顧客との共創を⽬指す3業界のブランドセッション。コミュニティって実際どうなの?

2023-09-14 イベント

2023年6月20日に開催した宣伝会議主催のオフラインイベント「青山Marketing Collection」では、「coorum」をご導入いただいている株式会社エー・ピーホールディングスの野本様、株式会社ルネサンスの則本様、株式会社ニップンの三澤様にご登壇いただきパネルディスカッションを行いました。モデレーターは株式会社Asobica 佐藤が務めました。

登壇者紹介

野本 周作 様 株式会社エー・ピーホールディングス

代表取締役 社長 執行役員 CEO

松下電工(現・パナソニック)でリサーチャー並びに社長のスピーチライターとしてキャリアを積んだ後、ローランド・ベルガーを経て、複数のBtoCサービス企業で事業統括、経営企画・マーケ責任者を歴任。その後、「塚田農場」等の外食ブランドを運営するエー・ピーホールディングスに入社。COOを経て、22年11月に創業社長からバトンを受け継ぎ代表取締役 社長執行役員 CEOに就任。

則本 真奈 様 株式会社ルネサンス

コミュニケーションデザイン部

株式会社ルネサンス入社後、店舗でフロント責任者を経験し現在は本部のコミュニケーションデザイン部に所属。主にスポーツクラブに通うお客様に対し、オフラインだけでなく、オンラインでもコミュニケーションを取ることで、LTV向上に繋がる施策を企画・推進中。2022年10月にスポーツクラブ会員向けのファンコミュニティサイト「RENAISSANCE Colors」を開設し、サイトマネージャーを務めている。

三澤 英絵 様 株式会社ニップン

食品事業本部 加工食品部

理系総合職として新卒入社。研究員として、ベーカリー製品の開発を担当。
その後、企画開発部に配属され、家庭用冷凍商品の企画開発に従事した。
現在は加工食品部において、データ分析をもとにした開発・営業支援を行い、昨年よりコミュニティサイト「ニップン アマニコミュニティ」を運営する。

佐藤 頌太 株式会社Asobica

事業推進室 / 責任者 セールス部 / 営業推進マネージャー

明治大学理工学部卒業、千葉大学大学院教育学研究科修了。神奈川県相模原市出身。新卒入社のGunosyでブランド企業様にプロモーション施策のセールスに従事。またサイバーエージェント社との合弁会社で、動画アドネットワーク、ブランドマーケティング支援事業を立ち上げ、プロダクト開発からセールスからカスタマーサクセスまでの全てに従事。Gunosy退職後に独立し、ファンづくり専門会社を創設。飲食店外食チェーンやメーカー企業の顧客起点マーケティング支援を行う。2021年4月にAsobicaに入社。

コミュニティ施策が再注目されている背景とは?

Asobica 佐藤:弊社はノーコードでオンラインコミュニティを作れるcoorumというサービスを提供しており、大手食品・飲料・消費財メーカーや飲食店外食チェーンをはじめとした企業様のマーケティング支援をさせていただいています。オンラインコミュニティを運営している理由や、実際に手掛けられている施策などは、各社大きく違いますので、具体的なお話をこの後伺っていこうと思っております。

Asobica 佐藤:具体的な施策の話に移る前に、今オンラインコミュニティが再注目されている背景について、私からお話させていただきます。大きな影響があったのはやはりコロナ禍の環境変化です。外出する人がいない日々で外食業は大きなダメージを受けましたし、その他の業界でも材料費の高騰による値上げに対抗していかなければなりません。

また、基本に立ち返れば人口減少や急速な技術力の向上などにより市場競争は激化しています。そのような状況では、お客様が何を買うかを検討するときに、機能的価値や企業主体のプロモーションだけではなく、ブランドの社会的な評価やどのような体験が得られるのかが重視されるようになってきています。社会的評価や体験価値を高めるため、お客様と良好な関係を築いていこうと考えた際に、注目されているのがオンラインコミュニティなのです。

3業界の企業がコミュニティに取り組むそれぞれの理由とは

コアなファンと繋がり、顧客インサイトを発見したい

ニップン 三澤様:当社は創業127年を迎える総合食品メーカーで、2021年に日本製粉から社名変更しました。パスタなど小麦粉の加工品や、冷凍食品、健康食品など多角的な事業展開を行っています。

