり、ツールによりコミュニティ運営を実施する基盤を効率的に構築できるのがメリットです。

コミュニティの運営は、カスタマージャーニーマップを作成する際のペルソナ設定にも役立ちます。顧客と近い関係になることで、より明確なロイヤルカスタマーの輪郭を捉えることができます。

coorum(コーラム)では、コミュニティを活用したロイヤルカスタマーの育成が可能です。初期立ち上げではロイヤルカスタマーのペルソナを具体化し、コミュニティの核となる顧客を選定します。

コミュニティ運営では、ロイヤリティ向上のための分析・改善もできます。ロイヤルカスタマーの育成・蓄積・分析のサイクルを回し、コミュニティを活性化させながらロイヤルカスタマー戦略の効果的な推進をサポートするツールです。

ロイヤルカスタマー育成につながるその他の手法

ロイヤルカスタマーを育成するための手法には、各種ツールの利用以外にもさまざまなものが存在します。今回紹介する手法は、以下の3つです。

  • アンバサダーマーケティング
  • One to Oneマーケティング
  • 2ステップマーケティング

それぞれの手法について詳しく解説します。

アンバサダーマーケティング

アンバサダーマーケティングは、商品・サービスに好意的な顧客を「アンバサダー」として起用し、商品・サービスの宣伝を行ってもらう手法です。

インフルエンサーマーケティングに似ていますが、インフルエンサーマーケティングは単発での契約が多いのに対し、アンバサダーマーケティングは長期的な関係性を構築するという違いがあります。

アンバサダーマーケティングは、ロイヤルカスタマーの育成につながりやすい手法です。その理由としては、アンバサダーを通じて企業と顧客が長期的な関係を築ける点があげられます。

アンバサダーを通じて継続的に自社商品・サービスを宣伝することで、商品・サービスの価値が顧客により伝わりやすくなるためです。

広告費をあまり必要としないことから、費用対効果にも優れています。信頼性・認知度の向上も期待できるため、低予算で結果を出しやすい手法といえるでしょう。

One to Oneマーケティング

One to Oneマーケティングは、顧客一人ひとりのニーズを読み取り、顧客に対して個別にアプローチする手法です。顧客ごとに適切なアプローチを行うことで信頼関係を構築しやすくなるため、ロイヤルカスタマー育成に適しています。

One to Oneマーケティングで用いられる手法は、「リターゲティング広告」や「レコメンデーション」などです。

リターゲティング広告は自社サイトを訪れた顧客を追跡し、別のWebサイト上で自社の広告を表示させる手法、レコメンデーションはECサイトで「おすすめ商品」として、自社商品を表示させる手法となっています。

顧客ごとに異なる適切なアプローチを行うため、顧客ロイヤリティの向上が期待できるでしょう。

2ステップマーケティング

2ステップマーケティングとは、新規顧客に試供品や無料体験で自社商品・サービスを知ってもらった後に、商品・サービスの購入を促す手法のことです。

実際に商品・サービスを体験してもらってから購入するため、顧客満足度や顧客ロイヤリティを高めやすいという特徴があります。

メリットとしてあげられるのは、商品・サービスの購入ハードルを下げられる点です。試供品や無料体験で実際に商品・サービスを体験したうえで購入するため、「気になっているものの、どのような商品・サービスかわからないので購入を迷っている」顧客の購入ハードルを下げられます。

顧客との接触機会を作りやすいため、信頼関係を構築しやすい点もメリットといえるでしょう。

ロイヤルカスタマー戦略を成功させるポイント

ロイヤルカスタマー戦略を成功させるには、いくつかのポイントがあります。顧客との接点を増やし、コミュニケーションを継続させることが必要です。定期的に情報を発信しつつ、ロイヤルカスタマー限定の商品・サービスを用意するなど特別感を与えることも大切です。

ここでは、ロイヤルカスタマー戦略を成功させる3つのポイントをご紹介します。

顧客とのコミュニケーションを継続する

自社の商品・サービスに愛着や信頼を持ってもらうためには、顧客との接点を増やし、継続的にコミュニケーションを取ることが大切です。接点を増やせば、商品・サービスの利用で気になったこと、相談したいことが出たとき、すぐにアクションを起こすことができます。

また、顧客はスタッフと実際にやり取りをする体験を通し、企業や商品・サービスへの親しみや愛着を持ちやすくなります。接点を増やすには、SNSやメールマガジン、LINEアプリなどを活用していくとよいでしょう。

