BtoB・SaaS企業のコミュニティ担当者が話します!ユーザーカンファレンス サイボウズ様×オービックビジネスコンサルタント様 パネルディスカッション

2023-08-25 イベント

2023年2月17日に開催したオフラインイベント『ユーザーカンファレンス』では、サイボウズ株式会社の高橋様と、株式会社オービックビジネスコンサルタントの宮地様にご登壇いただき、株式会社Asobica取締役CCOの小父内信也氏がモデレーターを務め、導入企業様とパネルディスカッションを行いました。

今回イベントに参加できなかった方にもお楽しみいただけるよう、本レポートではイベントの内容をダイジェストでお届けします。

登壇者紹介

高橋諒様 サイボウズ株式会社 ファンコミュニティ推進部

2021年6月にサイボウズにキャリア入社。kintoneユーザー向けオンラインコミュニティ「キンコミ」や事業承継者×サイボウズを軸に、学びと仲間を得るコミュニティ「アトツギカイギ」などの運営に携わる。

宮地実里様 株式会社オービックビジネスコンサルタントマーケティング部 カスタマーサクセス推進室

2012年入社 サービス開発を経て、マーケティング部へ。パートナーコミュニティの立ち上げなど。パートナー・インストラクター支援に関する企画担当を行ったのち、2021年カスタマーサクセスの立ち上げを担当。

小父内信也 株式会社Asobica 取締役CCO

ファンマーケティング/コミュニティのスペシャリスト。2005年、大手電子機器メーカーへ入社。その後、中小企業診断士を取得。2010年、創業初期の名刺管理システムを提供するSansan株式会社に入社。全社MVPの受賞、最年少での幹部への昇格を経験。約7年のデータ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。2019年に株式会社Asobicaに取締役CCOとして参画。これまで約100社のファンコミュニティの立ち上げ、および支援に携わる。

イントロダクション

サイボウズ株式会社様のコミュニティ概要

サイボウズ様は、クラウドベースのグループウェアや業務改善のサービスを軸に、「社会のチームワーク向上」を支援しています。業務改善プラットフォーム「kintone」のユーザー向けに、サービスのナレッジをシェアする場所として、コミュニティを展開しております。

https://kincom.cybozu.co.jp/

キンコミは昨年2周年を迎え、閲覧数の増加や、オフラインイベントでの露出など、日に日に拡大しています。

オービックビジネスコンサルタント様のコミュニティ概要

オービックビジネスコンサルタント(以下OBC)様は、奉行クラウドを中心とした、複数のサービスを運営しています。

複数のサービスを運営する中で、顧客企業がスムーズなオンボーディングを行える様に、ポータルサイトとしてcoorumを活用いただいています。それではよろしくお願いいたします。

coorumを始めたきっかけと目的

サイボウズの顧客にコミュニティを通じて手を差し伸べたかった

小父内:本日はお忙しい中ご参加いただきありがとうございます!サイボウズさんから、ファンコミュニティを始めた目的と実感を教えて下さい。

高橋様:サイボウズのファンコミュニティ推進部の高橋と申します。よろしくお願いいたします。kintoneは企業様ごとにカスタマイズができる、業務改善のクラウドサービスです。サイボウズでは、エコシステムを重視しており、パートナーさんとの連携や、ファン作りを重視しています。

おかげさまで、今では多くの方にkintoneをご利用いただいている一方で、kintoneは導入したばかりのお客様にとっては、製品利用のハードルが高い可能性があることは認識していました。なので、そういう方々に対して、コミュニティを通じて、「手を差し伸べる」ことができるのではないかと思い、オンラインコミュニティを立ち上げました。

小父内:「手を差し伸べる」って、とてもいい言葉ですね。

本来なら独自化してしまうナレッジを、キンコミのファンコミュニティの皆さんが、お互いに提供しあっている姿がとても印象的です。

カスタマイズ性が高いサービスだからこそ、ファンコミュニティを活用したサポートも注力されてますよね。後ほど詳しくお伺いさせていただきます。

OBCの顧客のオンボーディングに寄り添いたかった

小父内:OBCさんのコミュニティを始めた目的と実感も伺ってもよろしいでしょうか?

