ファンコミュニティcoorumの具体的な運用方法とは? もたらされる効果から具体的な事例まで徹底解説!

2023-07-10 コラム

コロナ禍による経済活動やマーケティング環境の変化が著しい昨今、企業はいかにして外部要因に左右されない、安定した売り上げ基盤を確立していくのかが問われています。 そのような情勢下で注目されているのが、企業によるファンコミュニティを活用したマーケティング活動です。 ファンコミュニティを活用したマーケティング活動に期待できることとして、主に「LTV向上」「顧客理解」「UGC」の3点が挙げられます。

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本記事では、ファンコミュニティがどのようにして上の3つの期待を達成していくのか、更にはコミュニティツールである「coorum」を活用したファンコミュニティ運営とマーケティング活動について解説していきたいと思います。

ファンコミュニティについて

ファンコミュニティとは、商品やブランドを熱烈に応援するファンと企業、ファン同士がコミュニケーションを取ることが出来る場所のことを指します。近年、市場縮小やクッキー規制など、マーケティング環境は大きな変化を迎えています。その中で、頑強な売上基盤を支えるロイヤル顧客を育成し、ファンストパーティデータを収集することができるファンコミュニティの重要性は、年々高まり続けています。

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では具体的に、どの様にファンコミュニティを運営していけば良いのでしょうか。本記事では、ファンコミュニティに期待できる価値とその運用について詳細に解説していきます。

ファンコミュニティに期待できる、3つの効果

企業がファンコミュニティの導入によって得られる効果として、「LTVの向上」、「顧客理解」、「UGC」の3点が挙げられます。

期待① 「顧客生涯価値(LTV)を高めるべく、ロイヤル顧客を増やす」

LTVとは「Life Time Value」の略称のことです。顧客がサービスを利用している期間内(=顧客ライフサイクル)に、企業に対してどれだけの利益をもたらしてくれるかを示すマーケティング指標になります。 つまり、長期間継続して購入・利用する顧客ほど、LTVが高いということになります。企業への売上貢献が高い顧客(=ロイヤル顧客)をいかに増やしていくかが求められているマーケティング環境において、そのような顧客にとっての企業の価値を高めていくことで、中長期的な安定した売上基盤が構築されます。

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期待② 「顧客の声をいつでも自由に収集・活用できるためにロイヤル顧客と繋がる」

本来、顧客の声(VOC)の収集には多大なコストを要してきました。しかし、ファンコミュニティではそれらをより現実的な低コストで集めることができるようになります。

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加えて、ファンコミュニティはインセンティブ(行動変容を促すための報酬)を必要とせず、素早く、質の高い核心をついた顧客の声を収集することができるという特徴があります。なぜなら、ファンコミュニティはその会社の商品・サービスを好んで利用している顧客が集まる場所という前提があるからです。そのため、顧客側から寄せられる声も、より高い質のものが集まるのです。また、これらのVOCに寄り添ったマーケティング活動は、いわゆる「顧客起点のマーケティング」と呼ばれ、近年注目を集めています。

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期待③ 「膨大な顧客の口コミ(UGC)を醸成する」

一般に口コミといった、顧客による別の顧客への波及型のコンテンツをマーケティングではUGC(=User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)といいます。これは、企業のプロモーションにかかわらず顧客が自ら発信を行うことなどをいい、企業にとってアプローチが困難な未認知層への拡散などが主な期待です。 また、ファンコミュニティの中で醸成されるUGCは、SNSを通して拡散されることで、新規顧客の獲得に貢献していきます。即ちファンコミュニティとSNSを両軸で利用することで、マーケティング活動でUGCを活用でき、UGCの「醸成」と「拡散」を実現することができると言えます。

ユーザーがつくるコンテンツでマーケティングを!UGC(User Generated Contents)について解説

それでは、ファンコミュニティでは何を追求することによってこれらのLTV/顧客理解/UGCを達成することができるのでしょうか。次の項目では「どんな数字を」「何を目標に」「何を指針に」ファンコミュニティで追求することで、最終的にマーケティング目標の達成できるのかということについて説明していきます。

価値あるファンコミュニティとは

ファンコミュニティにおける期待を達成する上で追求すべきこと、それは「交流の総量」です。 ここでは、「なぜ交流の総量が重要なポイントなのか?」を解説しつつ、同時に陥りがちな誤った追求の対象についても触れていきます。

結論、ファンコミュニティは交流を育んではじめて、期待する成果が得られます。時間をかけて、しかし確実に育んでいくという意味で、いわば「農耕型」の施策ということができるのかもしれません。ファンコミュニティという環境で交流を育んでいくことで、ある程度の時間はかかるものの、着実に期待を達成することができます。