定期的に情報を発信する

顧客との接点を増やしたら、顧客のニーズに合わせた情報を定期に発信していくことが大切です。このとき、ただ新商品の情報を発信するだけでは他社との差別化ができません。

商品のこだわりや開発の背景など、自社独自の情報を発信することで企業や商品・サービスへのロイヤリティにつながります。

また、お客様の声やQ&Aなどを通し、顧客の疑問・不安を解消する情報発信も必要です。積極的に顧客をサポートする姿勢が、信頼の獲得につながるでしょう。

特別感を与える

ロイヤルカスタマーの育成には、ロイヤルカスタマー限定の商品・サービスを用意するなど、一般顧客との差別化を図り特別感を与えるロイヤリティプログラムの施策も必要です。

ロイヤリティプログラムは顧客と企業の結びつきを強める効果が期待でき、顧客のファン度を測ることも可能です。

施策の一例として、以下のものがあげられます。

  • 会員制度を設け、ランクごとに特典を与える
  • 誕生月にプレゼントを贈る
  • 新商品の先行販売を行う
  • 会員限定商品を販売する
  • 限定メルマガで情報を提供する
  • ロイヤルカスタマーの声を反映した商品・サービスを企画する
  • ロイヤルカスタマーのみが参加できるコミュニティサイトを作る

ロイヤリティプログラムは自社の利益に貢献している顧客を優遇するという企業姿勢を伝えることができ、企業に対する信頼を高める効果も期待できます。

顧客に特別感を与えることで、高いロイヤリティを醸成できるでしょう。

ロイヤルティプログラムを設ける際は、単なる割引や特典の付与ではなく、良質な顧客体験を提供するという観点が必要です。何を提供すれば顧客特別感を与えるかは、扱う商品・サービスによって異なるため、十分検討するとよいでしょう。

ロイヤルカスタマー戦略でロイヤルカスタマーを育成することで新規顧客獲得のコストを削減し、収益の安定化を図れます。口コミなどによる宣伝効果も期待できるでしょう。ロイヤルカスタマー戦略を成功させるには、ターゲットの明確化などの手順を踏み、顧客との接点を増やすなどの施策が必要です。

ロイヤルカスタマー戦略の実施には、ツールの活用も役立ちます。コミュニティ運営の構築をサポートするcoorum(コーラム)は顧客ロイヤリティを醸成し、ロイヤルカスタマーの育成に貢献します。ぜひご活用ください。

会社全体で取り組みを行う

ロイヤルカスタマーの育成には、営業部門だけでなく、マーケティング部門やアフターサービス部門、カスタマーセンター部門などが一貫して取り組む必要があります。

商品・サービスの印象は、商品・サービスの品質や購入後のサポートなど、多くのプロセスが影響するためです。

さまざまな手法で蓄積されたデータやマーケティング施策の進捗などを、会社全体で共有して取り組んでいくとよいでしょう。より効率的にロイヤルカスタマー戦略を行っていくには、分析に役立つツールやシステムの導入がおすすめです。

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ツールを活用したロイヤルカスタマー戦略の事例

ロイヤルカスタマー戦略を実践するにあたって、コミュニティの運用やロイヤルカスタマーの分析に役立つツールを導入する企業が増えてきています。ツールを活用することで、効率的にマーケティング施策に取り組めるでしょう。

ここからは、ツールを活用したロイヤルカスタマー戦略の事例として、以下の5社をご紹介します。

  • 株式会社コメダの事例
  • 株式会社ニップンの事例
  • サイボウズ株式会社の事例
  • ホノルルマラソン日本事務局の事例
  • 株式会社エポスカードの事例

ぜひ、ロイヤルカスタマー戦略を行う際の参考にしてみてください。

株式会社コメダの事例

全国にフルサービス型の喫茶店を展開する株式会社コメダは、ファンコミュニティ「さんかく屋根の下」を立ち上げるために、コミュニティ運営ツール「coorum(コーラム)」を導入しました。

定期的に機能が拡充されていくため、今後もいろいろなことへチャレンジできると感じたことが導入の決め手です。

coorumは導入後の支援も充実しており、レスポンスの速さや打ち合わせでの提案内容には期待以上の嬉しさを感じています。目線を合わせ、一緒にやっていこうという雰囲気が好印象です。

コンテンツごとのPV数や顧客ごとのデータを取得することもできるため、取得したデータをもとにオンライン上での体験価値を向上させ、ブランドへの愛着や満足度につなげていくことを今後の目標としています。