宮地様:株式会社オービックビジネスコンサルタントの宮地と申します。よろしくお願いいたします。カンペのようなものが何もないので、思ったことを話させていただければと思います。(笑)

ファンコミュニティを始めた目的は、オンボーディングの重要性に改めて気が付き、それをより多くのお客様に届けることです。弊社は創業してから40年程が経過しました。
現在は、『勘定奉行クラウド』をはじめとした基幹業務のSaaSサービスを20サービス以上展開しています。サブスクリプションビジネスをしていく中で、離脱されてるお客様はどの様な人か注目すると、数%いる離脱ユーザーのうち、約7割が、1〜2年で辞めている方が占めていることが分かりました。
その理由を考え、サービスを上手く利用できずに、諦めてしまうことが原因であると気がつきました。
オンボーディングの重要性に改めて気がつくと共に、ハイタッチだけではなく、いかに多くのお客様に多くの情報を提供できるかをという観点から、
Asobicaのコミュニティサービスを使い始めました。1対1ではなく、1対Nに対して、どうやって稼働に導けるか、そして今は定着、いかにお客様がサービスを使いこなしていただけるかということを日々考えています。

小父内:ありがとうございます。1対1のハイタッチではなく、ファンコミュニティという環境で多くのお客様に、多くの情報を伝えて定着率を上げる対策は、多くのB to B企業様が参考にしたい事例だと思います。

コミュニティを始めた実感

coorumは全ての機能が「顧客中心」に構築されている

小父内:OBCさんはcoorumの機能をフル活用していただいてるイメージがありますが、coorumを利用する中で特にいいなと感じている部分を教えてください。

宮地様:やはり、ビジョンに共感してる部分だと思います。coorumは「顧客を中心のコミュニケーションを」という考えから、全ての機能が作られていて、そこが非常に素晴らしいと考えています。全てのリリースされた機能は、そのビジョンを軸に作られてるので、全て使いたくなっちゃいます。

宮地様:その中で、最近素晴らしいと思ったのは独自LPです。OBCのコミュニティは、ユーザーさんがログインしないと、コンテンツが見れない仕組みになっています。そのため、ログインしてもらわないと、コミュニケーションが始まりません。独自LPが、コミュニケーションのきっかけを作り出してくれます。

小父内:確かにそうですね。OBCさんは、クローズのコミュニティになっています。クローズドな世界の入口をオープンな場所に作ることができるという意味でも、独自LPはとてもいい機能ですね。

コミュニティが製品活用に寄与している

小父内:サイボウズさんのファンコミュニティは、逆にオープンですね。最近、多くの非会員ユーザーの方が、キンコミさんに入ってきてくれるっていうお話を聞いたんですけど、何かそのあたりの効果は感じられていますか。

高橋様:Web検索で流入してくださる方は、ここ1年で2倍以上に増えました。kintoneはカスタマイズ性の高い製品なので、お客様自身でカスタマイズして頂かないといけない様々な作業があります。その中で、課題や分からないことが出てきたときに、キンコミに来ていただくという流れができています。キンコミは活用のヒントがある場所だと思っていただけているのかなと。

小父内:ありがとうございます。僕は「ファンコミュニティは帰る場所」だと思っています。サービスの中に帰る場所がある。そこへ行けば、何かヒントを得られる、何か支えてくれる、そんな場所だと考えています。

サイボウズさんは、会社としてオフラインのユーザー向け施策を盛んに実施されている印象です。それらのオフラインの施策と、キンコミの掛け合わせは、どのように意識されていますか。