オンラインコミュニティを展開しているのは、健康食品分野の「アマニ」です。アマニというのは、亜麻という植物の種子で、ヨーロッパなどでは日常的に食べられている胡麻のような食品です。魚に含まれるDHAやEPAの仲間であるα-リノレン酸という油を含んでおり、世界保健機関(WHO)などの世界の専門機関や、日本でも厚労省が摂取を推奨しています。

アマニは、まだ、日本では馴染みがない食品ですので、コアなファンと繋がり、顧客インサイトの発見や情報配信などをしていくことを目的としてオンラインコミュニティを昨年立ち上げました。レシピ投稿や「アマニ継続チャレンジ」など参加型コンテンツを中心に展開しております。

全国にある店舗の垣根を超えた交流を実現したい

ルネサンス 則本様:当社は「生きがい創造企業としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案する」という企業理念のもと、スポーツクラブや介護・リハビリ、企業の従業員様向けに健康づくりを支援させていただくなど健康分野におけるサービスを多岐にわたり展開しております。

その中で、スポーツクラブの会員様に向けて、全国にある店舗の垣根を超えた交流を実現できるようにとオンラインコミュニティを立ち上げました。日々の運動記録をシェアしあう「運動ひろば」は人気コンテンツとなっています。

お客様同士の交流はもちろん、私たちルネサンススタッフとお客様の交流も深めたいという想いもあり、ルネサンスからの情報発信も行っております。また、「顧客の声起点の商品・サービスの設計」をしていきたいという願いがあり、その実現の第一歩として「PBプロテインの新フレーバー共創企画」を進めております。

お客様の深層心理を知りたい

塚田農場 野本様:当社は居酒屋「塚田農場」を展開している会社です。私自身のキャリアはパナソニック電工のリサーチャーからスタートしました。飲食業界はスピードが求められることから課題があったら原因の特定にまで行きつかないタイミングで、とりあえず打ち手を投下していく傾向があるのですが、当社は、そんな中でもお客様が何を考えて、何を求めているのかという深層心理を調べていくということをやりたくてオンラインコミュニティを始めました。

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、当社は産地直結を強みとする居酒屋です。宮崎、鹿児島では自分たちで地鶏の養鶏をして、北海道ではその地鶏の加工をするという川上まで押さえたビジネスモデルをとっています。その甲斐あって普通だったら客単価6,000円となるところ、当社は客単価3,000円台半ばでの提供を実現しています。

2004年に4社の農家さんとスタートして、2012年に上場、2013年には年間約40店舗を出店と成長を遂げました。この成長のポイントは2点あり、1つはブランディングされた食材を使った美味しい商品を提供できたこと。もう1つは産地食材や生産者に共感したスタッフによる感情移入型の接客ができたことです。

実は店舗のアルバイトスタッフが浴衣を着ているのにもモチーフがあります。塚田農場というのは宮崎県日南市の塚田地区というところに最初の農場を持ったからなのですが、そこに「塚田神社」というところがあり、農作物の収穫に感謝する夏祭りをイメージしています。これもおいしさをしっかり伝えていくための方法のひとつです。

休業をきっかけにコミュニティを開設。お客様の声を取り入れ「選ばれるブランド」へ

ルネサンス 則本様:当社を含めスポーツクラブ業界はコロナ禍の影響が大きく、第1回の非常事態宣言下では全館休館を求められるなどを経て、通っていただくお客様が3割ぐらい減ってしまいました。

ただ一方で、現時点でもまだ回復途上にあることから、会員数の減少はコロナ禍、という理由だけでなく、数あるサービスの中から「選ばれなくなった」ということであり、「お客様からの期待に応えられなかったのでは」という反省も必要だと考えています。

当社はコロナ禍以前より、ホスピタリティという言葉を大切にしてきましたが、コロナをきっかけにより一層「お客様のことをもっと知りたい」「何に期待してもらっているかを知りたい」と考えるようになっていきました。

そんな中で私自身が「ファンベース」について学ぶ機会がありました。会社の方向性が「ファンベース」の考えと合致していたこともあり、ファンベースな取組の一環として、オンラインコミュニティを提案、チャレンジすることとなりました。

