
さまざまな企業で導入されているオンラインコミュニティは、なんとなく理解しているという人が多いです。もしあなたが実際にオンラインコミュニティに参加しようとする時のために、ここでしっかりと意味や種類などを知っておきましょう。
オンラインコミュニティとは?

オンラインコミュニティとは、職業が同じ、趣味が同じ、好きなものが同じ、悩みが同じなど、ある共通点をもとにインターネット上で形成された集団のことです。
オンラインコミュニティは住んでいる場所が異なる人同士や、生活する時間帯が異なる人でも交流できるのが特徴です。
オフラインコミュニティとの違い
オフラインコミュニティとは、実際にユーザーに集まってもらい交流やサービスに関するディスカッションなどをしてもらう場のことです。オフラインコミュニティはオンラインコミュニティに比べると、準備コストが大きく、取り組みハードルが高い点がネックとなります。
具体的には、場所や時間が限定されるため集客に工夫が必要です。そのほかにも会場確保や、資材や資料の準備など担当者の負担となるポイントが多くあります。
もちろんオフラインコミュニティには実際にユーザーに会えるため、親密な関係になりやすいといった強みもありますが、「取り組みさすさ」という点では、オンラインコミュニティと大きな違いがあります。
オンラインコミュニティが普及した理由
オンラインコミュニティが普及した理由はITインフラが発展したためでしょう。昔は情報をテレビや情報誌、新聞、専門書から受け取るのが当たり前でした。これでは、多くの情報を集めることも、自分が発信者になることも難しいです。
しかし今は、インターネットからコアな情報を誰でも気軽に受け取ることが可能となり、今まで複数の専門書を購入しないと分からなかったような情報も、誰でも簡単に得られるようになりました。
また、インターネットを通じて誰でも自分の意見を発信できるようになっています。個々の知識が豊富になったこと、情報発信できる環境が整ったことを背景に、オンラインコミュニティが広がってきました。
オンラインコミュニティの主な種類

一口に、オンラインコミュニティと言っても様々な種類があります。
例えば、アイドルのファンサイトもオンラインコミュニティであり、知恵袋など知識共有サイトもオンラインコミュニティです。以下では、代表的な6つのコミュニティ形態を紹介しています。
オンラインサロン
オンラインサロンとは、スキルを身につけることや趣味の共有などを目的としている月額会員制のオンラインコミュニティです。
ビジネスやダイエット、レストラン情報、最新ファッショントレンドなど、様々なテーマのコミュニティが存在し、専門家や著名人が参加者に対して情報の発信を行っています。
企業コミュニティ
企業コミュニティは、企業が自社のサービスや製品の改善のために形成しているコミュニティのことです。
会員制サイトが用意されていることが一般的ですが、ビジネス向けアカウントであるLINE@や、Facebookなどを活用してコミュニティを作る企業も増えています。
企業側には、ユーザーの声を聞くことができる、ユーザーたちが盛り上がる、強いファンになってくれるといったメリットがあり、ユーザー側には好きな企業に関われる、他のユーザーの意見が聞ける、限定商品や情報などが手に入るなどのメリットがあり、双方にwin-winな関係が作られています。
ファンコミュニティ
ファンコミュニティとは、芸能人やブランド、アミューズメントパークなど、ヒトやモノに関するファンが集まるコミュニティのことを指します。参加者たちは自分の好きなことを共有できる仲間がほしい、限定のアイテムなどを手に入れたいと言った思いでコミュニティに参加しています。
最近では、新人のクリエイターが継続的な資金をもらうためにファンコミュニティを形成するケースも増えてきています。仲間同士で盛り上がる場所という役割以外に、自分の好きなヒト、モノ支援するという役割も担っています。
ナレッジ共有コミュニティ
ナレッジ共有コミュニティとは、Wikipediaのような多数のライターが情報を提供しているサイトや、Yahoo知恵袋のようなユーザー同士で情報のやりとりをするサイト、noteのような個人のナレッジを共有するサイトのことを指します。
また、一般ユーザー向けのナレッジ共有コミュニティ以外にも企業の従業員のみが参加できるというようなクローズドなコミュニティも存在します。
ナレッジ共有コミュニティは会員登録なしで利用できるものが多いので、トラブルに発展することもあるようです。作る側も、参加する側もユーザー間トラブルや情報の正誤性に関するトラブルには最新の注意を払わなくてはいけません。
趣味コミュニティ
趣味コミュニティとは、名前の通り共通の趣味を持った仲間づくりをしたり、より趣味を追求するために形成されるコミュニティです。現在確認できるだけでも、旅行や音楽、DIY、グルメなど数え切れないほどの種類のコミュニティがあります。
情報の交換場所として用いられることが多いようですが、コミュニティによってはオフ会でお互いの作品や技術を自慢し合ったり、イベントを開催して趣味人口を増やしたりと、特有の活動を行っているケースもあるようです。
地域コミュニティ
地域コミュニティとは、その地域に住んでいる人たちが普段抱えている問題を解消するための情報交換をしているコミュニティです。最近では不用品を売買、譲渡などを行う「ジモティー」などのサイトが有名です。
そのほかにも、地域限定の情報サイトであったり、地域に関わる事業の人材応募などを行うコミュニティも多く存在します。
地域での直接的な交流が減ってきている現代において、地域コミュニティは住民達の結束を促し、地域問題を解決するための重要なツールとされています。
オンラインコミュニティの魅力【ユーザー視点】