導入事例インタビューはこちら▼
「より多くのお客様が交流ができる」コミュニティを。株式会社コメダが運営する「さんかく屋根の下」がcoorumを選んだ理由。

株式会社ニップンの事例

小麦粉の加工品や冷凍食品などを展開している株式会社ニップンは、「ニップン アマニコミュニティ」の立ち上げに伴い、「coorum(コーラム)」を導入しました。ユーザビリティが良好でわかりやすいUIだったこと、コード不要で使いやすかったことが導入の決め手です。

コミュニティオープン当初にはできなかったことも、機能拡充によって実現できるようになったため、満足しています。

coorumでコミュニティを運営していくなかで、コミュニティユーザーの「生の声」を多く聞けました。ユーザーの生の声は、商品リニューアルやプロモーションを後押しする心強い味方となっています。

導入事例インタビューはこちら▼
「ニップン アマニコミュニティ」で見つけた新たな顧客像と、毎日のアマニ習慣が広がる秘訣とは?

サイボウズ株式会社の事例

グループウェア「kintone」を開発・提供するサイボウズ株式会社は、誰でも参加できるユーザーコミュニティ「キンコミ」の立ち上げに伴い、「coorum(コーラム)」を導入しました。

サポートが充実していたこと、誰でも気軽に参加できるUI・UXにできると感じたことが導入の決め手です。

キンコミは、当初の想定以上にうまく回っています。以前のコミュニティでは発言できなかった方も気軽に参加できるようになったことで、「参加する人が増えてほしい」という想いが実現したことが一番の成果です。

今のところコミュニティとして成功していますが、それでもまだ発言や書き込みに抵抗を感じている方のためにも、今後はそのハードルをできる限りなくしていくことを目標として掲げています。

導入事例インタビューはこちら▼
“すごくなくてもいい” サイボウズ社が提供するユーザーコミュニティ「キンコミ」の参加者が増え続ける理由

ホノルルマラソン日本事務局の事例

ホノルルマラソンのエントリー管理や、マーケティングを担っている「ホノルルマラソン日本事務局」は、ファンのエンゲージメントや顧客体験の向上を目指して「coorum(コーラム)」を導入しました。

コミュニティ施策の運営に必要なノウハウを多く持ち合わせていたこと、サポートが手厚く、心強く感じたことが導入の決め手です。

実際にコミュニティ施策を行ってみて、ポイント制度によってユーザー熱量が可視化されている点が魅力だと感じました。ポイント制度があることで、ユーザーが楽しみながらコミュニティに参加できていると実感しています。

ユーザーの熱量が伝播し合い、オンライン上でもホノルルマラソンの魅力を感じていただけるようなコミュニティを作り上げていくことが、今後の目標です。

導入事例インタビューはこちら▼
ファンのエンゲージメント及び顧客体験の向上を目指し、coorumを導入。コミュニティを通してユーザー同士がコミュニケーションを取ることで、熱量の伝播・ファンの拡大を目的とし、ホノルルマラソンOHANAを運営中。

株式会社エポスカードの事例

アニメやゲームなど、さまざまな作品とコラボしたクレジットカードを発行している「株式会社エポスカード」は、顧客体験・顧客満足度の向上を目指して「すみっコぐらしエポスクラブ」を始動しました。そのためのツールとして、「coorum(コーラム)」が導入されたのです。

ユーザーの登録・利用がスムーズに行える設計になっており、会員同士のコミュニケーションが活性化されるようなUI・UXだったことが導入の決め手です。

coorumは管理画面の分析機能が充実しているため、顧客の行動を見える化し、顧客体験や顧客満足度の向上を目的とした施策の改善に役立っています。とくに、ランク制度はユーザーのモチベーションにつながっているため、好印象です。

これまで以上にコミュニティを発展させ、「エポスといえばコミュニティ」といわれるぐらいの価値を提供していくことを今後の目標としています。

導入事例インタビューはこちら▼
ユーザー視点での最適なUI/UXがcoorum導入の決め手に。更なる顧客満足度の向上を目指して、コミュニティ施策に力を入れ、オンライン上での顧客接点の強化を実施。

ロイヤルカスタマー戦略で事業を盛り上げよう

企業が長期的に売上を伸ばしていくには、ロイヤルカスタマーの獲得が重要です。ロイヤルカスタマーが増加すれば、新規顧客獲得のコストを抑えられるほか、口コミによる宣伝効果も期待できます。

ロイヤルカスタマー戦略を行う際は、自社のロイヤルカスタマーを明確にすることが必須です。ロイヤルカスタマーを明確にしたうえで、さまざまな手法・ツールを駆使しながら効果測定・分析を行っていく必要があります。

ロイヤルカスタマー戦略に会社全体で取り組んで、さらなる事業の盛り上がりを目指しましょう。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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