弊社のオンラインコミュニティは、①店舗の垣根を越えたファン⇔ファン,ファン⇔スタッフの交流の実現すること、②お客様の声に耳を傾け「どうしたらもっとルネサンスのことを好きになってもらえるか」を考えるためのヒントを集めそれを社内に広めることを目的としています。もっとルネサンスを好きになってもらえたら、ルネサンスに通い続けてもらえて、結果的にはLTVの向上に繋がると考えています。

ファンを大事にしたいのであれば、「ファンの声に耳を傾けることが大切」だと思います。せっかく伝えてくださった声ですので、1つ1つ真摯に向き合って、応えていきたいと考えています。私たち本部の企画部門とお客様が直接お話できる場は非常に貴重ですし、本当にあってよかったなと思っています。

塚田農場 野本様:質問してもいいですか?店舗で実際にお客様に会っているのに、オンラインコミュニティを始めたのはどういった意図があるんですか?僕たちの場合は店舗でお客様の声を聞こうとすると、酔っ払っていて、本音を聞きにくいんですよね。

ルネサンス 則本様:そうですね。コロナ以前に比べ直接お客様と接点が持てる時間が減り、お客様も顔見知りのスタッフや仲良くしているトレーナーに直接「日頃の想い」や「ちょっとしたもやもや」を伝える場面が減ってしまったと思います。心理的安全性の面でもオンライン上でのコミュニケーションであれば、プラス面もマイナス面も伝えやすくなることを期待しています。

メーカーとお客様が直接つながり、コミュニティでファンを増やす

Asobica 佐藤:ありがとうございます。続いてニップンさん、メーカーということで店舗があるのとはまた違うかなと思っております。お願いいたします。

ニップン 三澤様:やはりメーカーは実際のお客様と直接つながることができないのが、店舗型との大きな違いだと思います。アマニの販売をはじめて20年経ちますが、2018年から2020年頃にテレビ番組などで取り上げられ急激に伸びましたが、その後定着せず、右肩下がりになってきています。

ただ、その中でも継続してアマニを食べ続けている方はいらっしゃるんですね。その方々がどのように使っているのか、どういうニーズや困りごとがあるのか、その中に何か定着のヒントがあると思っています。しかし、メーカーが直接お客様とつながるのは難しいので、それなら、オンラインコミュニティという場で、コアユーザーに集まってもらい、話を聞いてみよう、ということになりました。

また、実はアマニはロシアが生産量世界1位なんです。当社のアマニ油はカナダから輸入しているのですが、世界的な需給バランスや、その他諸々の価格高騰の影響を受け、今後の値上げは避けられない見込みです。そのような状況でも、アマニファンを増やしていくことで、当社を選んでいただくことが増えれば中期的な売上基盤の強化につながるとも考えています。

2月1日にオープンしてから、「アマニ継続チャレンジ」という企画に今日時点で148日連続で毎日投稿してくださっている方がいらっしゃいます。ご自身の健康記録としてご記入いただいてるようですが、仲間がいるから続けられるというモチベーションにもなっているようです。

Asobica 佐藤:はじめにご相談いただいた際に、ロイヤル顧客、値上げしても継続してくれるお客様を増やしていきましょうというお話をさせていただきましたよね。ファン化する方向性やUGCの収集の方向性も検討しましたが、やはりVOC(お客様の声)を収集して商品開発などに活かしていけるようにお客様を獲得していきましょうという方向に固まりました。

ニップン 三澤様:私自身は調査やデータ分析も担当しているのですが、実際に使っているユーザーに直接話を聞くと、かなりのコストがかかります。オンラインコミュニティでは常時つながれるお客様がいらっしゃる状況に非常に感謝していて、価値があることだと感じています。

「おいしい塚田農場」が好きなファンの声を聞き、コミュニティで発信したい

Asobica 佐藤:続きまして、塚田農場さんにはより具体的な、少し生々しいお話をお願いしております。野本さんよろしくお願いします。

塚田農場 野本様:当社がオンラインコミュニティを取り入れた理由はシンプルに2つです。1つは僕らからのアウトプットをしっかりお客様に届けたい。もう1つはお客様からのインプットの精度を高めたい。当たり前の情報のやり取りができるようにしたいということです。