ここで一つのあるファンコミュニティのグラフを見ていただきます。

このファンコミュニティでは、初期の交流こそ多くないものの、徐々に交流が増えていることがわかります。 実際のファンコミュニティでは、マーケティング活動の成果を急ぐあまり、焦りによってその段階によっては追うべきではない目標を追ってしまうことがあります。それが以下の3点です。

・投稿数

・会員数

・ログイン数

これらは全て、ファンコミュニティの立ち上げの段階で真っ先に追求される「数」です。確かに、ファンコミュニティをいざ立ち上げた際に「こんなに人が少なくて大丈夫なのだろうか」や「こんなに投稿が盛り上がっていないのはどうしてだろう」と不安になるかも知れません。

しかし、どんなに大きな集団でも、はじめはたった数人の同じ意志や目的を持った人の集まりにすぎません。そのたった数人が徐々に共鳴する人やその範囲を拡大していくことで、大きなインパクトをもつ集団へと成長していくということを、ファンコミュニティの立ち上げでは念頭に置いて設計していく必要があります。

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初期のファンコミュニティで追うべきではない、3つの数字

それでは、なぜファンコミュニティ立ち上げの際に、先の3つの数を目標として追うのが適切ではないといえるのでしょうか。

ファンコミュニティを立ち上げたばかりの頃は、当然ながら投稿が盛り上がることに期待できません。そのため、投稿を増やすためにキャンペーンを打ち出そうとしますが、それがどのように作用するのか、順序立てて解説すると以下のようになります。

「投稿数増やそう!」→「そうだ投稿キャンペーンを行おう!」→「投稿してくれたらインセンティブつけます!」→インセンティブ目的の単発投稿が乱立する→ユーザーにとってコミュニティが楽しくなくなる→「あれ、投稿が増えない、、、投稿をふやそう!」→初めに戻る…

上ような例からわかることとして、ファンコミュニティは「盛り上げていくもの」であることは間違いないものの、「どう盛り上げるか」がその後のファンコミュニティの環境の在り方を左右するということがわかります。今回挙げた例の問題点は、ファンコミュニティがインセンティブを得ることを目的とした場になってしまっているということです。これでは、ユーザーの参加動機が限定されてしまい、持続性に欠けてしまいます。

ここで改めて訴えたいのが、ファンコミュニティを立ち上げる初期の段階では「会員数・投稿数が目的にはならない」ということです。それでは本当の目的は何かというと、あくまで、ファンコミュニティで交流が発生した状態を作ることです。どんなに小さなファンコミュニティでも、交流が生まれていればいずれは周囲を巻き込んでいきます。従って、この項目の冒頭でも述べた通り、ファンコミュニティ立ち上げの段階で追うべきは「交流の総量」となるのです。

交流が増えることによる、ファンコミュニティでの良い効果は、

①ユーザーが定着する

②企業にとって価値ある投稿が増える

③多くの顧客のLTVが向上するきっかけとなりうる

が挙げられます。 ユーザーが定着すれば、より多くの顧客が離反せず、より継続的に関わるロイヤル顧客となっていきます。また、企業にとって価値のある投稿とは、すなわち企業が本当に得たい顧客の声です。その声をもとに施策を展開していくことでLTVも向上し、良い循環ができていくというわけです。

交流のきっかけとなる「種火」を灯す

交流の火は、初めから燃え上がっているわけではありません。どんな大きな炎も、小さな「種火」があるはずなのです。 パラレルマーケターである小島英揮氏の著書である『コミュニティマーケティング』では「ファーストピンを狙う」や「種火を灯す」というという言葉によってそのことについて語られており、いかに「小さく盛り上げていくこと」から取り組むことが大切かが伺えます。

コミュニティにおいて「種火が灯っている状態」とは、ユーザー間で最初の「交流」が生まれている状態です。 「何人いればいい」ということでも、「頼んで投稿してもらえばいい」というわけではなく、コミュニティをやりたいというユーザーの中でごく少数のコミュニティユーザーが交流をしている状態こそ、種火がついている状態なのです。

ここからは具体的な事例紹介も交えて、交流の種火がいかにして広がっていくのかを解説していきます。

事例① 食品系D2C企業のファンコミュニティ

上のグラフから、開始月はそこまでユーザー間での交流がそこまで多くないことがわかるかと思います。しかし、翌月、翌々月と時間を追っていくにつれて、着実に交流が増えていることがわかります。 この交流が活発化してきた頃に、アレンジレシピなどのユーザー生成のコンテンツが生まれてきます。また「この商品のこんなところがほしい」「ここが好きなんです」といった、まさに”企業にとって価値のある投稿”が増えてくるのも同じ時期です。見落としたくないのは、初めは本当に一部の交流がから発生しているということです。