オンラインコミュニティにはその場を提供する企業側、その場を利用するユーザー側、双方に魅力があります。ここからはオンラインコミュニティの魅力を、ユーザー視点でお話ししていきます。
好きなヒトやモノに自分の意見を届けることができる
オンラインコミュニティに参加する最大の意義は自分の意見を届けることができるという点にあります。
例えば、自分の好きなサービスが自分の意見によってより良く改善されたとしましょう。それはサービスのファンにとっては非常に喜ばしいことです。
自分の知識が必要とされること、興味のある分野を盛り上げることに貢献できることはコミュニティに参加する大きな理由となるでしょう。
学びの場、出会いの場として活用できる
オンラインコミュニティの中には、オンラインサロンのような新たな知識を学べるコミュニティがあります。そのため、コミュニティに参加することを通じて自分のスキルアップを図ることができます。
企業に貢献することも魅力的ではありますが、こうした自分磨きができることもコミュニティに参加する魅力の1つでしょう。また、同じことに興味があるメンバーが集まるため、学びの場としてだけでなく出会いの場としても活用できます。
知識を共有することで満足感が得られる
オンラインコミュニティには、ユーザー同士で質問をすることができる機能が設けられていることがあります。
コミュニティの初心者にとっては、単純にわからないことがわかるという点で便利でしょう。
また、コミュニティの熟練者にとっても自分の知識が役に立つため、満足感が得られるでしょう。ときには多大な感謝や賞賛を受けることもあり、所属するコミュニティが自分の居心地の良い場所となります。
オンラインコミュニティの魅力【企業視点】

オンラインコミュニティは企業側にも魅力があります。コミュニケーションの場を提供するとどんな良いことがあるのでしょうか?
ユーザー属性やペルソナを把握できる
オンラインコミュニティの場をつくると、ユーザー情報を把握しやすくなります。ユーザーがどれくらいの年齢層なのか、男女比率はどれくらいなのか、趣味にかける大まかな費用、どの商品やサービスが人気か等が分かります。
集めた情報を基に商品やサービスのペルソナを把握できるので、新しい商品やサービスを開発する際の基準にできます。本来、企業が時間を割かなくてはいけない、リサーチ・マーケティングの手間を大幅にカットできます。
ユーザーと直接のやりとりをすることはコミュニティでなく、問い合わせなどの機能でもできますが、ユーザー同士のやりとりを見ることはなかなかできません。企業とユーザー間よりも、ユーザー同士の方が本音が引き出しやすいので、適切なペルソナの設定ができます。
ユーザーの率直な意見を集めることができる
オンラインコミュニティは、常にユーザーからの意見を集めることができるため、サービスの改善に役立ちます。アンケートなどでも、意見を集めることはできますが、コミュニティに比べると本音を書きづらいですし、その場で意見を考えなくてはいけません。
オンラインコミュニティのように、ユーザーが思いついたときに気軽に書き込みができる場所であれば、ユーザーが本当に困っていることが分かるでしょう。
商品開発、サービス企画、在庫発注などさまざまな部分で無駄をなくして、より顧客目線のサービスが提供できるはずです。
ユーザー同士が問題を解決してくれる
オンラインでの問い合わせフォームを用意していたり、24時間電話相談窓口を用意していたりするとユーザーから信頼されます。しかし、こうした手厚いサポートをするにはコストがかかるため、企業側からすると極力抑えたいところでもあります。オンラインコミュニティがあれば、ユーザー同士で相談して解決をしてくれるため、企業が担当者を立ててずっと張り付いている必要がありません。
また、ユーザー側からしても企業の窓口に電話で問い合わせをするよりも、オンラインで同じユーザーに聞くほうがハードルが低く、実行に移しやすいため、双方にメリットがあります。
また、ユーザー間の会話がアーカイブとして残るような設定にすれば、今後同じ疑問を持つユーザーが現れてもすぐに疑問を解決してあげられます。特にサービスに関する知識が少ないユーザーにとって、過去の質疑応答は不安要素をなくすために便利な機能となるでしょう。
ユーザーに当事者意識が生まれ定着してくれる
問い合わせフォームにメールを送っても問題が解決すればそれで交流は終わります。
一方、オンラインコミュニティなら、定期的に参加し発言しているうちに、自分もコミュニティの一員であるという意識が生まれてきます。
企業への親近感が増すことで、利用者が他社のサービスと自社のサービスを比較検討した際に、自社が優位に立つ可能性が大きくなります。ユーザーに当事者意識が生まれることで、継続的な関係が作れるでしょう。
継続的な関係を築くことができれば、企業に対する関心が増え、コミュニティ内での活動も活発になります。こうした良いサイクルを作ることを心がけましょう。
オンラインコミュニティはその場を提供する企業側も、利用するユーザー側もメリットが多いです。ゼロからはじめるとしても比較的手間がかからず、維持するのも簡単なのですでに多くの企業で取り入れられています。
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