そういう悩みを持っているときにとあるマーケティングカンファレンスの後の打ち上げで佐藤さんが僕の前にいて、2人で話しているときに「それうちでできますよ」と言われたのがはじまりで、実は比較検討を全くせずにcoorumを始めました。

ここに至るまでを振り返ると、2012年に上場し急速に店舗数を増やして展開したわけですが、他社に模倣されたり、「〇〇鶏」を謳う店の登場や牛肉、豚肉のブランド化も進むなかで地鶏の相対的価値が下がってしまいました。2,000円台で呑める大衆居酒屋や5,000円を超える客単価の専門店も出てきて選ばれにくい状況になってしまっていました。

店舗では、リピートしてほしいという気持ちからご飯の形をハート型にして提供するのがいつの間にか標準化され、その作業に集中するあまり、お客様からの「すいません!」という呼びかけに気づかないなどズレが発生していました。

そんな中でも2019年の年末にかけて少しずつ回復してきていたのですが、そこにコロナ禍です。2020年の2月3週目までは好調をキープしていたのに、4週目に政府が大規模なイベントの中止を要請したのをきっかけに日を追う毎に客数が激減。都知事が夜の飲食店利用自粛を求めた翌日の3月31日に全国チェーン店ではじめての全店休業を発表し、その2日後の4月2日から休業に入りました。緊急事態宣言が発令された4月7日よりも前の出来事です。

それ以来メディア取材が殺到しました。ただ、休業に入った4月2日の朝に部下から「地鶏は育ち続けてるんですけどどうしましょう?」と聞かれて、大慌てでECを立ち上げて販売しました。そんな大切なことが抜け落ちてしまうほど必死の状況でしたね。

ECでは大きな売上を獲得し、営業再開後にさまざまな取り組みを進めてきましたが、そんな中、リサーチをしてみると認知度や利用度、利用意向などの数値が改善してきました。SNSでエゴサーチをすれば若い世代の方の「塚田農場っておいしいよね」という投稿を結構見つけられました。過去は30〜40代の会社員の男性をターゲットにしていましたが、実は思っているターゲットと違う層も狙うべきなのかもしれないと気づきました。

プロモーションの面では、お店探しをスマートフォンの中でやるようになったことにより何が起こっているかというと、同じ1万円でも洋服を買うのか、どこかに遠出するのか、お取り寄せをするのか、お寿司屋さんに行くのか、居酒屋に行くのかというように選択肢が広がっています。いわば、広い海に撒き餌をするような状況です。そんな中で「塚田農場にいこう!」と思ってもらうには、僕らからの深い情報を集中して受け止めたいという意志を盛ってくださっているお客様に、ちゃんと届けたいと思ってもなかなか難しいです。

また、第一波が明けた後くらいに過去からのヘビーユーザーに集まってもらってインタビューをしたのですが、「塚田農場はおいしい!!」「外さない!」と言ってきてくれている若い方、即ち我々が従来認識していたペルソナとは異なるタイプのお客様も多く、このような方の意見が聞こえてこなかったなということに気が付いていたことも、今回のオンラインコミュニティのオープンに繋がった部分でもあります。

佐藤さんに出会ったのが6月で、8月から商談して、9月に契約、11月にはプレローンチ、12月にはローンチというスケジュール感で進めてきまして、まだ1年も経っていないのですが、いい感じにお客様の声を拾えているなと感じています。

企業とお客様の双方向コミュニケーションを実現する組織体制

Asobica 佐藤:スピーディーに進めていただいて僕らも嬉しかったです。塚田農場さんは独特なチーム体制を取られているなと思っていて、こちらもお聞かせいただけますか?

塚田農場 野本様:しっかりとカスタマーサクセス担当がアサインされていて、毎週の定例会で課題解決の相談に乗ってくれています。毎回、僕も参加していて、他にWeb担当、SNS担当、広報担当、営業企画担当などが参加して進めていますね。お客様の声を拾っていくと、店舗のオペレーションや店舗側の意見、開発者の声を聞きたいという要望も出てくるので、商品開発のトップが恥ずかしがりつつも投稿してもらったりしています。情報発信と顧客理解の双方を考えるとあらゆるプロセスのスタッフが、オンラインコミュニティに携わっていくことが効果を最大化すると思っているので、トップの僕がコミットして、いろんなスタッフにも参加してもらっているという感じです。

Asobica 佐藤:ありがとうございます。ニップンさんはどのような体制で取り組まれていますか?