高橋様:おっしゃる通り、サイボウズではイベント開催が盛んです。コミュニティを運営する上で、ユーザーさんが輝く舞台を作ることも、一つの役割だと思っています。

コアに活動してくださるユーザーさんに、「どうして発信してくださるんですか?」と聞くと、ユーザーさん自身が、発信することをメリットとして感じてくれていることが分かりました。自分が発信することで、頭の中の整理になったり、新しい繋がりができたりする。そういう新しい発見や繋がりができるから、発信する。その様に言ってくださるユーザーさんが、少しずつ増えてきています。

その様なユーザーさんが、更に発信したくなったり、ユーザー同士がつながったりできるような舞台を、我々はオンラインやオフラインのイベントと絡めて作っています。

小父内:サイボウズさんは、オンラインとオフラインの接続が、とても上手ですね。オンオフラインを絡めて顧客体験を向上させ「お客様が輝く場所」を作る。やはりお客様との向き合いを、ずっとされてきた会社だなと感じています。

コミュニティ世界の入口としてのキンコミ

小父内:なにかお二人同士で、ご質問とかありますか。

宮地様:kintoneのコミュニティって様々あると思っています。今までのコミュニティでも、十分成り立ってたように感じたのですが、なぜあえてキンコミを立ち上げたのか、教えて頂きたいです。

高橋様:仰るように、kintoneに関連するコミュニティは沢山あります。キンコミには、それらのコミュニティ世界の入り口として機能したいという目的があります。

コミュニティは初めての方にとっては、少しハードルが高いものかもしれません。しかしキンコミでは「いいね一つでもアクションですよ」とお伝えしています。低いハードルでコミュニティを始められる、キンコミにはそのような役割があると考えています。

なので、キンコミはオープンなコミュニティという形でオープンしました。

小父内:ありがとうございます。気軽に多くのお客様にファンコミュニティへ来てもらう、そして交流していただくことは、とても大切ですね。ファンコミュニティは誰しもが交流して支え合える場所、「いいね一つもアクション」という言葉は、それを体現していると思います。

OBCのクローズドコミュニティの接点としての独自LP機能

小父内:サイボウズさんはなにか、OBCさんに聞きたいことはございますか。

高橋様: はい。先ほどの独自LPのお話ですが、独自LPはどのような用途で使われているんですか。

宮地様: ありがとうございます。弊社のサービスは、kintoneと同じ様に、カスタマイズできるという機能を提供しています。

しかし、1からカスタマイズをお客様自身で行うことはとても大変で、テンプレートがないとお客様が使い始められないという課題も存在します。その中で、テンプレートの存在をどの様にお客さんに認知してもらうか、課題感を抱えていました。

OBCのコミュニティはクローズドになっています。しかし独自LPを通じてテンプレートをオープンで公開する。そしてテンプレートをいざ使おうとしたときに、初めてクローズドの世界に入っていく流れをイメージしています。先ほど「入り口」というお話がありましたが、まさにコミュニティへの「入り口」として、独自LPをイメージしています。

小父内:ありがとうございます。多くのお客様にファンコミュニティへ参加してもらう。そのための導線がしっかりと確保されていることはとても大切ですね。

小父内:お二人とも貴重なお話をありがとうございます。

coorumをサイボウズさんやOBCさんの様なB to B企業に利用していただいている理由は、オンボーディングへ活用できることと、顧客同士の互助が生まれることですね。企業サービスを使い始めたばかりの方は、コミュニティ内のオンボーディングコンテンツを通じて、何をすればいいのか全て分かります。その中でナレッジが溜まっていき、ユーザー同士がそれらを共有することでお互いを支え合っていくようになるということですね。

本日は本当にありがとうございました。他の企業さんの参考になれば幸いです。

cxin

株式会社Asobica cxin編集部。
コミュニティやファンマーケティングに関するノウハウから、コミュニティの第一人者へのインタビュー記事などを発信。

関連記事

顧客起点マーケティングを実施するなら

ロイヤル顧客プラットフォームcoorum

ユーザーコミュニティ施策に関するお問い合わせやご検討中の方はお気軽に資料請求下さい。

a

This will close in 20 seconds