それでは、このような初期の「ちょっとした交流」が生まれるためにはどのようなアクションが必要なのでしょうか。元からコミュニティに対する期待値が高いユーザーがいれば、展開は予想するより早く進みますが、なかなかそういった状況に恵まれることは多くありません。そのため、運営から仕掛けていく必要があります。

コミュニティにふさわしい、最初の交流をどう生んでいくかということを考えた際に挙げられるポイントは以下の4点です。

①生活者にとって楽しい、意義のあるものであること

②単発で終わらず、参加期間が設けられていること

③参加にあたってコミュニティへの投稿とコメントが絡められていること

④はじまりと終わりの儀式があること

これらのポイントを踏まえ、実際にファンコミュニティを利用したマーケティングに成功した事例が、次で紹介するスポーツジムへのコミュニティの導入事例です。

事例② スポーツジムコミュニティ

コミュニティをご導入いただいたスポーツジムでは、次のようなルールをファンコミュニティの参加条件として掲げて、ファンコミュニティを始めました。

①「1ヶ月励まし合ってジムに行く習慣を作ろう!

②公募で参加者招集(あえてハードルを設けて参加意欲をはかる、振り分ける)

③顔合わせの会を実施、目標宣言

④参加者はジムに行ったら投稿・仲間の投稿を見たらコメントをつけあう

初期のメンバーにはこういった参加条件を設けましたが、交流が増えてからは参加条件にかかわらずファンコミュニティを運用することができるようになりました。初めの頃は条件として定められていた他のユーザーへのコメントも、自然に発生するようになってくるのです。

ここで、思い返したい価値観があります。それは、 「ユーザーにとって楽しいか」「自分も参加してみたいと思えるか」「価値があるものか」 ということです。 いくら仕掛け方が正しく見えてもそれがユーザーのためでなければ、はじめから成り立ちません。ファンコミュニティとは、企業とユーザーの双方の間に良い効果が生まれる仕組みであることが大事なのです。

交流を育てる

交流の火を絶やさないためには

交流の火がある程度ついてきたら、以下のような流れでのルーティン化ができるようになってきます。

①交流の総量と会員数は適切?

②誰と誰が交流してる?キーパーソンは?

③どんな行動を取ってる?何が交流のきっかけ?

④会員数を増やしながら、施策に落とし込む。

実際に交流が生まれていてもそれが局所的になっていないか、また、ユーザーをセグメントした際にその比率は適切かなど、偏りがないことについても注視していかなければなりません。

一方で、これらをコミュニティとして運営していく上では、これまれファンコミュニティを導入したことがない企業にとってハードルとなるのではないかという懸念があるかと思います。しかし、これらは全てcoorumの管理者ツールで簡単に管理・把握することができます。

coorumによる支援

我々はロイヤル顧客プラットフォーム「coorum」を提供しています。 ファンコミュニティを立ち上げ、運用していくにあたって重要なことはファンコミュニティの設計です。 私たちはその立ち上げから運用をしっかり伴走し、企業の皆様にとってLTVを最大化させるためのお手伝いをしていきます。

①事業課題についてのヒアリングと合意

②事業課題に対して還元すべきファンコミュニティの成果

③どのようなファンコミュニティにしていくべき?

④想定される交流規模 -雰囲気 -コンセプト

⑤どのように火種を点けるのか

⑥育成サイクルを回す

これらを上流から下流までサポートさせていただきます。

まとめ

今回の記事では、ファンコミュニティの立ち上げから陥りがちなポイント、そして、どのように活性化させていくのかについて解説してきました。

ファンコミュニティは、それが好きな人たちが集まるわけですから、そこへの期待は自ずと高まります。しかし、原則である「ファンコミュニティの価値を生む源泉は交流の総量である」ということを見失ってしまうと、ファンコミュニティはたちまち退屈な環境へと下がっていってしまいます。はじめのうちはその期待をぐっと堪えて、まずは交流を増やすことから初めていけたら良いのだと思います。

最後のまとめですが

・初めからファンコミュニティが盛り上がることはない

・そのために運営が仕掛ける

・種火を灯す

・火がついたらサイクルを回して、ファンコミュニティ全体を盛り上げていく

この記事が、企業の皆様のマーケティング活動を盛り上げる手助けを私たちに任せていただくきっかけになりましたら幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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