ニップン 三澤様:当社も営業担当や開発担当など含めたチーム体制で運営しています。自分の声を商品開発に活かしてほしいという熱量を感じながら、お客様の声を拝読しております。

Asobica 佐藤:お客様の声の中でもすぐに実行できることと、なかなか時間が掛かることもあるかと思いますので、見極めながら施策に反映していくということになりそうですね。

オンラインコミュニティを活用したお客様との共創

Asobica 佐藤:ルネサンスさんは、3社様の中では一番早くからコミュニティに取り組んでいらっしゃいます。お客様の声を業務に活かしていると伺いましたが、どのようにコミュニティを運営していらっしゃるでしょうか。

ルネサンス 則本様:お客様から「こういうのがあったら嬉しい」という投稿ができるカテゴリーを作っており、そこで集まった声や交流の中でいただいたお声をイベント・コンテンツ企画立案やサービス改善に活かしています。「トレーニングの動作をもっと詳しく知りたい」というお声から開発者によるトレーニングの解説動画を作成したり、「トレーナーに気軽に質問できる場が欲しい」というお声から、サイト内で仲間やトレーナー、管理栄養士に質問ができるQ&Aを設置しました。

また、「スポーツクラブでやらかした! という経験はありますか?」というお客様からの投稿には、「気づかずに女性エリアに入ってしまった」「土足禁止に気づかなかった」などのお声が集まりました。その中から「案内が分かりづらいポイント」をピックアップし店舗運営チームに連携するなど、「お客様の投稿を社内にフィードバックする」という取り組みも行っています。

ファンの声をもとに商品開発をしていきたいというのがかねてからの願いだったのですが、その第一弾として、PBプロテインの新フレーバーの開発を進めております。まずスポーツクラブ会員様全体に「PBプロテインの新フレーバーアイデア」募り、494件の応募がありました。フルーツ系やスウィーツ系など消費者視点のアイデアを幅広くいただくことができました。

6月には、オンラインコミュニティ参加者かつアイデアを応募してくださった方の中から抽選で6名の方に「オンライン試飲会」にご参加いただきました。事前に試飲セットを郵送しておき、当日はみんなで一緒に試飲しながら意見を出し合いました。皆さん、ルネサンスの社員なんじゃないかと思うほど真剣に意見を出していただいてとても有意義な時間になりました。

参加者からは、「まだ店舗のスタッフも知らないような開発段階で携われて嬉しかった」というお声や、「この過程を体験できたから自分が選んだフレーバーにならなくても納得できるし愛着があるので絶対買いたい」といったお声をいただきました。お客様と共創するってこういうことなのかと実感した取り組みになりました。

Asobica 佐藤:ルネサンスさんはまだお伝えできない仕込みも動いております。楽しみですね。続いてニップンさんお願いします。

ニップン 三澤様:当社の取り組み例として、お客様の声を反映したドレッシングの発売があります。過去の販売傾向から、最近は、シーザードレッシングやサウザンドレッシングのようなこってり系のドレッシングは作っていなかったんですね。取引先の方や社内から「健康志向のお客様はそんなもの求めてないでしょう」と言われてしまうと商品開発担当は言い返せなくて。

ところがお客様に座談会で聞いてみると、「いやいや、こってり系のドレッシングだって全然買う。ぜひ作ってほしい!」という話があり、この2023年春にフレンチ風クリーミードレッシングを発売しました。実際のお客様の声を具体的に説明できることで、自信をもって商品開発・提案できるようになりました。

またもう1つの事例として2022年8月に発売した商品のリニューアルに向けて、キャッチコピーをオンラインコミュニティ内で検討しました。α-リノレン酸が60%以上であることよりも、効能面を謳うキャッチコピーがダントツの人気を誇る結果となり、商品に反映されていく予定です。

Asobica 佐藤:まだまだお話を伺いたかったのですが、お時間がきてしまいました。本日はお三方ありがとうございました。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

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